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人気作家・モンクは友人のミュージシャンたちとテレビの取材でバリ島を訪れる。撮影はスタートするが、モンク自身の躁鬱と、スタッフの不手際や不協和音に悩むが、呪術師を取材し超常現象を体験した後、モンクも落ち着きスタッフもまとまる。帰国したモンクは親しい友人たちを誘い再びバリを訪れるのだが。リアルに迫りくる幻想体験を通じ、なぜか読むほどに心安らぐ小説。
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Posted by ブクログ
「アポーツ」って、えっ、今まで意味を取り違えとったわ。 てっきり、らもさんがプロレス好きやから、「アポーッ」って、ジャイアント馬場の声マネかと思てた。 すんません。でも、こんな読み方でもかまへんですよね、らもさん。 「そのカン違い、あんま、おもんないな。 でもまあ、かまへんか。 あんまりカチっとし...続きを読むた読み方せんでもええで。」 …って天国のらもさんなら許してくれそうな気がする。 (2007/8/10)
小説の形態をとっているけれど 内容は複雑怪奇なバリ島的人間探求のドキュメントである 二元論とか無限とかこの世の始まりとか意識などに 好奇の目を光らせている人達には捨てがたい本である 一般にはバリ・ヒンドゥーと呼ばれているが その真髄には大乗仏教とアミニズムが流れている 中でもアグン残のベサキ寺院...続きを読むは大乗仏教に傾倒しているという 過去生から現在などの占いや個人に向けたお守りも創るらしい ベサキ寺院のテジャ師は三という数を完璧として大事にする 祈りとともに涙が出だして怒りの涙から始まり 哀しみの色に変わり最後は無色透明になる 一般にバリの音楽をガムランと言う 鉄琴やドラによる強いリズムとメロディーで陶酔へと導く この鉄琴は新しいもので その昔はジェゴグという音楽で竹琴を使ったのだそうだ 大きいものだと四メートルもあるという それを復興したのがサンカンアグン村のスウェントラさんだという スウェントラさんの連れ合いはニホン人だそうで 普段はデンパサールに住んでいる 聖なる右手で湖水をすくい汚れた左手にふりかける 人生の汚物を拭くために余土してしまった左手 すべてのガラクタじみた奴らのために何度でも重なる汚辱で 棍棒のように固くなってしまった左手 その左手のために涙を流していたのではないかと〜 三+六で九・三✕三が九・三✕四が十二・一と二で三・三✕五で十五 一と五で六・三✕六で十八・一と八で九・三✕七で二十一・二と一で三 三✕八で二十四・二と四で六・三✕九で二十七・二と七で九・・・ 数字で位階(ヒエラルキー)があるように色でもあるだろう 金色から白・水色・ブルー・赤・緑・土色・黄色・黒と並ぶと著者は言う 無色というのはこの世にない 人間は島だとテジャ師は言う 水が引けば島は繋がる そこでは島と島が繋がって一つになっている 人間も同じかもしれない 一人ひとりも全体の底では繋がって一つになれる 人間は時間軸と空間軸に沿って点在している 皮膚によってお互いが外界と遮断し合っているけれど 全体観を取り戻せばシェアによる共生感覚を得られるのではないだろうか
ちょい難しい。理解しがたいけど、こんなにリアルに薬物について書かれると体験しなくて良い派の僕には勉強になります。
ノンフィクションだそうで、たしかにバリ島の色彩とか匂いとか現地の人の表情とかがリアルに描かれている。以前読んだ同著者の「ガダラの豚」と比べてとてもすいすい読めたし心地よかった。ソトさんがいいキャラしてる。
ほぼノンフィクションだそうな。こちらの精神までゆらゆらするような不思議な感覚。今まで読んだことない不思議な小説。ますますバリ島行ってみたくなるー!
なんだろう 確かに小説としては 逸脱した作品だったのだが 水に似た感情の意味が最後に解き明かされ 人間の真相意識に眠った 遠い過去 遺伝子レベルでしか残されていない 無意識のラインを揺り動かされるような センセーショナルなノンフィクション作品だった…
いかれてるぜ! わたしも躁鬱気味なので とてもシンパシーを感じ とてもイトオシク感じ 心の膜をはずしてくれる最高の物語***
僕は氏の小説のファンです。本書はまだ手を付けていない氏の小説の中から、まずはこれ、ということで選びました。僕は現実と幻想が入り混じり、境目がどこか分からないような内容の小説が好きです。本書はドラッグやアルコール、精神障害などと、オリエンタルでエキゾチックで神秘的な内容が絡み、とても心地よいものでした...続きを読む。特に前半の短い会話でテンポの良い、漫才のようなコミカル部分から、後半での緩やかな流れの文体への移行はとても良い効果でした。あとがきを見るとどうやら前半部分が氏の躁状態での執筆で、後半部は治療後とのことです。なるほど。
タイトルが気になって読んでみた。 なかなか楽しませてもらいました。 「魚はなんらかの集団内の情報伝達手段を持っている。個として分断されていない。一方、人間は言葉を使ったり体を合わせたりしない限り、他人と情報伝達手段を持たない。個に分断されている。それは何故なのか?」
綺麗な本です。 水に似た感情、あたしはこの本にある種水に似た印象を受けました。 躁状態の描写とかもさすが実体験だけあってリアルだし。
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