筑摩書房 - ほのぼの作品一覧

  • モモヨ、まだ九十歳
    3.7
    パンダが見たい。新幹線で一人上京してきたモモヨ九十歳。カルバン・クラインのショー・ウィンドウに見とれるわ、ディズニーランドを駆け回るわ、靖国神社には目もくれず東京ドームにまっしぐら。あふれ出る好奇心、面白がり力全開のスーパー・グランドマザーはいかにして出現したのか。七人の子供を育てることが人生だった。時代にはまだすがすがしい折り目正しさがあふれていた。その自由人ぶりを見て「あんないじわるバアさんに自分もなりたい」と願う孫が綴る涙と笑いの女一代記。
  • 図書館の神様
    3.9
    「これって青春?」「どうやらそのようですね」ーー。思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問に! 清く正しくまっすぐな青春を送ってきた“私”には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。ほか短篇「雲行き」を収録。
  • ニガヨモギ
    3.8
    人として、女としての「業」を表現する新感覚アーティストのデビュー作。紙一重の鋭さで、あなたのココロの隙間を埋めましょう。’94GOMES賞を受賞したザッツ先見ゼミ、人類の霊的救済に尽力するGIVO&AIKO、さらにフランスの魔性を学ぶファムファタルレッスン…。めくるめく妄想ワールドに、虚をつかれてハッ!とすることうけ合い。
  • 童話集 銀のくじゃく
    4.5
    みどり色のくじゃくを織ってほしいと注文を受けたハタおりの若者は、銀のくじゃくを織りたくなって……。表題作「銀のくじゃく」ほか「あざみ野」「熊の火」など、美しいもの、かなわぬものにあこがれてうつろう人の心を、香り高い幻想にしたてた、七つのメルヘン。書き下ろし作品「火影の夢」「青い糸」所収。
  • 星か獣になる季節
    3.7
    地下アイドル・愛野真実の応援だけを生き甲斐にするぼくは、ある日、彼女が殺人犯だというニュースを聞く。かわいいだけで努力しか取柄のない凡庸なアイドルである真実ちゃんが殺人犯なんて冤罪に決まっていると、やはり真実ちゃんのファンだという同じクラスのイケメン・森下とともに真相を追い始めるが──。歪んだピュアネスが傷だらけで疾走するポップでダークな青春小説!
  • 貧乏サヴァラン
    4.0
    家事がまるきりダメな茉莉のたった一つの例外が料理。父森鴎外が留学先で覚えたドイツの下宿屋料理と生まれ育った東京の家庭料理を出自に、ブリア・サヴァランばりに食べ続ける。オムレット、ボルドオ風茸料理、白魚、独活、柱の清汁……。得意料理をとくとくと語る食いしん坊エッセイにして、精神の貴族の貴重さを述べ贅沢を愛する心を説いてやまぬ芸術談義という自在さ。江戸っ子らしい口とパリジェンヌの舌に奏でられ、どのページからも芳醇な香りがたちのぼるマリア流『美味礼賛』。
  • るきさん
    4.4
    のんびりしていてマイペース、だけどどっかヘンテコな、るきさんの日常生活って? 独特な色使いが光るオールカラー。ポケットに一冊どうぞ。
  • 空芯手帳
    4.0
    「だから私は嘘を持つことにしたの」―日々押し付けられる雑務にキレてつい「妊娠してます」と口走った柴田が送る奇妙な妊婦ライフ。第36回太宰治賞受賞作にして、昨年刊行された英語版がNYタイムズやニューヨーク公共図書館の今年の収穫に挙げられるなど話題となり、現在、世界14カ国語で翻訳進行中の鮮烈デビュー作が待望の文庫化!
  • ねにもつタイプ
    4.1
    コアラの鼻の材質。郵便局での決闘。ちょんまげの起源。新たなるオリンピック競技の提案。「ホッホグルグル」の謎。パン屋さんとの文通。矢吹ジョーの口から出るものの正体。「猫マッサージ屋」開業の野望。バンドエイドとの正しい闘い方──。奇想、妄想たくましく、リズミカルな名文で綴るエッセイ集。読んでも一ミクロンの役にも立たず、教養もいっさい増えないこと請け合いです。
  • いろんな気持ちが本当の気持ち
    4.2
    2011年デビュー10周年を迎えた著者の、創作の原点がわかる、第一エッセイ集。じたばたと考え、小説を書き、小説を読み、記憶をさぐり、そして日常を送る……。世界のなにに注目し、それをどう描いていくのか。新鮮な驚きと独特のこだわりに満ちた、長嶋有ワールドは、どんなに短いエッセイでも健在。文庫化にあたり、書き下ろしエッセイを追加。
  • オランダ絵図 ──カレル・チャペック旅行記コレクション
    3.5
    故郷をこよなく愛するとともに、世界の多様な風景・風俗を愛したチャペックは多くの旅行記を遺している。その優しくユーモラスな筆致は、深い悲しみと叡智を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は1931年、世界ペンクラブ大会出席のためオランダを訪れたときの観察記。運河、自転車、犬、風車、橋、オランダ絵画……。独特の視点からその民族性を抽出し描く手つきは見事。イラスト多数。
  • 生きて死ぬ私
    3.8
    歓びも悲しみも、そして眼前に広がる世界のあり様も──人生のすべては物質である脳の中の現象にすぎない。ならば、脳とは私にとっての牢獄なのか。脳内現象である人間の心とは何か。この難問に挑むには、自身の脳がとらえた世界をより深く「感じる」ことから出発する以外にない。本書は、怜悧な科学的知性と熱情あふれる文学的感性とを駆使して新たな世界像を描く試みだ。著者の純粋な出発点に位置する記念碑的エッセイ。
  • 杏のふむふむ
    4.3
    ラブラドールのハリーと過ごした小学校時代、歴女の第一歩を踏み出した中学時代、単身海外にモデル修業に行った頃、そして、女優として活動を始めたとき……。NHK連続テレビ小説のヒロインを演じ国民的な女優となった杏が、それまでの人生を、人との出会いをテーマに振り返って描いたエッセイ集。そのとき感じたことを次につなげて明日に向かう姿は、感動必至。(解説:村上春樹)
