筑摩書房 - ほのぼの作品一覧

  • ギリシア哲学史
    4.3
    全てはここから始まる――古代ギリシアで哲学はどのように始まったのか。人間と社会と自然を根源から問い、わたしたちの生き方・考え方を形作った知の原点。近年の研究成果を踏まえギリシア哲学史の枠組みを見直し、哲学者たちの思索を新たな視座から一望する記念碑的通史!
  • STATUS AND CULTURE ――文化をかたちづくる〈ステイタス〉の力学 感性・慣習・流行はいかに生まれるか?
    3.0
    かつてビートルズの〈マッシュルームカット〉と呼ばれた長く、だらしない髪型は各世代から反発を招き、社会を分断するほどの騒動を全世界に巻き起こした。しかし現在では受け入れられ、むしろクラシカルな髪型となっている。トレンドは一部の過激な行動から始まり、反発を生むが、徐々に許容され、ついには一般化する。人はなぜ集団で特定の習慣を好み、やがて別の流行に移行するのだろうか。なぜあるものが「クール」になるのか? スタイルの革新はいかにして生まれるのか? われわれの文化に起こる絶え間ない変化のメカニズムを、本書は〈ステイタス〉――社会のなかでの各個人の重要度を示す非公式な指標――を希求するプロセスとして説明する。本書で解き明かしていくステイタスと文化の原則は、捉えがたいものとされてきたセンスや真正性、アイデンティティ、階級、サブカルチャー、アート、ファッション、流行、スタイル、リバイバルといった概念や現象を明確にし、われわれを取り巻く世界を分析する際に極めて役に立つ。
  • ブルー・ブラッド ―ヨーロッパ王家の現代史
    4.0
    1巻3,190円 (税込)
    ロシア革命、アナスタシアの謎、ウィンザー公の世紀の恋、そして二つの世界大戦――激動の時代に翻弄されながら、イギリス・ウィンザー家、ロシア・ロマノフ家、ドイツ・ホーエツォレルン家、オーストリア・ハプスブルク家などヨーロッパ諸国の王家が、どう苦悩し、いかに生きたか。“青き血”の織りなすドラマの数々を描いた、王族たちの現代史。
  • アーサー王物語 1
    4.0
    魔剣エクスカリバー、円卓の騎士、魔術師マーリン、騎士ラーンスロットの冒険、トリストラムとイソルテの悲恋、聖杯探求……。あらゆる英雄譚、恋愛譚、奇蹟譚の伝承が詰まったファンタジーの宝庫──「アーサー王伝説」。本シリーズは、1485年刊行の原典・キャクストン版を、全訳し紹介する、本邦初の完訳版。「1」は、原書全21巻のうち1巻から6巻までを収録。
  • 資本主義の中で生きるということ
    4.2
    貨幣とは何か、資本主義とは何かを鋭く問い続け、従来の経済学の枠組みを超える新しい理論を構築してきた第一人者による、知的魅力あふれるエッセイの集大成。
  • 明けても暮れても食べて食べて
    3.6
    デビュー以来、魅力あふれる食べものの絵本で人気を博す、ようちえん絵本大賞受賞の人気イラストユニット・はらぺこめがね。根っからの食いしん坊で、食べものまみれの彼らの日常を、思わず頬張りたくなるような絵とユーモラスな文章で伝える新しい食の本。6皿目の蒸した海老寿司、ちょっとはみでてるクリームパン、温泉旅館の夕食…… 食べものまみれの日常を描いた100点を収録、できたてほやほやイラストエッセイ集。
  • ちくまさん
    4.5
    ちくまさんは、ちょっぴりドジだけど勤労意欲溢れるナイスレディ。PR誌「ちくま」の好評連載がオールカラーで待望の書籍化!
  • 捨てられないTシャツ
    3.8
    あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ”であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション”でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
  • 猫社会学、はじめます ――どうして猫は私たちにとって特別な存在となったのか?
    4.0
    猫と人との関係が最も深まったのが現代。なぜ猫は可愛いのか、「猫島」とは何かなど、五つの視点から分析。「猫と人間の未来」のための全く新しい学問の誕生!
  • 移動そのもの
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    語りは未知なる情景を相手に伝えるためのものだが、一方で言葉はそれ自身次の言葉を求めて自在に繁茂していく。そのふたつが合わさったとき、小説は一文一文、一語一語、圧倒的な速度で跳躍しながら、読む者を〈現在〉の強度へと誘いつづける。2019年『する、されるユートピア』で中原中也賞、2023年『この世の喜びよ』で芥川賞に輝く、詩人・作家が放つ、言葉を読む原初的な快楽に溢れる最新短編集!
  • ヘルシンキ 生活の練習はつづく
    4.5
    ガチ多様性。ふたりの子どもと北欧へ渡った社会学者による、現地レポート。「考え方が変わる」と大反響の『ヘルシンキ 生活の練習』の待望の続編! 【目次】はじめに/1 大人と働く/2 戦争と平和(前編)/3 戦争と平和(後編)/4 特殊なのは誰か/5 見えないルール/6 エリライシアが普通/7 みんなのための善いこと/おわりに
  • 再読だけが創造的な読書術である
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    読書猿氏推薦! 忙しさや生産性、新しさという強い刺激に駆り立てられる現代において、自分の生きる時間を取り戻すための方法論として素朴な多読ではなく、本書では「再読」を提唱する。読書するうえで直面する「わからなさという困難」を洗練させ、既知と未知のネットワークを創造的に発展させる知的技術としての「再読」へと導く。「自分ならではの時間」を生きる読書論。
  • 日常的実践のポイエティーク
    4.3
    読むこと、歩行、言い回し、職場での隠れ作業……。それらは押しつけられた秩序を相手取って狡智をめぐらし、従いながらも「なんとかやっていく」無名の者の技芸である。好機を捉え、ブリコラージュする、弱者の戦術なのだ――。科学的・合理的な近代の知の領域から追放され、見落とされた日常的実践とはどんなものか。フーコー、ブルデューをはじめ人文社会諸科学を横断しつつ、狂人、潜在意識、迷信といった「他なるもの」として一瞬姿を現すその痕跡を、科学的に解釈するのとは別のやり方で示そうとする。近代以降の知のあり方を見直す、それ自体実践的なテクスト。
  • 反原発の思想史 ──冷戦からフクシマへ
    4.2
    日本の反原発運動は、毛沢東理論の「誤読」による近代科学批判が大きな転機となった。それが「1968年」を媒介にニューエイジ・サイエンスやエコロジーと結びつき、工作舎や「宝島文化」を背景にしたサブカルチャーの浸透によって次第に大衆的な基盤をもつようになったのである。複雑に交差する反核運動や「原子力の平和利用」などの論点から戦後の思想と運動を俯瞰し、「後退りしながら未来へ進む」道筋を考える。
  • 英語のハノン 初級 ――スピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル
    4.3
    1~5巻1,760~1,980円 (税込)
    話したい人のための、待望のドリル! ピアノの教則本「ハノン」の名に由来、英語を自然に話す力がつく学習法、それが「英語のハノン」だ!机上の英文法を、使える英語に高めるための究極パターン・プラクティス643!
