ちくま学芸文庫の検索結果

  • 中世賤民の宇宙 ──ヨーロッパ原点への旅
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,397円 (税込)
    差別はどこから生まれてくるのだろうか? ヨーロッパにも職業差別・身分差別は存在したのだろうか? 本書は、『ハーメルンの笛吹き男』で西洋中世の被差別民の存在に初めて光をあてた著者が、賎視と身分差別の問題に正面から取り組んだ、阿部史学の代表的著作である。西洋中世において、キリスト教の浸透による時空観念の一元化と死生観の転換によって、畏怖の対象であった職業を賎視するようになる過程を考察する。「ヨーロッパ中世賎民成立論」のほか「ヨーロッパ・原点への旅」「死者の社会史」等も収め、“小宇宙”と“大宇宙”をキーワードに西洋中世の人々の心的構造の核に迫る。
  • ユダヤ古代誌1
    ビジネス・実用
    4.5
    1~6巻1,397~1,716円 (税込)
    ヨーロッパのキリスト教徒や知識人たちにもっとも広く読まれてきた『ユダヤ古代誌』。天地創造から説き起こし、紀元後66年のユダヤ戦争直前までの記述で終わる全20巻は、ヨセフスが敗軍の指揮官のひとりとしてローマに降ったのち、皇帝の厚遇のもとに書かれた。政治的には親ローマ派であり、思想的にはユダヤ教、ユダヤ文化の弁護者であったヨセフスの大著は、ユダヤ史を知るうえできわめて貴重な史料であるばかりでなく、イエスと同時代の散逸した記述を数多く含む文献として、キリスト教徒たちの関心をひきつけてきた。原著1~4巻までを収める文庫版第1巻は、天地創造からアブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフをへてモーセの事蹟に言及する。
  • 思想の中の数学的構造
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,496円 (税込)
    レヴィ=ストロースが“発見”した親族の基本構造は、まさに現代数学の「群論」そのものであった。それは20世紀の構造主義が、ヨーロッパの正統の流れを、すなわち古代ギリシアにおける思弁と数学の幸福な結合を、現代に“再発見”したことを意味した。そこから見えてくるものは何か。プラトンのイデア数、ライプニッツの予定調和説、カントの認識論、ヘーゲルの解析学/歴史観、ニーチェやオルテガの遠近法主義、フッサールの現象学、さらに、中国周代の易に見る二進法、孟子における階級と関数概念など、精緻な数学的アプローチと該博な知見から生みだされた、ユニークな比較思想史的論考。
  • 内的時間意識の現象学
    現代哲学、思想、そして科学にも大きな影響を及ぼしている名著の新訳。フッサールの現象学はなによりも学問の基礎づけを目指すが、その際「いちばん根底に横たわる」問題が時間である。時間は一瞬で流れ去るのに、多くのものはなぜ持続的に「存在する」ということが可能なのか。フッサールは、「客観的時間」というものへの信憑を括弧に入れて、それが意識のなかでどのように構成されるのかを解明する。そして、時間を構成する意識それ自体が時間のなかに現れてくるという根本的な事態に光を当て、「意識の壮大な生体解剖」を行う。詳密な訳註と解説を付し、初心者の理解を助ける。
  • 監督 小津安二郎〔増補決定版〕
    「残された作品の画面に何が具体的に見えるか、そしてそのイメージが、見るもののフィルム的感性をどのように刺激するかを論じてみたい。つまり、現実のフィルム体験として生きうる限りの小津安二郎の作品について語ってみたいと思う」(本書序章より)。人々がとらわれている小津的なるものの神話から瞳を解き放ち、その映画の魅力の真の動因に迫る画期的著作。本文庫は、小津の生誕百年(2003年)を機に旧版へ三章を増補した決定版である。名キャメラマン厚田雄春と『美人哀愁』の主演女優井上雪子へのインタヴューほかを併録。
  • 確率論入門
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,397円 (税込)
    確率をめぐる数学的考察は、賭け事に関してパスカルとフェルマが交わした往復書簡に始まると言われる。組み合わせの概念に基づく古典的確率論は、20世紀になるとボレルやコルモゴロフの手により、集合論に基礎づけられた「現代数学」へと大きく飛躍した。本書はその確率論の古典と現代とを橋渡しする目的で書かれており、トランプやサイコロ投げといった初歩的な具体例を豊富に示しつつ、抽象的な数式の意味を読者にわかりやすく説く。高校数学で習う確率を、より深く学び直すことのできる入門書。
  • シャボテン幻想
    小説・文芸
    4.5
    1巻1,067円 (税込)
    「シャボテンは、──この不思議な植物は、それが生えていた砂漠の、人煙絶えたはるかかなたの世界の孤独を、一本々々影ひいて持って来ている。雲もなく晴れて刳れた空の下の、ただ焼け石と砂ばかりの世界に、淋しく乾いた音をたてて風が吹き抜けている」作家・龍膽寺雄は小説執筆の傍らシャボテン栽培に打込み、世界的な研究者となった。多くの入門書、専門書、写真集を刊行したが、中でも本書はシャボテンへの偏愛が横溢した随想集で、彼の説く「荒涼の美学」、「寂寥の哲学」はいまだ多くの愛好家を惹きつけてやまない。
  • イメージの歴史
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,716円 (税込)
    有名芸術家の名作はもとより、版画や挿絵、広告や記念碑に至るまで、美術作品が、何のために、どのように描かれてきたか──それが「イメージの歴史」だ。ここではさまざまな学問領域を自由に往来し、ポスト・コロニアル的かつジェンダー的な視線で従来の美術史を書き換える。絵画と社会のかかわりや画像の解釈方法などの理論を踏まえ、さらに西欧文化が繰り返し描いてきたイメージにメスを入れ、その精神的・社会的な背景を明らかにする。レイプを描き続けたのはなぜか、新しい政治形態はどのような画像を生んだか──人間の想像力に新たな光を当てる美術史の誕生。
  • 日本陸軍と中国 ──「支那通」にみる夢と蹉跌
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,287円 (税込)
    中国スペシャリストとして、戦前の対中外交を率いた陸軍「支那通」。その代表的人物・佐々木到一は、孫文はじめ中国国民党の要人と深い親交を結び、第二次北伐に際しては国民革命軍にも従軍した。しかし、その後、支那事変(日中戦争)では南京攻略戦に参加して、いわゆる南京「虐殺」の当事者となり、戦後、激しい批判にさらされることになる。革命に共感を寄せ、日中提携を夢見た彼らが、結果としてなぜ泥沼の支那事変へと両国を導くことになったのか。われわれは、どこで道を誤ってしまったのか? 「支那通」の思想と行動を通して、戦前の日中関係の深層に迫る。
  • 自己・あいだ・時間 ──現象学的精神病理学
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,716円 (税込)
    精神の病態を一時的な疾患としてではなく人生全体の示す歴史的な歩みとして位置づけ、独自の思想を重ねてきた著者の代表的論考のかずかず。自己と他者の「あいだ」の病態として捉えられてきた分裂病を、「時間」の病態として、現象学的な思索を展開する。とりわけ鬱病者の“あとのまつり”的体制に対し、分裂病者が“前夜祭”的な時間体制をもつという新しい構図は世界的に大きな波紋を広げた。他者や世界との「あいだ」、自己自身との「あいだ」の歴史性における患者の生のあり方を追究した本書は、精神病理学と哲学を自由に横断する独創的な学問的達成であるといえよう。
  • 維新の夢 ──渡辺京二コレクション1 史論
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,606円 (税込)
    『逝きし世の面影』の著者渡辺京二は、日本近代史の考察に、生活民の意識を対置し、一石を投じてきた思想家である。その眼差しは表層のジャーナリズムが消費する言説の対極にある。本巻には、西欧的な市民社会の論理では割り切ることのできない、大衆の生活意識にわだかまる「ナショナル」なものを追求した「ナショナリズムの暗底」、明治国家への最大の抵抗者としての西郷隆盛を常識的定説から救抜する「逆説としての明治十年戦争」、北一輝と日本近代の基本的逆説の関連を問う「北一輝問題」など、日本近代史を根底から捉え返すことを試みた論考を集成する。
  • 明治国家の終焉 ──一九〇〇年体制の崩壊
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,067円 (税込)
    「1900年体制」とは、官僚閥の桂太郎と議会第一党・政友会の原敬によって構築された協調体制である。それは日露戦争後の金融界・産業界・都市部住民の主張を制限し、陸海軍と農村地主の利益を最優先しようとするものだった。ところが、軍部は陸軍と海軍に、官僚は大蔵と内務・鉄道院に、与党は積極財政派と行財政整理派に分裂し、野党・立憲国民党を巻き込んで政界は四分五裂に陥る。「民衆運動」もそれに共振し、統治システムの再編は迷走を続けた。「1955年体制」の崩壊を通奏低音としながら、予算問題の政治対立に焦点を当て、近代日本の臨界点となった「大正政変」の軌跡をたどる。
  • ケガレの民俗誌 ――差別の文化的要因
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,287円 (税込)
    被差別部落の白山信仰、血穢の性差別、非常民の世界、民俗概念としてのケガレ。これまで日本民俗学が避けてきた問題、ケガレと差別の底に潜むものは何か。ハレ・ケ・ケガレの民間信仰の意識構造のなかで、ケガレが不浄なるものへと変化する過程を究明し、経血にまつわる女性差別の要因である血穢の虚構をあばく。また、死穢というもっとも大きな不浄観はどのような時空間で発生するのかなど、その基底にある民俗儀礼の奥底を明らかにする。ケガレとはたんなる汚穢ではなく、ハレを喚起する力なのだ。日本民俗の深層に根付いている不浄なる観念と差別の問題を考察した先駆的名著。