  • 経済人類学への招待 ――ヒトはどう生きてきたか
    3.5
    経済成長という死の舞踏を踊りつづける「豊かな」現代文明。コンピュータ・シミュレーションによる未来予測では、大量の生産と消費の果てに二十一世紀末には地球規模のカタストロフィが全人類を襲うという。はたして現代の経済システムの危機をのりこえる道はあるのか。本当の豊かさとは何かを考えるための経済人類学入門。
  • パンツの面目ふんどしの沽券
    4.2
    十字架上のイエス・キリストの下着はパンツか、ふんどしか、腰巻か。幼少期に芽生えた疑問を手がかりに、長じて作家となった著者がパンツ・ふんどしをめぐる世界史的な謎の解明に挑む! 前人未到の試みとして連載中から話題騒然となり、没後、「最も米原さんらしい本」と評される、抱腹絶倒&禁断のエッセイ。
  • 笑う茶碗
    4.0
    耳を澄ませばウグイスが鳴いているし、草笛をねっしんに吹く人もいる。カラスがマヨネーズのふたを開けられないし、鈴虫がケンカの仲裁をする。たまには梅の花や蓮の花の香りを聞いて、蛍や流れ星を見た夜もある。そんな二人のなんでもない日常がしみじみ笑えて面白い。笑う探検隊・シンボー夫妻の、茶碗も笑うエッセイ集。
  • ギリシア神話
    3.8
    恋多きゼウスと、嫉妬に狂う妻ヘラ、その子ヘーパイトスと美の女神アプロディテ、恋の矢をもつエロス……。オリュンポスの神々はいかに戦い、いかに恋したか。「遠いむかしに語られ書かれたように、わたしのギリシア神話を書きはじめよう」と著者は言う。しなやかな哲学者による、ギリシア神話入門の決定板。
  • 迷信博覧会
    3.3
    たとえば「鬼門」、たとえば「十三日の金曜日」、あるいは「媚薬」。今となってはただコッケイな昔の話から、身近に残るちょっとこわいことがらまで、迷信のパワーはすごくて、魅力がある。―「どうでもいいことの力」「役に立たない知識の面白さ」をしみじみ感じさせる、変り種の百科全書。
  • ごちそう探検隊
    3.0
    九州に住んでいた少年時代、納豆は幻の食べ物だった。甘納豆から甘を取った納豆ってなんだろう? 機内食はどうしても飛行機に乗らなければ食べられないのか? 究極のグルメは、やっぱり点滴だと思う――。三井物産へ行って、ふかふかの絨毯に驚いたり、回転寿司を食べながらスケールの大きなことを考えたり、ヤクザの人に追いかけられた末に、牡蠣鍋を食べたりと、好奇心と食欲のおもむくままに綴ったエッセイ。赤瀬川流グルメワールドが、多数のイラストを添えての大展開。
  • いくさ世を生きて――沖縄戦の女たち
    4.0
    敗戦、占領を経て、復帰後は基地と観光の島と化してしまった沖縄で、女であるがゆえに負わなければならなかった過去に口を固く閉ざし、沖縄戦の深い傷痕をかかえて生きてきた女たちが、ひとりひとりの命こそが宝である世の中を願って、その胸のうちを語った。戦争の惨禍を知る人々が次第に少なくなる中、決して忘れ去られてはならない記憶の数々。
  • 神も仏もありませぬ
    4.1
    呆けてしまった母の姿に、分からないからこその呆然とした実存そのものの不安と恐怖を感じ、癌になった愛猫フネの、生き物の宿命である死をそのまま受け入れている目にひるみ、その静寂さの前に恥じる。生きるって何だろう。北軽井沢の春に、腹の底から踊り狂うように嬉しくなり、土に暮らす友と語りあう。いつ死んでもいい、でも今日でなくていい。
  • YASUJI東京
    3.9
    井上安治、風景画家。元治元年、浅草生れ。14歳の時、小林清親に入門。明治22年没。25歳。安治は東京に何を見たのだろうか。明治の東京と昭和の東京を自在に往き来しつつ、夭折の画家井上安治の見た風景を追い、清親との不思議な師弟関係を描く静謐な世界。他に単行本未収録作品を併録。【解説:南伸坊】
  • イルカも泳ぐわい。
    4.0
    「不必要なものだけを堪能できるようになれば、それは最高の娯楽になるはずだと、私は信じている」。深夜の動画視聴のなかで見つけたたった9文字のツッコミ台詞の素晴らしさをめくるめく修辞で称える表題作他、面白乱暴ひねくれ繊細鋭さ優しさ言葉への愛、Aマッソ加納の魅力がぜんぶ詰まった初エッセイ集が、書き下ろし「むらきゃみ」を加えてついに文庫化。
  • できない相談 piece of resistance
    3.7
    夫の部屋の掃除はしない。マッサージ店で指名をしない。“ワンちゃん”呼びはしたくない。バリウム検査で作法を貫く。結婚指輪はどこかに消えた。くだらないような気もするし、ちいさい事とわかってもいる。「だけどコレだけは譲れない」、そんな何かが誰にもきっと一つはあるはず―。こだわりを許して生きていくのは、なかなか案外悪くなさそう。38篇の物語に文庫版限定の2篇を追加収録!
  • 新版 いっぱしの女
    4.0
    あなた、やっぱり処女なんでしょ――。「少女小説家」は嘲笑された。『なんて素敵にジャパネスク』『クララ白書』ほかベストセラーを多数送り出し、セクハラという言葉が世間に登場し始めた頃、「いっぱし」の年齢・三十歳を超えた著者。女としてただ社会に在るだけで四方八方から襲い来る違和感を、まっすぐに、そして鮮やかに描いた不朽のエッセイが満を持して復刊!
  • 適切な世界の適切ならざる私
    3.4
    「だから/おりてこいよ、ことば。」「されば、私は学校帰りに/月までとばなくてはならない。」――学校と自室の往復を、まるで世界の淵を歩くようなスリリングな冒険として掴みとってみせた当時十代の詩人のパンチラインの数々は「現代詩」を現代の詩としてみずみずしく再生させた。中原中也賞と丸山豊記念現代詩賞に輝く傑作詩集が待望の文庫化!
