あらすじ
まっ白な帽子に白いスーツ、白いストッキングに白いハイヒール。髪もまっ白という「白いメリーさん」。誰を殺してもいいという年に一度の「日の出通り商店街 いきいきデー」――など、怖すぎて、おもしろすぎる9編を集めた珠玉の短編集。ナニワの奇才・中島らものユニークな世界に思わず引き込まれる一冊!
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表題作「白いメリーさん」のタイトルに惹かれ、読んでみました。メリーさんと言えば、40代以上の横浜市民にとっては知名度の高い人物かもしれません。私が初めてメリーさんを見たときの衝撃は忘れられません。小学生の頃「横浜高島屋」の入口の椅子に、全身白ずくめで白いドレスに白い靴、髪も真っ白のおばあさんが座っていました。顔も真っ白な歌舞伎役者のようなメイクで、陶器の人形かと思い、つい触ろうとしてしまいました。メリーさんの生業など知っている叔母から「近づいてはいけません」と言われたのをよく覚えています。それから20年くらい経ったある日、本当におばあさんになって、昔と変わらない格好をしたメリーさんを横浜駅で見かけました。変わらない存在感だったのを覚えています。多分それが最後だったと思います。「白いメリーさん」をはじめとしたそれぞれの作品は、とてもブラックでシュールで、そして恐さと笑いが入り交ざっているような短編集となっています。古さと新しさの両方を求めている方にぜひおすすめの1冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
世にも奇妙な物語のいきいきデーが大好きでして、原作が収録されていると聞いて買ってしまいました。
なんと魅力的なシティホラーを書く作家さんだろう。
登場人物の思想は現実離れしていなくて、どこか自分と似ていて、一層の没入感を得られた。
ありそうでなかった設定の作品たち。
他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
怖くて残酷な事をサラッと面白く…中島らもさんの本はどれも好きだ。
9編の短編集で、どれも短く完結していて、どのストーリーもオリジナリティがあって楽しめた。
残酷な事をサラッと面白く書かれると、あれ?読み間違えた?で思わず読み返してしまう。そこがまたいいのだ〜
Posted by ブクログ
人が感じる恐怖とか、可笑しみとか、悲しみとか、その他いろいろ。
この短編集を読むと、思いもよらぬ不思議な方向からそういった感情をチクリと刺激される。
Posted by ブクログ
コメディ的だったり幻想的だったり陰鬱だったり、中島らもの魅力がたっぷりつまった短編集でした。
「白髪急行」「夜走る人」「脳の王国」が特によかった。
脳の王国は本当に怖いけど。
「日の出通り商店街いきいきデー」は世にも奇妙な物語で実写化されてたやつかなぁ?
Posted by ブクログ
あからさまな表現もあり所々にらもみ(らもみ?)をちらつかせられるのに、端々に見える綺麗な表現にハッとさせられ、一編一編終わるたびの満足感が良かった。
後書きもかなり良い。 くっさいおっさんから湧き出るねっとり綺麗な作品たち
Posted by ブクログ
現実から一歩足を踏み外したような不思議な軽やかさ。
そうか、中島らもさんってこういう文体だったか、と久しぶりに読んで思い出す。短編で描かれる奇妙な物語は、夢で見るような、明日朝起きたら世界がそうなっていそうなお話。
中島らもさんの新作がもう読めないことを考えてしまう。そして、また、読み返したい気持ちも。
Posted by ブクログ
奇才、中島らものユニークなホラー短編小説。
「中年過ぎると、ぼんやり気づいてくるんだ。自分はもう用済みだってね。」(P30)→ふむふむ、納得。
Posted by ブクログ
日の出通り商店街 いきいきデー・・・
まず、タイトルからしてぶっ飛んでいるのですが、読みだすと、さらにぶっ飛びます(笑う)
ブラックユーモア、と言えば良いのでしょうか?なかなかエグい内容なのですが、非常にポップな物語に思えました。
白髪急行・・・不気味です。わずか10ページのストーリーなのに、なんでこんなに不安になるのでしょう。
らも氏の作風の幅広さが見えます。
微笑と唇のように結ばれて・・・古典的なホラーと、静かなエロティックさで描かれています。情けない男の話なんだけれど、終始もの悲しさに彩られています。
白いメリーさん・・・かつて都市伝説となったいた、
「メリーさん」を題材にしているようです。
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうのですが
このメリーさんの描かれ方が少々変わっています。
ラストの引き際には、呆然としてしまいました。
中島らもさんの小説は、初めて読みました。「奇才」と聞いていましたが、確かに、かなり独創的な発想をお持ちの方のようです。
不気味、ブラックユーモアに支配されているような
短編集です。
初めて読んだ、らも氏の小説がこれで良かったと思いました。なんというか、入りやすい。
他の作品も読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
なんか俗っぽいんだけど、聖って感じ。これは一体……、っていう不思議な感じで読み終えた。
でも、こう…キラッとしてる?
