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日本古典文学中屈指の名文『方丈記』。著者鴨長明が見聞し体験した、大火、大風、遷都、飢饉、大地震などが迫真の描写で記録され、その天災、人災、有為転変から逃がれられない人間の苦悩、世の無常が語られる。やがて長明は俗界から離れ、方丈の庵での閑居生活に入りその生活を楽しむ。しかし、本当の心の安らぎは得ることができず、深く自己の内面を凝視し、人はいかに生きるべきかを省察する。本書は、この永遠の古典を、混迷する時代に生きる現代人ゆえに共鳴できる作品ととらえ、『方丈記』研究第一人者による新校訂原文とわかりやすい現代語訳、理解を深める評言によって構成した決定版。
...続きを読むPosted by ブクログ 2021年06月30日
学校で習った記憶がありましたが、改めて読んでみるとめちゃくちゃ深い本でした。
著者の飾らない性格が文章から感じられ、とても親近感がわきました。
1212年に書かれた本作ですが、現代にも通じる考え方が描かれており、「やっぱり読み続けられている名著というのはすごい!」と感じました。
ぜひぜひ読んでみて...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年09月06日
平安末期に放蕩息子として、生まれた主人公は5度にわたる都に広がる天災を目にし、この都の生活に疑問を持ち、出家し、何不自由なく暮らしていた都での生活に別れを告げ山に小屋を作って、みすぼらしく、不自由な生活の中で自分の幸せを見つけるのだが…拘りが無くなったかのような生活の中で自己矛盾に気付いてしまうので...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年04月23日
鎌倉時代の歌人・鴨長明が晩年に残した随筆で、日本古典文学屈指の名文。著者が見聞し体験した大火、竜巻、大飢饉、地震と天変地異の記述が多く、日本で起こり得る不幸な出来事がほぼ書いてある。
さて最近、季節の移ろいを感じると、鴨長明や吉田兼好のような「隠者」に憧れを抱くことがある。俗世間を離れながら俗世間と...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月13日
方丈記は実は文庫本にして20頁に満たない程のものであるとは知らなかった。
「草枕」の出だしとゴロの流れは全く同じと云うのは誰しもが知っていることだろう。
そして中身を読み進めると、終始漂う厭世感は、聖書のコヘレトの言葉(伝道の書)と同内容と言える。
歴史のフィルターを経過して残っている書物には...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月12日
きちんと読み通したのは初めて。本文は意外と短いので、ほとんどの紙面は訳と解説になる。鴨長明が「方丈庵」での暮らしを始めた背景を今さらながら知り、納得した。火事、地震、飢饉、戦乱が次々と襲い、大きな屋敷もやがて焼失詩し、住んでいた人の消息も分からなくなる。長明自身の境遇も、当てにしていた寺での出世も果...続きを読む
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