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1980年代、東京。女子大生の沙耶は、アルバイト先の投資顧問会社で中年男「ぼぎちん」と出会い、恋に落ちる。倍近く年のはなれた男と女の、痛々しいほど激しく、ピュアな恋。だが、大金を手にしては使い果たす日々に、ふたりの感覚は麻痺し、やがて愛も疲弊してゆく。バブルという時代に翻弄された恋の行方をリアルに描いた名作。文化庁主催、現代日本文学翻訳作品に選出。
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Posted by ブクログ
「流星たちの宴」のヒロイン理子のモデルとなった女性が書いた、もうひとつの作品です。ハチャメチャな人間である「ぼぎちん」と付き合えたのはある意味ではこういう女性なのかも知れない、と思いました。 以前、白川道の『流星たちの宴』について書きましたが、何かがきっかけで、僕は後にヒロインの理子のモデルが彼女...続きを読むだと知った。この本は彼女の側から「ぼぎちん」こと白川道との恋愛とバブルの時代を書いた貴重な記録だと思います。この書評を書くために読み返してみましたが、白川道こと梨田雅之がほとんど狂気に近い形でバブルの相場の世界に踊っているのに対して、彼女はなんていうのか、出会ったのは「ぼぎちん」が当時勤めていた兜町のある投資顧問会社だったのですが、 短期のアルバイト感覚で入社してきているせいなのか、全編を通してすごく醒めた眼差しでものを見ている感じがするのです。 物語では、お金がなくなるときはつつましくそしてお金がジャンジャン入ってきたときはまるで湯水のように金を使っていく二人がやがて破綻していくさまがとても切なかったです。ヒロインの女性はほかの男と逢瀬を重ね、やがて、「ぼぎちん」も相場が大暴落をしてすべてが灰燼に帰す―。そういう内容です。 『流星たちの宴』は純粋な相場小説ですが、この小説は恋愛ものとしても十分に楽しめると思います。
ステレオタイプではないスタンダードさとか若さゆえの妄信とかお金とぼぎちんとの関係とか、消耗加減、自分が何者でもないと気付いたときの弱さや焦り、 結局結婚では解決しなかったっていうところのリアルさと主人公の純情さにぐっと来た。 冷め方とか結婚してからの空虚感もとてもリアルに感じられた。 あと物...続きを読む語全体のスピード感に圧倒される。 女は一生に一回はぼぎちんみたいな人に出会う、きっと。
バブルのまっただ中にいる男と、その男とだけの2人の世界にいる女の話。 お金の有無、女性関係、そんなこんな関係なく、一緒にいるだけで幸せ、と思える人はなかなかいないよなぁ
愛されている実感を得ることでしか、自分の存在を肯定できない。。そういうことって、若い頃に恋愛にのめりこんだら、やっぱり起こりうると思う。 この話はお金が絡んでくるから、それがまたややこしくなるねんけど。 愛情=束縛からの脱却、自己の確立。 この過程は、読んでていらいらする。語っていることと行動が正...続きを読む反対やから。 けど、脱出したくてもがいている人みんなに共通することやと思う。うまいこと書いてるなあ。
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