  • イエスは四度笑った
    5.0
    キリスト教において正典とされる四つの福音書のどこにも、イエスの笑いは出てこない。だがナイル川流域の土中から1970年代に発見された『ユダの福音書』では、イエスは四度笑っている。一人のグノーシス主義者によって書かれたこの笑いはいったい何を意味するのか。じつは四度ならず、イエスは大いに笑ったのだ――『寅さんとイエス』で、イエスが寅さんのようなユーモアに満ちた存在だったことを描き出したカトリック神父が、聖書のミステリーに挑む。 【目次】はじめに/第一章 イスカリオテのユダと『ユダの福音書』/第二章 イエスを四度笑わせた『ユダの福音書』/第三章 正典福音書におけるイエスの〈怒り・苦しみ・悲しみ・喜び〉/第四章 正典福音書におけるイエスの〈ユーモア〉/第五章 正典福音書におけるイエスの〈笑い〉/追記1 聖夜を前に聖書ひもといて/追記2 ガザの「壁」/おわりに
  • 横浜中華街 ――世界に誇るチャイナタウンの地理・歴史
    4.2
    日本有数の観光地、横浜中華街。この街はどのようにしてでき、なぜ人びとに愛されるようになったのか。1859年の横浜開港、「南京町」の形成、関東大震災や横浜大空襲での壊滅、戦後のヤミ市や外国人バー街の時代、観光地としての成長、新華僑の到来……。世界中のチャイナタウンに足を運び研究してきた地理学者が、この街の地形や歴史を解説し、世界的にもユニークな特徴を明らかにする。
  • 日本回帰と文化人 ――昭和戦前期の理想と悲劇
    3.0
    西洋文化を旺盛に摂取しつつ繁栄を遂げてきた近代日本は、昭和期に入ると急速に「日本回帰」へと旋回する。そのうねりのなかで文学者や思想家たちもまた、ときにそうした運動の主導者となっていった。和辻による日本古典美の称揚、保田らの「日本浪曼派」、北原白秋や斎藤茂吉の戦争詩歌、そして三木の東亜協同体論や京都学派の「世界史の哲学」――。戦後タブー視されがちであったこれらの作品を、当時の時代状況や彼らの内的論理に注目しつつ読み解き、「日本的なもの」の核心に迫る意欲作。
  • ディズニーと動物 ――王国の魔法をとく
    4.5
    ウォルト・ディズニーが創造したエンタテインメントは、米国大衆文化の代名詞であり、世界中を席巻している。姫と動物たちが織りなす夢と魔法の世界はいまなお拡大を続けるいっぽう、巨大資本を投入した反自然的な世界、徹底的に飼いならされた無菌化された世界でもある。ディズニーの物語は、現代の政治、社会、文化、自然に何をもたらしたか。その映像は私たちにどのような影響を及ぼしてきたか。その世界の舞台裏を探る。
  • 紅白歌合戦と日本人
    3.8
    今なお、四〇パーセント台の視聴率を誇る、紅白歌合戦。「紅白」の歩みは、私たち日本人の歩みでもあった。美空ひばり、坂本九、山口百恵、都はるみ、SMAP、美輪明宏……。大晦日の夜、時代を彩る歌手が一堂に会し、その年のヒット曲を、懐かしの歌を、心に残る名曲を歌い上げる。時代とともにそのあり方を変えながら、国民的テレビ番組であり続ける「紅白」に、私たち日本人は何を求めてきたのか。今日に至るまでの「紅白」の歴史をたどり直し、日本人の心の軌跡を描き出す渾身作!
  • 阿含経典1
    4.7
    ブッダはなにを語り、どのように説いたのか。その教えを最も純粋なかたちで伝える最古層の重要な仏教経典の集成。阿含=アーガマとは伝承されてきた聖典を意味する。これらの経典群のなかには、あらゆる宗派を超えた仏教の原初のすがたがあり、その根本がある。本書は厖大な阿含経典群のなかから、よく古形を保ち、原初的な経と判定される諸経をとりあげ、パーリ語原典からの現代語訳と注解で構成。第1巻は、ブッダの悟りの内容を示す「存在の法則(縁起)に関する経典群」と、その法則に即して人間をかたちづくる要素を吟味した「人間の分析(五蘊)に関する経典群」を収録する。
  • 人生にはいつも料理本があった
    3.5
    季節の味わいを教える本、未知の料理への扉を開く本、言葉にぐっときた本……20年以上にわたり料理本作りに関わり続けてきた著者が、愛をこめて語りつくす。
  • 青椒肉絲の絲、麻婆豆腐の麻 ――中国語の口福
    3.9
    青椒肉絲に胸をときめかせ、麻婆豆腐にしびれる!回鍋肉、北京ダック、拉麺、餃子といった定番料理から、マレーシアや台湾の「幻の麺」など現地でしか食べられない料理まで、中国・台湾でも活躍する作家が、「ことば」を切り口に読みとく美味しいエッセイ。
  • 現地発 韓国映画・ドラマのなぜ?
    3.5
    映画・ドラマから知る、韓国の食や、フェミニズム等社会状況、そして現代史まで。韓国在住映画ライターが案内。作品の見方が変わる。
  • べつに怒ってない
    3.9
    やろうと思ったけどできなかったこと、やる前に考えてしまったこと。不毛な考えが豊かに花開く、「日経MJ」連載から厳選したエッセイ123本詰め。
  • 包帯クラブ ルック・アット・ミー! ──The Bandage Club Look At Me!
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    関東のはずれの町に暮らす高校生、ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。彼らはそれぞれに傷ついた少年少女たちだった。戦わないで自分自身の大切なものを守りたい、そんな思いから彼らは包帯クラブを結成する。その活動を描いた前作『包帯クラブ』から16年。本作は前作の終わりから話が始まる。場所に包帯を巻く活動は、無理解や反発などを受け、自粛を余儀なくされる。しかし、ひっそりと集まりバンド活動を始める彼ら。発表の場を求めながら、さまざまな人と出会い、再び物語は動き出す。本作では、未来の、成人した彼らの姿も交差して描かれる。この世界にあふれた悲しみのひとつひとつを手当てすることは難しいが、だから何をしたってむだ、とは言いたくない。自分たちのやり方で、自分を守り、大切な人たちを守ろうと踏み出す彼らの第2幕が開く。
  • エラスムス 闘う人文主義者
    5.0
    中世の大ベストセラー『痴愚神礼讃』の名を知る人は多いだろう。ヨーロッパ文化への貢献者に与えられる栄えある賞に今もその名を残す、西洋知性の粋、デジデリウス・エラスムス。宗教改革をはじめ、世俗権力と教会の対立が顕在化し、争いが絶えなかった狂乱の時代を生きた彼は、つねに学問に打ち込み、「何者にもその道を譲らない」という自らの信条が揺るぐことはなかった。派閥に属さない知性的な態度や人間味あふれる魅力的な人柄、「世界市民」としての生き方を、西欧文化を知悉する著者が憧憬をこめて描き出す傑作評伝。 【目次】まえがき/第1章 我、何者にも譲らず/第2章 不信の時代/第3章 変革への底流/第4章 古代へのめざめ/第5章 ふたつの友情/第6章 イタリアへの旅/第7章 ヴェネツィアの印刷業者/第8章 ゆっくり急げ/第9章 『痴愚神礼讃』/第10章 宗教改革の嵐/第11章 嵐のなかの生涯/第12章 自由意志論争/第13章 栄光ある孤立/はしがき
  • 日本の包茎 ――男の体の200年史
    4.3
    仮性包茎は医学上、病気ではなく、手術も不要である。日本人男性の半数以上が仮性包茎とされている。多数派であるのに多くの男性がこれを恥じ、秘密にしようとするのはなぜか。そのままでは女性に嫌われると一部の美容外科医は言い募り、男性による嘲弄の対象ともなってきた。仮性包茎を恥じる感覚は、どのようにして形成されたのか。江戸後期から現代まで、医学書から性の指南書、週刊誌まで、膨大な文献を読み解き、仮性包茎をめぐる感覚の200年史を描き出す。歴史社会学者による本邦初の書!
