この著者が以前に書いた本、「水はなんにも知らないよ」も読んだことがあります。当時、けっこう流行っていた「水はなんでも知っている」とかいう本に対する批判の内容で、実は勤め先で、この「なんでも知っている」の方を読んでいる人、正しいと信じている人が結構いるのに驚いて、両方を合わせ読んだのでした。
今回の本
...続きを読むは、その内容も含めて他のニセ科学についても取り上げ、かつ、それが学校という教育現場で先生の手により正しいと、子どもたちへの教育効果があると信じられ教材に取り上げられてきたことを合わせて取り上げているところに興味を惹かれました。
取り上げられていたテーマは、「水からの伝言」「EM」「TOSS(Teachers' Organization of Skill Sharing)」「ゲーム脳を始めとしたニセ脳科学」「食育教育」「原発教育」、その他多々。一つ一つのテーマの内容、ニセ加減、などは個々に知っていることが多かったですが、それが実際に、教えるための指導要領案がTOSSによりサイト公開され、学校で先生たちに取り上げられ、正しいと信じられて教えられてきたこと、授業展開に活用されてきたことが驚きでした。
が、そういえば実際に子どもが小学生のころ、学校にPTAの用で行ったときに、職員室前の廊下に堂々と、水に、植物に良い言葉をかけようという掲示がされていたのでした。当時、見てすごくびっくりしたのでした。
大元の考えを広めた人達は、本当にそれを心から心底信じてのことなのか、それとも内心ではその怪しさを認識しつつ、隠しているのか、そこはわからないのですが。少なくとも、先生たちは子どもたちのためになる、「科学的」に正しい内容と信じて教えているところが、なかなか厳しい。一つ一つを、正しいかどうかファクトチェックするのは大変なことではあるし。正直なところ取り上げられているテーマのうち、「天然」「無農薬」あたりは、自分もこだわってきたものだし。
現状でも「コロナ」「ワクチン」「マスク」などや、「スマホ脳」「AI」など、科学的に正しいかどうか、根拠があるかどうか、きちんと調べ尽くしたりはしていないのが我ながら実情です。