  • 私はそうは思わない
    3.9
    「私は気分転換などしない。気分転換する必要はない程陽気で幸せな人なのではない。ほとんど常にかぎりなく滅入っている。おまけに体が怠けもので、気だけせわしなく忙しいので、ごろりと横になって先から先へと心配ばかりしていて体安まって心休まる時がない。趣味もないしお酒ものまず歌もうたわない。」だけど佐野洋子は自分のいいたいことはきちんといい、きちんと怒るのである。人間の基本を守っているのである。
  • 土曜日は灰色の馬
    3.7
    恩田陸が眺める世界。小説、漫画、映画に音楽、舞台まで…少女時代からありとあらゆるエンターテインメントを堪能し、物語を愛し続ける作家の眼にはどんな世界が映っているのか? その耳では、どんな響きを感じているのか? どんな言葉で語るのか? 軽やかな筆致で想像力の海原を縦横無尽に楽しみ尽くす、とびきり贅沢なエッセイ集。
  • 小路幸也 少年少女小説集
    3.8
    夢、希望、怖れ、孤独、友情……。人気作家で贈る11の物語。ときに切なく、ときにほのぼのと、子供と大人たちの間に起こる様々なドラマ。『東京バンドワゴン』シリーズで知られる小路幸也ワールドから、単行本未収録を中心に、少年少女を主人公にした作品を選りすぐった傑作短篇集! 巻末に作家本人による自作解説を付す。
  • 多摩川飲み下り
    4.2
    奥多摩駅から多摩川沿いに、のべ27日間かけて、ひたすら歩いちゃあ酒を飲む。目指す終点は川崎駅のそのまた先の多摩川河口だ。歩いた後は、居酒屋でビールにハムカツ、河原でコロッケと酎ハイを楽しむ。これがなぜかたまらず美味い! 河原で草野球や、魚釣りの親子を眺めながら寝転がれば極楽気分。非日常の旅はこんな近くにあった。ほぼ書き下ろし。
  • 文章添削トレーニング ――八つの原則
    3.3
    文章を書くことは日常的な作業である。しかし、書く必要に迫られながら、書くことを嫌い、書くことに苦労している人は多い。客観的な情報を伝えるための文章には、どんな原則があるのだろうか。通知、回覧、報告、会議録、仕様書、学生の小論文・レポートなどを念頭におき、文章の原則について、要点を具体的に示す。
  • 外国人労働者新時代
    3.5
    本格的な少子・高齢化の時代を迎え、外国人労働者・移民受入れをめぐる議論がいま、注目を集めている。人口問題を移民受入れで解決することは可能なのか?外国人労働者とその家族に、定住への道は開かれるのか?スキャンダルにゆれる外国人研修・技能実習制度を、真に意味のあるものにしていくことはできるのか?欧米諸国の経験もふまえて論点を整理しつつ、アジア諸国と連動した人材開発という新たな視点から、人材国際化への道筋を示す。
  • イギリス英語の裏表
    3.7
    ビジネスであれ映画や音楽であれインターネットであれ、我々の周囲に充ち溢れる英語のほとんどはアメリカ英語である。今では、英語は元来イギリスの言葉である、などと言えばかえって奇異に思われるほどに、イギリス英語は実用の舞台から消え去ってしまった。とはいえ、いくたの歳月をへて他のヨーロッパ諸国のみならず世界のあらゆる言語と接触するなかで、イギリス英語は諸言語の語彙を貪欲に取りこみつつ実りゆたかな発展をとげてきた。独得の風土と歴史を通して育まれたイギリス英語の面白さを軽妙な筆致で描く快著。
  • 童貞としての宮沢賢治
    3.5
    宮沢賢治は生涯独身を貫いた。それを自己犠牲による高邁な思想と捉えず、彼の作品を性的妄想がうずまく不純な産物として読みなおすと、これまでとは違う賢治像に出会える。「童貞」として、他者との関係を自ら断っていく賢治の生き方は、現代のさまざまなコミュニケーション障害の病につながり、また絶対的な他者との同一化を目指すテロリズムの思想にも親和性をもつ。まったく新しい宮沢賢治の世界を俯瞰する、挑戦的な一冊。
  • 自力と他力
    4.0
    俗にいう「他力本願」、人まかせの考え方とは正反対の思想が真の「他力」である。人に頼ることはできない、そして、自分の限界もはっきり見えた、そんな絶望のどん底を自覚した時に、人は「他力」の感覚に出会うのだ。二つは相反するものではなく、他力とは自力を呼びさまし育ててくれるもの、「自力の母」なのである。「仏教のこころ」の核心をつづり、今日を生き抜く指針を示した一冊。
  • おまけより割引してほしい ――値ごろ感の経済心理学
    3.6
    意識的にせよ無意識的にせよ、商品の価値にどれだけの費用を払うべきか天秤にかけた結果で、「値ごろ感」の有無は生じる。本書はその「値ごろ感」が生み出される仕組みを解き明かし、さらには、ベストセラーがベストセラーたる理由、衝動買いやついで買いをさせられてしまう仕掛けなども豊富な事例とともに解説する。買い手も売り手も必読の経済心理学入門である。
  • 54歳引退論 ――混沌の長寿時代を生き抜くために
    3.0
    わが国の経済は低迷を続けている。多くの企業が、人員整理、賃金カットなどのリストラを敢行、中高年の雇用は悲惨な状況だ。特に、五十五歳以降の人たちに対する処遇は厳しい。多くのサラリーマンにとって、ローンや子供の教育が一段落するこの年齢。しかし年金はもはやあてにできない。本書は、かつて余生だった五十五歳以降を、高度成長期の単線・単眼的な捉え方でなく、寿命八十歳時代をベースとした人生再構築期とし、さまざまな角度から「五十四歳引退」を提唱する。中高年にあらたな挑戦を呼びかける静かな革命の書。
  • 下から目線で読む『孫子』
    3.0
    歴史上、数々の支配者たちに熟読されてきた兵法書の古典『孫子』。人間心理への深い洞察をもとに必勝の理を説いた同書を、視点をひっくり返して読んでみたら、何が見えてくるのか。自明とされた「勝ち」というものが、にわかに揺らぎ始めるかもしれない。『孫子』のなかから、これぞという言葉を選び、八方破れの無手勝流でもって解釈しながら、その真意を探る。
  • まじめの崩壊
    3.2
    日本の経済成長を支えたのは、日本人のまじめさであった。数多くの場面で、この国ではまじめを前提として、さまざまな仕組みが作られ、維持されてきたのだ。しかし、社会を見渡すと、日本人のまじめさはすでに崩壊している。精神医学からの性格の変化、競争させない教育、アメリカに倣った拝金主義などを通して、なぜ、まじめが崩壊したのかを探っていく。そして、まじめを前提とした日本に、まじめの崩壊がどのような影響を与えるのかを考察する。
  • 害虫の誕生 ――虫からみた日本史
    3.7
    江戸時代、虫は自然発生するものだと考えられていた。そのため害虫による農業への被害はたたりとされ、それを防ぐ方法は田圃にお札を立てるという神頼みだけだった。当時はまだ、いわゆる“害虫”は存在していなかったのだ。しかし、明治、大正、昭和と近代化の過程で、“害虫”は次第に人々の手による排除の対象となっていく。日本において“害虫”がいかにして誕生したかを、科学と社会の両面から考察し、人間と自然の関係を問いなおす手がかりとなる一冊。
  • 地図に訊け!
