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表題作「白いメリーさん」のタイトルに惹かれ、読んでみました。メリーさんと言えば、40代以上の横浜市民にとっては知名度の高い人物かもしれません。私が初めてメリーさんを見たときの衝撃は忘れられません。小学生の頃「横浜高島屋」の入口の椅子に、全身白ずくめで白いドレスに白い靴、髪も真っ白のおばあさんが座っていました。顔も真っ白な歌舞伎役者のようなメイクで、陶器の人形かと思い、つい触ろうとしてしまいました。メリーさんの生業など知っている叔母から「近づいてはいけません」と言われたのをよく覚えています。それから20年くらい経ったある日、本当におばあさんになって、昔と変わらない格好をしたメリーさんを横浜駅で見かけました。変わらない存在感だったのを覚えています。多分それが最後だったと思います。「白いメリーさん」をはじめとしたそれぞれの作品は、とてもブラックでシュールで、そして恐さと笑いが入り交ざっているような短編集となっています。古さと新しさの両方を求めている方にぜひおすすめの1冊です。
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