  • 自由の哲学
    「外なる世界と内なる世界、外なる法則性と内なる道徳性との間に横たわる深淵は、ただ自由な魂だけがこれに橋をかけることができる」(本書「あとがき」より)。刊行後100年以上経つ現在も、まばゆい光芒を放ち続ける、シュタイナー全業績の礎をなしている認識論哲学。社会の中で否応なしに生きざるを得ない個としての人間は、個人の究極の自由をどこに見出すことができるのか。また、思考の働きは人類に何をもたらすのか。シュタイナー四大主著の一冊。
  • 数学文章作法 推敲編
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,023円 (税込)
    どういうポイントに気をつければ読者の迷いや誤解を生まない文章になるのか、作業はどのように進めれば良いのか。入門書を多数執筆し、読みやすさに定評のある著者が日頃実践しているノウハウを惜しみなく公開。『数学文章作法』シリーズ第2弾。
  • 琉球の時代 ――大いなる歴史像を求めて
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,397円 (税込)
    いまだ多くの謎に包まれた古琉球王国。歴史をひもといてみると、壮大な交易ルートを通じて築き上げた華やかな文化を誇っていた。中国、マラッカやポルトガル等、海外の文書に記された当時の王国の姿などを参考にしながら、その栄光と悲劇の歴史ドラマにわけいる。沖縄独自の文化と世界像に新たな光をあてた歴史的名著。
  • スペインを追われたユダヤ人 ――マラーノの足跡を訪ねて
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,430円 (税込)
    15世紀末、カトリック・スペインはイスラム勢力を一掃するとともに、ユダヤ人の追放を決定した。全ヨーロッパへ四散するユダヤ人たち。しかし、その多くは改宗の道を選ぶ。彼らは「マラーノ」(豚)と蔑まれながら、異端審問の恐怖と迫害に耐えていった。そもそも固有の領土を持たないユダヤ人が、自己をも否認するという《二重の否定性》――「マラーノ性」は精神の奥深く刻印される。彼らの足跡を辿り、マラーノ精神の体現者スピノザ、マン、カネッティを語る壮大な精神史の試み。
  • モーセと一神教
    フロイトはその最晩年、自身の民族文化の淵源たるユダヤ教に感じてきた居心地の悪さに対峙する。それは、〈エス論者〉として自らが構築してきた精神分析理論を揺るがしかねない試みであり、「生命と歴史」という巨大な謎と正面から格闘することでもあった。「もはや失うものがない者に固有の大胆さでもって、……これまで差し控えておいた結末部を付け加えることにする」――ファシズムの嵐が吹き荒れる第二次世界大戦直前のヨーロッパで、万感の思いを込めて書き上げられた、巨人の恐るべき遺書。
  • 向う岸からの世界史 ――一つの四八年革命史論
    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,496円 (税込)
    1848年、パリで勃発した二月革命はドイツ・オーストリアの三月革命へと発展し、やがてヨーロッパ全域へと拡大する。本書はウィーンとベルリンにおける革命の実態を克明にたどりながら、それまで「歴史なき民」と蔑まれてきた少数民族やプロレタリアートに光をあて、彼らこそが歴史の真の担い手であり、革命の主体であったことを明らかにする。丹念に収集された史料図版と独自の1848年革命史研究を通じて、西欧近代中心主義的歴史観を超える新しい歴史像を示そうとした逸品。
  • 虜人日記
    太平洋戦争で、日本はなぜ敗れたのか。本書で説く「克己心の欠如、反省力なき事、一人よがりで同情心がない事、思想的に徹底したものがなかった事」など「敗因21カ条」は、今もなお、われわれの内部と社会に巣くう。そして、同じ過ちをくりかえしている。これらを克服しないかぎり、日本はまた必ず敗れる。フィリピンのジャングルでの逃亡生活と抑留体験を、常に一貫した視線で、その時、その場所で、見たままのことを記し、戦友の骨壷に隠して持ち帰った一科学者の比類のない貴重な記録。ここに、戦争の真実と人間の本性の深淵を見極める。第29回毎日出版文化賞受賞の不朽の名著。 ★電子書籍版『虜人日記』では、紙の書籍でモノクロだった挿絵を全てカラーで再現。未公開の写真や挿絵も追加。
  • 人間の条件
    条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察することができよう。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになったのである。こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすだろう。本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、アレントの主著のひとつである。
  • 十五年戦争小史
    ビジネス・実用
    4.4
    1巻1,496円 (税込)
    戦争は、誰によっておこされ、どのように展開したか――。本書では、1931年の柳条湖事件の謀略に始まり、45年ポツダム宣言受諾と降伏文書調印によって終わった一連の戦争を「十五年戦争」と呼び、その曲折に満ちた過程と全体像を克明に描く。アジア覇権主義を掲げる日本軍部と対米英協調路線の宮中グループとのせめぎ合い、マスコミの報道によって国内で急速に高まる排外主義、アジア太平洋戦争へと向かう御前会議のありよう………。満州事変、華北分離、日中戦争、アジア太平洋戦争で構成される各部には年表、関係地図を付し、制度や組織の変遷、人事の系統図なども適宜配した。長年読み継がれてきた画期的通史。
  • 気流の鳴る音 ──交響するコミューン
    ビジネス・実用
    4.4
    1巻1,034円 (税込)
    「知者は“心のある道”を選ぶ。どんな道にせよ、知者は心のある道を旅する。」アメリカ原住民と諸大陸の民衆たちの、呼応する知の明晰と感性の豊饒と出会うことを通して、「近代」のあとの世界と生き方を構想する翼としての、“比較社会学”のモチーフとコンセプトとを確立する。
  • 増補 性と呪殺の密教 ──怪僧ドルジェタクの闇と光
    ビジネス・実用
    4.4
    1巻1,287円 (税込)
    性行為の歓喜が心身の力を極限まで高め、究極の智恵をもたらすという理論を根拠に、修行に導入された「性的ヨーガ」。不正義の人が悪事を成す前に、浄土に送り届けることは救済にほかならないという思想に基づく「呪殺」。チベット密教には、いまだ秘匿された教義が数多く存在する。なぜそうした奥義がチベットで歓迎されるに至ったのか。その背景を解き明かしつつ、知られざる神秘に迫る。国や地域と時代を問わず、宗教にあまねく内在する暴力とエロティシズムの原理にまで鋭く切り込んだ一章を増補。宗教の本質を抉り出す驚異の密教入門書。
  • ラカン入門
    ビジネス・実用
    4.4
    1巻1,606円 (税込)
    ラカンを理解する最短ルートは、その理論を歴史的に辿ることだ──。鏡像段階、対象α、想像界・象徴界・現実界など多種多様な概念を駆使し、壮大な理論を構築したラカン。その理論は、精神分析のあり方を劇的に刷新し、人文・社会科学全般に大きな影響を与えた。本書では、その難解な思想を前期・中期・後期に腑分けし、関心の移り変わりや認識の深化に注目しながら、各時期の理論を丹念に比較・検討していく。なぜラカンはこれほどに多彩な概念を創造し、理論的変遷を繰り返したのか。彼が一貫して問い続けてきたこととは何だったのか。その謎に挑んだ好著、『ラカン対ラカン』増補改訂版。
  • 科学哲学への招待
    ビジネス・実用
    4.4
    1巻1,287円 (税込)
    古代・中世のアリストテレス的自然観を克服し、信仰や迷信から独立することで17世紀に近代「科学」は誕生した。しかしパラダイム転換はくり返され、20世紀には科学技術に伴うリスクも叫ばれるようになる。科学哲学の第一人者がこうした決定的な転換点に光をあてながら、知の歴史のダイナミズムへと誘う。科学神話が揺らぐ今だからこそもう一度深く掘り下げる、入門書の決定版。
  • 徒然草
    小説・文芸
    4.4
    1巻1,716円 (税込)
    後悔せずに生きるには、毎日をどう過ごせばよいか。「思索する読書人」兼好が自由な心で書き綴った珠玉の随筆。独創的な断章スタイルは精神の運動を活発にさせ、生きられる時間の短さに警鐘を打ち鳴らす記述と、柔軟でユーモアに富む記述とを自在に往還する。明晰な言語感覚と、全方位に開かれた視界。この世の全てを相対化し、虚無の陥穽から身を翻す兼好。そこから新しい『徒然草』の顔が見えてくる。振舞いと心遺いが文化の本質であり、いまを生きる喜びこそが虚無をも越える最良の手段なのだ。混迷する現代にあって、大人ゆえにいま味わえる人生の達人の文学を、流麗な訳文と新校訂原文で構成。
  • 数学文章作法 基礎編
    ビジネス・実用
    4.4
    1巻1,023円 (税込)
    論文・レポートの執筆、教科書・プリントの作成など、数式や数学用語を用いた文章を書く機会は案外多い。しかし、数式の表す内容にあいまいさがないからといって、その文章自体がわかりやすいとは限らない。“読者のことを考える”という原則に立って書くなら、もっと明解でもっとよく伝わる文章になるかもしれない。『数学ガール』シリーズを執筆し、文章の読みやすさに定評のある著者が自らの経験で培ったノウハウを伝授。本書「基礎編」では文章の順序、数式・命題の書き方、わかりやすい例の作り方、目次・索引の作り方などについて、豊富な具体例をもとに解説する。
  • 重力と恩寵
    「重力」に似たものから、どうして免れればよいのか? ――ただ「恩寵」によって、である。「恩寵は満たすものである。だが、恩寵をむかえ入れる真空のあるところにしか入っていけない」「そのまえに、すべてをもぎ取られることが必要である。何かしら絶望的なことが生じなければならない」。真空状態にまで、すべてをはぎとられて神を待つ。苛烈な自己無化の意思に貫かれた独自の思索と、自らに妥協をゆるさぬ実践行為で知られる著者が第二次大戦下に流浪の地で書きとめた断想集。歿後に刊行され、世界に大反響を巻き起こした処女作。
