野家啓一のレビュー一覧
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科学哲学者である著者が、クーンの考え方や生涯を「“科学”殺人事件」に見立てて紹介しながら、彼の登場による科学哲学の展開や今後について焦点をあて評じた本である。
ここでいう「”科学”殺人事件」とは、クーンの「パラダイム概念」が科学の合理的進歩を否定し、科学的知見や成果が相対的なものにすぎないとして科...続きを読むPosted by ブクログ -
前半は、明快でわかりやすく、クーンが痛撃した「科学」(産業化、社会化された科学コミュニティが進める活動のことか)についての説明もよくわかった。しかし後半は少しもたついている印象で読みやすいとは言えなかった。Posted by ブクログ
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クーンの「科学革命の構造」からくる、パラダイムについて論じた書。
クーンは、科学の歴史においての変化を論じたにもかかわらず拡大解釈されて、その中で論争に巻き込まれたことがわかる。
パラダイム論をとなえたクーンが、社会にどのように位置づけられたかを考える意味では良い本だと思う。Posted by ブクログ