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Posted by ブクログ
清水氏の小説って、こんなに冷静なものなのだとやっとかめシリーズや、勉強シリーズでしか触れていなかった作者の作品に驚きました。
作品の文体、文章、言葉遣いに引き込まれる感覚で一気読みでした。
著者は日本語に対する深い考察を持っていてその著述も多く大変に興味深い。
だからであろうか、この作品を読む際に文章に対する抵抗があまり無い。
普通どのような作品を読んでも理解しづらい表現があるし、それが自分の読解力不足が理由の時も含めて当たり前なのだけれど。
この作品ではさまざまな文体を駆使しているけれどそれぞれの文体の隅々まで著者の神経が行き届いていると感じられた。
Posted by ブクログ
清水義範氏の作風からすると、異色作に当たるのではないかと思う。
著者が得意とする「笑い」は本作にはまったく散りばめられていない。
描かれているのは、ただただ陰惨な犯罪の記録と、
そこに至るまでの人々の描写。そして「ひょっとしたら……」と思わせる、
ミスリードのない読者の誘導。
「ミスリードのない」と言うものの、確証を得るまで読者は決してその
解釈に確信が持てない(あらゆるミステリが及ぼした弊害ともいえる)。
そこまで計算し尽くされているような気さえする。
とにかく、作品の世界に引き込まれて一気読みした。面白い。
「オチが不充分だった」「期待外れ」といった声も多い。
しかしオチに辿るまで、引き込まれていれば小説は充分。
テレビや漫画、ほとんどのミステリ小説など、世の中には
わかりやすい幕引きがキチンと用意されたエンターテインメントが溢れている。オチが描かれない、不充分、そんな『藪の中』的なリドルストーリーが残された最後のフロンティアが小説なのだから、その世界を味わわないわけにはいかないと、個人的には思う。
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