作品一覧

  • 蟋蟀
    4.0
    1巻682円 (税込)
    読めばクセになる、吃驚の11ストーリーズ。  先生、これから連続側転するから見ててください――。  そういって、大学研究室で働く女性秘書は、高層ホテルの最上階のバーで、結構なスピードで部屋の隅から隅までくるくるとまわり始めた。そんな奇怪ながらも有能な彼女に惹かれた准教授はある日、求婚を申し出るのだが、彼女は研究室に珍奇な両生類の水槽を設置したまま、行方知らずとなってしまう(「あほろーとる」)。  ほかにも、馬、河童、蟋蟀、猫など様々な生き物をモチーフに、日常と非日常の境界線をのびやかな筆致で揺るがす、読めば読むほどクセになる11の物語たち。
  • マルコの夢
    3.5
    1巻407円 (税込)
    大学を出たが就職の決まらない一馬。姉に呼ばれてパリに渡り、ふとしたことから三つ星レストランでキノコの管理を任される。ある日オーナーから、店の名物料理に使う「マルコ」という日本原産のキノコの買い付けを命じられた。パリではこの店だけで食べられる極上のものだ。早速日本に飛んだ一馬だったが、思いもよらない事実を知ることに――。魅惑のキノコをめぐる、奇想天外な物語。
  • お縫い子テルミー
    3.8
    1巻429円 (税込)
    依頼主の家に住み込み、服を仕立てる「流しのお縫い子」として生きる、テルミーこと照美。生まれ育った島をあとにして歌舞伎町を目指したのは十五歳のとき。彼女はそこで、女装の歌手・シナイちゃんに恋をする――。叶わぬ恋とともに生きる、自由な魂を描いた第129回芥川龍之介賞候補の表題作。アルバイトをして「ひと夏の経験」を買う小学五年生、小松君のとぼけた夏休みをつづる『ABARE・DAICO』収録。
  • オテル モル
    3.9
    1巻451円 (税込)
    「悪夢は悪魔」の合言葉のもと運営される会員制地下ホテルで働きはじめた希里。「最高の眠りと最良の夢」を提供すべく「誘眠顔」である彼女の奮闘が続く。リハビリ施設に入院中の双子の妹に代わり、小学生の姪と、かつて恋人であった義理の弟とともに暮らす希里が働き始めたのをきっかけに、彼ら三人にも変化がみえてきたころ、妹の沙衣の退院が決まる。直後、事件は起きてしまう――。
  • ハミザベス
    3.9
    1巻495円 (税込)
    【第26回すばる文学賞受賞作】はたちの誕生日を前に、死んだと思っていた父が本当に死んだらしい。マンションを一部屋とハムスターを遺産として受け取った、まちる。母と暮らした家を出て、地上33階で静かに重ねる日常。元恋人の幼なじみや、父の同居人だった女性との不思議な関係と友情……。不器用なやさしさをユーモアでくるみ、流れる会話でつむぐ、新しい小説世界。注目作家のデビュー作ほか『豆姉妹』収録。

ユーザーレビュー

  • オテル モル

    Posted by ブクログ

    表紙を見る限りのんびりとしたお話なのかと思いきや
    とんでもない波瀾万丈が起こっていた
    あっという間に読み終えるほど続きが気になり引き込まれる
    テレビ東京系ドラマ24でやってそうな物語でした、むしろやってほしい!!
    主演は永野芽郁ちゃんがいいな
    でも読み終えた日の夜悪夢みたの解せない

    0
    2024年03月22日
  • マルコの夢

    Posted by ブクログ

    お仕事の物語かと思えばそうでもない独特な世界観。
    キノコに振り回されながらも主人公の一馬の順応性が凄い。
    キノコに仕組まれたような、でも逃れられない程の深刻さではなく、緩い感じが面白い。

    0
    2023年08月17日
  • マルコの夢

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    魅惑的なキノコに導かれる物語。就職活動にことごとく失敗し、都合のよいアルバイトを急募していた姉夫婦にフランスへと呼び出された一馬。商売の手伝い……だったはずが、なぜか取引先の三ツ星レストランでキノコ担当に。辞めることも叶わず、上司命令で幻のキノコを求めて再び日本へ。異様な光景や寝耳に水な話に対する受容力の高さよ。彼の未来は開けているが、俯瞰するとキノコの掌で踊らされているような怖さも。

    0
    2022年10月24日
  • オテル モル

    Posted by ブクログ

    好きすぎて、読むのもったいなくてゆっくり噛み締めながら読んだけど
    さくっと読めちゃいます。

    偶然にも正反対姉妹のストーリーを2冊読み終え、展開的にも胸焼けところのこの本でした。

    つらくない。

    たくさんの描写があるわけじゃない。
    でもそのほうが読み手によってどうとでも捉えられる。
    そんなところが好き

    ふわふわしてて
    いしいしんじさんを思いだした

    0
    2022年07月03日
  • オテル モル

    Posted by ブクログ

    『約束もしないで誰かをひたすらに待ち続ける』

    不思議。と一言で片付けて仕舞えばこの物語は終わってしまう。

    ただ素晴らしい眠りを提供するためだけに作られたオテルは、客従業員全員が心から安眠快夢を望み、それぞれの思考に影響を及ぼすくらい不安定なバランスで成り立っている。

    主人公はまるで自分は無害であるような顔して、静かに狂い、主人公の双子の妹はその矛盾を埋めるようにピエロを演じている。

    世界はその世界を覗く人の数だけ広がっている。重なり合った世界は、夢の中でだけ調和を保ち、心の歪みを拭い去っていく。

    読み終わった時、すごく満足した。とても良いものを読んだと感じた。わたしが覗く世界も、こん

    1
    2018年06月26日

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