無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
火の発見とエネルギー革命、歴史を変えたビール・ワイン・蒸留酒、金・銀への欲望が世界をグローバル化した、石油に浮かぶ文明、ドラッグの魔力、化学兵器と核兵器・・・。
化学は人類を大きく動かしているーー。
人類の歴史は化学とともに発展してきた。「化学」は、地球や宇宙に存在する物質の性質を知るための学問であり、物質(モノ)同士の反応を研究する学問である。始まりは、人類史上最大の発明とも呼ばれる「火」(燃焼という化学反応)の利用である。人類は火を利用することで、土器やガラスを作り、鉱石から金属を取り出すようになり、生のままでは食べるのが困難だった動物や植物も捕食の対象に加えて、生存範囲を飛躍的に広げていった。
現代では、金属やセラミックス、ナイロンのような合成繊維から、ポリエチレンのようなプラスチック類、高性能な電池、創薬などの新しい物質や製品を生み出しているが、いずれも化学の成果に下支えされている。つまり、化学は、火、金属、アルコール、染料、薬、麻薬、石油、そして核物質と、ありとあらゆるものを私たちに与えた学問と言える。
本書は、化学が人類の歴史にどのように影響を与えてきたかを紹介する、白熱のサイエンスエンターテインメント!化学という学問の知的探求の営みを伝えると同時に、人間の夢や欲望を形にしてきた「化学」の実学として面白さを、著者の親切な文章と、図解、イラストも用いながら、やわらかく読者に届ける。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
化合物のような本だと思いました。
「大多数の金属元素は、天然には酸素や硫黄などの化合物として岩石(鉱石)のかたちで、あるいはイオンとなって海水中に存在する。やがて人類は鉱石を木炭などと混ぜ合わせて加熱して還元することで金属のかたまりを得る技術を獲得した」(p.204)
本書はいわばこの引用文の逆をやっているわけです。
文系人間からすれば、化学の知識そのものは難しいため、面白い文章として存在できない。なので世界史と化学の化合物として御提供しますよ、と。
ところで、たまたま阿仁銅山の資料館に行ったばかりだったので、特に金属の話は面白かったです。
ガラスケースに入った黄銅鉱を見ても、事前知識なくそこに意味を見出すのは難しいです。
平賀源内が、銅から銀絞り法(灰吹法)で銀を抽出することを指導したと聞いても、どう凄いのかよく分かりません。
こういうのは、鉄をどうやって製錬するか(pp.207-)、金をどうやって精錬するか(pp.233-)、外国と日本の違いも含めて知らないと、分かった気がしないものです。
しかし、本書の構成は、雑然としているようでいて、うっすら一本の線になっていますね。
本書は1~4章で化学史をやった後、5章(水)・6章(料理)・7章(酒)と化学と関係の薄い文化史の話を始めます。
このあたりで蒸留酒の話が出てきます(pp.159-)。醸造酒の水分を飛ばしてアルコール度数の高い酒を得るというのは、誰でも分かることです。
ところで金の精錬の方法であるアマルガム法は、金を水銀に溶かして合金にした後、水銀を蒸発させて金を残す方法でした(p.234)。アマルガム法は銀にも使われます(p.248)。
蒸留とアマルガム法は、水ではなく水銀を使うところが違いますが、やっていることは似たようなものです。
わざわざこんな対比で説明してはいませんが、金の精錬が7章(酒)よりも後の11章に出てくるあたり、親切な構成だと感じました。
ほかにも染料→医薬品→麻薬と連想ゲームのように展開する箇所が多く、読んでいて楽しかったです。
少し中だるみする所もありますが
良書だと思います。
中だるみの理由ですが、様々な物質を紹介するため説明が途切れ途切れになりがちな事です。
そのため物語のように引き込まれる文章ではありません。
しかし書名の通り、作られた化学物質で歴史にも影響するスケールの大きさは面白いです。
途切れ途切れの反面、今も日常に溢れる多種多様な物質の説明は為になります。
Posted by ブクログ
火はどのように人間の祖先によって使われ始めたのか、地球は何でできているのかという原点から、現代であふれているプラスチックが生まれた経緯やフロンガス、温暖化ガスが生み出されるまでなど、幅広い「なんで?」に化学者の目線から解説された本。
面白かった。高校時代、もう少し化学を勉強しておけば、素材や元素の性質まで実感して読めたのかなと思う…。今からでも化学について、少し勉強して、また読み直したいと思う。
例えばガラスが生まれる前までは黒曜石のようにガラス質の物質はあったが、それに石灰や他の化合物を加えて今のように耐熱性や強さもあるガラスが生まれたのだとか。そもそも人工物を作るために、いろいろな化学物質を掛け合わせて、ようやく新しい解に辿り着くまでの化学者の努力量がすごい。
