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従来の仏教は、生きる上での「苦」の原因を、前世からの因縁や個人の心の奥底に巣食う強烈な自我に求めてきた。しかし、戦争で命を落としたり原発事故の被害に遭うことは、個人の過去や心のありように原因があるのだろうか。そうではなく、政治や社会構造に問題があるのではないか。ならばその苦の原因を取り除く行動を、いまや仏教は起こさなければならない。「すべての衆生を救わずにはいられない」という仏教徒の第一の使命に立ち返り、法然・親鸞によって確立された浄土仏教を受け継ぎながら、その教えの中味を現代的な形に作り変える。行動する仏教=エンゲイジド・ブッディズムの意欲作。
...続きを読むPosted by ブクログ 2011年11月03日
末世であるかのような日本・世界の現状。「絶望」と「無関心」が人の心を蝕んでいる。
そのような中、法然・親鸞の教えを拠り所に、どのようなスタンスで現状と寄り添っていけばいいのか、過去の宗教家の足取りを踏まえ、言及し、凡夫である私たちに一定の心構えを示唆してくれているのが本書である。
法然・親鸞の教...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年10月28日
2014年99冊目。(再読)
「絶望」は「自己愛」から生まれる。
自己主張が叶わないところに生まれる。
完全に独立した自己「エゴ・セルフ」から、見えない繋がりも含めた無数の因・縁を感じる「エコ・セルフ」にシフトする必要があると説く。
私たちは「凡夫」であるという謙虚さが、末世の時代でも絶望を乗り越...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月22日
●以下引用
趣旨には賛同してくれても、実際に行動をともにする人は少ない。あるいは、どんなに正しく、また道理のある主張でも、人々がかならずしも耳を傾けてくれるとは限らない。こうした状況がつづくと、折角の運動も挫折しがち
どんなに正しくとも、また道理にかなった主張であっても、それが相手に受け容れられ...続きを読む
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