  • 河童の日本史
    3.0
    水辺に出没する日本の妖怪・河童。本書は、民間伝承や文献に出現するこの空想生物を、時代ごと地域ごとに精査。そこから、近世の潅漑用水発達と鎖国にともない内陸の河沼へ目が向けられたこと、ワニやスッポンなど水棲生物を祖型としつつ、水死者・被差別民・処刑キリシタン等のイメージが多元的に重なって河童となったことが浮かびあがる。民俗学と科学史を横断した異色の生物学者による実証分析的空想生物学の著作。その底流には、日本人の生命観へのアプローチが満ち満ちている。
  • 法の原理 ──自然法と政治的な法の原理
    4.0
    「人間の本性とはなんであるか、政治体とはなんであるか、また、いわゆる法とはなんであるか」。1640年に発表された最初の政治理論で、ホッブズはこれらの問いに答える。人間本性の分析を通して描き出される、自然状態=戦争状態。そこから脱する政治体として、選ばれるべきものは何か――。大著『リヴァイアサン』へと発展する議論の核心は、本書のうちに用意されているといってよい。イングランドが政治的混乱に見舞われるなか、ホッブズの願いは、自らの学説によって人々に平和への指針を示すことにあった。「ホッブズ哲学の最良の展開の一つ」と評される作品を、達意の訳文と充実した訳注でおくる。
  • 近代という教養 ――文学が背負った課題
    3.5
    1巻1,595円 (税込)
    「近代」とはいったい何だったのか? ラディカルに近代化を果たさねばならなかった日本では、その文化的側面の多くを「文学」が背負うことになった。役割を担わされた文学は「新しさ」を表出するために進出し続けた。その進化論的パラダイムにとりつかれた時代との格闘が「教養」の源泉となり、現在まで私たちの底流で生き続けている。テクスト分析を駆使し、日本近・現代の文化的慣習の形成過程をくっきりとあぶり出す斬新な論考。
  • アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代
    4.0
    英国を代表する「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーはまた「観光の女王」でもあった。奇しくも同じ1841年に端を発する「ミステリ」(ポー「モルグ街の殺人」)と「観光」(トマス・クックによるツアー)は、束の間の「非日常」を楽しみ、平凡だが価値ある「日常」へと帰還する営みとして、大衆社会なかんずく大英帝国の繁栄の下、花開いた。その頂点をなすクリスティーの傑作群、66作に及ぶクリスティーの長編の分析を通して、彼女が「ミステリ」と「観光」に託して描いた二〇世紀大英帝国の変容を明らかにする。
  • 徒然草
    4.4
    後悔せずに生きるには、毎日をどう過ごせばよいか。「思索する読書人」兼好が自由な心で書き綴った珠玉の随筆。独創的な断章スタイルは精神の運動を活発にさせ、生きられる時間の短さに警鐘を打ち鳴らす記述と、柔軟でユーモアに富む記述とを自在に往還する。明晰な言語感覚と、全方位に開かれた視界。この世の全てを相対化し、虚無の陥穽から身を翻す兼好。そこから新しい『徒然草』の顔が見えてくる。振舞いと心遺いが文化の本質であり、いまを生きる喜びこそが虚無をも越える最良の手段なのだ。混迷する現代にあって、大人ゆえにいま味わえる人生の達人の文学を、流麗な訳文と新校訂原文で構成。
  • 絶滅危惧個人商店
    3.7
    チェーン店やアウトレットに負けずに、個人で商売を続ける店を訪ね歩く。食料品、衣類、銭湯……。老舗、家族経営、たった一人での開業など、人と店に歴史あり。
  • 着眼と考え方 現代文解釈の方法〔新訂版〕
    5.0
    伝説の現代文教本には続きがあった! 『現代文解釈の基礎』の著者二人による発展編であり、長年読み継がれた定評のある参考書。現代文を読むには、特殊な知識は必要ない。「考える力」という武器が必要なのだ──。70の小説や評論、詩歌などを題材に、まずは何が書かれているかを理解する「内容的意味の把握」、次にその内容がどのように表現されているかを理解する「表現的意味の把握」、そして両者の総合に必要な「考え方」を丁寧に説く。受験生だけでなく、簡単には正解の出せない問題を、言葉をつかって考えようとする全ての人へ贈る現代文参考書。
  • 紋章学入門
    3.7
    この一冊で、紋章の見分け方と歴史がわかる。紋章が楯に描かれたのはなぜか。どうして色が制限されるのか。ニュートンやシェイクスピアらはどんな紋章を使ったか……。十字軍遠征と馬上槍試合をきっかけに爆発的に全ヨーロッパへと伝わった紋章。その数は150万種を超え、ライオン、鷲、クロスから、下着、妖怪、科学記号まで多種多様な図形を描く。その成り立ちとルールがわかれば、ヨーロッパの歴史と文化がより深く理解できるだろう。西洋紋章学を日本に紹介した第一人者が書いた、基礎から学べて謎解きのように面白い紋章学入門書。貴重な資料から、カラー含む図版約300点を収録。
  • 日本大空襲 ──本土制空基地隊員の日記
    5.0
    太平洋戦争時、帝都防衛の任をおびていた陸軍飛行第五十三戦隊。その整備兵であった著者は、日本全土への空襲が本格化する昭和19年11月から翌年の敗戦に至るまで、手許にあった文庫本の余白にひそかに日記を書き綴っていた──。苛烈をきわめる各地への空襲とその被害の経過を定点観測のように詳細に記録しつつ、そこに疲弊していく兵士の日常や傍観者たらざるを得ない自身へのやるせなさ、膨らんでいく戦争・国家への疑念、荒廃していく国土や次々と斃れていく戦友への痛切な思いが、随所に差し挟まれていく。等身大の兵士の視点から本土空襲の全貌を綴った貴重な記録。
  • 宣教師ザビエルと被差別民
    4.3
    宗教改革、大航海時代という世界史の転換期、日本はその影響をどう受けたのか? バスク生まれのザビエルは、カトリック改革派として、アジア底辺層への布教に乗り出す。その活動は日本にも及ぶ。ザビエルら宣教師たちは、ハンセン病患者を救済し、被差別民へも布教の手を差し伸べる……。やがて徳川幕府による禁制は身分差別強化のもととなる。しかし、その後も二百数十年にわたりキリシタン信仰は地下水脈のように受け継がれていった。差別問題をアジア思想史レベルでとらえ続けた沖浦和光が取組んだ最後の著作。
  • 定本 葉隠〔全訳注〕上
    4.0
