ちくま学芸文庫の検索結果

  • 萬葉集に歴史を読む
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    古の人びとの愛や憎しみ、執念や悲哀――『萬葉集』には、数々の人間ドラマと歴史の激動が刻まれている。考古学的な知見を駆使して、はじめて美しい歌の背後に潜むこうした生の歴史が浮かび上がる。持統天皇が病をおして、死の直前に行った三河行幸の真の目的とは? 壬申の乱の知られざる背景から、遣新羅使の謎、東歌から読み解く関東の文化と経済まで。「古代学」を提唱する考古学の第一人者が、古墳をはじめとする考古学的資料と文字史料とを織り合わせ、従来の文学的理解では決して明かされなかった謎の数々と古の日本人の心に迫る。
  • 禅のこころ ――その詩と哲学
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    禅とは何だろうか。古来、仏の悟りの真髄をこころからこころへと伝えてきたため、その世界に参入するのはなかなか難しい。本書はこの難問に応える。禅の世界は、坐禅修行を通して真実の自己とは何かを究明し、同時に現実世界において平常心に生きる道であることを解き明かす。そこに開かれる、自然や他者との不二の境地は、まさに詩となり、味わいに富む言葉に結晶する。その禅的境涯にひそむ理路は、「言語」「時間」「身心」「行為」などの哲学的探究の展開ともなる。禅を、今を生きるための思想として、多くの人の身近なものとすべく意図された、他に類例のない入門書。
  • モーツァルト
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    驚異の神童として名を轟かせながら、貧困のうちに不遇の晩年を送った天才作曲家―世に広く根付いているモーツァルトの姿は、誇張されたフィクションだった! 新たな視点から資料を読み直すことにより、作品がその生涯と手をたずさえ、ますます美しい輝きを獲得してゆく。才能を誇りとも重荷ともしながら、史上初のフリー音楽家として各ジャンルに革新をもたらした青年音楽家が、苦闘の末、野心から解き放たれて満ち足りた調べを奏でるまで。知られざる真の姿をあざやかに描く。厳選15の名曲・名盤紹介つきのモーツァルト入門決定版。
  • レヴィナスを読む ――〈異常な日常〉の思想
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    世界大戦・革命・ユダヤ人虐殺という危機的状態を経験した現代人の運命と向き合い、他者について、責任について、独自の思想を紡ぎだした現代フランスの思想家エマニュエル・レヴィナス。本書は、“20世紀の証人”とも称されるその思想の核心を、レヴィナス研究の第一人者である著者が紹介しながら、フッサール、ハイデガー、スピノザ、サルトルら他の思想家とも比較。慢性的な疲労とストレスに満ち、出口とてない現代という異常な時代にあって、「隣人」という難題を抱えて生きるための、新たな倫理を探る。
  • 時間と習俗の社会史 ――生きられたフランス近代へ
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    「時計にきざまれる時間」は権力や政治のありかた、人々の日常生活をどのようにして変えていったのか。もっぱら否定的に語られてきた伝統的な住民共同体には、いかなる柔軟で豊かなイマジネーションを持つ習俗があったのか。フランス近代の社会生活における時間や習俗の歴史と、そこに息づく人々の生活世界をたずねながら、現代におけるしなやかな時間の感覚と生き方の可能性をさぐるフランス史の旅。
  • 保守主義的思考
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    19世紀初頭、人間の普遍的本性としての「伝統主義」から、截然と区別されるようにして現れてきた「保守主義」とは何か? 啓蒙主義とフランス革命がもたらした「抽象的」「理念的」なものへの偏愛に対置するに、「具体的」で「生き生きとした」ものをもってした《保守主義的思考》は、ロマン主義ときりむすびながら、いかに展開していったのか? 「保守主義」を、ひとつの特殊な歴史的・近代的現象としてとらえた「知識社会学」の先駆的著作。
  • われに万古の心あり
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    戊辰の戦いに敗れた長岡藩に、その窮状をみかねた支藩三根山藩から百俵の米が届いた。文武両総督であった小林虎三郎は、その米を金に換え国漢学校を建てることで、「敗戦国」の復興を企てる。「みんなが食えないというから、おれは学校を立てようと思うのだ」。幕末には、佐久間象山門下で吉田松陰と共に「両虎」と謳われ、長岡藩にあっては戊辰戦争非戦論を展開、敗戦後は「米百俵」の精神で国を建て直し、維新後もその「遠望するまなざし」「万古の心」でナショナルなものを思考し続けた小林虎三郎の生涯を、歴史の闇のなかから救出する力作評伝。
  • 凩の時
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    「冬の時代」を告げる凩(こがらし)が吹きすさぶ。大逆事件が迫る。――日露戦争後の明治41年、東京赤坂の陸軍歩兵第一連隊から兵卒37名が脱営した事件を軸に、軍国化の足を速めた大日本帝国と苦難の時を迎える社会主義運動の姿を、豊富な資料をもとに再構成する。史伝体と物語体の巧みな併用によって今日によみがえらせた歴史長編。1985年、第12回大仏次郎賞受賞作。
  • 火山列島の思想
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    日本人の心の原像とは何か? われわれの祖先たちはいかなる意識をもってこの火山列島に生き、またそれはどのようにわれわれの心に刻みこまれているのだろうか? 原始の日本人の呪術的想像力、そして古代的社会機構によるその変容のプロセスに、徹底した実証、渾身の学問的想像力で迫る、日本古代文学研究史上の記念碑的作品。
  • 恋の中国文明史
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    もともと儒学では夫婦の和合は賛美されるが、未婚の男女の交際は認められない。結婚も親の取決めによる。この風習は中原の漢民族文芸に影を落とし、長い間、中国に純粋な恋愛小説はなかった。が、度重なる異民族の支配により〈恋〉を知った漢民族は、他民族の血と文化を自らに取入れ、変容させ、新たな活力にしてきた。やがて清代には恋愛小説の大作『紅楼夢』が登場、人々を魅了する……。中国史を漢民族の文化の変容の歴史として捉え〈恋〉という側面からそれを浮彫りにした意欲作。
  • 望郷と海
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    1945年、ハルピンでソ連軍に抑留された著者は、1953年に特赦で日本に帰還するまでの8年間、シベリア各地のラーゲリを転々とした。極寒の地での激しい強制労働、栄養失調、それに同じ囚人の密告などなど。帰還後、著者は自己の経験をすこしずつ詩に、そして散文に書きとめる。まさにそれは、その経験を語りうる統覚と主体の再構成を意味していた。本書は、「告発せず」を貫きながら、何より厳しく自己の精神と魂のありようを見つめつづけた稀有の記録である。
  • 解禁昭和裏面史――旋風二十年
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    日々戦争へと雪崩込んでいった昭和前期。そこでは何が企てられ、何が起きていたのか。本書は激動のさなかにあって報道に従事した著者が、その間に蒐め得た一級の情報と新聞人としての良心と技法によって著した史的報告書。張作霖爆死、さまざまな国家改造運動、二・二六事件、中国侵略の内幕、枢軸外交の失敗、日米交渉の真相、敗戦……。歴史を大きく動かした出来事でありながら、公表できなかった事実を敗戦直後、一気に発表。真実に目隠しされていた国民は一斉にとびつき、貪り読んだ。戦後ベストセラーの嚆矢にして、貴重な歴史の証言。

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