世界システム論講義 ──ヨーロッパと近代世界

世界システム論講義 ──ヨーロッパと近代世界

1,210円 (税込)

6pt

“近代世界を一つの巨大な生き物のように考え、近代の世界史をそうした有機体の展開過程としてとらえる見方”、それが「世界システム論」にほかならない。この見方によって、現代世界がどのような構造をもって成立したかが浮き彫りとなる。すなわち、大航海時代から始まるヨーロッパの中核性、南北問題、ヘゲモニー国家の変遷など、近代のさまざまな特徴は、世界システム内の相互影響を分析することで、はじめてその実相を露わにするのだ。同時にそれは、歴史を「国」単位で見ることからわれわれを解放する。第一人者が豊富なトピックとともに説く、知的興趣あふれる講義。

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世界システム論講義 ──ヨーロッパと近代世界 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    近代世界システムとは、16世紀以降の歴史を世界的な構造として捉えようとする概念。資本主義の本質を歴史的に捉えることもできたので、読んでよかった。

    近代世界システムとは、世界的な分業体制をとることで、それぞれの生産物を大規模に交換する体制のこと。 16世紀の東ヨーロッパでは、西ヨーロッパへの穀物輸出

    0
    2024年06月16日

    Posted by ブクログ

    以前に同著者の学生向けのやはり名著『砂糖の世界史』を読んでいますので内容的には自分にとって新しくはありませんが、アメリカ史を学びつつ改めて読むと色々と繋がり腹落ちします。
    アメリカの独立から南北戦争期の歴史って、まさにヨーロッパ(スペイン、イギリス、フランス)の「世界システム」の「中に組み込まれた」

    0
    2021年02月11日

    Posted by ブクログ

    各国を個別事象的に見て、ある国を「先進国」、またある国を「後進国」とラベリングするのは狭小な「単線的発展段階論」であると断じ、近代以降の世界は一つの巨大な生き物、有機体の展開過程の如く捉えるべきだとする論が主旋律。

    封建制の崩壊と国民国家の成立に端を発し、その後スペインとポルトガルによってもたらさ

    0
    2018年01月15日

    Posted by ブクログ

    著者は「砂糖の世界史」や「イギリス近代史講義」といった名著を書いた川北稔氏。本書も平明で筋が通っており、がってんボタン100回くらい押した。

    0
    2016年04月08日

    Posted by ブクログ

    超絶名著。近代ヨーロッパ史の流れがまるわかりできる。様々な断片的知識が繋がっていく爽快感はたまらない。

    2017年1月6日追記

    世界システム論について今一度考えてみると、中核―周縁関係の中で、垂直的関係があることが、南北問題が解決しない一つの理由として挙げられている。中核国家が産業の高度化を成し

    0
    2020年12月26日

    Posted by ブクログ

    ウォーラーステインに基づいた世界システム論の概説書。原本は放送大学の教科書なので、分量的制限からミニマムエッセンス的な記述となっており、取っつきやすい。大航海時代以後のヨーロッパ中心の近代世界を対象に、システム論的な見方で世界史を概括する。たとえば英国の産業革命ですら世界システムの影響から逃れ得なか

    0
    2016年02月13日

    Posted by ブクログ

    タイトル通り、ウォーラーステインによって主張された「世界システム論」についての概説書である。
    随分前に書棚に収めていたが、先日、的場昭弘氏の『資本主義全史』を読んで、もしやと思って本書を手に取った。
    直感は当たっていた。
    「世界システム論」とは、西洋資本主義体制による国際的分業制のことを指していたの

    0
    2025年04月27日

    Posted by ブクログ

    ウォーラスタインの世界システム論をベースに15世紀以降の世界史、資本主義史を読み解いていく。

    どこまでがウォーラスタインの議論で、どこからが著者の見解なのか、境目がわかりにくい気がするが、一般の読者を対象とした入門なので、そのあたりまで知りたければ、専門書か、ウォーラスタイン本人の本を読めばいいと

    0
    2024年06月28日

    Posted by ブクログ

    ウォーラステインが提唱した「世界システム論」という史観概念について解説されている。
    世界システム論とは、歴史を国単位で捉えて、諸国が互いに不干渉な状況であるセパレートコース上での競争をおこなっているとする「単線的発展段階論」へのアンチテーゼとして生まれた。
    つまり、勤勉国家が「先進国」、怠け者国家が

    0
    2024年02月03日

    Posted by ブクログ

    近代世界史がなぜヨーロッパを中心に展開していくことになったのか、それは世界は個別の主体(国家)による自由競争なのではなく総体として捉えるべきシステムであるから、という世界システム論で捉える本。元々は口頭の講義なのかとても読みやすいです。この書籍以降のアフリカ・中東の紛争と難民、欧米のナショナリズムの

    0
    2022年12月04日

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