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Posted by ブクログ 2014年10月05日
昆虫と人との関わりについて、丹念に調べられた本。かつて害虫の発生が、制御不能の「たたり」や「神罰」だったのが、明治時代以降は、殺虫剤や天敵導入など科学の力で押さえ込もうとしていく。
エピソードも豊富。江戸時代まではコキは食べ物が豊富な豊かな家にしか出なかったので、「黄金虫は金持ちだ」の黄金虫はチャバ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年12月04日
ニーチェの『悲劇の誕生』、フーコーの『監獄の誕生』、平朝彦の『日本列島の誕生』と「誕生モノ」で感銘を受けた名著は多いが、この『害虫の誕生』も名著である。
現代に生きる私たちは、パソコンやテレビなどの現代生活の必需品に対しては、それなりの経緯を知っているが、生活の場から消え去ったものにたいしての「誕生...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月29日
定住型農耕が始まって害虫という認識が誕生した。
近世まで虫の駆除には殺傷感覚が存在していた。そのため宗教的な行事に頼る。
ゴキブリはコガネムシと言われ、金持ちのところにしかいない虫で、殺さないようにしていた。
松方正義は、虫のにわかに生じたるにあらず、その実人の虫を発見したるのみ
ということを述...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月30日
たたりだと思われていた害虫の大量発生。ヨーロッパでも、昆虫学と害虫はレベルの違う話として扱われていたといいいます。天災の一つ、あるいは「たたり」であった虫害が、人が記録し発信することで、はじめて「発見」されたという現象。
人が制御できないものから制御できる(ように見えるもの)へ、イデオロギーの衝突、...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年10月27日
[ 内容 ]
江戸時代、虫は自然発生するものだと考えられていた。
そのため害虫による農業への被害はたたりとされ、それを防ぐ方法は田圃にお札を立てるという神頼みだけだった。
当時はまだ、いわゆる“害虫”は存在していなかったのだ。
しかし、明治、大正、昭和と近代化の過程で、“害虫”は次第に人々の手による...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月08日
日本の社会の推移を害虫対処の見地から眺めた本。害虫排除は明治以降に始められ、江戸時代には、害虫の大量発生は天災と考えられ、祈祷やお札によって対処を計っていた。明治以降は農業害虫が、大正以降は衛生害虫も、天敵による駆除、除虫菊をはじめとする化学殺虫剤の散布により排除されている。年代により、害虫に対する...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年06月21日
「害虫」という概念は実はそれほど古いものではない。
そもそも虫による農業被害は天がもたらす災いであり、
人知の届くものではないという意識が、
少なくとも江戸時代までは主流であり、
それが人々と虫との「付き合い方」だった。
今と比べれば、そこら中、虫だらけだったのだろう。
明治に入っても相変わらず「...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月29日
社会科なのか理科なのかチョット不明。凄くマニアチックな本という気がするが結構レビューを書いている人が多い。
雑草に対応することばはないが、虫は害虫と益虫に分けられる。もちろん、本書にもあるように害虫というのも時と場所によって変わってくるのであって、大いに各個人の認識によるわけではあるが。
日本に...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年11月27日
プロローグ‥ごきぶり
第1章 近世日本における「虫」
1、農業 2、蝗 3、虫たちをめぐる自然観
第2章 明治日本と<害虫>
1、害虫 2、応用昆虫学 3、農民VS明治政府 4、名和靖
第3章 病気‥植民地統治と近代都市の形成
1、病気をもたらす虫 2、マラリア 3、都市衛生とハエ
第4...続きを読む
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