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「1900年体制」とは、官僚閥の桂太郎と議会第一党・政友会の原敬によって構築された協調体制である。それは日露戦争後の金融界・産業界・都市部住民の主張を制限し、陸海軍と農村地主の利益を最優先しようとするものだった。ところが、軍部は陸軍と海軍に、官僚は大蔵と内務・鉄道院に、与党は積極財政派と行財政整理派に分裂し、野党・立憲国民党を巻き込んで政界は四分五裂に陥る。「民衆運動」もそれに共振し、統治システムの再編は迷走を続けた。「1955年体制」の崩壊を通奏低音としながら、予算問題の政治対立に焦点を当て、近代日本の臨界点となった「大正政変」の軌跡をたどる。
...続きを読むPosted by ブクログ 2016年11月23日
桂園時代を明治国家体制の象徴的な到達点として見た後に、大正期にそれが崩れていく様子を丁寧に追う。
大変わかりやすく導入部で桂園期の政治状況が述べられる。
年表では一見不自然に繰り返す桂・西園寺・桂・西園寺・桂……
それは軍を中心とした藩閥や官僚閥の代表者と、有権者である農村地主の代表者が交互に政権を...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月03日
本著は日露戦争後の桂園時代から大正の政変を経て第二次大隈内閣までの政治の動きを著したもの。
いわゆる、大正デモクラシー、本格的政党内閣である原内閣までの明治から大正の狭間の時期。藩閥vs政党、薩閥(海軍)vs長閥(陸軍)、対官僚、予算を巡っての権力闘争、駆け引きが詳細に描かれており、興味深い。
ある...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月20日
日露戦争終了から第一次世界大戦勃発まで9年間の日本の議会と内閣の揺らぎの状況が、まさに昨日の記事を読むような印象を与える硬質な雰囲気で記述されていく。日露戦争に勝利した日本は、さらに軍備をはじめ、種々国家インフラを整備するために財政が膨れる傾向にあった。にもかかわらず、日露戦争の戦費を支えるために税...続きを読む
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