こういうの好きだな。
全部で9編ある。白いメリーさんとラブ・イン・エレベーターが気に入った。どう良かったかは説明しづらいけど。
らもさんはどんな人間なんだよ。
Posted by ブクログ
爽快なホラーあり、切ない系のホラーあり、ちょっと艶っぽい感じのホラーあり(要は全部ホラー)、と、中島らもっぽさを存分に堪能できる短編集。
仕事が立て込んで立て込んで仕方なかった時、寝起きの一服のお供にチビチビ読み進めたのですが、そういう隙間の時間にジャストフィットする軽やかさでした。
「日の出通り商店街 いきいきデー」が面白過ぎる。
Posted by ブクログ
今までに読んだ中島らもは「カポエラをする人」くらいかな.たぶんそれ一冊くらい.だから自分の中で中島らもの作風というのはそれ.ユーモアを追求していて、楽しませることのみに重点を置く.
「白いメリーさん」は同タイトルの短編を含む短編中編の集.
最初の「いきいきデー」は「世にも奇妙な物語」で見た.これは中島らもが書いてたのか.そう言われたらモウそうだとしか考えられない.かなり中島らもらしい作品だもの.この本の中の小説はどれも割りとキレイに書かれているけど、その「いきいきデー」なんかはホントにアホな設定でオチまで笑える.でも根底にあるのは中々深いテーマなんじゃないか.
「白髪急行」なんてすごく短い小説で、これはまあ割とありふれたテーマであるけれどこんなにキレイな話を仕立て上げるのはやはりすごい.
「夜走る人」、こういうのが自分は一番好きだ.
「クロウリング・キング・スネーク」「微笑と唇に結ばれて」、これはちょっと寒かった.
Posted by ブクログ
不思議な後味、どこかあっさりとした風味の短編が9つも入った、お得感満載の一冊です。
中島らもさんの作品は初めて読んだのですが、どの話もオチが絶妙です。
本を一冊読んでいる時間がない、という方にもおすすめ。
Posted by ブクログ
「日の出通り商店街 いきいきデー」「クロウリング・キング・スネイク」「白髪急行」「夜走る人」「脳の王国」「掌」「微笑と唇のように結ばれて」「白いメリーさん」「ラブ・イン・エレベーター」
が読めます。
どうしてこんなに切ないんだろう笑。
笑っちゃうんですよ、なんか、こう、切なさを感じる自分に。
解説に山内圭哉が透明感があるとかいてあるけど、
本当にその通りだと思った。
えげつなさの中に透明感のある、本当に不思議な話たちだと思った。
前よりも、中島らもを好きになる。
Posted by ブクログ
短編集。全9話収録されているが、一話一話がほんと短い。でもその一つひとつに中島らものエンターテイナーとしての要素がぎっしり詰まっている。
「いきいきデー」なんかはもう少し話を膨らませれば、ホラー映画の一本でも撮れるんじゃないか?
個人的に好きだったのは「夜走る人」の車さん(笑)
Posted by ブクログ
日の出通り商店街を歩いていると天ぷら屋が襲ってきた。
衝撃の一文から始まる「日の出通り商店街いきいきデー」を始め、奇妙な味の9編の短編集。
ホラー?でも楽しく読める軽妙な語り口!
