小松真一の作品一覧

「小松真一」の「虜人日記」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 虜人日記
    4.4
    太平洋戦争で、日本はなぜ敗れたのか。本書で説く「克己心の欠如、反省力なき事、一人よがりで同情心がない事、思想的に徹底したものがなかった事」など「敗因21カ条」は、今もなお、われわれの内部と社会に巣くう。そして、同じ過ちをくりかえしている。これらを克服しないかぎり、日本はまた必ず敗れる。フィリピンのジャングルでの逃亡生活と抑留体験を、常に一貫した視線で、その時、その場所で、見たままのことを記し、戦友の骨壷に隠して持ち帰った一科学者の比類のない貴重な記録。ここに、戦争の真実と人間の本性の深淵を見極める。第29回毎日出版文化賞受賞の不朽の名著。 ★電子書籍版『虜人日記』では、紙の書籍でモノクロだった挿絵を全てカラーで再現。未公開の写真や挿絵も追加。

ユーザーレビュー

  • 虜人日記

    Posted by ブクログ

    軍属としてフィリピンに配属された技術者が、アルコール製造(燃料として軍用に使った)に奮戦し、米軍上陸により山中に逃れ、捕虜になって日本に帰ってくるまでの日記。戦争中の記録が半分、捕虜になってからの記録が半分といった分量。

    このあいだずっとメモは取っていたそうだが、この形にまとめたのは捕虜になって相当してからとのことなので、2年間くらいの激動をさかのぼって書いていることになる。なかなか驚くべき記憶力だ。

    軍人でないという立ち位置がもたらす観察者的視点のおかげで貴重な記録となっている。個人的には、まず極限的な状況を生き残ったサバイバル記録として読めるのだが、多くの人になにか日本文明論(たしかに

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    2020年05月23日
  • 虜人日記

    Posted by ブクログ

    山本七平氏が絶賛するとおり、この記録が、その当時の状況下で書かれたことに意義があり、そのことが、偽りのない真実をありありとあるいは淡々と伝えることに成功しているのだと思う。私は、左翼の言うことよりも右翼の言うことに賛同してきたが、小松氏の日記を読むと、東南アジア各国あるいは、朝鮮・台湾の反日感情は、かならずしも戦後一部の国によって意図的に作られれただけではないことが理解できる。また、旧軍にも良いところがあったとしきりに言われるが、陸軍の将校たちは、かなり質が悪く、どうしようもなかったことも理解できた。
    その他、植民地や戦場におけるあるいは捕虜収容所における様々なことを知ることができ、極めて有用

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    2018年12月08日
  • 虜人日記

    Posted by ブクログ

    8月恒例の戦争関連本。戦争に関する小説やノンフィクションはたくさんあるが、この本がすごいのは、(ほぼ)リアルタイムで書かれていること。帰国した兵士や、従軍記者が、思い出しながら、権力を意識したり解釈を変えたりして書くのではなく、その日その日の出来事が、科学者である筆者の冷静で客観的で淡々とした観察から記録されている。敗因を考察して「細いことに拘りすぎて大局観を持たない」「不都合なことはなかったことに、また不利なことは起こらないと盲信」「リーダーが自己保身に走り、部下を大事にせず犬死させる」などの指摘があるが、70年以上たった今でも当てはまることがあり、やはり昭和から学ぶことは多い。

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    2017年08月25日
  • 虜人日記

    Posted by ブクログ

    『日本はなぜ敗れるのか』の元ネタ。終戦時の手記の内容がいまだに通じるということは、これからも通じるということ。広く読まれるべきということで、あえて文庫本フォーマットで出版されている。内容的にR18+指定であるが、やはり手元に置いておくべきか。

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    2014年08月02日
  • 虜人日記

    Posted by ブクログ

    とても面白い作品でした。これからも、繰り返し読みたい。

    人間の弱さや統率力、敗因など、その明晰な分析に頭が下がる。

    0
    2013年07月14日

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