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条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察することができよう。ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになったのである。こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすだろう。本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、アレントの主著のひとつである。
...続きを読むPosted by ブクログ 2024年02月10日
アーレントの軽快な文章構成のおかげでスラスラ読み進められるが、一つの言葉に対して特有の意味をもたせる彼女のスタイルに慣れるまでが大変。
本著で考察される労働、仕事、活動という三つの題目が西洋の歴史のなかで、どのようにして各時代を渡ってきたのか、その経緯をアーレントは入念に考察する。
古代ギリシャを...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月08日
私的領域よりも公的領域に、そして労働や仕事よりも活動に、人間としての善き生を思い描くアーレントの議論は、ポリス的な生き方(公的領域で人々が交わる)を理想化しすぎでは?という不満はある。
でも、読むといろんな疑問がわいてきて、つまりそれだけいろんな閃きの可能性に満ちていて、興奮ずくめの読書だった。と...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月30日
本当に読み応えのある深い本でした。本書は20世紀の哲学者ハンナ・アレントの代表作の一つで1950年代に書かれました。訳者の志水氏も最後に述べているように、どちらかと言えば難解な本ですが、アレントの言葉の定義がわかってくると徐々にスラスラと読めるようになってきます。志水氏が最後に本書の概要をとてもわか...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月13日
おもしろすぎる!!!!いま自分たちの生きる「社会」への嫌悪の正体がかなり明瞭に示される。均一化や消費主義ときいてポジティブな印象を受けるひとは稀だろうが、そのことが生命過程との同化といった点から語られる。そこにはなによりも労働の優位がある。しかし本書がそのような啓蒙をめざしたものではないとはいえあえ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年09月26日
人間の条件
(和書)2012年01月17日 19:52
1994 筑摩書房 ハンナ アレント, Hannah Arendt, 志水 速雄
最近ハンナ・アレントさんの影響を非常に受けている。
去年、地震があった頃、大杉栄さんの本を読んでいた。そのあたりが奇遇ではあったが、政治哲学というものを自分...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年01月28日
読み直したさ:★★★
労働・仕事・活動。世界性。多数性。マルクス。第六章にて「最大多数の最大幸福」についての指摘あり(その点に関して、功利主義の失敗などにも他箇所で言及あり)。
〈感想〉
たしかに、しかし、〜だからである、と分かりやすく文章が続くので読みやすい。最初のうちは諸概念の理解に苦労したが、...続きを読む
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