今世界で悪とされている物質や物(爆弾、ミサイルなど)も、もともとは利便性をかなえるために生まれたもので、化学者でさえその副作用を予測できなかったとなると、この先生まれる技術も必ず副作用があるのかもしれない、と少し危機意識を持つようにもなった。
Posted by ブクログ
化学の発展が人類の歴史にどんな影響を与えてきたかが簡潔に説明されている。
似たような本に、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」があるが、こちらは多面的なアプローチが複雑すぎて下巻の途中でギブアップ状態だ。
本書は、化学の成果と歴史の関係をかいつまんで紹介してくれているので理解しやすい。
世界史の話も出てくるが、化学の説明が主なので科学が好きな人にとっては絶好の入門書だと思う。
普段あまり気にしていないことを考えるきっかけにもなった。
例えば、空気に関して、
「密度が異なる酸素と窒素が、高度が違っても同じように混じり合うのはなぜか?」
水と油だと混じり合わなくて、重い水が下で軽い油は上に分かれるではないか。
「空気中の酸素は O でなく O₂、窒素も N でなく N₂ と原子でなく分子なのはなぜか?」
そのようになっているらしいことは、どこかで学んで知っているが、なぜか?と聞かれると答えられない。
最近の何百年でなく何千年も前から、いろんな人がいろんな事を解明して今がある。
ガラスって凄いなと思った。
ガラスは窓に使うにはもってこいなんですね。
・光を通す透明性があり、着色したり不透明にもできる。
・雨風(液体・気体)を通さない。
・酸に強く、溶けたり錆びたりしない。
・数百度まで耐熱性がある。
・電気を通さない。
・傷つきにくく割れにくいものもできている。
・任意の形に変形できる。
ガラスがない時代の窓はどうなっていたのでしょう。
広瀬すずのCMで素材を扱う会社をアピールしているAGCは、社名を旭硝子から変更した板ガラスのトップメーカーで、
窓ガラスで随分と儲けたのでしょうね。
今では、0.05ミリの超薄型ガラスまでできている。
ガラスはビンやコップなどの食器、テレビやスマホの画面用の素材としても、なくてはならない存在だ。
後半では合成染料の話が出てきたが、その発展形として染料から医薬品へという発想に感心した。
染料によっては、ある組織や微生物は染まっても、別の組織や微生物は染まらなかった。
ある染料は、ヒトの細胞にはつかずに、特定の細菌にはくっついた。
もしこの染料が細菌には有害なものだとすると、患者の体を傷つけることなく侵入してきた細菌だけをやっつけることができる。
「アスピリン」もドイツの染料メーカーが開発したものでした。
医学や生物の本で、特定の細胞だけ緑に光る写真があったりするが、そういう染料を見つけて研究に用いているのですね。
土器、石器、青銅器、鉄器、ガラス、セラミックス
染料、合成染料、製薬、抗生物質
麻薬・覚せい剤・煙草
セルロース、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、レーヨン、プラスチック、セルロイド
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン
DDT、フロン、ニトログリセリン、ダイナマイト、サリン、原爆
人類はいろんなものを作ってきて、それらが今の世の中に溢れている。
悪意を持って作られたものは少なく、大部分が利便性を求めて開発されたものだ。
だが、生活の質を向上させてきた画期的な物質が、深刻な環境破壊を引き起こしている。
今は便利に使っているものが将来有害物質の烙印を押されるかも知れない。
直接的には人体に無害であることは最優先だが、環境破壊を引き起こさないという長期的視点が大切だ。
Posted by ブクログ
ダイヤモンド社
左巻健男 「世界史は化学でできている」
化学史の本。化学が人間の生活を豊かにしたり、病気から守ってくれる反面、麻薬中毒者や戦争被害者を増やし、環境破壊を広げている
ダイナマイト発明者ノーベルや毒ガス兵器研究者ハーバーの「大量破壊兵器があれば、戦争はすぐ終わり、戦死者は 少なくてすむ」という思考がよくわからない
二酸化炭素を排出しない水素エネルギーや鉄鋼製造法、土壌にもどるセラミックスや生分解性プラスチックはもう少し知りたいテーマだった
合成染料技術が医療革命につながったことを初めて知った。日本の有機化学産業や製薬メーカーが 世界から遅れているのは 合成染料技術の差なのか?
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用