「クロウリング・キング・スネイク」やたら前向きな蛇女の話がワロタw
Posted by ブクログ
とびきりな話も無かったが、楽しく読めた。
どこか不気味で、少しコミカルで全体に明るい感じ。
長さがまちまちでめくった瞬間にもう終わり?もうちょっと続けて、って話も有ったが。
Posted by ブクログ
「世にも奇妙な物語」に出てきそうな、不思議で恐かったり切なかったり、ドキッとする話ばかりだった。
(と思ったら、過去に「世にも奇妙な物語」で映像化されていたらしい)
「脳の王国」が、想像できそうでなかなかできない世界が巧みに描かれていて好き。
Posted by ブクログ
簡単にコメントなど。
たぶんネタバレ
日の出通り商店街 いきいきデー
*世にも奇妙な物語で見て、全く意味わからん。微妙って思ったやつだったけど…やっぱり謎だ。
皆面白い!!というけど、どうだろ。
でも、商売道具を武器にっていうのはいいね!
クロウリング・キング・スネイク
*急にぶっ飛んだ内容
タイトルの通りスネイク
あねじゃっていうのが気になるな。
でも、何か前向きになれる話だった。
白髪急行
*雰囲気は好きだけど、文字びっしりすぎてちょっと読み辛かった。
夜走る人
*なるほどー。
車さん。
脳の王国
*心をよめる
面白くはなかったかな。
設定はすごい!
植物状態の人の心が読めたらって、考えてしまうと思う。
「フニャチン!」
掌
*ホラーか?!と思いきや。
ひとすじなわじゃいかないね。
微笑と唇のように結ばれて
*スネイクと脳の王国、そしてこの話が一族もの。
なんだかなー。
白いメリーさん
*表題作
パチンコのネタ、魔法陣ぐるぐる(笑)
どっちが先なんだろ?(まあ、微妙に違うけどね)
うわさのことについての内容が、リアルだった。
ラブ・イン・エレベーター
*分かりやすい
そんな、世にも奇妙なお話の短編集。
独特な文章。シュールっていうか…。
それが、合うか合わないか。
私は最初微妙だった。
でも、何度も読んでたら味がででくるっていうか、不思議な感覚におちいってきた。変なの。なんだろこれ?
また読も。
評価の星は★2と3の間。 とりあえず3に。
Posted by ブクログ
横浜のメリーさんの本だと思ったら、全然違う。そこからイメージを、とったかな、という程度。誤解したことが面白かった。内容は良いけど、好みではない。
Posted by ブクログ
短編集でやや古さを感じるもののつまらなくはなかった。
ただ、解説はいらないと思う。
個人的には夜走る人が好き。
全体的に狭い枠内で完結させてるような空気がある。
Posted by ブクログ
とにかくいつもの日常を取り戻したいと思っている中
不思議な世界観の短編集なだけに
少しフワフワした気持ちになったが
通勤の電車
余暇
ほろ酔いの就寝前に
本を読むこと
それこそがまさに何気ない日常の1コマだと気がついた
大事で、とても幸せなことです
Posted by ブクログ
奇想天外過ぎる!
蛇女にしろいきいきデーにしろ、題材は<恐怖>なのにブラックジョークというか、ゆるいというか、陽気。明らかな非日常なのに、淡々と受け入れてしまうような説得力がある。その溝が面白い。
全てが馬鹿話(けなしてない)かと思いきや表題作の「白いメリーさん」だけやるせなさ、「夜走る人」の幻想的な空気、「ラブ・イン・エレベーター」で“恋人の全容を知るにつれ恋愛的興味も無くす”というなかな頷いてしまうようなキッツイ含み、アクセントになっててるせいか印象も強い。
これだけのショートサイズで特濃の空気感を出すのも凄い。なんかジャンル分けしようとすると非常に困る小説です。
独特な世界
初めてこな作家さんの作品を読みました。ブラックユーモアでもなくホラーでもなく、、、独特な世界感です。結末が読めない作品ばかりでそこは楽しめました。ですが好き嫌いははっきり分かれるかもしれません。