    武士のありかたを説いた教訓・箴言の名著。主君の死に際して出家隠棲していた山本常朝の草庵に、職を解かれて生きる道を見失った田代陣基が訪れたことで、『葉隠』は生まれた。陣基は常朝を武士道の師と仰ぎ、宝永七年(1710)から七年にわたる聞書が始まる。全十一聞書から成り、およそ1344項の長短の説話が収められた。上巻には、「武士道と云は死ぬ事と見付たり」を含む『葉隠』の根幹をなす聞書一・二と、常朝の教訓を裏打ちした鍋島藩の歴史・家風についての知見を語った聞書三・四を収録。新出の小山信就本を底本とした原文に、詳細な注と従来にない正確な現代語訳を付した決定。
  • 雨降りだからミステリーでも勉強しよう
    3.5
    雑誌のミステリー紹介コラム「フラグランテ・デリクト」と、監修を担当した海外推理小説のシリーズの作品解説を集めた「クライム・クラブ」の2つをまとめた1950~60年代にかけての欧米のミステリーブックガイド。J・Jにしか成しえない圧倒的な情報が詰まった一冊であり、独特の語り口は、今をもってなお新鮮である。また、当時の海外ミステリー事情の貴重な資料にもなっている。
  • 娘と私
    4.8
    文豪、獅子文六が「人間」としても「作家」としても激動の時を過ごした昭和初期から戦後を回想し、深い家族愛から綴られた自伝小説の傑作。亡き妻に捧げられたこの作品は、母を失った病弱の愛娘の成長を見届ける父親としての眼差し、作家としての苦難の時代を支え、継娘を育てあげ世を去った妻への愛、そして、それら全てを受け止める一人の人間の大きな物語である。
  • ラカン入門
    4.4
    ラカンを理解する最短ルートは、その理論を歴史的に辿ることだ──。鏡像段階、対象α、想像界・象徴界・現実界など多種多様な概念を駆使し、壮大な理論を構築したラカン。その理論は、精神分析のあり方を劇的に刷新し、人文・社会科学全般に大きな影響を与えた。本書では、その難解な思想を前期・中期・後期に腑分けし、関心の移り変わりや認識の深化に注目しながら、各時期の理論を丹念に比較・検討していく。なぜラカンはこれほどに多彩な概念を創造し、理論的変遷を繰り返したのか。彼が一貫して問い続けてきたこととは何だったのか。その謎に挑んだ好著、『ラカン対ラカン』増補改訂版。
  • ゲーテ形態学論集・植物篇
    4.0
    イタリア旅行で南欧の植物の多様性に目を見はったゲーテは、仔細に観察し、それらを統べるものへと想像をめぐらせた。メンデルの法則が世に知られる100年以上も前に圧倒的洞察力で、植物のメタモルフォーゼを確信している。「すべては葉である」「花は葉の変形したもの」「地面の下で湿潤だけを吸収する葉を根と呼ぶ」「すぐに拡張する葉は葉柄ないし茎である」。文豪にして偉大な自然科学者の樹立した形態学は、分析と還元を旨とする現代の先端研究者たちに思いがけぬ指針を残していた。「形態学」の真髄とその周辺をていねいに掬い上げた文庫版新訳オリジナル。本書姉妹篇に『動物篇』がある。
  • カルロス・カスタネダ
    3.5
    「呪術師ドン・ファン・シリーズ」の著者、カルロス・カスタネダはその実在すらが疑われ、著作の内容も常に毀誉褒貶にまみれていた。カスタネダとは一体何者だったのか? 著述の内容をつぶさに検証し、仮面の下に潜む素顔とその思想を白日のもとに曝す。カスタネダ神話を脱構築し、新たな相貌の獲得を目論む挑発的な試み。
  • 彗星交叉点
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    街角でふと耳にした会話、お店の看板……たまたま出会った言葉の断片が詩に見えてくることがある。そんな「偶然性による結果的ポエム」についての考察。【目次】この本の目次/忘れ得ぬ言葉/前にも云ったかもしれないけど/白い天然、黒い天然/最期の言葉/ネーミング/客たち/自慢/本当の名前/脳内留学生との会話/兄弟姉妹/怪しい扉/無茶/花だと思ったこともない/駅前の「声」たち/もげたり、にえたり/正解は後ほど/おにぎりの病院/その言葉を自分に向かつて云うのは/ありがとうござ/ベー/名前の教え方/名前の教え方・2/自分の伝え方/熱いアンケー卜/昭和の逆襲/午後のくノ一/生きていく力の強さ/間違いよりも変/名前の間違えられ方/「あやせない」と「くどけない」/間違った夢/辿り着ける地図/謎の言葉を発する人/待遇の良い会社/店名の謎/おませ/ヒヤリング/昭和?/ヌーン/衝撃の記憶/ざっくりショツク/父の口癖/オーラ/精密妻/混乱書店/強気な店/エラーミッキー/グミと赤裸々/眩しい言葉/失言/くらっとくる言葉/昭和のテレビ/振り切られる言葉/電気のコンセント/即答断言ガールズ/名付けのカ/隣の声/ラインマーカーズ/この本の目次/忘れ得ぬ言葉/前にも云ったかもしれないけど/白い天然、黒い天然/最期の言葉/ネーミング/客たち/自慢/本当の名前/脳内留学生との会話/兄弟姉妹/怪しい扉/無茶/花だと思ったこともない/駅前の「声」たち/もげたり、にえたり/正解は後ほど/おにぎりの病院/その言葉を自分に向かつて云うのは/ありがとうござ/ベー/名前の教え方/名前の教え方・2/自分の伝え方/熱いアンケー卜/昭和の逆襲/午後のくノ一/生きていく力の強さ/間違いよりも変/名前の間違えられ方/「あやせない」と「くどけない」/間違った夢/辿り着ける地図/謎の言葉を発する人/待遇の良い会社/店名の謎/おませ/ヒヤリング/昭和?/ヌーン/衝撃の記憶/ざっくりショツク/父の口癖/オーラ/精密妻/混乱書店/強気な店/エラーミッキー/グミと赤裸々/眩しい言葉/失言/くらっとくる言葉/昭和のテレビ/振り切られる言葉/電気のコンセント/即答断言ガールズ/名付けのカ/隣の声/ラインマーカーズ
  • 既にそこにあるもの
    4.8
    現代美術の閉塞状況を打破し続ける画家、大竹伸朗20年間のエッセイ。常に次の作品へと駆り立てる「得体の知れない衝動」とは? 「「既にそこにあるもの」という言葉は、あれから自分の中で微妙な発酵を繰り返しつつ、時に内側からこちらに不敵な笑みの挑発を繰り返す」。文庫化にあたり、新作を含む木版画30点、カラー作品、未発表エッセイ多数収録。
  • 憲法で読むアメリカ史(全)
    4.2
    建国から二百数十年、自由と民主主義の理念を体現し、唯一の超大国として世界に関与しつづけるアメリカ合衆国。その歴史をひもとくと、各時代の危機を常に「憲法問題」として乗り越えてきた、この国の特異性が見て取れる。憲法という視点を抜きに、アメリカの真の姿を理解するのは難しい。建国当初の連邦と州の権限争い、南北戦争と奴隷解放、二度の世界大戦、大恐慌とニューディール、冷戦と言論の自由、公民権運動――。アメリカは、最高裁の判決を通じて、こうした困難にどう対峙してきたのか。その歩みを、憲法を糸口にしてあざやかに物語る。第6回読売・吉野作造賞受賞作の完全版!
