人間の条件

人間の条件

1,485円 (税込)

7pt

条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察することができよう。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになったのである。こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすだろう。本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、アレントの主著のひとつである。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

人間の条件 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    アーレントの軽快な文章構成のおかげでスラスラ読み進められるが、一つの言葉に対して特有の意味をもたせる彼女のスタイルに慣れるまでが大変。

    本著で考察される労働、仕事、活動という三つの題目が西洋の歴史のなかで、どのようにして各時代を渡ってきたのか、その経緯をアーレントは入念に考察する。
    古代ギリシャを

    0
    2024年02月14日

    Posted by ブクログ

    私的領域よりも公的領域に、そして労働や仕事よりも活動に、人間としての善き生を思い描くアーレントの議論は、ポリス的な生き方(公的領域で人々が交わる)を理想化しすぎでは?という不満はある。

    でも、読むといろんな疑問がわいてきて、つまりそれだけいろんな閃きの可能性に満ちていて、興奮ずくめの読書だった。と

    0
    2023年09月08日

    Posted by ブクログ

    本当に読み応えのある深い本でした。本書は20世紀の哲学者ハンナ・アレントの代表作の一つで1950年代に書かれました。訳者の志水氏も最後に述べているように、どちらかと言えば難解な本ですが、アレントの言葉の定義がわかってくると徐々にスラスラと読めるようになってきます。志水氏が最後に本書の概要をとてもわか

    0
    2023年04月30日

    Posted by ブクログ

    おもしろすぎる!!!!いま自分たちの生きる「社会」への嫌悪の正体がかなり明瞭に示される。均一化や消費主義ときいてポジティブな印象を受けるひとは稀だろうが、そのことが生命過程との同化といった点から語られる。そこにはなによりも労働の優位がある。しかし本書がそのような啓蒙をめざしたものではないとはいえあえ

    0
    2022年04月13日

    Posted by ブクログ

    おそらく半分くらいしか理解できていないだろうが、「出生が人間事象への唯一の希望」という表現は心に残っている。

    0
    2021年02月26日

    Posted by ブクログ

    人間の条件
    (和書)2012年01月17日 19:52
    1994 筑摩書房 ハンナ アレント, Hannah Arendt, 志水 速雄


    最近ハンナ・アレントさんの影響を非常に受けている。

    去年、地震があった頃、大杉栄さんの本を読んでいた。そのあたりが奇遇ではあったが、政治哲学というものを自分

    0
    2020年09月26日

    Posted by ブクログ

    長かったし、半分も理解できたのか分からないのだが、「何かの始まり」であるような気がする。つまり、数十年後に読み返したとき、「これは自分の思索の出発点だった」と振り返るような予感である。

    0
    2019年10月19日

    Posted by ブクログ

    読み直したさ:★★★
    労働・仕事・活動。世界性。多数性。マルクス。第六章にて「最大多数の最大幸福」についての指摘あり(その点に関して、功利主義の失敗などにも他箇所で言及あり)。
    〈感想〉
    たしかに、しかし、〜だからである、と分かりやすく文章が続くので読みやすい。最初のうちは諸概念の理解に苦労したが、

    0
    2015年01月28日

    Posted by ブクログ

    アーレントのいう「人間の条件」とはつまり、生命それ自体=生命を維持しなければならないということ、世界性=耐久性をもった人工的環境がなければならないということ、多数性=一人一人違った人間が共生しているということ、の3つである。
    そして人間はこの3つの条件に基づき、消費物を生産する「労働」、耐久財を製作

    0
    2014年10月11日

    Posted by ブクログ

    10年程前に精読し、書き込みなどでかなり痛んでしまったので、今回新たに買い直して再読しました。
    私は長年「なぜこんなに辛いのに死んではならないのか?」「なにを心の中心に置けば安心できるのか?」「私はなにのために生きれば良いのか?」といった問いに苦しまされ、若い頃から哲学や宗教などの思想を学んできまし

    0
    2014年09月07日

人間の条件 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

ちくま学芸文庫 の最新刊

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す