小説 - 集英社文庫作品一覧
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4.1豪雪地帯に取り残された家族。春が来て救出されるが、父親だけが奇妙な遺体となっていた(「存在しないゼロ」)。妻が突然失踪した。夫は理由を探るため、妻がハマっていたVRの怪談の世界に飛び込む(「もう一度、君と」)。全国民に最低限の生活ができるお金を支給する政策・ベーシックインカム。お金目的の犯罪は減ると主張する教授の金庫から現金が盗まれて――(「ベーシックインカムの祈り」)。AI、VR、人間強化、遺伝子改良人間、ベーシックインカム…。近未来に実現可能な技術を描きつつ、ミステリーの醍醐味を存分に感じさせてくれる全5編。これは予言ミステリーだ!
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4.1サハラ沙漠の真っ只中に不時着した飛行士の前に、不思議な金髪の少年が現れ「ヒツジの絵を描いて……」とねだる。少年の話から彼の存在の神秘が次第に明らかになる。一本のバラの花との諍いから、住んでいた小惑星B612を去った王子さまはいくつもの星を巡った後、地球に降り立ったのだ。王子さまの語るエピソードには沙漠の地下に眠る水のように、命の源が隠されている。肝心なことは目では見えない。心で探さないとだめなのだ……。生きる意味を問いかける永遠の名作を池澤夏樹による瑞々しい新訳でお届けします。原典の世界観を忠実に再現した横組みの本文。電子化に際し、挿絵は原典の彩色に復原しました。手のひらの中で、サンテグジュペリの描いた世界が鮮やかによみがえります。
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3.0ホテル・アルカディアの支配人のひとり娘・プルデンシアは、コテージに閉じこもっていた。投宿していた7人の芸術家は、彼女を元気づけ、外に誘い出すべく7つのテーマに沿った21の不思議な自作の物語をコテージ前で順番に語りだした。この朗読会は80年たった今も伝説として語り続けられ、廃墟と化したホテル・アルカディアには聖地巡礼のようにして、芸術家たちのファンが何人も訪れる。80年前、あの朗読会の後、芸術家たちはどうしたのか、そしてひとり娘のプルデンシアはどうなったのか? かつて味わったことのない読書体験を保証! 第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作。
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3.920年前、大リーグのニューヨーク・フリーバーズでプレーをしていた藤原雄大。52歳となった今は、マイナーリーグの巡回コーチをしている。ある日藤原は、現役時代のライバルで、大リーグ機構上級副社長であるヘルナンデスの訪問を受けた。東京オリンピックのアメリカ代表監督が亡くなったため、代わりに監督をやってくれないかと打診されたのだ。悩んだ末にその依頼を引き受けた藤原は、戦力補強のため、アメリカと日本の二重国籍を持つ大学生天才スラッガー、芦田をスカウトする。しかし、そこには二つの故郷の狭間で苦しむ若者の姿があった――。元日本人大リーガーが金メダルを目指す! 圧巻のスポーツ小説!!
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3.9東京新橋で銀行立て籠り事件が発生した。男性客が刺殺された後、犯人は逮捕されたが、被害者は40年前に成田闘争のデモで機動隊員を殺して手配され、公安に追われた男だった。その捜査に警視庁特殊事件対策班(SCU)が動きだす。SCUは犯罪が多様化する中、あらゆる事件の現場に介入できることを許された警視総監直轄の組織でチームは5人。公安出身のキャップ・結城から被害者の藤岡を調べるよう指示された八神は、犯人、被害者、公安が複雑に絡む事件の真相に、特殊能力を個々に持つメンバーの協力を得て挑む。才能豊かな刑事チームを描く警察小説!
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-ある日の放課後。寄宿学校に通う15歳のオスカルは、荒廃した城館に迷い込み、そこに住む少女マリーナと親しくなった。彼女に導かれ人知れぬ墓地を訪れると、黒い蝶が彫られた墓碑に赤いバラを添える貴婦人の姿が。好奇心で後を追うオスカルとマリーナ。しかしその先には霧の都バルセロナの覗いてはならない秘密が隠されていた――。物語の魔術師とも呼ばれるスペインの巨匠、カルロス・ルイス・サフォンが描く幻想と怪奇に満ちた幻の初期作。後に続く「忘れられた本の墓場」シリーズ四部作の原点!
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-戦後の万葉研究の第一人者による、初めての個人全注釈の文庫版。隣接諸学との多様な交流の成果も踏まえた、現代万葉学の集大成。一群の詩の背景、状況をいきいきと語る歌群ごとの釈注。新鮮な感動を呼び起こす充実した内容。『万葉集』は、5世紀初頭から8世紀中葉まで、およそ350年にわたる4500余首の歌を収める。本書第一巻は、白鳳期(629~710年)、いわゆる万葉第一・二期の中核的古撰集である巻一と巻二とを収める。宮廷の儀礼・行幸などにまつわる「雑歌」(巻一)と、万葉びとの愛と死を奏でる「相聞」「挽歌」(巻二)とは、『万葉集』の基本的な三大部立で、以下の巻の規範となった。額田王、柿本人麻呂たちの作品が天皇の代ごとに配列され、躍動的な白鳳歴史絵巻を繰り広げる。【文庫版:リフロー型】
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4.5「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです」 昭和36年。人生を教えることに捧げた、塾教師たちの物語が始まる。胸を打つ確かな感動。著者渾身の大長編。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い――。 阿川佐和子氏「唸る。目を閉じる。そういえば、あの時代の日本人は、本当に一途だった」 北上次郎氏「圧倒された。この小説にはすべてがある」(「青春と読書」2016年9月号より) 中江有里氏「月の光に浮かび上がる理想と現実。真の教育を巡る人間模様に魅せられた」 驚嘆&絶賛の声、続々! 昭和~平成の塾業界を舞台に、三世代にわたって奮闘を続ける家族の感動巨編。
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-ある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実(いつみ)。夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。そして川で水浴びをするのが夫の日課となった。豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すが……。女性が主体として生きていくことの難しさを描いた物語。
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4.2帰省するのはいつぶりだろう。大学進学を機に上京して十四年、忙しさにかまけて実家から足が遠のいていた私は、新幹線で金沢に向かっていた。まもなく旅立つであろうミャアを見送るために(「ミャアの通り道」)。離婚以来、自暴自棄の生活を送っていた女性の家のベランダに現れた茶トラが、生活を思わぬ方向へ変えてゆき……(「運河沿いの使わしめ」)――肉親を亡くした時、家庭のある男を愛した時、離婚して傷ついた時…… ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた。人生の様々な場面で猫に救われてきた女性たちの心洗われる七つの物語。「犬を亡くした私を救ってくれたのは猫でした」――著者インタビューも収録!
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