Posted by ブクログ
2016年11月14日
時代なのか、たまたま自分の周りにそういった人がいなかったのか、自分の人生経験では想像がつかない話ばかり。特にヘルハウスの話はインパクトが大きかった。
ドラッグで死んでいく友人たちの話も悲痛。
ドラッグか酒かで酩酊して階段から落ちて死ぬだろうという予言めいたことも書いていた。
文章は面白いし、バン...続きを読むドもやってて、劇団も作る。
薬と酒の強烈な依存もそうだし、とにかくやることがトンガっている。
自分にはこのトンガリがないから、著者に惹かれるんだろう。
巻末の解説では山崎幹夫という方が、らもさんについて客観的に書いてある。こういうのは本当に貴重だ。
“らもさんは不思議な人だった。バンダナで押さえた長髪を後ろに結び、黒いマント、そして、足許には真っ赤な靴下といういでたちで私の前に現れ、いきなり、初対面の私に「僕、センセーのご本、みんな読んでいます」と言った。毒の話が大好きだとも言ったように思う。言われなき先入観、というのは、らもさんのような鋭い感性に彩られた小説やエッセイを書く人は、恐らくはすごく変わり者で気難しい人なのだという僕の思い込みのことなのだが、そのために緊張していた僕の気持ちは、らもさんの気遣いの効いた対応のお陰ですぐにほぐれた。”