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Posted by ブクログ
川入勝。運動ができず、勉強もできにあモテない高校男子。唯一の友達でゴツくて柔道部で、リビドーを無駄に持て余している宇佐田だけが友達である。ある日、クラスでも目立つ美人の波多野さんに自転車でぶつけられ、気になる存在になってしまったが、波多野さんからはどうも嫌われているようで、毎日が暗闇なのだ。
川入くんの遺書のノートという形で前編が描かれる、男子高校生の日常を描いた作品。一章一章は2~3ページと短く、ほとんどの日は何も起こらない。ただただ、モテなくて死にたいと思い続ける日々が綴られていく。
しかしそんな中、柔道部の宇佐田が作詞するという能力を披露。そしてそれがきっかけで疎遠になっていくのだった。
全体にちょっと古いなと思っていたら、途中で御巣鷹山の日航機事故に阪神タイガースの大躍進(バースがいる)、岡田有希子に『ガラスの仮面』31巻と、唐突に1985年であることが明かされていく。
そこで疑問を感じるわけだ。1985年に、中学生が熱中するラップ(ヒップホップ)があっただろうか?なぜ「1999」なんていう歌詞を思いついたのか?「カワユス」は存在し得たか?
同時代を経験したからこそおかしいぞと感じる部分もいくつかあり、途中からは少し冷めた目で読んでしまった。あまりに集中して時代製のキーワードを出してほしくはなかったかな。
終盤では、運動も勉強もダメな川入くんが、とあることから皆の注目を浴びていく。
作者があとがきで言い訳して入るが、特技を除いてかなり私小説の部分はあるのであろう。川入くんがあまりに救われなくて仕方がなかったのだろうが、実際の高校生なんて、ほとんどが本当に救われずに卒業まで過ごすのである。そういうストーリーでも良かったような気はする。
まあ、男子高校生は一度読んでみたらいいと思うよ。思い当たるところがたくさんあるだろう。
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小説・文芸
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