    3.8
    地図帳は実用書でもあり、"ガイドブック"でもある。そんな地図を使いこなすには、「地図が発する声」に耳を傾けるのがいちばん。地形表現や記号の意味と理由、官製地図の歴史や最新技術、国土地理院の仕事、測量や地図編集の苦労話…。地図の使い方から意外な楽しみ方まで伝授します。
  • セ・シ・ボン
    5.0
    広告会社に就職したもののうまくいかず。OL生活をしてはみたけれどやっぱり楽しくない。したいことは特にないけれど、フランス語だけはちょっとできるし、留学って何だかかっこいいかも……とパリでホームステイを始めた。生き迷っていたタイコが留学先で出会った風変わりな人たちとのおかしな出来事を綴った留学エッセイ。
  • 優柔不断術
    3.7
    何かものごとを始めようとする時、ああしようか、こうしようかと一つ一つ丁寧に考えていると「ぐず」だと言われる。いきなり「こうだ!」と決めると「男らしい」と言われたりする。本当にそうなのか? 決断こそが素晴らしいのか? 優柔不断でいいじゃないか! 優柔不断万歳!!
  • ユーモアの鎖国
    4.0
    戦争中には、戦死にまつわる多くの「美談」がつくられた。ある日、焼跡で死んだ男の話を耳にした。その死に「いのちがけのこっけいさ」を感じた時、数々の「美談」に影がさすのを覚えた。そして自分の内の「ユーモアの鎖国」が解け始めたのだ。戦中から今日までに出会った大小の出来事の意味を読みとり、時代と人間のかかわりを骨太にとらえた、エピソードでつづる自分史。
  • すべてきみに宛てた手紙
    4.1
    人生は、「やめたこと」「やめざるをえなかったこと」「わすれてしまったこと」で出来ている。そうして結局、己のなかにのこったものは? 今の自分にのこったものから、あらゆることがはじまるのならば――。この本のページを開いた読者=「きみ」へと詩人はまっすぐ語りだす。贈られるのは39通の「手紙」たち。体温を帯びた言葉のすべてに胸が震える、珠玉のエッセイ集。
  • 現実脱出論 増補版
    4.0
    私たちが「現実」だと思って縛られているものから自由になる! 17歳のときに、98歳で死期を迎える自分を設定して楽になった話。「脳の誤作動」である鬱状態に陥ったらどうするか。「半現実」のつくりかた、など目の前の「現実」が違って見え、驚きの世界を体験できる本。文庫化にあたり、最終章「現実創造論」を書き下ろし、さらに健康になる具体的な方法を伝授。
  • 全身翻訳家
    3.9
    食事をしても子どもと会話しても本を読んでも映画を観ても旅に出かけても、すべて翻訳につながってしまう。翻訳家・鴻巣友季子が、その修業時代から今に至るまでを赤裸々かつ不思議に語ったエッセイ集。五感のすべてが、翻訳というフィルターを通して見える世界は、こんなにも深く奇妙でこんなにも楽しい。エッセイ集「やみくも」を大幅改編+増補した決定版。
  • 思い立ったら隠居 週休5日の快適生活
    3.9
    好きな時に起きて遊んで、食べて寝る、憧れの「隠居」生活。「せちがらい世の中でいかに隠居という生活スタイルにたどり着き、楽しく毎日を生き延びる方法を見つけてきたか、自らの体験をもとにお話ししていきたいと思います。」「隠居食」から人生哲学まで。キラキラ自己啓発本とは対極の、しわしわ自己完結本。文庫化にあたり、エッセイ、レシピ、イラストを増補。
  • 虹色と幸運
    3.9
    イラストレーターの珠子、大学職員のかおり、雑貨店を始めた夏美。30代になった3人が、人に会い、おしゃべりし、いろいろ思う一年間。「なんだか目の前の作業してるうちに八年も経っちゃったよ」「どうするかなー、今後の人生」。仕事、恋愛、家族関係。人生は迷うが面白い! 人、風景、出来事など日常の細部が輝きを放ち、生きることを肯定する感動作。
  • 本屋、はじめました 増補版 ──新刊書店Titleの冒険
    4.1
    独自性のある新刊書店として注目され続けるTitle。物件探し、店舗デザイン、カフェのメニュー、イベント、ウェブ、そして「棚づくり」の実際。事業計画書から、開店後の結果まですべて掲載。個人経営の書店が存続していくための工夫とは。リブロ池袋本店マネージャー時代から、現在まで。文庫化にあたり、開業から現在までを書き下ろした新章「その後のTitle」を増補。
  • ベランダ園芸で考えたこと
    3.7
    ベランダで始めた園芸。ドラゴンフルーツ、朝顔、薔薇、ゴーヤーetc.。花がある側は「ナオガーデン」、食べられる植物がある側は「ナオファーム」。「虫のかじったあとを見て、地球の形もこんな風に変わってきた、と想像する」。ベランダは世界のミニチュア。書き下ろしエッセイ「そのあとのていたらく」を新たに収録。
  • いちばんさいしょの算数1 ──たし算とかけ算
    5.0
    なぜ1+1は2なの? なぜ2や3は、ブタとかカバじゃいけないの?──「考えたこともない」が、つまづきの始まりなのです。「知らないことを知っていく」がわかる本。
  • 味見したい本
    4.0
    読むだけで味わいが広がる食についての本38冊を読むエッセイ集。第1章は「少し前の食卓」。古川緑波、内田百間、武田百合子らの食描写は? 第2章は、かぼちゃから弁当まで「台所で読む」。第3章は餃子や焼肉、うなぎなど食堂らしいメニューの本が並ぶ。第4章から第7章までは、カレー、お菓子やコーヒー、最後は酒本で締める。「食の本」フルコースをご堪能あれ。
  • いっぴき
    4.1
    文筆家として走り出した6年間の文章をまとめた一冊。人気バンドからの脱退を決意し、新たな一歩を踏み出した著者が描く、あたたかくてユーモアと優しさがたっぷり詰まった風景は、時に自由奔放で、時に哲学的真理をつくような魅力を持ちながら、“人”とのつながりや毎日の“生活”の愛おしさに気付かせてくれる。彼女にしか紡ぐことのできない言葉たちがここにある。
  • ビジネスマンの英語勉強法
    4.0
