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Posted by ブクログ
中島らもによるエッセイ・小説。中篇と短篇が合計4篇入っている。
中島らもの作品は初めて読んだが、独特の世界がある。醜くくて強かな現実を強烈に皮肉りながらも、その世界の一部に自らも飲み込まれていくどうしようもない様を描き切る。その表現の味わい深さとユーモアが素晴らしいと思った。
小説なのかエッセイなのかがよく分からなかったが、あとがきでの著者の「現実というものはあまり愉快なものでは無いから、せめて書きもので創る世界は水気のない大笑いの大地にしてやれ、という意図に基づいている」という言葉通りに現実を創り変えたものなのだと理解した。
読んでいて面白く、他者と社会への許容をもてる一冊。
「この本は、つまりラリリながら書かれたものだ。したがって、世界そのものによく似ている。つまり、美しくて醜く、頭の中の痒みのように永遠にそれを掻くことができない。そんなところが、僕は好きなのだ」
Posted by ブクログ
らもさんの初書籍本にしてノンフィクション・飾りっ気なしのぶっつけ酩酊ラリリ本。
僕に踏まれた町~→アマニタパンセリナと読んできてこちらの本を読みましたが、最高です。
らもさんの酩酊ラリリっぷりの素行を既にこれらの本で触れていたから……というのもあるかもしれません。構えず「そういうもんだ」という風に読めました。一緒にラリパッパ。
ラリパッパの他に、仕事に責任に人生に追いやられ、フラストレーションは溜まりに溜まり、だいぶ疲れちゃってイカレちゃって、「頭の中がカユく」なる、「ワラが詰まって」いる感じ、現実逃避の余り思考があっちこっち支離滅裂……な感じが、今の自分の状態と重なる部分があり、読んでてよりのめり込んでしまいました。
甘やかでくすぐったく、そして優しいセックスの描写というのも……ちょっと、たまらないものがありましたね。
理性的で、獣にあらずでありながらも、はっきりとした下心。いいですね。
いつの間にか夢か現実かわからなくなってしまう、そんな感覚がとてつもなく気持ち良い本です。「夢」とわかりやすい場面ではエモいイマジネーションにフワフワと酩酊し、「夢か現か幻か」という場面では、そのサイケデリックさに酔い、微かなしかしはっきりと香ってくる現実の薄汚い香り、動物的な臭気とコンクリートジャングル的な無機物の臭気……がとても良い味出してるんです。
"「人間が一人」と羊が樹の下で呟いた。"
"珈琲は黒い腐った血"
言葉のセンスがたまらなく美味です。
子羊を抱き海岸線を走る電車に乗り、どこか知らないとんでもないところへ到着し、大事に抱えていた子羊は石英に変化しており……。
この辺りから、ラストの海底と水平線のくだりにかけて、本当にいい塩梅にラリリでしてね、最高です。
悪夢のような「東住吉のぶっこわし屋」、どろどろに濁った卑屈の青春の体液を泳ぐ「私が一番モテた日」、一夜の夢と"バチ"とS・O・S・トゥ・ザ・ワールドの「クェ・ジュ島の夜」……これら短編もかなり"キ"てますね
いや、面白かったです本当に。
理屈とかそんなものはどうでもいいんです、感じたままを舐めとる本。
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