作品一覧

  • 穏やかな死者たち シャーリイ・ジャクスン・トリビュート
    4.0
    『丘の屋敷』『ずっとお城で暮らしてる』『処刑人』「くじ」など数々の名作を遺した鬼才シャーリイ・ジャクスン。日常に潜む不安と恐怖、目には見えない邪悪な超自然的存在との出会いや家族間の複雑な関係、人間心理の奥底に流れる悪意を鮮やかな筆致でえぐりだした彼女に敬意を表し、ケリー・リンク、ジョイス・キャロル・オーツ、ジェフリー・フォード、エリザベス・ハンドら当代の錚々たる幻想文学の名手たちが書き下ろした傑作18編を収録する、珠玉のトリビュート・アンソロジー。シャーリイ・ジャクスン賞特別賞、ブラム・ストーカー賞受賞作。/【目次】序文=エレン・ダトロウ/弔いの鳥=M・リッカート/所有者直販物件=エリザベス・ハンド/深い森の中で――そこでは光が違う=ショーニン・マグワイア/百マイルと一マイル=カルメン・マリア・マチャード/穏やかな死者たち=カッサンドラ・コー/生き物のようなもの=ジョン・ランガン/冥銭=カレン・ヒューラー/鬼女=ベンジャミン・パーシィ/ご自由にお持ちください=ジョイス・キャロル・オーツ/パリへの旅=リチャード・キャドリー/パーティー=ポール・トレンブレイ/精錬所への道=スティーヴン・グレアム・ジョーンズ/柵の出入り口=ジェフリー・フォード/苦悩の梨=ジェマ・ファイルズ/晩餐=ジョシュ・マラーマン/遅かれ早かれあなたの奥さんは……=ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン/抜き足差し足=レアード・バロン/スキンダーのヴェール=ケリー・リンク/謝辞/解説=深緑野分/編者紹介/訳者紹介
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選
    4.0
    アコースティックギターの調べは、ぼくの目の前に金色の雨として現われる。指で絹をなでたときには、レモンメレンゲの風味とねっとりした感触を舌に感じる。ぼくは「共感覚」と呼ばれるものの持ち主だった――コーヒー味を通してのみ互いを認識できる少年と少女の交流を描くネビュラ賞受賞作「アイスクリーム帝国」、エミリー・ディキンスンが死神の依頼を受けて詩を書くべく奮闘する「恐怖譚」、マッドサイエンティストが瓶の中につくりあげたメトロポリスの物語「ダルサリー」、町に残される奇妙なしるしに潜む魔術的陰謀を孤独な男女が追う表題作ほか、繊細な技巧と大胆な奇想に彩られた全十四篇を収録する。/【目次】アイスクリーム帝国/マルシュージアンのゾンビ/トレンティーノさんの息子/タイムマニア/恐怖譚/本棚遠征隊/最後の三角形/ナイト・ウィスキー/星椋鳥(ほしむくどり)の群翔/ダルサリー/エクソスケルトン・タウン/ロボット将軍の第七の表情/ばらばらになった運命機械/イーリン=オク年代記/編訳者あとがき
  • いまファンタジーにできること
    4.5
    1巻1,089円 (税込)
    『指輪物語』『ドリトル先生物語』『少年キム』『黒馬物語』など名作の読み方や、ファンタジーの可能性を追求する評論集。「子どもの本の動物たち」「ピータラビット再読」など。
  • ラウィーニア
    4.4
    1巻1,540円 (税込)
    トロイア滅亡後の英雄の遍歴を描く『アエネーイス』に想を得て、英雄の妻を主人公にローマ建国の伝説を語り直した壮大な愛の物語。『ゲド戦記』著者が古代に生きる女性を生き生きと描く晩年の傑作長篇。
  • 万物創生をはじめよう――私的VR事始
    4.3
    1巻3,960円 (税込)
    平凡な会社員の生活がバーチャルリアリティ(VR)空間と現実世界にまたがる──こんな時代の到来を、40年前に誰が確信していただろう……この人以外に。第一次VRブームの立役者であるラニアーが、VRの来歴と次世代への展望を(意外にも初めて)書き尽くした真骨頂の一冊。人間とVRの関係の本質について、先駆者ならではの思索を綴る。異能の者たち(男性ばかりではない)がひしめく80年代~90年代初頭のシリコンバレーの情景も、アップルやマイクロソフトのようなIT覇者とは異なる視点からいきいきと振り返る。VRは人間の“主観”に軸足を置くテクノロジーだ。