    ビジネスに必要な英語力とは何か? それは、まず何よりも「読解力」である。メールや契約書確認といった日常業務に必須なのはもちろん、英語力の基礎となるからだ。本書は、読解力、文法力、語彙力など英語力の土台となる力を身につける方法を示し、また効率的に学習するために「英語のクセ」を解説する。総合商社のアメリカ現地法人やアメリカの大学で活躍してきた著者だからこそ書けた一冊。
  • ルポ 賃金差別
    3.9
    同じ職場で同じ働き方をしていても、賃金に差が生じるのはなぜなのか? 労働者の三人に一人が非正規雇用となり、受け取る生涯賃金にも大きな格差が生まれている。本書はアルバイト・パート・嘱託・派遣社員・契約社員など「働く人の賃金」に焦点を当て、現代日本の労働問題を考察する。賃金というものさしから、いま働く現場で何が起きているのかを読み解き、現代日本の「身分制」を明らかにする、衝撃のノンフィクション。
  • 就活エリートの迷走
    4.1
    エントリーシートを綿密に作りこむ。面接対策をぬかりなく講じる。まるで受験勉強に勤しむような努力をして、超優良企業へと入社していく「就活エリート」。新卒者の勝ち組たる彼らが、いま、多くの職場で、戦力外の烙印を押されている。「スター願望」ともいうべき偏狭なキャリア意識に自縄自縛となり、スタートラインでつまずいているからだ。採用試験では高い評価を得たはずの就活エリートが、なぜ、入社後に迷走するのか? リクルートで長年にわたって就職情報に携わり、採用現場の表と裏を熟知する著者が、就活のあり方と若者のメンタリティを分析する驚愕のレポート。
  • 家庭という学校
    3.2
    人間はわが子の育て方が上手でない。本気になってこどもの能力をのばすことを考えないのだ。三歳過ぎまでのこどもは、ほとんどすべての子が天才的能力をもっている。まわりの大人がそう思わないで放っておくので、その能力をつなぎとめられない。ではどうすればいいのか。能力を引き出すために、親は何をすればよいのか。若いときの苦労は買ってでもさせる、人任せにせず親が自分で教える、経験こそが大事である、など子育てで心がけるべきことを提示し、家庭教育の復権を訴える。
  • がちナショナリズム ――「愛国者」たちの不安の正体
    4.3
    二〇〇二年、著者は、『ぷちナショナリズム症候群』で、皇太子夫妻第一子誕生に熱狂する人々、ワールドカップ日韓大会にわく若者たち、などを観察し、「ニッポン、大好き」と言ってしまう日本人に対して、右傾化とファッショの萌芽なのか、と警鐘を鳴らした。一三年たった今、「愛国ごっこ」は「ごっこ」ではなくなり、あの時の心配はすべて現実に起きてしまった。安倍内閣から、ネトウヨ、ヘイトスピーチ、反知性主義、安保改正まで、現代日本の「愛国」の現状と行く末を改めて分析する。
  • がんがん焼肉もりもりホルモン
    3.0
    まずはロースにカルビにタン、それから……ミノにハチノスにコブクロ、テッチャンも追加してーっ。焼肉・ホルモンを食べると、暑さも寒さもヘッチャラ、夏バテ、風邪、ジメジメ季節の陰鬱な気分さえもブファーと吹き飛ぶ。おいしい店の見分け方から肉の名称図解まで。煙もくもくの中、熱々の肉を頬張れば、パワー全開、鼻息ふんふん。
  • 12歳からの現代思想
    3.5
    「現代思想」と聞くと、どうしても「ムズカシそう」というイメージを浮かべがちだ。けれども、差し出されているメッセージ自体はけっして難解なものではない。性、環境、心、コミュニケーション、民主主義…、その問題群は私たちのすぐそばにあることばかり。著者はその一つ一つをやさしく解きほぐしながら、新たなものの見方や発想へのきっかけをつくろうとする。この時代を生きるすべての人に届けたい入門書。
  • 真理の哲学
    3.5
    なぜわれわれは一面的な見方を絶対的なものと思いこんでしまうのか? この病いを癒すためにもっとも有効なのが、ニーチェにはじまる二〇世紀の哲学にほかならない。ニーチェ、フッサール、メルロ=ポンティ、そしてフーコーを軸に、さらに分析哲学の真理観までを紹介。現代哲学の、そして、われわれが生きることの入門書。
  • 性と愛の日本語講座
    3.0
    「恋愛」という言葉が近代になってつくられたことはよく知られている。では「恋人」はどうか。徳川時代には「情夫・情婦」というのがあったが、それはどういう意味で使われたのか? 「情欲」や「不倫」はいつ頃生まれたのか? また「逢い引き」は? 本書では、『太陽の季節』『チャタレイ夫人の恋人』等の文学作品、各時代に流行った歌謡曲やマンガ等を材料に、時に外国語との比較を交えながら、性と愛にまつわる日本語の意味の由来や変遷をたどり、日本語の面白さを発見していく。
  • モンゴル帝国の興亡
    3.0
    モンゴル帝国は東の中国世界と西の地中海世界を結ぶ「草原の道」を支配し、それによって世界史の舞台を準備した。もっとも帝国とはいっても、一人の皇帝が中心にいて全国を統治するというものではなかった。その内部の構造はどうなっていたのだろうか。そもそも、その巨大な帝国はどのようにして創られたのだろうか。今は歴史の後景に退いた、史上最大の帝国の過去と現在。
  • ストレスに負けない生活 ――心・身体・脳のセルフケア
    3.7
    現代人は子どもから老人まで、ストレスを抱えて生きている。心と身体がクラッシュする前に、自分を解放してあげよう。カギは「力まず、避けず、妄想せず」。ストレスとリラクゼーションのメカニズムを知り、行動医学や脳科学の知見をもとに、自分でできるストレス・マネジメントの方法を伝授する。
  • その言い方が人を怒らせる ――ことばの危機管理術
    3.7
    謝罪の場面で真意が伝わらず怒らせる、誤解を与える、だらだらと長く続く言い訳文、空気の読めない発言、どこか変な敬語…。コミュニケーションの行き違いを生じさせる言い方や表現は、実は言語学的な理由がある。「まずい」具体例を取り上げながら、言語学的に分析していく。知っておきたい表現の落とし穴とは!?
