無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが(「みなも」)。いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは(「愛の泉」)。世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説! 第9回河合隼雄物語賞受賞作品。
...続きを読むPosted by ブクログ 2024年04月18日
失敗する権利はあるってなんて素敵な言葉だろう。
もちろん、手放しにして失敗させるんじゃなく、失敗したとて寄り添いながら、本人も失敗も責めずに成長に結びつけていけるような優しさがおばあちゃんから滲み出ていて、すっごく温かい気持ちになったし、自分もこうでありたいと思った。
後悔させたくないのはどの親も...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月02日
んー素敵な本だった。
家族っていうのはなんなのか。
ジェンダーと立場の縛りを絡めながら、
寺地さんの言葉が優しく見せてくれる。
可愛い洋服が苦手な姉の水青。
裁縫、刺繍が好きな弟の清澄。
形容が難しいけれど、一生懸命な母のさつ子。
女は◯◯の価値観で過ごさざるを得なかった祖母の文枝。
父、父の仕...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月05日
頭では理解してても心がついていかないことってあると思う。
その結果、言わなくていいことを言って相手を傷つけてしまうこともあるし、そうしてしまった事実で自分自身のもやもやが取れないこともあるよなあと。
それでもお互い思い合って、みんながなるべく自由に生きられるといいなと思いました。
今の自分にとって...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月27日
登場人物みんなが主人公で、それぞれの視点で物語が進みます。日常の思いがけない出来事や、人から言われた何気ない一言から悩みが増えたり解決したりするのだと改めて実感しました。どれも胸が熱くなる内容でしたが、特に文枝の話が苦しくも前向きになれるような素敵な話でした。
最後にはタイトルの意味が明らかになり感...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月20日
本を開き、見返しの遊び紙のきれいな水色がまず目を惹いた。読み終えたあと、『水を縫う』というタイトルがすごくいいと思った。
刺繍が好きな高校生の松岡清澄が、姉の水青(みお)のために、飾り気のないウェディングドレスを作ることになる。
男子が刺繍が好きだということに対する偏見、水青が飾り気のないウェデ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月24日
~らしさという考え方に焦点を当てた作品。
近年多様な価値観が肯定されることが多く、否定されにくくなった印象ですが、らしさという言葉自体が私達を型に嵌めてしまっているのではと危機感を感じました
~らしさが話題になることは良いことですが、目にして納得するだけじゃなくて自身の無意識の部分を見つめることが大...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。