  • 死にいたる病
    3.7
    絶望とは、人間の精神のみが罹る「死にいたる病」である。キリスト教会の欺瞞を批判しつつ、無限なる神との関係における有限なる自己(単独者)をめぐって、絶望と罪との諸形態を徹底的に分析し、考え抜く――精神の教化と覚醒のために。自己疎外に陥った現代人の魂の、その核心への肉薄が、今なお鮮烈に読む者を捕えて離さない実存主義哲学の古典。20世紀の思想に広範な影響を与えたキルケゴール晩年の思索を、デンマーク語原点から訳出し、詳細を極める訳注と解説を付す。
  • セイジ
    3.9
    1巻1,430円 (税込)
    これはただ、一人の男が見上げた、小さな青空の物語だ。――純粋であるがゆえに、不器用な生き方しかできない男たち。彼らの思いがけない言葉と行動によって、人びとは人生の真実を知ることができる。太宰治賞作家による、奇跡と感動の物語二篇。
  • 戦中派虫けら日記――滅失への青春
    5.0
    昭和17年戦時下、20歳の山田風太郎は日記を書いておこうと思い立つ。「日記は魂の赤裸々な記録である。が、暗い魂は自分でも見つめたくない。(略)しかし嘘はつくまい。嘘の日記は全く無意味である」戦争のまっただ中、明日の希望もなく、精神的・肉体的飢餓状態にある1人の青年がここにいる。
  • 他者といる技法 ――コミュニケーションの社会学
    4.3
    わたしたちが日々意識せずにおこなう「他者といる技法」。そのすばらしさや正しさだけでなく、苦しみや悪も含めて、できるかぎり透明に描くにはどうしたらよいか──。思いやりとかげぐち、親と子のコミュニケーション、「外国人」の語られ方、マナーを守ることといった様々な技法から浮かび上がるのは、〈承認と葛藤の体系としての社会〉と〈私〉との間の、複雑な相互関係だ。ときに危険で不気味な存在にもなる他者とともにいる、そうした社会と私自身を問いつづけるための、数々の道具を提供する書。
  • 晩酌の誕生
    3.8
    万葉の昔からはじまり、江戸時代に花開いた日本人の家飲み。当初健康のため、安眠のために飲まれていた「寝酒」は、灯火の発達とともにゆっくり夜を楽しむ「内呑み」へと変わっていく。飲まれていたのは濁酒や清酒、焼酎とみりんをあわせた「本直し」等。肴は枝豆から刺身、鍋と、現代と変わらぬ多彩さ。しかも、振り売りが発達していた江戸の町では、自分で支度しなくても、家に居ながらにして肴を入手することができた。さらに燗酒を売る振り売りまでいたため、家に熱源がなくても燗酒が楽しめた。驚くほど豊かだった日本人の家飲みの歴史を繙く。
  • 悪魔はあくまで悪魔である ――都筑道夫恐怖短篇集成(1)
    4.5
    1~3巻1,320~1,430円 (税込)
    「なんでも三つ願いごとをかなえます」悪魔の誘いに応じた男を待ちうける出来事とは……。悪魔に見込まれた男の“取りひき”を描く表題作ほか、切れ味鋭い恐怖短篇の傑作を全3冊にまとめるシリーズ第一弾。
  • さようなら、オレンジ
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    オーストラリアの田舎町に流れてきたアフリカ難民サリマは、夫に逃げられ、精肉作業場で働きつつ二人の息子を育てている。母語の読み書きすらままならない彼女は、職業訓練学校で英語を学びはじめる。そこには、自分の夢をなかばあきらめ夫について渡豪した日本人女性「ハリネズミ」との出会いが待っていた。第29回太宰治賞受賞作。
  • 日本語全史
    4.3
    日本語の全史を一冊でたどる初めての新書。日本語の変遷を古代(前期・後期)/中世(前期・後期)/近世/近代という時代ごとに、総説・文字・音韻・語彙・文法の五つに分けて整理していく。日本語は世界の言語の中でも比較的、古代からの変遷が少ない。であればこそ、現代語との関わりのなかで、日本語史を記述していくことが可能となるのだ。日本語の変遷の全体像がわかるだけでなく、現代の一部の慣用表現や方言などに残る過去の日本語の痕跡をたどっていく謎解きとしても楽しめる一冊。
  • 増補 害虫の誕生 ――虫からみた日本史
    4.0
    今では忌み嫌われるハエやゴキブリ。しかしハエは小さくかわいらしい生き物と見られていた時代があり、ゴキブリは豊かさの象徴だったとする説もある。こうした虫たちは、いかにして人間の手で排除すべき〈害虫〉となったのだろうか。本書はその背景を丹念に読みとき、植民地の統治、「清潔」な近代都市の成立、戦争における伝染病の蔓延や毒ガスの開発などを契機に、近代国家が人々の自然観を組みかえてきた過去を明らかにする。文庫化にあたっては、テクノロジーの発達による害虫の「消滅」などを考察した補章を収録。小さな虫から、人と自然の関係に織り込まれたダイナミックな歴史が見えてくる。
  • 震災アーカイブを訪ねる ――3・11 現在進行形の歴史って?
    4.0
    近年、東日本大震災のようすを伝える「震災アーカイブ施設」「震災遺構」と呼ばれる学びの場が次々とオープンしている。福島・宮城・岩手の3県は地域によって抱える課題が異なり、住民たちが下した復興への決断も様々だ。特徴的な12施設をめぐりながら、震災から何を学び次の世代に語り継ぐか、考えていく。
  • 戌井昭人 芥川賞落選小説集
    3.0
    5回の芥川賞落選を経験し、もっとも賞に近かった(?)作家による芥川賞落選作5作品をまとめたオリジナル小説集(注:川端康成文学賞受賞作1作を含む!!!)。気が小さいのにテキトー、だけどなぜか惹かれてしまう人物たち、モラルも常識もあんまり通用しない脱力しまくりの独特の世界観が炸裂する──ある意味、画期的で文学的コスパ最強の作品集。解説 町田康
  • となりのヤングケアラー ――SOSをキャッチするには?
    3.8
    どんなときに「クラスメイトの中にヤングケアラーがいるかもしれない」と感じるだろうか。家事や介護だけでなく、精神疾患をもつ家族を助ける子どももいる。複雑な感情を抱え、孤立を深めているケースも多い。ヤングケアラーが近くにいたとき、何ができるか。“居場所”をキーワードに考えていく。
  • 地べたから考える ――世界はそこだけじゃないから
    4.1
    日常にひそむ社会の問題を、自らのことばで表現し続けるブレイディみかこのエッセイ・アンソロジー。若い人たちに向けて、地べたからの視線の強さと深さを味わう15篇を精選した。今、あなたの足元にはどんな問いが立っている?