  • 子どもが減って何が悪いか!
    4.1
    少子化が進んでいる。このままでは日本が危ない。そう危ぶむ声もある。これに対し、仕事と子育ての両立支援などを行い、男女共同参画社会を実現させれば少子化は止まる、と主張する人たちがいる。本書は、こうした主張には根拠がないことを、実証的なデータを用いて示してゆく。都市化が進む現代にあって少子化は止めようがなく、これを前提とした公平で自由な社会を目指すべきだと主張する本書は、少子化がもたらす問題を考える上で示唆に富む一冊である。
  • 包帯クラブ
    3.8
    多くの人が日々生きていく中で癒えない傷を抱えている。そんな彼らの心が少しでも軽くなるようにと願いを込めて結成されたあるクラブ。そのクラブを通して感受性豊かなティーンエイジャー達は仲間と共に喜び、哀しみ、傷つき、多くの事を知り、学んでいく……。日常を生きる中で確かに存在する傷にどう対処するか、繊細でありがならも、あたたかく、そして力強く描かれる、希望と再生の物語。
  • ある日のメニュー ──絵のあるレシピ
    3.4
    フランス人のマダムが昼ごはんに作るにんじんのサラダ、サンフランシスコで出会ったブロッコリーのあつあつパスタ、山菜尽くしの秋田の朝食。はっとした「おいしい」記憶は、いつしかわが家の得意のメニューに。たくさんのイラストとともに綴られる堀井さんちのふだんのメニュー。
  • 分解
    4.0
    「ありとあらゆるものを分解する」分解者。分解の対象は銃、人体、そして……(『分解』)。音の神が「最初の一滴の音」を求めて町をさまよう。音神がそこに見つけたものは(『音神不通』)。長らく入手不可能となっていた五本の中短篇を初収録。他に『童貞』『ピュタゴラスの旅』などを加えた著者の魅力を凝縮した作品集。
  • 世界は一冊の本 ――definitive edition
    5.0
    本を読もう。もっともっと本を読もう。世界という名の一冊の本を。「書かれた文字だけが本ではない。日の光り、星の瞬き、鳥の声、川の音だって、本なのだ」本を読みながら、私たちはあまりに多くの人と、言葉と、景色と出会い、別れていく。友の魂へ、母の魂へ、あるいは遠く離れた異国の魂へ。詩人がのこした祈りのための、そして人生を読み解くための傑作詩集。解説 岡崎武志
  • 本は眺めたり触ったりが楽しい
    4.0
    積みあげたり、適当に開いたり、声に出して読んだり、ただ手にとって眺めたり…本の読み方に決まりはない、自由にやろう! 本が好きな人は、みんな、いろんなふうに読んでいる。読まずに読む方法を知る人だっている。こころが軽くなり、読書が楽しくなって、もっと本を読みたくなる名著『眺めたり触ったり』が題名をすこし変えて、待望の文庫化。楽しい絵も満載! 「文庫版への追記」もあり。
  • 橙書店にて
    4.1
    熊本にある本屋兼喫茶店、橙書店の店主が描く本屋と「お客さん」の物語。石牟礼道子さんが逝った日「ただただ悼みたい」と訪れた人。“書くこと”を焚きつけた渡辺京二さんの言葉。縁あって催した“村上春樹朗読会”の夜。雑誌『アルテリ』に寄稿するハンセン病患者「関さん」と交わした握手――。文庫版のための書き下ろし・単行本未収録エッセイを増補する。
  • 数学の苦手が好きに変わるとき
    3.5
    「公式は覚えるだけでいい」「女子は数学が苦手でも構わない」など、数学嫌いを生む言葉はあふれています。でも本当は、それぞれのペースで楽しむもののはず! 70歳を超えた数学者が贈る、数学の本当の面白さ。 *全国の「富士見町」から本当に富士山は見えるのか!? *あみだくじの結果を自由自在にあやつる仕組み!? *1000mlの牛乳パックの体積は955平方cmしかない!? ……etc. 【目次】まえがき/第1章 数学が嫌いになるとき/第2章 数学が好きになるとき/第3章 「仕組み」から興味をもつ/第4章 「図形」から興味をもつ/第5章 「変化」から興味をもつ/第6章 「データや確率」から興味をもつ/第7章 数学教育の歴史とこれからの未来/あとがき
  • すべての雑貨
    3.3
    「世界がじわじわと雑貨化している気がする。これは豊かになって物の種類が増えたから、ってだけじゃない。それまでは雑貨とみなされてなかった物が、つぎつぎと雑貨に鞍がえしているせいなのだ」 ひとりで雑貨店を営む著者は、この社会のあらゆる事物を手がかりに「雑貨とは何か」を帳場で考えた。雑貨、消費社会、店の経営、人生についての、とても面白いエッセイ。
  • 嫌な気持ちになったら、どうする? ──ネガティブとの向き合い方
    4.0
    ちょっとした不安から、誰かへの激しい怒りまで、ネガティブな気持ちになることは誰にでもあります。そうした気持ちの特徴や性質を知れば、今より上手に、対処できるようになるでしょう!
