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被差別部落の白山信仰、血穢の性差別、非常民の世界、民俗概念としてのケガレ。これまで日本民俗学が避けてきた問題、ケガレと差別の底に潜むものは何か。ハレ・ケ・ケガレの民間信仰の意識構造のなかで、ケガレが不浄なるものへと変化する過程を究明し、経血にまつわる女性差別の要因である血穢の虚構をあばく。また、死穢というもっとも大きな不浄観はどのような時空間で発生するのかなど、その基底にある民俗儀礼の奥底を明らかにする。ケガレとはたんなる汚穢ではなく、ハレを喚起する力なのだ。日本民俗の深層に根付いている不浄なる観念と差別の問題を考察した先駆的名著。
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年07月23日
民俗学をなぜ今学ぶのか、納得できる一冊。
副題で「差別の文化的要因」と書いてある通り、今なお存在する差別(人によっては差別とすら思っていないかもしれない)がどのようにして発生、変遷しながら現在に至るのかの考察を丁寧に行っている。
性差別の原理の部では、「ケガレ」という言葉の意味がもともと何を表す...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年07月27日
従来の民俗学でタブーとされていた領域に、若き日の宮田登氏が取り組んだ力作であり、私にとってあまりにも興味深いテーマを扱った一冊。
白山信仰に性差別(穢れに関わる)。ケガレとは「ケ枯れ」が起源だ、とはよく聞いた話だが、それが「ハレ・ケ」とどういった三者関係を結ぶのか、なぜそれが「汚穢」としてのケガレに...続きを読む
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