感情タグBEST3
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お仕事の物語かと思えばそうでもない独特な世界観。
キノコに振り回されながらも主人公の一馬の順応性が凄い。
キノコに仕組まれたような、でも逃れられない程の深刻さではなく、緩い感じが面白い。
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魅惑的なキノコに導かれる物語。就職活動にことごとく失敗し、都合のよいアルバイトを急募していた姉夫婦にフランスへと呼び出された一馬。商売の手伝い……だったはずが、なぜか取引先の三ツ星レストランでキノコ担当に。辞めることも叶わず、上司命令で幻のキノコを求めて再び日本へ。異様な光景や寝耳に水な話に対する受容力の高さよ。彼の未来は開けているが、俯瞰するとキノコの掌で踊らされているような怖さも。
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「直筆って、すごいんだ。書かれた文字にはそのひとの魂がこもっているんだ。そのひとの歴史なんだ。過去、現在、未来のすべてがそこにあるんだ」
でも、料理長が言ったのだ。フランスにいるからには、フランスで採れたものを食べることだ。そうしてはじめて、その土地のことがわかる。
*・*・*・*・
なにこれ。すごい。意味がわからない。面白い。
就職が決まらず、パリにいる姉の仕事を手伝いに行ったら三ツ星レストランにスカウトされた。そこまでのたんたんとした感じがとても面白くて読んでいたら、日本に飛んだあたりからどうもおかしい。トントン拍子で、主人公がキノコに早変わり。彼の人生、もっというと祖先、そしてキノコを食べたひとたち、みんなキノコに支配されてた。ぐわん。メヒコに不思議なキノコがあるらしいんだけど、それを小説にしたらこんな感じになるんじゃないかなって思った。おもしろかった。ぐわん。ぐわん。
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たかがこんなものと思っているものに実は操られてるかもしれない
。
説明のつかないものを妄信していて、そんな自分に気付かないとか怖い。
キノコ怖いよ。
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主人公のカズマはなぜかパリにいる。
就職がうまくいかず、悶々と過ごしていた時に姉から自分の仕事を手伝えとパリに誘われたからだ。
ふらふらとあちらへこちらへと尻軽に行動するカズマはまるで「あれ」のよう。
「あれ」がもう一人の主人公でもあるのだが。
やっぱり不思議で素敵でちょっと薄暗いお話。好きだ。
ただ、わざとらしい名古屋弁が・・・。作為的か違うのかわからないけど。あんな言葉しゃべらんわー。
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キノコそのものであるキノコと、キノコに運命付られた青年の物語です。白昼夢のような印象を受けますが、それもすべて菌類特有の生態と非常に親和的で、なんというか味わい深い。何度も言いますが、キノコのように。
小説は、起承転結や変化がそれなりにあることを期待されつつ、実はフラクタルです。つまり、どの一節からも、その小説世界自体が匂い立つ。テーマやメタファーに還元されきらない、その世界の全体性が文字の連なりとなって現出してきます。菌類のその生命の拡がり、連綿と続く不思議な分裂とも再生産ともつかない在り方と、よく似ていると思いませんか。その意味で、物語である物語をさっと楽しむのにはうってつけです。
ただし時々、若者は苦笑いしてしまうようなブラックな表現がぽっと置かれていますので、そこはキノコのアクだと思って咀嚼しなければなりません。
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クスクス笑いながら読めるライトな純文学。
テレビ塔のある名古屋と、東京タワーのある東京と、エッフェル塔のあるパリ。その鉄塔の頂点から、大きなキノコのかさが広がるのをついつい想像してしまった。
でもラストがちょっと怖いような??