  • 世界はフムフムで満ちている ──達人観察図鑑
    4.5
    海女、石工、競馬評論家、コンビニ店長、左官、百貨店の販売員、ピアノ調律師……。スタッズ・ターケル著『仕事!』に憧れた著者が、街場の達人から仕事の極意を拾い集めた。ときに厳しく、ときにのんきな100の人生観が、それぞれの持ち場を明るく照らす。「長時間のインタビューからはこぼれ落ちてしまいそうな話を掬い取って煮詰めた、濃厚なダシのような本」
  • 村の社会学 ──日本の伝統的な人づきあいに学ぶ
    4.0
    日本の村々は、長い歴史のなかで工夫に工夫を重ね、それぞれの風土に根ざした独自の生活パターンと人づきあいのあり方をかたちづくってきた。そのしくみや特徴をつぶさに観察してみると、村を閉鎖的で前近代的なものとみなすステレオタイプこそ、むしろ古びたものにみえてくる。コミュニティの危機が叫ばれる今日、その伝統を見つめなおすことは私たちに多くの示唆を与えてくれるのだ。日本の村に息づくさまざまな工夫をたどり、そのコミュニティの知恵を未来に活かす必読書。
  • 北山耕平青春エッセイ集 ──抱きしめたい
    3.0
    1970年代『宝島』編集長として、『POPEYE』アメリカ特派員として、カウンターカルチャーの先駆者となり、ネイティブアメリカン文化を紹介してきた著者が、20代編集長時代までを描き、自由な生き方を伝える。『抱きしめたい』から60‐70年代の息吹を、『雲のごとくリアルに』から時代を切り開く編集者時代の話を収録。
  • 辺野古入門
    4.6
    普天間基地移設問題の最前線としての名護市辺野古――。しかし、そこには地域の歴史があり暮らしがある。キャンプ・シュワブとどのような関係にあるのか、普天間基地移設の候補地としてなぜ辺野古が浮上したのか、「条件つき受け入れ容認」とはいったい何を意味するのか。二〇年にわたり現地でフィールドワークを続ける社会学者が、親愛の情を込めて描く、辺野古を知ってもらうための初めの一冊。
  • こんなに変わった理科教科書
    3.7
    カエルの解剖、ショウジョウバエの飼育、有精卵を使った成長観察、かいちゅうや十二指腸虫の感染経路の写真付き解説、たくさんの昆虫や季節の植物など、いまはもうない理科授業。約10年ごとに、理科は大きく変わってきた。新発見や説明法の見直しもあって、かつての常識がいまは非常識だったりすることもある。生活密着の50年代、科学立国を目指した60年代、米ソ冷戦の影響を受けた70年代まで、理科はどんどん難しくなったが、詰め込み教育への反省から80年代以降は精選、厳選へ。けれど2010年代以降、ゆとり教育批判で再び高度化した。理科教科書で戦後日本のあゆみを読み解く。
  • はじめて学ぶ環境倫理 ──未来のために「しくみ」を問う
    4.6
    エコ生活で環境はよくなるか? つくられた自然は偽物か? なぜ生物多様性が大切なのか? 身近な環境の改変から地球の未来に関わる問題まで、考えるヒントを示します。
  • 入試改革はなぜ狂って見えるか
    4.0
    強引に推進された大学入学共通テストは受験生やその家族をさんざん振り回したあげく、制度の欠陥や無理のあるスケジュールに批判が集中、想定した形での導入は断念された。大学受験はいわば理想の教育の体現である。けれど教育の理想像は人それぞれ。このため原理主義的に先鋭化しがちで、思想的な対立が起こりやすい。さらに今回は入試問題の現状を把握していない論者による、高校生や大学生に対する事実誤認に基づいた荒唐無稽な主張も少なくなかった。大学入試改革議論の混乱に惑わされないための視点を考える。
  • ファッションの仕事で世界を変える ──エシカル・ビジネスによる社会貢献
    3.9
    キラキラと輝く、自分の「好き」をあきらめたくない。ビジネスの世界で大活躍したい。だけど、貧困や社会問題などに取り組みたい! そんな若者の欲張りな夢をすべて叶える方法を、「エシカル・ビジネス」を切り拓いた起業家が伝授。その心得から、起業までの具体的な計画づくりまで、豊富なワークとともに指導します。
  • 「ゆっくり」でいいんだよ
    4.6
    知ってる? ナマケモノが笑顔のワケ。食べ物を本当においしく食べる方法。デコボコ地面が子どもを元気にするヒミツ。「楽しい」のヒント満載のスローライフ入門。
  • ひきこもりグルメ紀行
    3.8
    せちがらい世の中、心を慰めるのはおいしい食べ物である―。不惑を前にして無職となり、いよいよ出不精に磨きのかかった漫画家が「おとりよせ」を駆使してご当地名物を味わいつくす稀代の“ぐうたら系”グルメコラム。仙台銘菓「萩の月」にそっくりな菓子が五十も現れたかと思えば、齧りついた揚げ菓子で100万円のインプラントが粉砕…。波乱の実食を乗り越えて、愛する「博多通りもん」を超える逸品に出会えるのか?ゆかいな脳内旅行をあなたに。
  • 手話の学校と難聴のディレクター ――ETV特集「静かで、にぎやかな世界」制作日誌
    4.6
    東京都港区には、日本でただ一つの、「日本手話」を第一言語とした教育を行うろう学校がある。その名は「明晴学園」。2017年の春、この学校の子どもたちを主人公にしたドキュメンタリーを撮影するために、一人のTVディレクターがこの学校を訪れた。実は彼女も難聴者だ。聞こえる人と共に仕事をするなかで、様々な葛藤を抱えていた。「「共に生きる」はきれいごと?」「私は社会のお荷物?」。難聴のディレクターが手話で学ぶ子どもたちの姿を通して日本社会の現実と未来を見つめた、一年間の記録。
  • 介助の仕事 ――街で暮らす/を支える
    4.0
    介助を得ることで自らが望む暮らしが可能となる。街で暮らすこともできるようになる。だが、現実は厳しい。数百万もの人が介助を必要としているのに、その担い手がいない。どうすればこの状況をマシにできるのか。介助に関心のある人、既にしている人、利用してみたい人、既に得ていて不具合を感じている人すべてに役立つ話をしていく。重度訪問介護という、公的介護保険ほど知られていないが重要な仕組みも解説。介護の仕事への対価の問題も含めて変えていけると説く希望の書!
