西郷隆盛と明治維新

西郷隆盛と明治維新

ビジネス・実用
814円 (税込)

4pt

3.4

日本近代史の第一人者が、日本を近代国家に導いた人物を描き出す! 征韓論、西南戦争……、「軍部独裁と侵略戦争の元祖」はつくられた虚像だった!幕末期に「議会制」を構想し、封建制の打破に尽力し、江華島事件を卑劣と非難した、幕末維新の巨人の実像に迫る一冊。

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西郷隆盛と明治維新 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    史上の人物に関しては“有名”な“度合い”が高い程に色々な型で取上げられ、“多面的”に、換言すれば「好い面と同時に、その限りではない面も」含めて語られているように思える。他方、「○○でお馴染み」という“部分的なこと”の印象が余りに強い場合、色々な型で取上げられる他方で、“部分的なこと”に関連性が高い“一面”ばかりが注目される場合もある…

    そういうことに想いを巡らせながら考えてみて…例えば…“西郷隆盛”は如何であろうか?本書はそのような問題意識から出発して綴られたもののように見受けられる。

    なかなかに面白かった!!

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    2013年06月17日

    Posted by ブクログ

     本書を読んで、かつて司馬遼太郎は「翔ぶが如く」という小説のあとがきで、西郷隆盛という人物について「日本にはこの様な人物の類型がなくわかりにくい」という趣旨のことをつづっていたことを思い起こす。
     本書は、そのような「幕末から明治維新」という混迷と動乱のわかりにくい時期を、現代の政治の知識から考察している興味深い本であると思った。
     「尊王攘夷」という当時の政治スローガンを、「尊王」「攘夷」「開国」という思想内容にまで踏み込んで、当時の各藩におけるそれぞれの政治勢力の動向と変転を詳細に考察する本書の内容は、実にわかりやすい。
     混迷の時代には、常に「保守派」「革新派」と分かれて争うのは歴史の常であるが、当時は「幕府」や「各藩」がそれぞれ内部で多くの「派閥」が、くんずほぐれつの争闘を繰り広げていた。
     この混迷の時代の「西郷隆盛」を「攘夷なき尊王論者」と捉える本書は、説得力があるとともに時代状況も詳細に知ることができる。
     「安政の大獄」についても「開国派による開国派の弾圧」との視点は興味深い。
     なるほどこのようにみると理解しやすいが、この時代に現代の視点からのこのような分析が通用するのかとの思いも抱く。
     また本書は「西郷隆盛は征韓論者などではではなかった」とし、西南戦争についても「一時的な自力優勝の可能性は十分あった」と考察しているが、この内容は一般的な知見とは落差がある。
     以前「勝海舟」の詳細な本で「勝海舟は晩年になってから西郷隆盛は征韓論者ではないと語りだした」とあったが、当時の関係者の残した文書記録をより深く読み込めばまだまだ新しい知見が得られるのかもしれない。
     事実のみをつづる歴史書は、「教科書」のようで読んでもつまらないが、本書はいろいろ読者の思考を刺激する良書であると思った。

    0
    2013年07月23日

    Posted by ブクログ

    勝てば官軍。

    権力を握った側は、自身の出自を正当化しなければ、統治できない。

    所謂、征韓論なるものに敗れた西郷は、賊軍として処遇せざるを得ない。

    しかしながら、史実は史実として厳粛に残存する。

    西郷にまつわる史実を丁寧に読み解けば、新たな仮説を立てることができる。

    日本近代史の第一人者が近代国家に導いた人物の実像を解き明かしてくれた。

    若い時から慣れ親しんだ司馬史観を離れるてみるのも楽しいものである(笑)。

    0
    2013年06月28日

    Posted by ブクログ

    豊富な史料を参照し、西郷隆盛という人物像を改めて見つめ直していこうとする一冊。
    改めて西郷隆盛への関心が深まりました。

    0
    2026年09月25日

    Posted by ブクログ

    歴史学者の坂野潤治さんの本。
    西郷隆盛の生涯を史書をもとに描く。

    特に新しい発見も納得もなかったな。
    それ以上でもそれ以下でもない。
    それでいて史書の現代訳がないのでわかりにくい。

    0
    2025年08月23日

    Posted by ブクログ

    西郷隆盛=征韓論という「虚像」が大いなる誤解に基づくものである、というポイントは理解できた。右翼にも左翼にもその「虚像」が利用されがちな人物だけに、彼らを論破する武器としても有用だ。最期に西南戦争に至ったのも、著者自身その目的は不明としながら、最終的にそうなってしまった理由は推測できる気がした。

    0
    2013年07月11日

    Posted by ブクログ

    西郷隆盛は「攘夷」論にあまり関心を持たない「国民議会」論者であり、特に「征韓論者」として名を馳せているのだが、明治8年9月の江華島事件を朝鮮を弱国と侮って、長年の両国間の交流を無視した卑劣な挑発と非難しているのである。幕末から明治維新にかけてわれわれが漠然と抱いてきた西郷像はまったくの虚像だったのである。本書では実像に迫るのだが、私には渡辺京二著『維新の夢』で語られている西郷像のほうがおもしろく感じられた。