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大学を出たが就職の決まらない一馬。姉に呼ばれてパリに渡り、ふとしたことから三つ星レストランでキノコの管理を任される。ある日オーナーから、店の名物料理に使う「マルコ」という日本原産のキノコの買い付けを命じられた。パリではこの店だけで食べられる極上のもものだ。早速日本に飛んだ一馬だったが、思いもよらない事実を知ることにー。魅惑のキノコをむぐる、奇想天外な物語。
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読みやすい。
不気味な自分を支配するなにかしらを知ったところで、多少の戸惑いや怒りを感じつつも、共生できる。
答えを出さないまま生きる日本人のあやふやさとその力強さ、と言ったら言い過ぎかな。そうして生きられるのは、何よりうまいから、という食感と、仕事がほしいという生活中心的な価値基準。すてきな俗物としての面。呪いも忘れてしまえば呪いで無い。
河童で芥川龍之介が言っていた生活教が最近の気になるキーワード。
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前半は流されて生きてきた主人公が自分の生き甲斐を見つけていく、ありがちな展開かと思って読んでましたが、とんでもない展開でした。作者の投げやりかとも思える話の成り行きが面白かったです。
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生きるのは自分で、感じるのも自分。だったら、見え方なんて何だっていいじゃないか。人生の途中でイキイキとできるなら、それで十分だ。そんな風に感じる本でした。
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キノコを取り巻くゆるい奇妙な話だった。割とはじめの方に登場した、ギヨームがヒビの入ったレンズのメガネをごく普通に、当たり前に身につけてる描写に、「これは怪しい方向へ話が展開しそうだ」と思った。「そういうデザインの眼鏡なのか、フランスは、とくにパリはファッションにうるさい人が多いらしいから、眼鏡にもたとえばインパクトやら、個性やら、人との差別化やら求めるのかもしれない。すごいな、歴史がちがうんだな、フランスではファッションとは、人をそこまでかりたてるものなのだな。」と不意に現れた主人公のイノセンスな解釈に、心温まって、笑ってしまった。オシャレは我慢という言葉も頭をよぎったに違いない。姉、母、父みな自分に正直に生きているようだった。もちろん、知ってか知らずか、キノコを中心として。ポジティヴな性格なようでストレスを感じなくて、いいなあと思った。
そういえば、最近おいしいものを食べていない。しばらく上辺だけの、わかりやすい味の、おいしいようでおいしくないものばかり食べている。おいしいものを食べた後に、そうでないものを食べると、「あれ?なんか違うな」と思う。その感覚は忘れたくないから、そろそろ、ゆっくり、じっくり味わって食べるおいしい、楽しい食事がしたい。
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読後ふと妙な深読みをしてしまったのですけれど、
そんな視点もあったのか!と、目からうろこの解説に感動を覚えつつ…。
こと栗田さんに関しては、もっとマニアックでもいいのにな、
突き抜けちゃってもいいのにな、…なんて事を身勝手にも愚考する今日この頃なのでした。
なんだかとってもオシイカンジ。
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『オテル モル』や『お縫い子テルミー』より断然現実味がなくてシュール。スーファミのRPGをやってる感じ。うん、よくわかんない!
やっぱり特殊な仕事に就くんだなあ、この人の本の主人公は。羨ましい。
表紙の字体が可愛い。
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「マルコの夢」(栗田有起)を読んだ。なにぶんにも坂口安吾を読んだ後なので、「何?このまぶしいくらいの軽やかさは。」という感じ。面白いか面白くないかで言えば面白い。けど私には「マルコ」をうまくイメージできなかったし、なんとなく登場人物の足が地に付いていないような気がする。
なにしろ「オテル モル」がよかっただけに、「マルコの夢」に対して(自分の読解力は棚にあげて)いろいろ偉そうなこと言ってしまってますが、栗田有起さんの作品を読むのはまだこれが2冊目なのでもうすこしあれこれ読んでみようと思ってます。
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設定が好きだ。
ただ、もっと面白くできそうな気がして、もったいないような。「菌食推進委員会」とか、かなりワクワクさせられたんだけど、あっさり進んでしまった。
このボリュームでまとめるなら仕方ないのかな。
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マルコはパリの三ツ星レストランの看板料理に使われている日本産キノコ。そのお店のキノコ管理担当者である一馬。オーナーから日本でのマルコの仕入れを任されたことから、一馬はマルコの秘密そして家族の秘密を知ることになるのです。栗田由起さんはいつもどこか不思議な物語を紡ぐ方ですが、いちばんヘンなのがこのお話。思いもよらぬラストに、キツネにつままれたような気分になります。
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大学を卒業しても就職が決まらず、フラフラしている主人公の青年は、パリで暮らす姉に誘われるまま、これまたフラフラと仏蘭西へ渡ります。やがて、青年はパリの三ツ星レストランで、キノコ担当として雇われることになりますが、このレストランでしか扱っていないキノコが筆舌に尽くしがたいほどの超美味。ところが、人々の舌を魅了してやまない通称マルコと呼ばれるこのキノコの在庫もあとわずか。青年はオーナーの命により、名前も正体もわからない幻のキノコを求めて日本へ舞い戻ります。徐々に明らかになっていく、青年とキノコの因縁・・・・。
不思議なキノコの魅力に取り付かれた人々の、奇妙奇天烈な物語です。あっという間に読み終えてしまって、少々物足りない気がしましたぁ。もっと読んでいたかったなぁ。
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久しぶりに手に取った栗田作品。
幻の絶品きのこ「マルコ」を巡る摩訶不思議なおとぎ話。
主人公の草食系男子・一馬くんがいい。すっとしてて。話の流れなんてあってないようなものなんだけど、(しつれい)くすくす笑える面白さがあった、それに脇役陣もいい味だしてます。まるで短いお芝居を観たような気持ちになりました。嫌いじゃないです!
*個人的に憎めないパリジャン役のピエールが好きでした。映画「アメリ」に出演できそう!