  • 天丼 かつ丼 牛丼 うな丼 親子丼 ――日本五大どんぶりの誕生
    4.2
    どんぶり物を生み出したのは、江戸時代に生きたある男の“食い意地”だった。出前の蒲焼が冷めないようにと、蒲焼をご飯の中に入れ込んで楽しんでいたところ、それがまわりにも広まり、日本初のどんぶり物、うな丼が誕生する。それまで白いご飯の上におかずをのせるという発想を持っていなかった江戸っ子たちは、すっかりうな丼の虜となった。だがうな丼以降、新たなどんぶり物が誕生するには時間がかかった。天ぷら蕎麦や親子とじ蕎麦は江戸時代には生まれているのに、天丼や親子丼の登場は明治になってから。その背景には何があったのか? 膨大な史料から、どんぶり物誕生の歴史をひもとく。
  • 水鏡綺譚
    4.5
    著者にとって「自分の仕事の中で一番好きな漫画だった」という代表作。時は戦国の世、狼と行者に育てられ、立派な人間になるべく修行をする少年ワタルと、記憶をなくした少女・鏡子の物語。鏡子の家を探す旅の途中、護法童子、白比丘尼、外道丸……などによるさまざまな妖しい事件に出会う。そして、二人は……。完結版、待望の文庫化! 解説=南伸坊 推薦文=高橋留美子
  • 中国の城郭都市 ――殷周から明清まで
    3.0
    ときに長さ数十キロ・高さ十メートルを超える城壁で都市全体を囲んだ、中国の巨大な城郭都市。はやくは四千年以上前に作られ、一部戦乱期を経て継承・増改築された数々の城壁は地表・地中にその跡を遺し、現在も発掘調査が行われている。本書は、殷から清までのおもな城郭都市の構造を、史料と考古資料をもとに網羅的に紹介する類のない入門書。長安城、洛陽城、北京城など皇帝の住む都城から、地方行政の中心である州城・県城まで。城郭都市の発生、その構造の変遷から浮かび上がるのは、政治や戦争、人々の暮らしの変化だ。豊富な図版とともにあまたの城壁を渡り歩く、ダイナミックな中国都市史。
  • 病気と治療の文化人類学
    4.0
    どれほど科学技術が発達しようと治らない病気はある。だからこそ人間は病気に強い関心を抱き、さまざまな意味づけを行ってきた。民俗医療や治療儀礼、宗教・民間信仰・シャーマニズムは、どのように病気とかかわってきたのか。本書では「病マケ」と呼ばれる家筋への差別構造、奄美のユタによる治療実態、明治期のコレラが引き起こした社会的混乱など、豊富で多様な民族誌的事例も踏まえつつ、文化と社会における病気に焦点をあて、総合的な文化人類学理論を構築しようとする。「医療人類学」を切り拓いてきた著者による先駆的名著。
  • 台湾総督府
    4.0
    清朝中国から台湾を割譲させた日本は、植民地・台湾を統治するため新たな統括官庁を組織した。その現地機関が台湾総督府である。初期武官総督時代・大正デモクラシー期の文官総督時代・大戦期の後期武官時代を経て、植民地時代の終焉までの日本支配の全貌を追うとともに、その軍事権・行政権・立法権・司法権の実態を探る。そこで浮き彫りにされるのは、台湾人としての民族意識が自治権獲得に向けた運動と併行して日本統治期に醸成された、という史実だ。台湾独立運動家でもあった著者が、多面的な視点をもって、平明かつ詳細に書ききった名著。
  • 重力と力学的世界 上 ――古典としての古典力学
    4.7
    1~2巻1,210~1,320円 (税込)
    私たちが自明としている力学的世界観の成立には、古典力学と古典重力論にもとづく天体力学、とりわけ“重力”概念の確立が大きな影響を与えている。本書は、“重力”理論完成までの思想的格闘の足跡を原典に則して丹念に辿りつつ、誤りや迷いといった紆余曲折までも含めて詳らかにする。先人の思考の核心に「同時代的」に肉薄する壮大でドラマチックな力学史。上巻は、ケプラーにはじまり、ガリレイ、デカルトをへてニュートンにいたる力学方程式確立の歴史、オイラーの重力理論までを収録。
  • 神社の古代史
    3.0
    古代の人々の生活や信仰、祭りの中から神社は各地で発生した。では彼らはどのような神々を祀ってきたのだろうか。明治以降の国家神道の影響を受ける以前の“祭祀の原像”を求めて、主要な神社の成り立ちや特徴を解説する。取り上げられる神社は大神(おおみわ)神社、伊勢神宮、宗像大社、住吉大社、石上(いそのかみ)神宮、鹿島神宮、香取神宮などで、それらは大和王権の国家運営が進むに従い、それぞれに役割を付与され性格づけられて、律令体制下の神社制度として確立していくことになった。日本古代史における神社の起源と変遷をていねいに辿り、その存在意義を考察する。
  • 村上春樹の短編を英語で読む 1979~2011 上
    4.0
    1~2巻1,210~1,320円 (税込)
    英訳された作品を手がかりに村上春樹の短編世界を読み解き、その全体像を一望する画期的批評。短編小説からアプローチすることで、村上がそのデビュー時から、どのような課題にぶつかり、固有の困難を自らに課し、それらを克服してきたかが見えてくる──。上巻では、「言葉」か「物語」かの二者択一という問いに突き当たった「初期」、そして、本格長編『羊をめぐる冒険』以降、はっきりと「物語」に軸足を置くことになった「前期」の作品群をあつかう。英語での講義をもとに日本語で書かれた、平明にしてライブ感あふれる一冊。
  • 大都会の誕生 ──ロンドンとパリの社会史
    3.0
    18、19世紀のロンドンは、「世界経済のメトロポリス」であると同時に巨大なスラムが存在する「世界の吹溜り」でもあった。また、カフェやレストラン、劇場といった華やかな文化を生み出したパリの都市空間は、二月革命に代表される民衆騒乱の舞台にもなった。人はなぜ都市に集まり、どのように大都会の生活様式が生まれたのか、この根本的な問いをめぐって、イギリス近世・近代史、フランス社会運動史をそれぞれ専門とする碩学が重層的な連関のなかに考察する。ふたつのアプローチ、すなわち経済生活と民衆運動、その違いがそのまま「二都」の性格の反映となっていることもきわめて興味深い。
  • 小泉八雲 ──日本を見つめる西洋の眼差し
    3.5
    明治時代、日本に魅せられ日本人となった西洋人がいた。「怪談」の作者にして西洋への日本文化の紹介者、ラフカディオ・ハーンの生涯を描く。帰るべき故郷のない男が、世界各地を転々とした末に遠く異国の地に見出した安らぎとは?