  • 中国の神話・伝説
    文明を築いた古帝王、跋扈する鬼神、天人女房 超自然にして荒唐無稽な物語 一挙総覧! 文明を築いた古帝王、跋扈する鬼神――。中国古典に残された伝承の数々をテーマごとに集大成し、第一人者による解説とともに読む。 === 古代より連綿と、強大な帝国を築いてきた中国。その現実主義とはうらはらに、社会には超自然的で荒唐無稽な物語への関心は根深く浸透しており、『史記』『漢書』のような正史から『書経』『韓非子』など思想書にも古い神話や伝承の断片がちりばめられている。本書はそれらを、「天体」「神界からの贈り物」「怪物退治」「洪水/旱魃」「異界訪問」「英雄出生」「異類女房」などに分類して集成。お馴染みの日本の神話や伝承との照らしあわせも、随所に差しはさむ。斯界の大家による明快な解説とともに、豊醸なる中国神話の全体像を掴むことができる。図版多数。 解説 森和 【目次】 はじめに―中国の神話・伝説の特色 1 創世神話 2 天体の神話・伝説 3 諸文化の起源神話 4 習俗の由来伝説 5 鬼・神(神と怪物)の神話・伝説 6 怪物退治 7 旱魃と長雨 8 治水伝承 9 湖底に沈んだ県城 10 動物の築城 11 異界訪問 12 神の贈り物 13 動物報恩 14 異類女房 15 人の運命 16 英雄異常出生 17 名剣・名画の由来 18 飢餓と疾病 19 異族・異形民の起源 20 地名などの由来 21 歴史伝説 22 事物の由来伝説 23 奇妙な伝説 文庫版解説 森和
  • ロシア中世物語集
    小説・文芸
    4.3
    1巻1,716円 (税込)
    ロシア史の最も古い時期を扱い「過ぎし年月の物語」という名でも知られる『原初年代記』、ロシア的キリスト教精神を築いた12世紀の『フェオドーシイ聖人伝』、『ニーベルンゲンの歌』などと並び称される傑作『イーゴリ軍記』など、名高いロシアの中世物語を集成。11世紀からピョートル1世登場前夜の17世紀末までの作品を、文学的な見地から幅広く編纂したものとして類がない。各作品解説に加え、ロシア中世文学の表現上の特徴やその史的展開についての概説も収録。世界文学の中に特異な位置を占めるロシア中世文学を知るための、色褪せない物語集。
  • 発展する地域 衰退する地域 ──地域が自立するための経済学
    大都市の気ままな流行りや、公共事業、工場誘致に頼るのはもう終わりにしよう! それぞれの地域が持つ財を利用し、住民の創意を生かした活動をしない限り、経済的発展はない! かつてのベネチアのように、必要なものを自らの手で作り、近隣地域と共生的な交易を行えば、技術は高まり、雇用も生まれ、地域は自然と活性化する。アメリカで大規模再開発により街が「死んで」いく過程を観察したジェイコブズは、街や地域が生み出すダイナミズムに注目、経済が発展・衰退する鍵を、古今東西の無数の例から探り出した。地域が自立するための処方箋を描いた先駆的名著。
  • 資本主義から市民主義へ
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,177円 (税込)
    貨幣は貨幣だから貨幣なのだ。貨幣を根拠づけるものはただ貨幣だけ。言語・法・貨幣の、社会と人間を貫く自己循環論法こそが、恐慌も生めば、自由をももたらす。それを踏まえて、われわれはどのような市民社会を構想すべきか。資本主義を超えて、来たるべき市民主義とはいかなるものか。貨幣論に始まり、資本主義論、法人論、信任論、市民社会論、人間論、そして倫理論まで、経済学や社会哲学を縦横に論じつつわかりやすく解説。次代の社会像を示す!
  • 責任と判断
    「歯車理論」や「小物理論」の虚偽を突き、第三帝国下の殺戮における個人の責任を問う「独裁体制のもとでの個人の責任」、アウシュヴィッツ後の倫理を検討し、その道徳論を詳らかにする講義録「道徳のいくつかの問題」など、ハンナ・アレント後期の未刊行論文集。ユダヤ人である自らの体験を通して全体主義を分析し、20世紀の道徳思想の伝統がいかに破壊されたかをたどる。一方、人間の責任の意味と判断の能力について考察し、考える能力の喪失により生まれる“凡庸な悪”を明らかにする。判断の基準が失われた現代こそ、アレントを読むときだ。
  • 東方キリスト教の世界
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,397円 (税込)
    東方キリスト教は、ロシア正教など東ヨーロッパを中心に広がる東方正教会や、主に中東で広まった東方諸教会などを包括するものである。使用言語も多岐にわたりその歴史も複雑なため、日本語での情報は限定されてきた。本書はそうしたなかで、長らく基本情報を提供してきた名著だ。西洋古典学・ビザンツ学・スラヴ文献学の横断的研究で傑出した業績を残した研究者が、東方キリスト教全体を扱いつつも、教義や歴史にとどまらず、巡礼・神秘思想・教会建築・イコン・天国/地獄表象など幅広く信仰文化にまで踏み込む。
  • 文天祥
    小説・文芸
    4.3
    1巻1,287円 (税込)
    南宋末、フビライ率いるモンゴル軍が南下し、王朝は危殆に瀕していた。政治の中枢は腐敗と混乱のなかにあったが、ひとりの秀才が敢然と挙兵し、防禦にあたる。文天祥その人である。だが大勢に利はなく、あえなく囚われの身となり、その間に宋は三百年の歴史に幕を下ろすこととなる。天祥は、フビライから宰相就任要請があるもこれを固辞。五言古詩「正気の歌」を遺してついに刑場に果てる――。反時代的なまでに儒教道徳に忠実で、純なる人間性を貫いた生涯。それは、人間のひとつの極限をわれわれに突きつける。宋代史研究の泰斗が厚い考証を基に天祥の実像を描いた名著。
  • モンテーニュ入門講義
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,606円 (税込)
    宗教戦争のさなか、通念や世間の道徳に懐疑の目を向けつつ、自然に従って生きることの喜びを説いたモンテーニュ。その著『エセー』では、自己の判断力を試し鍛えていくさまが、自由な文体によって描き出される。異文化への関心と共感、戦時における人間の狂気や暴力、性の歓び、ボルドー市長としての政治経験、旅と読書の愉楽など、扱われるテーマは実に幅広く、われわれの心を揺さぶる文章に充ちている。ストア的克己主義と節度ある快楽主義とを往還し、メメント・モリの受容から拒否へと至る過程で、独自な思想が紡がれていく。類まれな開明的人物の核心に迫る出色の講義。文庫オリジナル。
  • 美少女美術史 ──人々を惑わせる究極の美
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,023円 (税込)
    この世でもっとも純粋で美しいもの――それは愛らしい少女たちの姿。なぜ、彼女たちは時代によって、エロスを漂わせた存在として表現されたり、性をそぎ落とされたけがれない姿で描かれたりと、変貌をくり返してきたのか? そこには人間のどのような理想と欲望が映し出されているのか? あらゆる女性の理想とされたあどけない聖母マリアから、突如挑発的な姿を露わにし始める現代の少女たちまで、200点の名画の裏に隠されたメッセージを読み解く。色鮮やかな図版が誘う究極の美の世界。
  • 明の太祖 朱元璋
    小説・文芸
    4.3
    1巻1,287円 (税込)
    疫病と政治的混乱の中、最下層民でありながら皇帝にまで登り詰め、約550年に及ぶ明清王朝の礎を築いた朱元璋。何がこの偉業を可能にしたのか。それは「聖賢と豪傑と盗賊の性格をかね備えていた」と清の智者・趙翼が指摘した資質によるものが大きいだろう。紅巾軍に身を投じた当初は盗賊の活動をし、地方政権を樹立するとひとかどの豪傑となり、皇帝となってからは諸々の制度を定め聖賢の働きをした。しかしこの三つの性格は時系列ではなく同時に併存していたのであり、治世中の残忍極まる大粛清も「聖賢」の紛れもない一側面であった。歴史上類を見ない巨人のドラマを、膨大な史料で描き出す。
  • 大元帥 昭和天皇
    小説・文芸
    4.3
    1巻1,716円 (税込)
    大日本帝国において、天皇は軍事を統帥する大元帥であった。では、天皇は軍部からどのような情報を得て、それに対してどのような質問や意見を発していたのか。また、国策・戦略・作戦の決定に際して、どれほどの役割を果たしていたのか。史料から浮かび上がってくるのは、大元帥としての自覚と責任感を持ち、主体的に戦争指導を行っていた天皇の姿である。その軍事知識は豊富で、非凡な戦略眼によって統帥部の戦略・作戦の欠陥を鋭く指摘することもあった。昭和天皇の戦争指導の実像を描き、その戦争責任を検証する。
  • 図説 探検地図の歴史 ──大航海時代から極地探検まで
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,716円 (税込)
    世界はいかに“発見”され、認識されていったのか。マルコ・ポーロの『東方見聞録』から、コロンブスら探検家たちによる大航海時代、ジェームズ・クックによる太平洋の島々の発見、19世紀の極点制覇まで。大英博物館地図室長をつとめた地理学史家が、貴重な歴史的地図約220点に沿って探検史・地図史を詳述した、世界全史と言うべきものが本書である。幻の土地を求めて未知の海を進み、冒険を重ねた人類の知――それが徐々に全地球を覆っていく地理的発見の歴史を、多彩なエピソードと共に余すところなく描きだす。
  • 青山二郎全文集 上
    小説・文芸
    4.3
    1~2巻1,496~1,606円 (税込)
    青山二郎は、小林秀雄、白洲正子の骨董の師匠としてだけでなく、河上徹太郎、中村光夫、宇野千代といった周囲の人たちにも大きな影響を与えた。その青山の信仰とは、知識に依らず、眼を頭から切り離して、純粋に眼に映ったものだけを信じるという「眼の哲学」であった。やきものから学んだ眼力によって、骨董はもちろん、人間の真贋から社会批評まで、ズバリとその本質を言い当てる。青山の文章は、独特な比喩とともに難解なところもあるが、知識ばかりが横溢する現在、もっとも辛辣な文明批評となっている。上巻は、「梅原龍三郎」「北大路魯山人」「小林秀雄と三十年」「贋物と真物について」など、美術と人物に関する文章43篇を収録。