個人が主観的に経験している世界全体(いわば環世界)を拡張し、他人のそれと融け合わせることさえ可能にする。本書が語るその体験はまるで楽器の演奏のように身体的で、人間とは何かを再確認させ、考えさせる。ラニアーはVR史の最初期からそこに未来を見ていた稀代のプロモーターだった。この型破りな本の中には、どんな読者にとっても、VRだけでなくテクノロジー全般への認識を塗り変えられるような発見があるだろう。ニューメキシコの砂漠の隅っこにドームの自宅を建てた少年としてはじまる著者のキャリアは、文句なしに非凡でおもしろい。徒手空拳のエンジニアたちがガレージでイノベーションを生み出していた、かつてのアメリカの底力を体現している。
  • 暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて ル=グウィンのエッセイ
    4.0
    1巻2,640円 (税込)
    美しい自然や動植物、文学、音楽から、軍服、罵り言葉、愛猫パードまで。「アメリカSFの女王」が、自らの人生経験をふまえて繊細かつ奔放に綴った2010年代のエッセイを集成。
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選
    4.2
    かつて、野良仕事に駆り出される子どもたちのために用意された架空の友人(イマジナリー・フレンド)、言葉人形。それはある恐ろしい出来事から廃れ、今ではこの小さな博物館にのみ名残を留めている――表題作ほか、大学都市の展望台で孤独に光の研究に励む科学者の実験台として連れてこられた少女の運命を綴る「理性の夢」、世界から見捨てられた者たちが身を寄せる幻影の王国が、王妃の死から儚く崩壊してゆく「レパラータ宮殿にて」など、世界幻想文学大賞、シャーリイ・ジャクスン賞、ネビュラ賞、アメリカ探偵作家クラブ賞など数々の賞の受賞歴を誇る、現代幻想小説の巨匠の真骨頂ともいうべき13篇を収録。【収録作】「創造」/「ファンタジー作家の助手」/「〈熱帯〉の一夜」/「光の巨匠」/「湖底の下で」/「私の分身の分身は私の分身ではありません」/「言葉人形」/「理性の夢」/「夢見る風」/「珊瑚の心臓(コーラル・ハート)」/「マンティコアの魔法」/「巨人国」/「レパラータ宮殿にて」/編訳者あとがき
  • ヴォイス 西のはての年代記II
    4.6
    1巻1,045円 (税込)
    〈西のはて〉を舞台にした、ル=グウィンのファンタジーシリーズ第二作!文字を邪悪なものとする禁書の地で、少女メマーは一族の館に本が隠されていることを知り、当主からひそかに教育を受ける――。
  • ギフト 西のはての年代記I
    4.0
    1巻1,078円 (税込)
    ル=グウィンが描く、〈ゲド戦記〉以来のYAファンタジーシリーズ第一作!〈ギフト〉と呼ばれる不思議な能力を受け継いだ少年オレックは、強すぎる力を持つ恐るべき者として父親に目を封印される――。
  • パワー 上 西のはての年代記III
    4.3
    1~2巻935~1,078円 (税込)
    〈西のはて〉を舞台にしたファンタジーシリーズ第三作!少年奴隷ガヴィアには、たぐいまれな記憶力と、不思議な幻を見る力が備わっていた――。ル=グウィンがたどり着いた物語の極致。ネビュラ賞受賞。
  • すてきなショータイム 炎のとき I
    -
    強引でセクシーな彼は、人気のストリッパー。その見事な体がエミリーの心を惑わせる。■エミリーは、夜の盛り場にはまるでそぐわないお嬢様だった。ある目的のために、ホームレスの人から服を借りて着てきたが、うまく装えたと思っているのは本人だけだった。たちまちトラブルに巻き込まれ、居合わせた警官に救われる始末。その警官は、こんなところにいてはいけないと言ってエミリーの手を無理やりひっぱっていった。そして、なぜか彼女を音楽が鳴り響く妙な店に連れていき、カウンターに座らせ、じっとしていろと命令する。すぐにフロアにスポットライトが当たり、歓声があがった。ライトの中央に立った警官はジャケットを脱ぎ、ズボンを下ろし……。エミリーはようやく気づいた――この人は警官なんかじゃない。警官の衣装をつけたストリッパーだったのだ。唖然としながらもエミリーの目は彼に釘づけだった。こんな人は初めてだわ……。

