作品一覧

  • 精神医学と哲学のあいだ 木村敏が考えたこと
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    1巻3,080円 (税込)
    〈あいだ〉という独創的な切り口で、精神病理学の世界に革新的な視点をもたらした精神科医・木村敏。本書は、病の有無にかかわらず人が人としてありのままの姿で生きてゆくことを目指した木村敏の〈臨床哲学〉と、それに敷衍する自己論・時間論・生命論の真髄を、木村の謦咳に直接接した精神科医・哲学者が、新たな思索の広がりをもって展開した一書である。これから学ぼうとする若き学徒や臨床家への精神のバトンと言えるだろう。
  • 歴史を哲学する 7日間の集中講義
    4.4
    1巻1,210円 (税込)
    「歴史的事実」とされるものは何か? 科学哲学・分析哲学の立場から,「歴史の物語り論」「歴史修正主義」など歴史認識の問題を七日間の講義という形式で,わかりやすく解説する.現代文庫版では,「補講」として歴史学者・遅塚忠躬の本書に対する批判についての反批判も収録.人文科学のあり方を問い直す知的刺激に満ちた本.

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  • 現代社会を拓く教養知の探求
    -
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代社会に求められる教養知の探究はどのように行われているのか.学生はアイデンティを確立する学びを教養教育で培い,教員は学生に問いかけ,向き合いリフレクションを重ねながらさらに教養知を探索する.本書は,大学での多様なアプローチによる実践を踏まえた成果を紹介する.
  • 新視覚新論
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    「外なる世界と内なる心、という分別は誤りだと思う」 見たり聞いたりする知覚の風景が自分の「心の中」にある心象風景だと感じる人はまずいないだろう。しかし、痛みや気分、悲喜の感情、思い出や希望、空想や妄想、そして意志といわれるもの、これらはまぎれもなく自分の「心の中」のものだ、と人は感じている。 しかしそれは、人が抱く根本的な事実誤認ではないか?  世界そのものが悲しく喜ばしく恐ろしく、回想や希望も現在も、常にひとしく四次元の全宇宙世界の立ち現われなのである。 このことを、光学虚像や幻覚・幻像、時間と空間、幾何学、芸術、自由と意志などさまざまな角度からていねいに論じる。陥りがちな誤解をほぐしながら、日常と科学を重ねながら、「世界の一項目としての私」を「世界のあり方としての私」に組み変える。 世界そのものが、悲しく喜ばしく恐ろしい。 こうして「私」は抹殺され、私が復元されたのである。 解説: 野家啓一 本書の原本は『新視覚新論』(東京大学出版会、1982年)です。 【目次】 1 見ることと触れること 2 見えている 3 何が見えるのか 4 「表象」の空転 5 鏡像論 6 過去透視と脳透視 7 空間の時間性 8 自由と「重ね描き」 9 言い現わし、立ち現われ 10 心
  • パラダイムとは何か  クーンの科学史革命
    3.7
    1巻1,210円 (税込)
    トーマス・クーンという名前を知らない人でも、また科学史や科学哲学などの分野に縁のない人でも、「パラダイム」という言葉なら聞いたことがあるに違いありません。 いまや日常語として「物の見方」「考え方の枠組み」の意味で使われているこの言葉は、もともと1962年刊『科学革命の構造』というクーンの著書の中で語られたもので、「一定の期間、研究者の共同体にモデルとなる問題や解法を提供する一般的に認められた科学的業績」を意味していました。 この概念は、それまでの「科学革命は17世紀に起きた1回きりの大事件」という科学史の常識を覆す衝撃的なもので、「<科学>を殺した」といわれたほど、大きな影響を及ぼしました。 パラダイム・シフトは歴史上何回も起こり、それは社会・文化の歴史と密接な関係があるとするクーンの見方は、フーコーが人文科学的知の布置の変化を考古学的方法によって解き明かしたと同じスタンスで、「知」の連続的進歩という通念を痛撃しています。 本書は二十世紀終盤の最大のキーワードとも言うべき「パラダイム」の考え方を面白く、わかりやすく説くものです。 ●主な内容 第1章 <科学>殺人事件 第2章 科学のアイデンティティ 第3章 偶像破壊者クーンの登場 第4章 『科学革命の構造』の構造 第5章 パラダイム論争 第6章 パラダイム論争の行方 【原本】 『現代思想の冒険者たち クーン パラダイム』1998年 講談社
  • 科学の解釈学
    5.0
    1巻1,375円 (税込)
    科学への無批判の信奉と全否定とをともに排し、ハンソンとクーンに代表される「新科学哲学」、クワインの「知識の全体論」、ウィトゲンシュタインの「アスペクト知覚論」を三本の柱に、「自然」を解読する解釈学的営為としての科学の再生を訴える。科学哲学に本来課せられた役割の「科学的理性批判」の回復を謳う、斯界の第一人者による刺戟的な論考。
  • 科学哲学への招待
    4.4
    1巻1,210円 (税込)
    古代・中世のアリストテレス的自然観を克服し、信仰や迷信から独立することで17世紀に近代「科学」は誕生した。しかしパラダイム転換はくり返され、20世紀には科学技術に伴うリスクも叫ばれるようになる。科学哲学の第一人者がこうした決定的な転換点に光をあてながら、知の歴史のダイナミズムへと誘う。科学神話が揺らぐ今だからこそもう一度深く掘り下げる、入門書の決定版。