  • 科学の社会史 ──ルネサンスから20世紀まで
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,397円 (税込)
    科学(science)──それはもともと「知ること」を意味する。哲学や宗教を包含した知的営みであった中世以前の科学は、やがてルネサンスの訪れを機に次第にその姿を変えていく。啓蒙主義、フランス革命、産業革命、そして世界大戦といった政治的・文化的出来事の影響を受けた科学は、社会的位置をたえず変化させながら「制度化」の道をたどってきたのだ。複雑にからみあうさまざまな社会的要素を解きほぐし、約400年にわたる西洋科学の変遷を明快にまとめた定評ある入門書。図版多数。
  • 貞観政要
    小説・文芸
    4.3
    1巻1,067円 (税込)
    唐代、治世の問題を真正面から取り扱い、帝王学の指南書となった『貞観政要』。幾多の戦乱を乗り越え、太平の世を現出させた太宗(李世民)が名臣たちと交わした問答を史家・呉兢が編纂。爾来、中国のみならず日本においても為政者たちが折に触れて立ち返る古典の地位を得てきた。「指導者の条件」「人材の登用」「後継者の育成」など、およそ組織運営に関わる人間なら必ず迷い、悩むであろう問題に古人はどのように臨んできたのか。本書には汲めども尽きぬ教訓が今も満ち溢れている。本文庫は明代の通行本(戈直本)を底本とし、全篇より七十篇を精選・訳出。
  • 偉大な数学者たち
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,067円 (税込)
    ガウスは50桁ぐらいの計算はものともしなかった。むしろ楽しみですらあった。しかも数字に異常な記憶力があり、いちど計算したことのある数は自在に取り出すことができた。整数の研究にも熱情を注ぎ、法則の発見のために独力で大きな数表をつくった。素数の表、二次剰余・非剰余の表、1000以下の素数の逆数の表……。このように数学の神に導かれたガウスもいたし、一生を数学に生きたオイラーもいた。狂熱に引きまわされ短い生涯を駆け抜けたアーベルやガロアもいた。他にアルキメデス、ニュートン、ライプニッツなど全20人が登場。天空を舞うような彼らの高揚感を熱くつづった「数学者物語」。
  • 不完全性定理 ──数学的体系のあゆみ
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,287円 (税込)
    ゲーデルが25歳で出版した「不完全性定理」(1931)は、当時の数学界の巨匠ヒルベルトが提唱した「形式主義によって超数学を展開しようという計画」に対して、原理的な限界を示す衝撃的な証明だった。それは数学のみならず哲学・思想界にも、「人間の知性のある限界が示された」と大きな波紋をもたらした。ゲーデルはいったい何を明らかにし、どのような新しい道を示したのか。この記念碑的業績にいたる数学の歴史的な歩みをたどりながら、難解といわれるその結果の意味をていねいに解りやすく解説する。『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の訳者ならではの、ユーモアをまじえたゲーデルへの超入門書。
  • ベクトル解析
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,397円 (税込)
    ベクトル解析は、電磁気学・流体力学などを学ぶ学生に必須の課程で、しばしば工学・物理系の応用数学とみなされがちである。しかし見方をかえて、基礎的な「1次元の線形代数学」から多次元への発展、「1変数の微積分」から多変数関数の微積分への発展、の段階の解析学と考えれば、大学教養課程の結節点ともみなしうる。それはより抽象度の高い、多様体へのゆるやかな第一歩である。本書では、そのような展開性のある位置づけのもとに、森一刀斎が「ベクトル解析のココロ」を開陳する。最終章に新たに、教育的側面を明らかにした「なぜベクトル解析なのか」を加えた。
  • 数学序説
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,716円 (税込)
    数学を“教養”として身に付けたい。苦手意識はあるけれど、理解する喜びを味わってみたい──。そんな世間一般の期待に応え、半世紀以上にわたり愛読されてきたロングセラー。ユークリッド幾何の体系、微積分の概念、数学の基礎づけ、確率・統計などの重要なトピックについて、歴史的背景を辿りながら解説。叙述は丁寧そのもので、紙と鉛筆は必要なし! 文章をじっくり追うことで、おのずと数学への理解が深まってゆく。『零の発見』と双璧を成す数学入門の古典的名著。
  • 宗教は国家を超えられるか ──近代日本の検証
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,023円 (税込)
    国民の統合を前提とする近代国家は、人々の生活や文化のすみずみにまで関与し、そこに国家の意思を貫徹しようとする。しかし私たちは国家を相対化し、対抗する精神を必要とするのではないか──。近代天皇制において日本はどのように国民の「臣民化」をはかったのか。「国家神道」のもとに国民を統合しようとしてきた歴史は、いまの私たちにどんな課題をつきつけているのか。近代日本がつくりあげた文化的枠組みの構造と実態を、宗教という視点から再検討し、国家中心主義を超える道がどこに、どのように用意されていたかを探る。
  • 行動する仏教 ──法然・親鸞の教えを受けつぐ
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,067円 (税込)
    従来の仏教は、生きる上での「苦」の原因を、前世からの因縁や個人の心の奥底に巣食う強烈な自我に求めてきた。しかし、戦争で命を落としたり原発事故の被害に遭うことは、個人の過去や心のありように原因があるのだろうか。そうではなく、政治や社会構造に問題があるのではないか。ならばその苦の原因を取り除く行動を、いまや仏教は起こさなければならない。「すべての衆生を救わずにはいられない」という仏教徒の第一の使命に立ち返り、法然・親鸞によって確立された浄土仏教を受け継ぎながら、その教えの中味を現代的な形に作り変える。行動する仏教=エンゲイジド・ブッディズムの意欲作。
  • 一揆の原理
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,067円 (税込)
    一揆といえば、虐げられた民衆が農具や竹槍を手に極悪非道な領主たちに立ち向かう、そんなイメージを抱きがちだ。しかし、それは戦後歴史学が生み出した幻想に過ぎない。史料を丹念に読み解くなかで見えてくるのは、革命や暴動といった固定観念とはほど遠い、権力者とのしたたかな折衝のあり様だ。一揆とは、暴発的な武装蜂起ではなく、既成の社会関係では対応できない危機に直面した人々が「契約」によって生みだした、新たな社会的つながりなのだ──。これまで語られてこなかった一揆の実像と、現代の社会運動にまで連なる結合の原理を、新進の中世史家が鮮やかに解き明かす。
  • いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか
    霊学研究の諸成果に関心を寄せる人々の中には、そのような人生の高次の謎を口にする者が一体どこからその知識を得たのか、という点に疑問をもたざるをえない人もいるであろう。本書はまず第一にこのような人のために役立ちたいと望んでいる。霊学は人生の高次の謎の本質に深く係わろうとする。この霊学からの発言の根底にある諸事実を吟味しようとする人は自力で超感覚的な認識を獲得しなければならない。本書はそのための道を記述しようとしている。四大主著の一冊。
  • 資本論に学ぶ
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,177円 (税込)
    資本主義に終わりはあるのか、社会主義の失敗を経てもなお、『資本論』を読む意義とは何だろうか──。マルクスを批判的に継承し、イデオロギーを排した純粋な社会科学として再構築することに心血を注いだ宇野弘蔵。その独創的な着想は、資本主義が行き場のない閉塞感を生みだしつつある昨今、再び衆目を集めている。マルクスの魅力とその問題点、さらには自らの理論のエッセンスまでも語り尽くす、『資本論』の導入としても、宇野弘蔵の入門書としても格好の一冊。
  • 原始仏典
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,496円 (税込)
    仏教経典を片端から読破するのはあまりに大変だが、重要な教えだけでも知りたい―本書は、そうした切実な希望にこたえるものである。なかでも、釈尊の教えをもっとも忠実に伝えるとされる、「スッタニパータ」「サンユッタニカーャ」「大パリニッバーナ経」など、原始仏教の経典の数々。それらを、多くの原典訳でも知られる仏教思想学の大家が、これ以上なく平明な注釈で解く。テレビ・ラジオ連続講義を中心に歴史的・体系的にまとめたシリーズから、『原始仏典1釈尊の生涯』『原始仏典2人生の指針』をあわせた一冊。
  • 万葉の秀歌
    小説・文芸
    4.3
    1巻1,716円 (税込)
    宮廷の貴族が、秘めた愛や篤き友情を詠み交わした「相聞歌」。防人が異国の地で望郷の想いをうたった「防人歌」。農民が戯れに紡いだユーモアあふれる「東歌」。古えの日本の心を豊かに伝えてきた『万葉集』全4500余首より珠玉の252首をセレクト。万葉研究の第一人者があらゆる地域、階層の万葉人の心に寄り添い、歌に隠された数々のドラマや四季折々の日本の風景に想いを馳せながら、丁寧に味わい、深く読み解く。巻一から二十まで順を追って辿り、それぞれの巻の歴史的背景や、用語などの基礎知識を学びつつ鑑賞できる『万葉集』解説の決定版。
  • 平安朝の生活と文学