  • ちくま日本文学全集宮沢賢治
    4.0
    日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。本巻では、童話作家・詩人・農村指導者・宗教思想家として多彩な面をもつ著者の代表作から、独自のユーモア、ファンタジー、そして普遍性をも兼ね備えた、唯一無二の世界を感じることができる。
  • 詩の構造についての覚え書 ――ぼくの《詩作品入門》
    4.0
    詩を、作者の心情の直接的発露であり、それを伝える手段だとする見方は根強い。だが、詩において言葉は日常の用法とは異なる態度で取り扱われる。それゆえ、著者が「詩は表現ではない」と明言したとき、旧来の詩観は大きく揺さぶられることとなった。言葉を関係性によって捉えることが重視され、「作者─発話者─主人公」の区別に紙幅が費やされる。これらを通し、われわれは詩がどのようにして成り立つのか、その秘密に近づけるだろう。詩とはいったい何か。この問題を追究したものとして本書に並び立つ書はいまもって少ない。実作者も鑑賞者も一度は読んでおきたい詩作品入門。解説 野村喜和夫
  • むしろ幻想が明快なのである ――虫明亜呂無レトロスペクティブ
    4.0
    三島由紀夫、大島渚、寺山修司が絶賛したスポーツ評論をはじめ、映画、音楽、文芸など幅広いジャンルをテーマに上質で官能な文章を書いた異才、虫明亜呂無。戦前の職業野球への追想、岩下志麻や太地喜和子の軽妙なスケッチ、栄光と悲劇のランナー円谷幸吉・人見絹枝の美しいポルトレ、巨匠内田吐夢監督の撮影現場レポート……単行本未収録作や代表作から精選した珠玉のエッセイコレクション。
  • 近代美学入門
    4.3
    近代美学は、17~19世紀のヨーロッパで成立しました。美学と言っても、難しく考えることはありません。「風に舞う桜の花びらに思わず足を止め、この感情はなんだろうと考えたなら、そのときはもう美学を始めている」ことになるからです。本書は、芸術、芸術家、美、崇高、ピクチャレスクといった概念の変遷をたどり、その成立過程を明らかにしていきます。
  • 不思議なテレポート・マシーンの話 ──なぜ「ぼく」が存在の謎を考えることになったか?
    3.5
    不思議なテレポート・マシーンとの出会いをきっかけに、哲学の基本的な問題をめぐって丁寧に議論を繰り広げる。論理的思考の展開方法も学べるやさしい哲学対話。
  • ふしぎなことば ことばのふしぎ ──ことばってナァニ?
    3.6
    子どもや詩人のハッとさせられることば遣いからひもとく「ことば」のふしぎ。ふだんは内容ばかりが気になるけれど、ふとしたきっかけでふしぎな姿を現してくる。
  • ウイルスって何だろう ──どこから来るのか?
    3.7
    歴史を見てもウイルスは人間社会に多大な影響を及ぼしたが、同時にウイルスは人間社会の鏡でもある。ではウイルスの正体とは。科学的に、社会的に、考える。
  • 漢字が日本語になるまで ――音読み・訓読みはなぜ生まれたのか?
    3.7
    中国から伝わった漢字は、日本語にとってかなり不便な文字だった。日本人はどう工夫し使いこなしてきたのか。ことばの奥深さに迫るタイムトラベルに出かけよう!
  • 大阪 下町酒場列伝
    3.8
    街が好き、酒が好き、人が好き。そんな大阪の魅力がいっぱいにつまった酒場をたずね歩く。老いも若きも、男も女も、そして、金持ちも貧乏人も、イスに座り、グイといっぱいやれば、みな同じ。人それぞれに人生があるように、素敵な店には、それぞれの歴史があるもの。問わず語りに聞く大将の話も酒場めぐりの楽しみともいえるのです。梅田、ミナミ、天六、大正、千林……。これぞ大阪29店。
  • 真鍋博の植物園と昆虫記
    3.5
    星新一、筒井康隆、アガサ・クリスティーなど人気作家作品の装画や装幀の仕事で知られる天才・イラストレーターが、社会のあらゆるものを〈植物〉と〈昆虫〉に見立て、ユーモアと風刺を織り込んで描いた40年前の幻の作品集が奇跡の文庫化。機知縦横に生み出されたイラストは、時代を超えて現在の我々の問題にもリンクしており、その普遍的な想像力に驚くばかり――。
  • 考古学講義
    3.7
    科学的な手法の発達によって、近年、考古学の成果が多数挙がり、考古学の年表は全面的に書き換えられつつある。旧石器捏造事件で考古学の危うさが指摘されて以来、科学的な確からしさが常に問われている。そこで実証的な考古学の最新成果を一般の読者にわかりやすく伝えるとともに、通説をそのままなぞるような水準にとどまらない、挑戦的な研究を紹介。旧石器時代から古墳時代までの全貌がわかるだけでなく、考古学ファンの批判に耐え、知的好奇心を満たす最前線の研究案内。
  • 解説 徒然草
    5.0
    伝説の国語教師による超ロングセラーの古文参考書。著者は、寄り道しつつ、遊びつつ『銀の匙』1冊を3年間かけて学ぶという独自の教育スタイルにより、灘校を東大合格者数ナンバーワンに導いたと言われる。本書には、その授業実践のすべてが凝縮されている。現世への無常観を抱きつつ、なお時代を、人をあたたかな目で見つめつづけた兼好の名随筆より、珠玉の断章をセレクト。やさしい現代語訳や語句注釈で学び、ユーモアと人間味あふれる解説でさらなる広がりに触れながら、古文の世界に楽しく親しむことができる、入門書の決定版。
  • あなたは自由か
    4.0
    「奴隷」哲学者エピクテトスからルターとエラスムスの「自由意志」論争にまで説き及ぶ本書は、「自由」をめぐる歴史上のピークをなす白熱の瞬間をとらえる一方、相異なる多様な考察をあえて並列するにとどめてもいる。今や人工知能が本格化し、監視社会化が進む時代を迎えて、自由の実態はますます不透明になりつつある。原理的な考察とともに、日本の近代を世界史の中で再検証し、自由の動的で、かつ多面的な姿を展望する。
  • 英国に就て
    4.0
    なにも絵画や彫刻、音楽だけが文化なのではない。あたりまえの日常にいちばん近い部分を発達させること。それこそが文化なのだ。吉田健一は、エリザベス朝にはすでに水洗トイレがあったことを指摘し、そこに実用性を重んじるイギリス文化の本質を見る。イギリスで他の芸術に比して文学が発達したのも、文化的であろうとしたからではなく、日常の言葉へのこだわりが、自然と、詩や小説というものになっていったからなのだ──。胡瓜のサンドイッチやハムの味、酒の飲み方など、身近な話題を入口に、いつの間にか本質的な部分へと読者をいざなう、名人芸的文化論。
  • アイヌ歳時記 ──二風谷のくらしと心
    4.0
    アイヌ文化とはなにか、彼らはどのようなくらしを営み、どんな世界観をもっていたのか。本書では、史上初のアイヌ出身国会議員であり、その文化の保存・継承に長年尽力してきた著者が、みずからが生まれ育った二風谷(にぶたに)の四季の生活を振りかえりながら、その模様をやさしく紹介していく。食文化、住まい、儀礼、神話・伝承、習俗、自然観や死生観……。それらの記述を通して浮かび上がってくるのは、自然と調和し共に生きようとするアイヌの心である。いまなお日本人に広く知られているとはいえない先住民族アイヌの世界。その全貌を知るための基本書となる一冊。
  • 中国の知恵 ──孔子について
    3.3
