水を縫う

水を縫う

638円 (税込)

3pt

松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが(「みなも」)。いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは(「愛の泉」)。世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説! 第9回河合隼雄物語賞受賞作品。

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水を縫う のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月18日

    失敗する権利はあるってなんて素敵な言葉だろう。
    もちろん、手放しにして失敗させるんじゃなく、失敗したとて寄り添いながら、本人も失敗も責めずに成長に結びつけていけるような優しさがおばあちゃんから滲み出ていて、すっごく温かい気持ちになったし、自分もこうでありたいと思った。

    後悔させたくないのはどの親も...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月10日

    よかったです
    じんわり沁みてくる、清々しい気持ちの残る物語でした
    私にとって、地元が舞台というのもあって、文章が、全部、関西弁で、入ってきました笑

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    Posted by ブクログ 2024年04月02日

    んー素敵な本だった。

    家族っていうのはなんなのか。
    ジェンダーと立場の縛りを絡めながら、
    寺地さんの言葉が優しく見せてくれる。

    可愛い洋服が苦手な姉の水青。
    裁縫、刺繍が好きな弟の清澄。
    形容が難しいけれど、一生懸命な母のさつ子。
    女は◯◯の価値観で過ごさざるを得なかった祖母の文枝。
    父、父の仕...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月30日

    女性らしく男らしくと色々考えさせられる作品でした。登場人物がそれぞれ自分の考えを持っていて面白かった。

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    Posted by ブクログ 2024年03月15日

    「多様性」が叫ばれる現代だが、本当の意味で「その人らしさ」を尊重するとはどういうことなのだろうか?と考えさせられた。
    縫い物が苦手、細かい作業が苦手な自分にとっては「雑巾1枚ですら縫ったことが無かった」と懺悔するかのようなさつ子の言葉、それに対する清澄のアンサーが印象的だった。

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    Posted by ブクログ 2024年03月05日

    頭では理解してても心がついていかないことってあると思う。
    その結果、言わなくていいことを言って相手を傷つけてしまうこともあるし、そうしてしまった事実で自分自身のもやもやが取れないこともあるよなあと。

    それでもお互い思い合って、みんながなるべく自由に生きられるといいなと思いました。
    今の自分にとって...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月27日

    登場人物みんなが主人公で、それぞれの視点で物語が進みます。日常の思いがけない出来事や、人から言われた何気ない一言から悩みが増えたり解決したりするのだと改めて実感しました。どれも胸が熱くなる内容でしたが、特に文枝の話が苦しくも前向きになれるような素敵な話でした。
    最後にはタイトルの意味が明らかになり感...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月20日

    本を開き、見返しの遊び紙のきれいな水色がまず目を惹いた。読み終えたあと、『水を縫う』というタイトルがすごくいいと思った。

    刺繍が好きな高校生の松岡清澄が、姉の水青(みお)のために、飾り気のないウェディングドレスを作ることになる。

    男子が刺繍が好きだということに対する偏見、水青が飾り気のないウェデ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月24日

    ~らしさという考え方に焦点を当てた作品。
    近年多様な価値観が肯定されることが多く、否定されにくくなった印象ですが、らしさという言葉自体が私達を型に嵌めてしまっているのではと危機感を感じました
    ~らしさが話題になることは良いことですが、目にして納得するだけじゃなくて自身の無意識の部分を見つめることが大...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月14日

    「男の子だから」「女の子だから」と、がんじがらめになり、好きな事を堂々と言えない。令和でもその思想は根強く、女だから家事が出来なくては。男だから出世しなくては。とつい自分でも考えたしまう所を改めたい。

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