    豊かな国風文化を育んだ平安時代、その担い手だった宮廷の人びとはいったいどんな生活をしていたのか。本書は、『源氏物語』や『枕草子』などの文学作品をはじめ、さまざまな古記録を博捜し、当時の行事や日常を復元する。後宮の制度や宮仕えの動機から、住宅事情、食事と食べ物の種類、結婚と風習、懐妊と出産、美意識やその表現、美人の条件や教養、はては誤楽、疾病、医療、葬送、信仰などにいたるまで明らかにした、平安時代の女性生活百科の名著。国文学専攻の教師や学生はもとより、広く古典文学愛好家必携の書。通読するだけでも、当時の生活が澎湃として眼前に立ち現れる。
  • 人間はどういう動物か
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻968円 (税込)
    人のおっぱいはどうしてこういう形になったのか。一夫一妻の論理と流行のファッションとの意外な関係とは。少子化のコストベネフィット。戦争の背後にある、遺伝子に組み込まれた攻撃性とは別の「美学」の問題。科学と神はほんとうに対立するのか。――動物行動学の草分けとして長く第一線で活躍した著者が、あえて動物学的見地から「人間」を問う。言葉をもって概念を生み出すようになった人間は、どのような存在になったのだろうか。身近で多彩な例を引きつつ、表面的な現象の奥にある人間の行動論理を、やさしく深く考察する。
  • 「科学者の社会的責任」についての覚え書
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻968円 (税込)
    科学の発展は、科学では解決できない問題を生み出す歴史でもあった。本書は平和を希求する科学者の集まり、パグウォッシュ会議に触発されて書かれた。会議の姿勢は評価しつつも、科学の発展そのものが文明や人類を破壊しうるという認識が科学者の側には足らないと指摘する。二十世紀を代表する批評家が遺した警世の書。
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない
    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,012円 (税込)
    中学生の翔太と猫のインサイトが、「いまが夢じゃないって証拠は?」「心があるって、どういうこと?」「たくさんの人がいる中で、自分だけが『ぼく』なのはなぜ?」といった問いをめぐり対話する。「私」が存在することの奇跡性や可能世界、正義原理、言語ゲームなどの諸問題を取り上げる予備知識のいらない哲学入門。
  • フラジャイル ――弱さからの出発
    小説・文芸
    4.2
    1巻1,496円 (税込)
    なぜ、弱さは強さよりも深いのか? なぜ、われわれは脆くはかないものにこそ惹かれるのか? 薄弱・断片・あやうさ・境界・異端……といった感覚に光をあて、「弱さ」のもつ新しい意味を探る。 解説:高橋睦郎 === “「弱さ」は「強さ」の欠如ではない。「弱さ」というそれ自体の特徴をもった劇的でピアニッシモな現象なのである。部分でしかなく、引きちぎられた断片でしかないようなのに、ときに全体をおびやかし、総体に抵抗する透明な微細力をもっているのである”という著者が、薄弱・断片・あやうさ・曖昧・境界・異端など、従来かえりみられてこなかったfragileな感覚に様々な側面から光をあて、「弱さ」のもつ新しい意味を探る。解説:高橋睦郎 【目次】 I ウィーク・ソートで? 1 弱さの多様性 2 壊れもの注意! II 忘れられた感覚 1 全体から断片へ 2 フラジリティの記憶 3 はかない消息 III 身体から場所へ 1 あいまいな「私」 2 振舞の場所 3 トワイライト・シーン IV 感性の背景 1 葛藤の事情 2 複雑なシステム 3 いつかネオテニー 4 ハイパージェンダー V 異例の伝説 1 欠けた王 2 境界をまたぐ 3 隠れた統率者 4 遊俠の季節 VI フラジャイルな反撃 1 感じやすい問題 2 ネットワーカーの役割 3 ラディカル・ウィル あとがき 文庫版あとがき 解説◆弱々しさの勧め 高橋睦郎
  • 悪文の構造 ――機能的な文章とは
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,177円 (税込)
    文章を書くコツは芸術的な名文を書くことではない。読みにくい「悪文」を書かないことである。では悪文はどのようにすれば防げるのか。本書は日本語文の構造的特徴を分析したうえで、書物・新聞・公的文書などから100を超える実例を取り上げ、「機能的な文章」へと洗練させる技法を紹介する。長文を避ける、結論を先に述べる、必要な主語を省略しない、接続詞を濫用しない、やさしい言葉を使う……。読み手に寄り添った明快な指針とわかりやすい図解で悪文克服への道を示す本書は、時代を超えて通用する文章技術書である。
  • 沖縄戦記 鉄の暴風
    第二次世界大戦における最激戦地の一つ沖縄。軍民合わせ20万人もの尊い命が犠牲となった。本書のタイトルの「鉄の暴風」とは、1945年3月26日から3カ月間にわたり途絶えることなく続いた艦砲射撃や空爆のすさまじさを表現した言葉だ。1950年の初版刊行以降、沖縄戦を象徴する言葉として定着した。地形が変わるまで打ち込まれた砲爆弾、壕に逃げ込んだ住民を炙り出す執拗な火炎放射、そして民間人にまで及んだ自死の強制。本書は行動を軍とともにした記者たちが自らも体験したその壮絶な戦場の実態を、生存者をたずね克明に記録したもの。現代史第一級の史料を初文庫化。
  • 天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼 ――日本五大どんぶりの誕生
    どんぶり物を生み出したのは、江戸時代に生きたある男の“食い意地”だった。出前の蒲焼が冷めないようにと、蒲焼をご飯の中に入れ込んで楽しんでいたところ、それがまわりにも広まり、日本初のどんぶり物、うな丼が誕生する。それまで白いご飯の上におかずをのせるという発想を持っていなかった江戸っ子たちは、すっかりうな丼の虜となった。だがうな丼以降、新たなどんぶり物が誕生するには時間がかかった。天ぷら蕎麦や親子とじ蕎麦は江戸時代には生まれているのに、天丼や親子丼の登場は明治になってから。その背景には何があったのか? 膨大な史料から、どんぶり物誕生の歴史をひもとく。
  • 居酒屋の誕生 ――江戸の呑みだおれ文化
    寛延年間に生まれた居酒屋は、雨後の筍のように増え続け、文化文政の頃には人口比率でほぼ現在と同じ規模の産業に成長する。食文化を豊かにし、さらには幕府の各種規制を撤廃させていく原動力ともなった居酒屋の歴史を、日記や川柳、随筆、書簡、触れ書などから丹念に掘り起こす。
  • 他者といる技法 ――コミュニケーションの社会学
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,397円 (税込)
    わたしたちが日々意識せずにおこなう「他者といる技法」。そのすばらしさや正しさだけでなく、苦しみや悪も含めて、できるかぎり透明に描くにはどうしたらよいか──。思いやりとかげぐち、親と子のコミュニケーション、「外国人」の語られ方、マナーを守ることといった様々な技法から浮かび上がるのは、〈承認と葛藤の体系としての社会〉と〈私〉との間の、複雑な相互関係だ。ときに危険で不気味な存在にもなる他者とともにいる、そうした社会と私自身を問いつづけるための、数々の道具を提供する書。
  • 沖縄の食文化
    沖縄学の権威による沖縄食文化史入門。著者は『おもろそうし』などの古典文学をもとに琉球文化の源流を探る研究に取り組んできたが、最後の著書となった本書では、食を素材に、沖縄の歴史が描き出される。ヤマトとは異なる食材・料理・飲食風習を対外関係史から説明し、沖縄料理の中にある東南アジア文化、中国文化の影響を解説。そして、食の思い出とわかちがたく結びつけられた戦前・戦中の記憶をつづる。取り上げられるのはラフテーやゴーヤチャンプルーなどよく知られた料理から、今では幻となった伝統菓子にいたるまで幅広い。食が語る沖縄の歴史。
  • 着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,606円 (税込)
    半世紀近くにわたって読み継がれた、至高の現代文教本がここによみがえる! 「文章を読む」とは、書かれた言葉の何を拾い上げ、それらをどう関係づけることなのか――。数々の小説や評論を題材に、重要な箇所をどのように見分けるかを、実演を織り交ぜながら徹底的に解説する。本書は、「文学的な文章」「論理的な文章」の2パートに分かれ、高校教科書の定番教材も多数収録。読者は、目の前にある文章について、内容や表現だけでなく、その表現を選んだ書き手の感性や想像力までも、つかめるようになるだろう。
  • 増補 普通の人びと ──ホロコーストと第101警察予備大隊
    薬剤師や職人、木材商などの一般市民を中心に編成された第101警察予備大隊。ナチス台頭以前に教育を受け、とりたてて狂信的な反ユダヤ主義者というわけでもなかった彼らは、ポーランドにおいて3万8000人ものユダヤ人を殺害し、4万5000人以上の強制移送を実行した。私たちと同じごく平凡な人びとが、無抵抗なユダヤ人を並び立たせ、ひたすら銃殺しつづける──そんなことがなぜ可能だったのか。限られた資料や証言を縒り合わせ、凄惨きわまりないその実態を描き出すとともに、彼らを大量殺戮へと導いた恐るべきメカニズムに迫る戦慄の書。原著最新版より、増補分をあらたに訳出した決定版。
  • 知的トレーニングの技術〔完全独習版〕
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,397円 (税込)
    知的創造は形式的な模倣ではなく、その根本まで突き詰めることで初めて可能になる──。そんな明快な観点に立ち、一世を風靡した名テキストが遂に復活! まずは、計画の立て方、発想法、モチベーション管理といった知的生産に欠かせない土壌づくりからスタート。そのうえで、実際的な文章の書き方、読み方から批判的思考の秘訣にまで踏み込んでいく。さらに、付録としてフロイトやボルヘスなど偉大な先達が用いた手法をまとめ、自分なりの思考法を磨けるように構成した。文庫化に際しては、定評ある旧版の内容をさらに精選し、新たにコラムも増補。知的生産のすべてをこの一冊に!