    孔子の生きた時代(前551?‐前479)、世は戦乱にあけくれ、殺戮と陰謀にみちていた。そのような状況下、孔子は、人間にとって重要なのは相互に愛情をもつことだとして「仁」の思想を唱え、政治はその実践であるとした『論語』を生みだす。その後『論語』は儒教の教典として崇拝され、文学的香気にあふれた含蓄深い名句の数々は、人間讃歌、人類永遠の古典として、現代に至るまで多くの人々に読みつがれている。本書は、表題作ほか、孔子と『論語』に関する初心者向けの論考六篇で構成。中国文学最高権威の著者が、人間孔子の精神と『論語』の思想を明らかにした入門書の名著。
  • 十六夜橋
    4.5
    不知火(しらぬい)の海辺に暮らす土木事業家の主と彼をとりまく三代の女たち。遊女、石工、船頭……人びとがあやなし紡ぎ出す物語は、うつつとまぼろし、生と死、そして恋の道行き――。第三回紫式部文学賞受賞作品。
  • 自省のすすめ ――ひとりで考えるレッスン
    3.5
    人生の中盤戦になり、これからどう生きていこうか悩んでいませんか? でも、ただ悩んでいても何かを決断することはできません。だからこそ、自分を見つめなおして、よりよく生きるための術をたった一人で考え切る。マルクス・アウレリウスなどの哲学者たちの言葉には、人生のヒントが詰まっている。これまでもこれからも私は私のままで生きていくために必要なことがこの一冊にある。
  • 倭寇・海商・華僑 ――海はいかにして歴史をつないだか
    3.0
    西洋列強の進出、信仰の伝来、生活文化の変容――世界をつなぎ歴史を更新してきたのは、国境のない海を主戦場とする海賊や海商たちだった。日本を含む多国籍海賊となっていった「倭寇」、日本へ渡り外国の文化を伝えた「海商」、日本の近代化に貢献した「華僑」。時に権力と結びつき、時に非合法的な方法で、彼らは荒波を乗り越え、いかにして新しい文化を届けたのか。大航海時代から現代まで、海を越えて伝えられた文化に焦点を当て、新しい視点から東アジアの歴史を描きなおす。
  • 「おくのほそ道」を読む 決定版
    4.0
    芭蕉にとって、「おくのほそ道」とはなんだったのか。六百里、百五十日に及ぶ旅程を通して、芭蕉は大いなる人生観と出遭う。それは「不易流行」と「かるみ」だ。流転してやまない人の世の苦しみをどのように受け容れるのか。全行程を追体験しながら、その深層を読み解く。新書版『「奥の細道」をよむ』に、現代語訳と曾良随行日記を新たに付し、また大幅な加筆と修正を行った決定版となる。
  • ただいま装幀中
    3.9
    リボンをかけた小箱をひとつひとつプレゼントするように、ちくまプリマー新書の装幀を続けて20年、500冊。アイディアは台所のテーブルで生まれる。パソコンは二人で一台。「ノイズ」や「ほつれ」こそが魅力。愛は必需品――。二人組創作ユニット「クラフト・エヴィング商會」が語る、装幀という仕事。ちくまプリマー新書500巻記念! 【目次】1 本は平面でありながら立体でもある――どうして装幀の仕事をすることになったか/2 つかず離れずというのがちょうどいいんです――どんなふうに二人でデザインをしているか/プリマー新書*装幀セレクション3 リボンをかけた小箱をプレゼントするように――「ノイズ」と「ほつれ」と「にじみ」/4 「何もしない」っていうのは、どうでしょう――「過程」があってこその「結果」なんです/「あとがき」の代わりに
  • 翻訳はおわらない
    3.0
    AIが高度な翻訳をしてくれる時代に、「それでも人間が翻訳をする」ことの意義はどこにあるのだろう? 私たちは言語とどう向き合うことになるのだろう? フランス文学の名翻訳者が、その営為の本質に迫り、言葉・文学・世界に思索をめぐらせる極上のエッセー。『翻訳教育』(2014年)を改題し、あらたに1章を増補した文庫版。
  • 遺言 ――対談と往復書簡
    3.5
    東日本大震災後、自らの仕事の根本が揺らぐように感じた染織家・志村ふくみが、長年交流のあった作家・石牟礼道子へ手紙を送って始まった往復書簡。折しも、石牟礼は生涯最後の作品として新作能を構想しているところだった。作家と染織家が新しいよみがえりを祈って紡いだ次世代へのメッセージ。往復書簡と二度の対談、遺作となった「沖宮」を収録。
  • 出久根達郎の古本屋小説集
    3.8
    古本屋店主にして作家となった出久根達郎。その古本小説のなかから傑作を選び出したアンソロジー。少年時代の本との出会い、下町の古本屋での修業時代、独立後の苦労など、著者自身の体験を作品化したもの。本に憑りつかれた人々の妄執の凄まじさ、一冊の本に込められた思い、人と本が織りなす様々な人生模様を描いた作品23編を収録。オリジナル・アンソロジー。
  • 長くて短い一年 ──山川方夫ショートショート集成
    3.5
    将来を嘱望されながらも34歳で亡くなった夭折の天才・山川方夫のショートショートを日下三蔵によって集成するオリジナル・コレクション第2弾。第2ショートショート集『長くて短い一年』、「EQMM」連載のエッセイをまとめた『トコという男』を完全収録。全集からも漏れていた未刊行作品2篇を加えてこの分野における成果を一望できる決定版作品集。小林信彦による「山川方夫のこと」も特別収録。
  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性
    5.0
    2003年、イラク戦争が始まった時期に、「希望を擁護する」ために本書は書かれた。あの時代は過ぎ去ったが、あらたな戦争が生じ、破壊的な気候変動が到来している。絶望と冷笑主義が残りつづける現代に、希望をもつことはいかに可能なのか。「希望は光を浴びた舞台の真ん中ではなく、周縁の暗がりにある」(本文より)。2016年に改訂され、直接行動と思想を往還する現代の名著を文庫化。
  • O・ヘンリーニューヨーク小説集 街の夢
    4.0
    短編小説の名手O・ヘンリーの才能は、20世紀初頭のニューヨークで花開いた。浮浪者、探偵、ショップガールに恋人たち……その作品では、人びとの人生の一齣が見事に描き出され、120年前のニューヨークがいきいきと蘇る。「賢者の贈り物」「最後の一枚」を含む小説23編、さらにパヴェーゼ、ザミャーチンの評論も収録。時代背景がわかる解説や挿絵のほか、絵画もカラーで収録した充実の第2弾。
  • 思想史講義【明治篇Ⅰ】
    3.0
    四巻シリーズによる近代日本思想史の起点となる本書では、明治維新をめぐるさまざまな思想を考察する。文明開化は単なる「西洋化」だったのか。富国強兵は本当に維新当初からスローガンだったのか。最新の実証的研究に基づく16のテーマと8本のコラムにより、諸思想を掘り下げて検討。多彩な論点で歴史を行きつ戻りつたどることで、思想史の力を引き出し、従来の単線的な明治維新像を刷新する。過去を考える意味とおもしろさがわかる、これまでにない明治維新思想史入門。
  • 建築家の解体
    4.3
    『建築の解体』の刊行から五〇年弱、後期近代の時代にあって、安藤忠雄や隈研吾に代表される従来の建築家のイメージは、見直しを迫られている。ブルデューの理論を用いて、建築家という職業がつくられていくプロセスを描写するとともに、解体していく建築家像の軌跡をたどる。フィールドワークの知見を盛り込み、「街場の建築家」という今後の可能性を最後に示す。
  • 女と刀
    3.3
    「わたしという女は、子しか産むことのできぬ女なのか」「ひとふりの刀の重さほども値しない男よ」……。男尊女卑の因習、家の規範、愛なき結婚、第二次世界大戦、70代での夫との訣別……薩摩士族の娘であるキヲは、明治から昭和にかけて世のならいに抗い、「独立」の心を捨てずに生きた。自らの母をモデルに、真の対話を求め続ける一人の女性を鮮烈に描いた名著。

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