ユーザーレビュー

  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    作品紹介・あらすじ

    かつて野良仕事に駆り出された子どもたちの為に用意された架空の友人、言葉人形。それはある恐ろしい出来事から廃れ、今ではこの博物館の片隅にその名残を留めている――表題作ほか、光と星の秘密を追う研究者の実験台となった無垢な娘の運命を綴る残酷な幻想譚「理性の夢」、世界から見捨てられた者たちが身を寄せる幻影の王国が、少女王妃の死から儚く崩壊してゆく「レパラータ宮殿にて」など、世界幻想文学大賞、シャーリイ・ジャクスン賞、ネビュラ賞、MWAなど、数々の賞の受賞歴を誇る、現代幻想小説の巨匠の真骨頂ともいうべき13篇を収録。

    *****

    ジェフリー・フォードを読むのは二冊目。本書の後に

    0
    2025年11月06日
  • いまファンタジーにできること

    Posted by ブクログ

    これを読んで、ますますルグウィンを好きになった。

    優れた小説に書く際に必要なのは、直接的な体験とことばを紡ぐ技だった。

    ルグウィンはファンタジーの匠である前に、文体の魔術師。

    0
    2025年10月18日
  • 暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて ル=グウィンのエッセイ

    Posted by ブクログ

    アーシュラがブログを始めたのは80歳を過ぎてから。本書はそのうち43篇を収める。
    暇潰しのブログエッセイではない。歳をとるほどにno time to spare、しなくちゃいけないこと・考えるべきことはたくさんある。
    どのエッセイもよく練られ、ユーモアを湛え、ウィットに富む。若い頃に書かれたエッセイが見劣りするほどだ。夫チャールズや猫のパードも登場し、アーシュラの日常も身近に感じられる。

    0
    2025年05月02日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すごく充実した短編集。1編ごと味わって読んだ。幻想的かつ奇想溢れる作品が多く、SF、ファンタジー、ホラー、ミステリのジャンルに寄って厳選されている。海外の短編は読み飛ばさず余韻も含めて時間かけて読むのが吉と思ってるが、本作は特にそう。それぞれが宝石のような彩を放っていて、短編ならではの濃密な世界が味わえる。ダルサリー、本棚遠征隊、アイスクリーム帝国などが気に入ってる。フォードの短編集はもう1冊あってこちらはファンタジー寄りらしいが楽しみ。

    0
    2025年04月08日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ジェフリー・フォードの短編集その1。評判の良い「最後の三角形」が読みたくて、まずはこちらから。

    非常に幻想味の強い作品が多く。ただ、それでも魅力的なストーリー展開の作品ばかり(いくつかは本当に訳がわからなくて、うーんていうのもあったけど。。。)。

    以下、作品ごとの感想。

    ◯創造
    木の枝や実で人形を作ると翌日にはいなくなっていた。生命を創造してしまったと考える少年の話。ラストの父との余韻が非常に良い。

    ◯ファンタジー作家の助手
    有名なファンタジー作家の助手となった女の子の話。作家の妄想か、彼女の妄想か。本の世界が具現化する。終わってみれば、優しさに溢れた世界。

    ◯〈熱帯〉の一夜 ★おす

    0
    2024年07月30日

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