  • 歎異抄
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,177円 (税込)
    没後七五〇年を経てなお私たちの心を捉える、親鸞の言葉。わかりやすい注と現代語訳、今どう読んだらよいか道標を示す懇切な解説付きの決定版。本書では、著者長年の探究の成果による清新な解釈に基づいて、親鸞の「信」を掘り下げ、宗教から遠い世間を生きる私たちの心にひびく、新しい読みかたを提示する。
  • 工学の歴史 ──機械工学を中心に
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,397円 (税込)
    工学とは「ものつくりの科学」である。動力を効率よく伝達する歯車の歯型はどのような曲線なのか。蒸気機関が出せる動力と効率は何によって決まってしまうのか。オイラーは伸開線によるインボリュート歯車を、カルノーは熱の理論を樹立した。「ものつくり」は科学に問いを課し、また科学から方策を授かってきた。本書は、その工学の歴史を、おもに機械工学と力学の話題を中心に展開した。技術開発や研究が最先端に達し、もはや参考となる文献・資料がなくなったとき、その解決のヒントは歴史のなかにある。幕末維新や近代日本に関する研究成果も意欲的に取り入れた力作。資料・図版を多数収録。
  • 方丈記
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,177円 (税込)
    日本古典文学中屈指の名文『方丈記』。著者鴨長明が見聞し体験した、大火、大風、遷都、飢饉、大地震などが迫真の描写で記録され、その天災、人災、有為転変から逃がれられない人間の苦悩、世の無常が語られる。やがて長明は俗界から離れ、方丈の庵での閑居生活に入りその生活を楽しむ。しかし、本当の心の安らぎは得ることができず、深く自己の内面を凝視し、人はいかに生きるべきかを省察する。本書は、この永遠の古典を、混迷する時代に生きる現代人ゆえに共鳴できる作品ととらえ、『方丈記』研究第一人者による新校訂原文とわかりやすい現代語訳、理解を深める評言によって構成した決定版。
  • 相対主義の極北
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,496円 (税込)
    すべては相対的で、唯一絶対の真理や正しさはない――この相対主義の「論理」を相対主義自身にも適用し、極限まで追いかける。その最果ての地で、どのような風景が目撃されるのか? 本書では、ルイス・キャロルのパラドクス、マクタガートによる時間の非実在性の証明、デイヴィドソンの概念枠批判、クオリア問題等を素材に、「相対化」の問題を哲学する。相対主義を純化し蒸発させることを通して、「私たち」の絶対性を浮き彫りにすると同時に、その「私たち」も到達しえない“他なるもの”の姿を鮮やかに描き出す。ダイナミックな哲学の思考運動が体感できる名著。
  • 鎌倉仏教
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,067円 (税込)
    法然、栄西、親鸞、道元、日蓮、一遍―彼らを開祖として鎌倉時代に相次いで勃興した新たな宗教運動は、日本思想史上の頂点をなすと広くみなされている。「鎌倉(新)仏教」と呼ばれるこの潮流は、民衆を救済対象に据えたという点において、とりわけ高く評価されてきた。だが、新仏教の意義は、はたしてこの民衆的性格に言い尽くされるのか? 本書では、旧仏教との異同を深く掘り下げて考察することで、鎌倉仏教の宗教的特質の核心をあざやかに浮き彫りにする。思想家である前につねに実践の人であった偉大な宗教者たちの苦悩と思索の足跡をたどり、中世仏教の生きた姿をとらえた好著。
  • 自発的隷従論
    なぜみずから屈し圧政を支えるのか。圧制は、支配される側の自発的な隷従によって永続する――支配・被支配構造の本質を喝破した古典的名著。シモーヌ・ヴェイユが本作と重ねて20世紀の全体主義について論じた小論を併録する。
  • 朱子学と陽明学
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,177円 (税込)
    儒学は、中華帝国の正統思想として2000年の長きにわたり君臨してきた。その儒教史上に燦然とかがやく二つの学派がある。南宋の朱子によって体系化され、やがて明・清および朝鮮で体制教学となった朱子学であり、それを明の王陽明が批判的に継承し展開した陽明学だ。日本を含む東アジアの思想文化に決定的影響を及ぼしたこれらの流派は、はたして何を唱えたのだろうか。朱子学・陽明学が誕生した時代背景とその問題意識に焦点をあてることで、通俗的理解とは大きく異なる実像が見えてくる。両教説の異同を明快に説き、壮大な思想体系の全体をあざやかに一望する、入門書の決定版!
  • ディスコルシ ――「ローマ史」論
    『君主論』をしのぐ、マキァヴェッリ渾身の大著。フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、神聖ローマ帝国など、群雄が割拠し、戦いに明け暮れていたルネッサンス期。権謀術数が飛び交う中、官僚として活躍したマキァヴェッリは、祖国が生き残る方法を模索し続け、古代ローマ史にその答えを求めた。不利な状況での戦い方、敵対する勢力を効果的に漬す方法、同盟の有利な結び方、新兵器への対処方法、陰謀の防ぎ方と成功のさせ方、そして、最強の国家体制……。権力がぶつかり合う壮大な歴史ドラマの中で磨き上げられた、パワー・ポリティクス永遠の教科書。
  • 憲法で読むアメリカ史(全)
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,606円 (税込)
    建国から二百数十年、自由と民主主義の理念を体現し、唯一の超大国として世界に関与しつづけるアメリカ合衆国。その歴史をひもとくと、各時代の危機を常に「憲法問題」として乗り越えてきた、この国の特異性が見て取れる。憲法という視点を抜きに、アメリカの真の姿を理解するのは難しい。建国当初の連邦と州の権限争い、南北戦争と奴隷解放、二度の世界大戦、大恐慌とニューディール、冷戦と言論の自由、公民権運動――。アメリカは、最高裁の判決を通じて、こうした困難にどう対峙してきたのか。その歩みを、憲法を糸口にしてあざやかに物語る。第6回読売・吉野作造賞受賞作の完全版!