    0
    2013年05月18日

    Posted by ブクログ

    著者の「日本近代史」が、時代の分類など、うまく整理がされている良著だったこともあり本著も読むことに。
    西郷隆盛に焦点を当てているとはいえ、基本的には「日本近代史」での論説に沿うもの。
    ・西郷は攘夷を唱えたことはなく、合従連衡により幕府に代わる新体制構築を考えていた。
    ・藩兵の合従連衡が先行し、武力のトップとしての存在が大きくなり、士族の不満を一手に引き受けざるを得なくなってしまった。
    ・西郷は必ずしも「征韓論」を唱えてたわけではない。

    司馬遼太郎曰く、「西郷隆盛ほど説明が難しい人物はない。それは、この時代でしか登場し得ない人物であるから」。
    本著を読んでも本当の「西郷隆盛」が明らかになるわけではないし、知れば知るほど謎が深まるところもある。
    それを考えながら幕末維新を深めることも意義あること。

    著者自身が西郷隆盛の大ファンであり、批判的な視点が欠けているところは却って消化不良。

    以下引用~
    ・1842年にアヘン戦争で清国がイギリスに敗れた時の幕府の対応も、ちぐはぐもいいところであった。本来なら「異国船打ち払い令」を強化して、それに加えて「大船建造の禁」を廃止するのが、幕府の採りうるべき途だったはずである。・・・しかるに幕府は正反対の処置に出た。
    ・西郷が久光の命令を知りながら、「尊王」論で有名な平野国臣と会談したのは、「尊王攘夷」論者をも味方につけるためであり、平野が西郷に会見を求めたのは、薩摩藩を嫌う彼ら「尊王攘夷」論者の間でも、西郷だけは別格扱いだったためである。
    ・西郷の新体制構想と勝の科学技術立国とが結びつかないかぎり、明治維新は実現しない。
    ・西郷は「義」を最重視する政治家でもあった。・・・そのような西郷には、将軍に大政奉還を迫る薩土盟約に調印したからといって、武力行使しても長州の冤罪を雪ぐと誓った薩長盟約の方を反故にする気はまったくなかった。
    ・旧薩摩藩兵が、いわゆる征韓論の急先鋒だったわけではない。征韓論の急先鋒は、旧土佐藩兵を率いる板垣退助であり、旧薩摩藩兵でも西郷隆盛でもなかった。

    以上

    0
    2013年05月06日

    Posted by ブクログ

    去年、日本近代史を読んで面白かったので・・・
    坂野さん2冊目・・・

    今回は明治維新の元勲筆頭、西郷隆盛・・・
    西郷隆盛のイメージっちゅーと・・・
    まずは上野公園か江戸城無血開城、征韓論、西南戦争あたりでしょうか?
    チョイと込み入ると、征韓論と西南戦争から軍部独裁やアジア侵略の元祖とか、士族反乱の中心人物ちゅー感じになってるみたいです・・・
    そこで・・・
    坂野さんが意義有り!ちょっとそれは違うんじゃない?と出したのがこの本・・・

    征韓論とは言うけれど・・・
    征韓の急先鋒は板垣退助で、西郷は征韓ではなく、朝鮮への使節派遣を求めたまでで、むしろそれによって急先鋒の板垣を説得、制することにしたまで、というのが実情・・・
    征韓論で下野した2年後の同じ朝鮮に対する江華島事件では、日本海軍の遣り方に、いやいや、そんなコスイことするなよ、と文句言ってるしね、と・・・
    しかも征韓論の他に、桐野利秋の台湾出兵論や、黒田清隆のロシアと一戦辞さず、っつー他の強硬意見を制することにもなっていた、と・・・

    西南戦争も・・・
    (わずかな)勝算がまったくなかったわけではないけども・・・
    そして政府に不満がないわけではなかったろうけども、西郷自身が吹っかけたものではもちろんなく・・・
    特に桐野利秋たちが暴発して、それを止められなくて・・・
    担がれて仕方がなく、というのが実情・・・
    征韓論の話にも通じるけど、もともと西南戦争のだいぶ前から、一緒に戊辰戦争を戦い抜いてきた部下たちは、内戦があらかた片付いて以降、みんな働き場が無くなってヤキモキしていたようで・・・
    やれ、台湾だ、やれ露西亜だ、やれ朝鮮だ、とみんなウズウズ・・・
    そのウズウズを抑えるのに苦心なさっていたみたいですよ、と・・・

    さらに西郷自身は元々、攘夷なんてあんまり関心がなかったよ、と・・・
    攘夷か開国かに拘らずに、幕政改革のために有力大名同士と有力家臣同士の合従連衡を計っていたよ、と・・・
    ここは驚き・・・
    幕末というととにかく攘夷か開国かで二分された時代なもんで、当然西郷もまずは・・・
    と思いきや、そんなこたぁなかった、と・・・
    そんなことより島津斉彬悲願の幕政改革でごわす!だったんですね・・・

    征韓論や西南戦争のイメージが強すぎて、尊王倒幕、王政復古、そして維新後の超絶大改革である廃藩置県を先頭に立って断行し、頼朝以来700年間続いた封建制度を終わらせたというスッゲーところが薄まっちゃってるよ!もっとちゃんと評価しようと!と・・・
    西郷を尊敬しまくり、西郷が大好き、って熱い思いが伝わってくる本・・・
    西郷登場から西郷退場までの、西郷の構想や目的、そして動向が概ね掴める形になっております・・・
    あんまりいないと思うけど、西郷隆盛のことちょっとでも興味ある人はゼーヒーで・・・
    いや、西郷スゲーよ・・・

    0
    2013年05月01日

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