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Posted by ブクログ
ル=グウィンといえばゲド戦記だろうけれど、「ギフト」シリーズも好きです。
「ギフト」と呼ばれる能力を受け継ぐ領主が治める世界。
主人公の少年オレックは領主の跡継ぎでありながら、その能力がなく……。
ル=グウィンの描写にはいつも圧倒されます。
私たちの前に見せてくれる物語の世界もそこに息づく人間も、力強さと確かさを持って現れてきて、引き込まれてしまいます。
自分の存在に苦悩するオレックの幼馴染みの少女グライが、とてもいいキャラクター。彼女の強さに救われるのはオレックだけでなくて読者もそうなんじゃないかと。
物語の世界に酔いたい方にとてもおすすめです。
Posted by ブクログ
ハイ・ファンタジー。
三部作です。ギフト、ヴォイス、パワー。ハードカバーでどうだったか確認してませんが、購入した河出文庫版では、パワーだけ上下巻になっていて、合計4冊。
まさにこういうファンタジーを読みたかったのだ、という異世界ファンタジーでした。生きているうちに出会えたことを感謝したい。ル・グウィンはゲド戦記から入って、SF作品を中心に読みすすめてきましたが、この作品がまちがいなくいちばん好きです。
第一部は、西のはての高地を舞台にはじまります。その辺境の地に住む人々がもつ特別な魔法、「ギフト」。誰でもそれがつかえるわけではなくて、その力を持った人々が、そうでない人々を農奴として抱えて、貧しい土地で暮らしている。
その中でも、とりわけ恐ろしいギフトをもった一族に、主人公は生まれる。一人息子である彼は、父親から受け継いだはずのギフトを、なかなか発現させることができず、その期待にこたえられないことに悩んでいた。だがある日、恐ろしい形でそれは発現し、彼は自分の制御できない力に怯えて暮らすことになる……
第二部以降は主人公を変えつつ(第一部の主人公も重要なキーパーソンとして登場しますが)、それぞれの目を通して、ひとつの世界が描かれている。その世界と、そこに暮らす人々の、血の通っていることといったら! 魔法や風土や、文化や歴史や信仰が、人々の生活に密着して活き活きと描かれて、なおかつそれが、壮大で魅力的なストーリーと絡み合っている。
異世界ファンタジーがお好きな方で、もし未読の方がいらっしゃったら、ぜひとも読んでいただきたいシリーズです。
Posted by ブクログ
子どもの頃から
ハイファンタジーをあまり好まなかったので、
児童書の中で、1番、腰の上がらないジャンル。
読もうと思ってから、数年経過し・・・
ようやく手に取りました。
前半の回想部分(というか、すべて回想なのだけど)の、
部族の名前やら、その力やら、地名やらが、頭に入らず、進まず、
こんなに読解力なかったっけ?と思いながら、
読むのをやめなかったのは、ひとえに、ル・グウィンへの信頼ゆえ。
そうこうしているうちに、半分も過ぎた頃には、
いつのまにか、ひきこまれ、大きな満足とともに、読み終えました。
さすが。
もうちょっと、わかりやすい地図とか
登場部族の説明とかが、巻頭にあればなあ・・・
次もおもしろいことはわかっているので、
読みたいのだけど、いったん腰をおろしてしまうと、
また、なかなか上がりません。
Posted by ブクログ
ゲド戦記以来、何年経ったのかわからないけど、ひさびさにル=グウィンの新作が児童書コーナーに並んでいるのを見つけたときは興奮した。
「早く文庫になれ」と念じてたら、文庫になったので、さっそく購入。
既存の価値観に立ち向かうル=グウィン。ゲド戦記は、海と島に、黒い肌の人々たちが暮らす世界だった。今回は、「西の果て」が舞台。
これはヨーロッパがモチーフかなあ。
『ギフト』では、西の果てのなかでも、「高地」という貧しい場所が舞台になっている。海と島ではなく、陸地を舞台に選びながらも、やはり「辺境」を感じさせる物語は、ル=グウィンだなあと思う。
「低地」の人々が半ば伝説に「魔法使いの住むところ」と言う「高地」で、魔法ならぬ『ギフト』を操る人々の物語。
しかし、ギフトを描く物語でありながら、そのギフトが発揮される場面は少なく、そして、最後まで決定的に重要な役目は果たさない。
それでも、緊迫した物語の展開に、一気に読めてしまう。
このあたりは、まことに名手の筆。
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