  • 日本の歴史をよみなおす(全)
    ビジネス・実用
    4.2
    1巻1,287円 (税込)
    日本が農業中心社会だったというイメージはなぜ作られたのか。商工業者や芸能民はどうして賤視されるようになっていったのか。現代社会の祖型を形づくった、文明史的大転換期・中世。そこに新しい光をあて農村を中心とした均質な日本社会像に疑義を呈してきた著者が、貨幣経済、階級と差別、権力と信仰、女性の地位、多様な民族社会にたいする文字・資料の有りようなど、日本中世の真実とその多彩な横顔をいきいきと平明に語る。
  • 大衆の反逆
    一九三十年刊行の大衆社会論の嚆矢。二十世紀は「何世紀にもわたる不断の発展の末に現れたものでありながら、一つの出発点、一つの夜明け、一つの発端、一つの揺籃期であるように見える時代」、過去の模範や規範から断絶した時代。こうして、「性の増大」と「時代の高さ」の中から《大衆》が誕生する。諸権利を主張するばかりで、自らにたのむところ少なく、しかも凡庸たることの権利までも要求する大衆。オルテガはこの《大衆》に《真の貴族》を対置する。〈生・理性〉の哲学によって導かれた予言と警世の書。
  • ギルガメシュ叙事詩
    小説・文芸
    4.1
    1巻1,034円 (税込)
    初期楔形文字で記されたシュメールの断片的な神話に登場する実在の王ギルガメシュの波乱万丈の物語。分身エンキドゥとの友情、杉の森の怪物フンババ退治、永遠の生命をめぐる冒険、大洪水などのエピソードを含み持ち、他の神話との関係も論じられている最後の世界文学。本叙事詩はシュメールの断片的な物語をアッカド語で編集しアッシリア語で記されたニネベ語版のうち現存する2000行により知られている。文庫化に伴い「イシュタルの冥界下り」等を併録。
  • ハリウッド映画史講義 ──翳りの歴史のために
    「絢爛豪華」な神話都市ハリウッド。その栄光を支えた撮影所システムは、第二次世界大戦後、不意に崩れ始める。アメリカ合衆国との闘いをはじめ、時代と不幸な関係を結んだ「1950年代作家」たちが照らし出すものとは何か──。いまや映画批評において不可欠となった諸概念とともに描かれる歴史は、ハリウッドにおける決定的な変容を浮き彫りにする。アメリカ映画が抱え込んだ問題を剔抉し、作品を見定める視界を開く独創的映画論。
  • 色彩論
    ビジネス・実用
    4.1
    1巻1,716円 (税込)
    文豪ゲーテは多くの貌をもつ。その文業とともに、終生情熱を傾けたのが、植物学・動物学・地質学・解剖学・気象学などに及ぶ広汎な自然研究であった。とりわけ形態学と色彩論はその白眉と言うべく、シュタイナーらの再評価を経て、現代的関心もきわめて高い。分析と還元を旨とする近代科学の方法に対して、綜合と全体化を目指すゲーテの理念の背景には、汎知学─ヘルメス学の伝統が控えている。『色彩論』の精髄たる「教示編」に加え、「科学方法論」を併載し、ゲーテ自然思想へのチチェローネとなす。
  • 世界システム論講義 ──ヨーロッパと近代世界
    ビジネス・実用
    4.1
    1巻1,287円 (税込)
    “近代世界を一つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史をそうした有機体の展開過程としてとらえる見方”、それが「世界システム論」にほかならない。この見方によって、現代世界がどのような構造をもって成立したかが浮き彫りとなる。すなわち、大航海時代から始まるヨーロッパの中核性、南北問題、ヘゲモニー国家の変遷など、近代のさまざまな特徴は、世界システム内の相互影響を分析することで、はじめてその実相を露わにするのだ。同時にそれは、歴史を「国」単位で見ることからわれわれを解放する。第一人者が豊富なトピックとともに説く、知的興趣あふれる講義。
  • 贈与論
    ポトラッチやクラなど伝統社会にみられる慣習、また古代ローマ、古代ヒンドゥー、ゲルマンの法や宗教にかつて存在した慣行を精緻に考察し、贈与が単なる経済原則を超えた別種の原理を内在させていることを示した、贈与交換の先駆的研究。贈与交換のシステムが、法、道徳、宗教、経済、身体的・生理学的現象、象徴表現の諸領域に還元不可能な「全体的社会的事象」であるという画期的な概念は、レヴィ=ストロース、バタイユ等のちの多くの思想家に計り知れない影響とインスピレーションを与えた。不朽の名著、待望の新訳決定版。人類社会のアルケーヘ。
  • レポートの組み立て方
    ビジネス・実用
    4.1
    1巻836円 (税込)
    レポートの役割は、事実や情報を取捨選択して整理し、それについての作成者の意見を加えて、読み手にわかりやすく伝えることである。そのためには、事実と意見を区別することを学ぶとともに伝達手段としての言語技術の訓練が欠かせない。『理科系の作文技術』で話題を呼んだ著者が、一般社会人・文科系学生のために、豊富な具体例をもとに、そのノウハウをわかりやすく解く。
  • 東京の下層社会
    ビジネス・実用
    4.1
    1巻1,023円 (税込)
    スラムの惨状、もらい子殺し、娼妓に対する搾取、女工の凄惨な労働と虐待……。駆け足の近代化と富国強兵を国是とする日本の近代は、社会経済的な弱者―極貧階層を生み出した。張りぼての繁栄の陰で、「落伍者」「怠け者」として切り捨てられた都市の下層民の実態を探り、日本人の弱者への認識の未熟さと社会観の歪みを焙り出す。
  • 唯脳論
    ビジネス・実用
    4.1
    1巻1,012円 (税込)
    文化や伝統、社会制度はもちろん、言語、意識、そして心…あらゆるヒトの営みは脳に由来する。「情報」を縁とし、おびただしい「人工物」に囲まれた現代人は、いわば脳の中に住む。脳の法則性という観点からヒトの活動を捉え直し、現代社会を「脳化社会」と喝破。一連の脳ブームの端緒を拓いたスリリングな論考。
  • 藤原定家全歌集 上
    小説・文芸
    4.0
    1~2巻1,925円 (税込)
    日本和歌史の最高峰 最新の研究を踏まえ4260首を網羅。 泰斗の校訂による決定版! 『小倉百人一首』の選者としても有名な藤原定家自作の和歌四千六百余首を収録。上巻には私家集『拾遺愚草』を収め、全歌に現代語訳と注を付す。 === こまとめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮―。『新古今和歌集』『百人一首』の撰者でもあり、日本和歌史上に聳立する不世出の歌人・藤原定家の自作歌は、現在知られている限り約4260首にのぼる。上巻には『拾遺愚草』正篇の全歌2791首を収録、すべてに現代語訳を付す。中世文学研究の泰斗による校訂を行い、和歌に関心のある読者のみならず、学術的利用にも資するよう編纂された決定版。 【目次】 拾遺愚草 上(初学百首 二見浦百首 ほか) 拾遺愚草 中(韻歌百廿八首和歌 仁和寺宮五十首 ほか) 拾遺愚草 下(春 夏 ほか) 雑(旅 述懐 ほか)
  • パルチザンの理論 ――政治的なものの概念についての中間所見
    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,287円 (税込)
    二〇世紀の戦争を特徴づける「絶対的な敵」殲滅の思想の端緒を、レーニン・毛沢東らの《パルチザン》戦争という形態のなかに見出した画期的論考。 === 王朝間の戦争を、傭兵を用い、「在来的な敵」を相手どって行なうゲームとすれば、ナポレオン軍に対抗したスペインのパルチザンは、史上初めて相手を、自らの実存を脅かす「現実の敵」と認識した。19世紀までのヨーロッパ公法は、主権国家と「正しい敵」(この「在来的な敵」と「現実の敵」)概念によって秩序づけられていた。20世紀はこの崩壊を目の当たりにする。一方、19世紀初頭以来萌芽状態にあったパルチザンは、レーニンと毛沢東によって革命と戦争の主役に躍り出るとともに、敵概念にも決定的変化をもたらした。爾来、「絶対的な敵」殱滅への道程が用意される。《パルチザン》をキーに20世紀の経験の変容を叙述した、シュミット政治学の白眉。 【目次】 はじめに 序論 Ⅰ この論文の出発点──一八〇八年から一八一三年まで Ⅱ われわれの考察の視界 Ⅲ パルチザンという言葉と概念 Ⅳ 国際法の状態への展望 理論の展開 Ⅰ パルチザン主義に対するプロイセンの不適合 Ⅱ 一八一三年のプロイセンの理想としてのパルチザンおよびその理論への表現 Ⅲ クラウゼヴィッツからレーニンへ Ⅳ レーニンから毛沢東へ Ⅴ 毛沢東からラウル・サランへ 最近の段階の局面と概念 Ⅰ 空間局面 Ⅱ 社会構造の崩壊 Ⅲ 世界政治との関係 Ⅳ 技術的局面 Ⅴ 合法性と正統性 Ⅵ 現実の敵 Ⅶ 現実の敵から絶対的な敵へ 訳者解説 第二刷への訳者あとがき
  • 増補 南島の神話