ユーザーレビュー

  • 科学哲学への招待

    Posted by ブクログ

    非常に分かりやすく面白かったです。

    著者は科学史、科学哲学、科学社会学という3つの観点による科学の捉え方を提示していらっしゃるようでしたが、それぞれ独立させて読んでも中身の濃い非常に面白い内容ばかりでした。

    スコラが余暇であったことやピアレビューの原型、技術と科学の区別と日本への普及あたりの話が、ナラティブとして私は特に好きです。

    あとがきの最後にあるように、「なんのための科学か」を改めて問う必要があるのが現代なんですかね。

    0
    2025年10月16日
  • 科学哲学への招待

    Posted by ブクログ

    アリストテレス、プトレマイオス、コペルニクス、ガリレオにニュートン、あるいはフレーゲ、ポパー、クワインにクーンといった人達が何を主張したのか。
    個別にはよく知られていると思いますが、それらを繋げて整理することができる本です。

    本書は3部立てです。

    第1部は科学史です。
    まず、古代ギリシアにおける自然観=アリストテレス的自然観が出発点です。
    このアリストテレス的自然観は、現代の知識を持っていなければ、「そうかも」と思ってしまいそうなもので、次のように整理されます。
    1 古代天文学のセントラル・ドグマ
    (1) 天上と地上の根本的区別
    (2) 天体の動力としての天球の存在
    (3) 天体の自然運動

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    2023年02月11日
  • 科学哲学への招待

    Posted by ブクログ

    ・「科学」って何なの? っていう疑問に、歴史・哲学・社会学の三方向から攻める本。
    ・それぞれの章が単独でも学びになるのに、組み合わせると「科学」が多面的に浮かび上がってくる構成、おもしろすぎ。
    ・特に哲学の章、「こういう背景があってこの考え方が出てきて、そのカウンターとしてこの考え方が出てきて...」って流れで書かれてるので、ストーリー性があって楽しい。
    ・タイトルから想像する以上に読みやすいよ。

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    2023年01月03日
  • 歴史を哲学する 7日間の集中講義

    Posted by ブクログ

    「歴史は過ぎ去った過去の出来事の記述である以上、その出来事を直接に知覚することはできず、言葉による『語り(narrative)』を媒介にせざるをえない」(p.183)
    これがどういうことなのかを、かなり丁寧に解説してくれます。

    ただ、解説が平易でも、色々な学説を広く引っぱってきているので、読者への要求水準は高めかもしれません。
    著者が分析哲学(科学哲学)の人だから科学哲学だけ押さえておけばいいというわけではなくて、解釈学、現象学、心理学…も知っている必要があります。
    ただ、同じことについて別の視点から語っていることが多く(それこそ複数の射映を提示して志向的統一に至るということを読者に体験させ

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    2023年01月01日
  • 科学哲学への招待

    Posted by ブクログ

    無茶苦茶おもしろい。高校生から10代のうちに読んでおくべき本。
    哲学→科学の歴史から、科学哲学と科学者、社会との関わりまで、時代を追いながら論者と理論の変遷がわかる。
    純粋に真理に至る道を探る素朴な科学像は今はもうないと思った。

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    2021年12月01日

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