  • 徒然草をよみなおす
    3.5
    「無常観を主題とした遁世者の随筆」と言われがちな「徒然草」。でも昔の人だって、簡単に世を捨てられたわけではありません。作者の兼好はどんな社会と人間関係に生きたのか。当時の文脈に置きなおすことで、本当の姿が見えてきます。
  • すごいぜ! 菌類
    3.5
    高温や低温、重金属濃度の高い場所など極限に生きる菌類がいる。地球上のありとあらゆるところにいて、その総数は150万種とも。私たちの身近にいるカビやきのこ、酵母といった菌類とは何か?
  • 二重国籍と日本
    3.5
    人は親や出生地を選べない。ますます多元的になる社会で、複数の国籍を持つ人は必然的に増えていく。蓮舫氏問題で脚光を浴びた「二重国籍」だが、国籍法の運用は旧態依然かつ不透明で、ナショナリズムに絡めた一方的なバッシングも目立った。外国出身者を親に持つ有望なスポーツ選手へ送られる拍手喝采の大きさとは、あまりにも対照的だ。国籍法の規定で外国居住の日本国民が国籍を剝奪される「悲劇」に抵抗する訴訟も起きている。国籍と日本人。私たちはどう考えればいいのか。いま、国民的議論が求められている。
  • 一人盆踊り
    3.0
    徒党を組まず、何者にもおもねらず、孤絶と背中あわせの自由を生きる歌手・友川カズキ。詩人、画家、俳優、競輪愛好家の顔ももつ。その狂気と諧謔に満ちた独特の表現は、自他への怒り、故郷への追憶と悔恨、酒を介した友との交流、それらの蓄積から生み出される。「血だらけの魂を剥き出しにして生き抜いてきた」男の新旧の随筆と詩篇を精選採録。
  • ネットで勝つ情報リテラシー ──あの人はなぜ騙されないのか
    3.8
    拡散される「フェイクニュース」「ステマ」「粘着」「炎上」。ネットはウソと悪意に満ちあふれ、気軽な投稿がたちまち炎上する危険な空間……ではありません。ウソを見破り、悪意をかわし、あなたの声を正しく届けるための超簡単テクニックがここにある! 情報の「正体」から炎上の鎮火術、粘着の上手な撃退法まで、講演回数2000超の「ネットの達人」が送る、ネットで「勝つ」ための情報受信・発信マニュアル決定版。
  • アフリカを見る アフリカから見る
    3.9
    「平成」の三十年間で、日本とアフリカを取り巻く状況は激変した。経済成長が止まり、国力が低下する日本。一方、かつて日本人が時に哀れみの視線を注ぎながら援助していたアフリカでは、多くの国で経済成長が持続し、平和と民主主義の定着が進む。2050年に世界人口の四人に一人を占める「豊穣の大陸」と、少子高齢化に喘ぐ日本はどう向き合えばよいのか。アフリカとの関係構築に、日本再生の手がかりはあるか? 篠田英朗氏との対談「アフリカに潜む日本の国益とチャンス」も収録。
  • 沖縄と私と娼婦
    4.3
    ベトナム戦争への出撃基地となったアメリカ統治下の沖縄。1960年代末の返還運動、ベトナム反戦闘争が激化する時代、夜の風俗街に生きた人々。沖縄地上戦の傷痕、米軍最優先社会、生死隣合わせの米兵たち……。それらの矛盾を一身に背負った女たち。その姿をヒリヒリと肌を刺すような筆致で描く。今に続く沖縄が抱える問題の原点を激しく問いかける歴史的名著。
  • 未来の再建 ──暮らし・仕事・社会保障のグランドデザイン
    3.0
    頑張っても報われず、誰もが弱者になりうる社会。それが今の日本だ。生活不安が私たちを直撃し、弱者がさらに弱い者を叩く。そんな状況にあって、突破口は一体どこにあるのか? 「くらしの場」、「はたらく場」、「保障の場」それぞれを再建し、自己責任社会から脱却すること。子育て、教育、医療、介護など、私たちが生きる上で必要不可欠な「ベーシック・サービス」を、すべての人に保障すること。来るべき時代への道筋を示す、希望の書である!
  • 百姓たちの江戸時代
    3.5
    江戸時代の人口の八割は百姓身分の人々だった。私たちの先祖である彼らは、何を思い、どのように暮らしたのだろうか? 何を食べ、何を着て、どのように働き、どのように学び、遊んだのか? 無数の無名の人々の営みに光をあて、今を生きる私たちの生活を見つめなおす。
  • 増補 頭脳勝負 ──将棋の世界
    4.0
    弱冠20歳で「竜王」となり、その後もトップ棋士であり続ける著者が、将棋にまつわるすべてを本音で語り尽くす。駒の動かし方、将棋界のしくみから、進化するコンピュータとの対戦、対局中の心理、休日の過ごし方まで、今明かされる棋士の頭の中! 名勝負として名高い、羽生善治四冠(当時)との第21期竜王戦第4局の貴重な自戦記を増補し、待望の文庫化。
  • 生産性とは何か ──日本経済の活力を問いなおす
    4.2
    バブル崩壊後、日本経済が停滞を脱することができないのは、生産性向上をなおざりにしたからである。アベノミクスでも成長戦略は後回しにされ、日本は世界から取り残された。誤解されがちな「生産性」概念を経済学の観点から捉えなおし、その上で、市場の新陳代謝、既存企業による開発や多角化、経営能力の向上など、生産性向上策について最新のデータをもとに論じる。日本経済が活力を取り戻すための新たな方策を提言する一冊。
  • ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ
    4.2
    中学時代、ファミコンではなくセガやMSXパソコンを持っていたというちょっと変わったゲーム少年だった著者が、自らのゲーム歴を振り返りつつ、独特の視点でゲームを愛でまくったエッセイ集。ゲームデザインのこと、ユーザーとメーカーのこと、ゲーム作家の戦略等々、ゲームをめぐって交錯するさまざまな思いを独特の筆致で活写。文庫化にあたり大幅増補。図版多数。電子版書き下ろしエッセイを追加。

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