    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    遥かなる海の神話 創造神タンガロア、英雄マウイ、蛇とウナギ…… 日本の古層文化にも連なる壮大な南島世界へ 穀物を生む死体、英雄マウイの島釣り、ハワイの創世詩クムリポ……。日本の基層文化にも通底する、壮大な南島(オーストロネシア)神話への入門書。 === 東南アジア島嶼部からメラネシア、ミクロネシア、ポリネシアに及ぶ南島(オーストロネシア)語圏。本書は英雄マウイの伝説からハワイの創世詩クムリポまで、この海洋世界に生まれた多彩な神話の数々を紹介する。それらの神話の魅力は単に内容の面白さだけにとどまらない。死体から誕生する穀物、女だけの島、釣針の喪失など、われわれにも馴染み深い神話や民話と通底するモチーフからは、日本列島をも包含した壮大なスケールの古層文化が浮かび上がってくる。再刊に当たり、南島語圏から人類全体へと射程を広げて神話と文化の関係を考察した補章を収録。豊かな南島神話世界への格好の入門書。 【目次】 第一章 南島の創世神話 フィリピン・インドネシア方面の神話/オーストラリア・アボリジナルの神話/メラネシアの神話/ミクロネシアの神話/ポリネシアの神話/南島世界の文化の系譜 第二章 愛と豊穣の神話 死体化生型神話/インドネシアの死体化生型神話/オセアニアの死体化生型神話/ポリネシアの作物起源/死体化生型の生命観/〔コラム〕生命のシンボル・ココ椰子/ココ椰子の起源と首狩り/〔コラム〕首狩りとココ椰子/ウナギの情夫とココ椰子の起源/女護ケ島の話/〔コラム〕危険な航海 第三章 死の起源と死後の世界 脱皮型の死の起源神話/過ちによる死の起源神話/正常な出産と死の起源/冥界への旅/〔コラム〕メラネシアやミクロネシアの冥界観/ポリネシア人の死と冥界/〔コラム〕ポリネシア人の冥界/冥界からの生還/〔コラム〕オルペウス神話の意味/死者との結婚/〔コラム〕異類婚と冥界訪問譚 第四章 日本神話と南島世界 海幸・山幸神話の広がり/天地のはじめと双神神話/日本神話の広がり/日本の民話の広がり/〔コラム〕日本と南島の神話や民話の類縁性は何を意味するか? 第五章 火山の女神と英雄マウイ 〔コラム〕島の形成とハワイの自然/ハワイ神話を代表する神々/火山の女神ペレにまつわる神話群/フラの起源にまつわる神話/英雄マウイ/王の登場/〔コラム〕ポリネシアの首長制社会/歴史の黎明―ウミ神話とカメハメハの台頭/〔コラム〕カメハメハの台頭 第六章 ハワイの創世神話・クムリポ クムリポの発見/クムリポ・第一部―夜の時代/クムリポ・第二部―昼の時代/国生み神話/クムリポの謎/神話を読むとは 補章 人類と日本列島の古層神話――世界神話学からの挑戦 人類史からみた南島神話/〔コラム〕オセアニアの人類居住年代/釣針喪失譚、再び/〔コラム〕モンゴロイドという呼称を巡って/南島の海と宇宙 あとがき/ちくま学芸文庫版あとがき/引用・参考文献
  • マビノギオン ――中世ウェールズ幻想物語集
    小説・文芸
    4.0
    1巻1,925円 (税込)
    英雄たちの闘い アーサー王が活躍する物語など計11編を収録。 詳細な注を付したウェールズ語原典からの完訳 アーサー王(アルスル)が活躍する物語など、古来カムリ人たちが語り紡いできた数々の伝承を収録。詳細な訳注を付したウェールズ語原典からの完訳。 === カムリ人と呼ばれるケルト系の人々がウェールズの地で古来語り紡いできたさまざまな伝承や神話。それらを11世紀以降に修道士たちが収集しまとめあげたとされるのが、散文物語集『マビノギオン』である。その内容は、神話の影響を色濃く受けた不思議話から宮廷文学風のロマンスまで多岐にわたり、『マビノギオン』という書名の由来となった「マビノーギの四つの物語」のほか、アーサー王(アルスル)が活躍する話や、聖杯探索で知られるパーシヴァル卿の原型となった人物であるペレドゥルの冒険譚などが収録されている。詳細な訳注と解説を付した、ウェールズ語原典からの完訳。 【目次】 日本語版の刊行によせて/『マビノギオン』への長い旅 マビノーギの四つの物語 ダヴェドの大公プイス スィールの娘ブランウェン スィールの息子マナウィダン マソヌウイの息子マース カムリに伝わる四つの物語 マクセン・ウレディクの夢 スィッズとスェヴェリスの物語 キルッフとオルウェン ロナブイの夢 アルスルの宮廷の三つのロマンス ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人 エヴラウクの息子ペレドゥルの物語 エルビンの息子ゲライントの物語 訳注/解説/『マビノギオン』の物語を追って/参考文献/地名一覧/人名一覧
  • 概説 人工知能 ――ディープラーニングから生成AIへ
    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,287円 (税込)
    超絶進化の鍵となる基本概念を解き明かす 爆発的かつ非体系的に発展したAI。その基盤となる基礎理論、研究・開発の歴史、可能性と限界を平易に語る人工知能入門。 === 人工知能(AI)に関する初めての論文が発表されたのは1950年のことである。しかし近年のAI研究は、それまでの歩みを圧倒的に凌駕し、AIに加速度的な進化をもたらしている。ただ、急激な発展のあまり、情報は溢れかえってはいても、概念の根本が正確に理解されているとはとても言い難い。本書は、AI研究で突出しているディープラーニング、アルファ碁、トランスフォーマー(生成AIの心臓部)を選び、各々の核心にあるアイデアを説明した後、人工知能について広く考察する。文庫オリジナル。 === 【目次】 第1講 AIが人間を超えた?! 第2講 人工知能研究の歴史 第3講 脳が働き、人が振る舞う 第4講 ディープラーニングのエッセンス 第5講 学習のポテンシャル 第6講 畳み込みニューラルネットとバックプロバケーション 第7講 アルファ碁 第8講 トランスフォーマー、生成AIの心臓部 第9講 大規模言語モデル 第10講 生成AI 巻末注 あとがき 索引
  • 史料が語るビザンツ世界
    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    千年の帝国を人々はどう生きたか 貴重な史料の数々で案内するビザンツ世界 千年におよぶビザンツ帝国の歴史の中で、人々はどのような生を送ったのか。皇帝、宦官から異民族まで、貴重な史料の数々を通してその実像に迫る。 === ローマ帝国の東西分裂後、千年余りにわたって存続したビザンツ帝国。ローマに比してその実態が語られることの少なかったビザンツ世界を、歴史書や各種の勅令、聖人伝など豊富な史料から読みといたのが本書である。専制君主として君臨しつつもたびたび暗殺や処刑の対象となった皇帝、時に政治を左右するほどの実権を握った宦官、理想的キリスト教徒として民衆の精神的支柱となった修道士、尊敬や敵対の念を抱きながらビザンツと交流したイスラーム世界・カトリック世界の隣人たち──。史料に刻まれた人々の営みから、ビザンツ世界の多様な相貌が浮かび上がってくる。巻末に詳細な史料解題を付す。
  • 増補改訂 アンチ・アクション ――日本戦後絵画と女性の画家
    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    日本と米国の間にある文化的政治的関係をくぐり抜け、極めて先進的な表現を行った草間彌生。消費と創造への人々の関心を作品の中で両立させた田中敦子。「捺す」という技法によって特殊な作者性を主張した福島秀子。アンフォルメルとアクション・ペインティングが席捲する1950-60年代の日本において、彼女たちはそれらにどう抵抗し、自らの作品を創り上げたか――。戦後の批評言説を再検証しながら、フェミニズム的概念「アンチ・アクション」を通して、もうひとつの美術史を記述する。サントリー学芸賞受賞作を改訂し、多田美波の実践から「ポスト・アクション」に迫った補論を付して文庫化!
  • なにも見ていない ――名画をめぐる六つの冒険
    絵画を見るとき、私たちはどれだけその作品のことをきちんと見ているだろうか。あらゆる美術作品にそれらしい説明を加えてみせる図像学(イコノグラフィー)は、一見作品を丁寧に読み解いているようで、実は紋切り型の解釈に押し込め、通り一遍の主題に還元しているだけではないか。本書では、「細部」に着目したアプローチでフランス美術史学の新たな地平を開いた著者が、ベラスケス《ラス・メニーナス》、フランチェスコ・デル・コッサ《受胎告知》、ティツィアーノ《ウルビーノのヴィーナス》などの名画を意外な着眼点から読み解いていく。絵画を見ることの真の魅力をユーモアたっぷりに伝える好著。
  • エントロピーと秩序 ――熱力学第二法則への招待
    あらゆる物質はなぜこのようにあり、それらはどう移ろっていくのか。そうした私たちが住まうこの世界のありようを規定する基本原理の一つが、熱力学第二法則である。熱力学というと一般に数学的な説明を避けて通れないこともあり、どうしても難解な印象を与えがちだ。それに対して本書は、その基本となる考え方を、できるだけ数式を用いずに、かつ学問的な厳密性をいささかも損なうことなく、懇切丁寧に説明していく。『アトキンス一般化学』などの定評ある教科書でも知られるイギリスの物理化学者が、蒸気機関から生命現象まで多様なトピックを扱いつつ、熱力学の奥深さを説き明かした不朽の名著。
  • 英語の習得法
    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,067円 (税込)
    『英語類義語活用辞典』『日英語表現辞典』などの編著者であり、「英語力に練達の人」としてつとに名高い最所フミ。彼女は、言語の機能とは与えられたものをcomprehend(了解)し、absorb(吸収)して、express(外面化)するプロセスの繰り返しにあるとする。そのうえで英語を学ぶ人々に、よりいっそう力を養うにはどうすればよいかを、日本人の実状を踏まえて実践的に述べる。英語と日本語の違い、効果的な「読み」、「書く」ための心構え、英会話と音読といったテーマを通し、著者一流の秘訣を一挙公開。その方法論は今も輝きを失ってはいない。
  • 差別の民俗学
    「柳田民俗学の最大の欠陥は、差別や階層の存在をみとめないことだ。いつの時代であろうと差別や階層があるかぎり、差別される側と差別する側、貧しい者と富める者とが、同じ風俗習慣をもっているはずがない。」すべての底辺、すべての下層からその民俗を掘り起こし、人間存在の根源的病巣「差別」の起源と深層構造に迫った、民俗学の巨人・赤松啓介のひとつの到達点。人間解放の原理、平等原理に貫かれた著者のまなざしは、限りなくあたたかい。【解説:赤坂憲雄】
  • ガロワ正伝 ――革命家にして数学者
    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,287円 (税込)
    代数方程式に関するガロワ理論はもっとも美しい数学のひとつと言われる。しかし、その理論が解読され、教育制度に根づくには数学者たちの多大な努力が必要であった。ガロワはまた急進的共和主義革命家としても知られた。天才数学者にして革命家―本書はその実相を描き、さらに、これまで最大の謎とされてきた死闘死の真相に迫る。決闘前夜の友人宛書信をはじめ自筆草稿を丁寧に読み、真実一路の夭折の生をまっとうした青年の稀有の生涯を再構成する。厳密な歴史学的手法を駆使し、既成の創作的伝記をトータルに超え出ようとする正伝。

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