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ガチ多様性。ふたりの子どもと北欧へ渡った社会学者による、現地レポート。「考え方が変わる」と大反響の『ヘルシンキ 生活の練習』の待望の続編! 【目次】はじめに/1 大人と働く/2 戦争と平和(前編)/3 戦争と平和(後編)/4 特殊なのは誰か/5 見えないルール/6 エリライシアが普通/7 みんなのための善いこと/おわりに
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Posted by ブクログ
フィンランドの保育園の教育に、日本よりもたくさんの人員は配置されていて、一人一人の特性を把握してそれにどのように対処するかを対話するというのが素晴らしい。 多様性に関して、マイノリティをマジョリティ デモをする権利や、女性の妊娠出産があることに対する配慮が当たり前のこととして認識されているのが興味深...続きを読むいね。 働く人間はロボットじゃないんだからって、いう雰囲気。日本ではロボットみたいに働くことが良いとされているからここは大違い。
ヘルシンキの暮らしに 関西弁で軽快なツッコミを 入れていく著書の語りを 聞いているといろいろな 当たり前が揺らいで来る。 インクルーシブについて 触れた4章の「特殊なのは誰か」が 印象に残った。 フィンランドの排外主義の 政党のリーダーから 「人口が減るきとも厭わず排外主義を貫く国」として日本が...続きを読む敬われているというくだりは、ずっこけた。どこのエルフの王国だ…
1冊目に続きとても良かった。ガチ多様性の帯のとおり、世の中ガチ多様性。結局、その多様性を受容できるのって、経験に基づく想像力と、気づきによるものでしかないのだと思った。知らないことを知らないことが多すぎる、ということに気付かされる。知らないと、ないことになってしまうことに気づいたし、それってとても怖...続きを読むいことだと思う。そんなことを強く思った本でした
1作目に続いて、フィンランドについてやアイデンティティ、多様性について、著者が関西弁でツッコミともぼやきとも取れるセリフを入れながら考えていく様がとても快いなあ。
前作よりも文章がなめらかになって、カジュアルで読みやすくなったと思う。 前作のインパクトが強く、この作品にも最初から期待感があった。 前作に引き続き面白かった! 最も印象に残ったのは健康診断の話である。 「仕事関係の悩み事やストレスのところに10点中4点をつけていますが、これはどういうものですか」...続きを読むと問診票を見て看護師が尋ねられ、作者は「この大学での仕事は楽しいし、ワークライフバランスもいいんですが、私のパートナーは日本にいます。私も日本で働いていましたが、私はヘルシンキで働くことにしました。それで家族を分断してしまったと思うのが苦しいです」と答えた。そうすると看護師さんは「あなたは人生の中でやりたいことを見つけ、いろいろな要因をロジカルに検討して選択して見事に手に入れた。それは祝われるべきことで、あなたが家族に悪いことをした罰ではない。もしアンフェアに負担が生じているなら助けを求めるべきことです。そのために私たちがいます」このように答えたという。 こういう風に他人言われたことがないなと作者は驚く。 しかし話はそれだけではなかった。 「仕事の満足度に10点中7点と書いていますが、なぜですか」と看護師さんは引き続き質問する。そうすると作者は「毎日今日もダラダラしちゃった。時間があったなぁ。もっと頑張れたのになぁと思う」と答える。 (私もきっと同じように答えると思う) それに対して看護師さんは怪訝な顔して、「70%以上頑張ったらおおよそあらゆる仕事の人が40代のうちに燃え尽きます。だから70%でもやりすぎな位です。60%に減らしてください」 おおー! 「8時間労働だったら、そのうち4割つまり3時間ちょっとぼんやりしてください。同僚とお茶するとか、窓の外を見て鳥がいるなとか」 痛快! もっと私も休もうと心から思った笑 看護師さん、海を超えて、日本でもカウンセリングしてます! フィンランドの現状はなかなか厳しいものもあるようで、フィンランドを全面的に賛美したり、日本と比較してどちらがいいと言ったりする本ではないが、こういうプロのエッセンシャルワーカーたちのきっぱりとした物言いは、前作同様感動できる。 胸がすくようなフィンランドの人たちの働き方の感覚、人権の感覚。清々しいほど毅然としていて、まことにかっこいい。特に女性。 それから、子どもたちのプラカード作りのイベントで、母である作者も一緒に作ったら、これで次のデモに出るプラカードが作れますねと気軽に言われたくだりも。その感覚の違いにキョトンとする作者に相変わらず笑えた。私も読んでキョトンとした。そんな社会、風通しよくていいね。 ただ1つ気になる事は、作者がカジュアルに書きたいと言う気持ちが前に出すぎて「ウケる」っていう言葉を多投しすぎだなぁという所。ほどほどだと面白いし読みやすさにつながるけど、ちょっと多いかなぁ。 自分は「痛く」ない、真面目だけじゃない、と思われたいうと言う気持ちあまり出過ぎてる感じがした。 若い時はそういうことは気になるのだろうけど、かえって痛々しく見えてしまう。苦々しい経験をしてきた作者だからこそだろうけど、もう、気にしなくてもいいんじゃないかなぁ、堂々としてていいのになと読者としては思ってしまった。(老婆心でしかない笑)
小さなお子さんを持つ2世の女性で旦那は日本に在住し2人の子どもとフィンランドで働く母親として生活している。自分のやりたい事のために子どもに不自由させているのではないかと悩んだり、2世ゆえの差別、偏見の経験で子どもらもフィンランドで差別されていないかとか、フィンランドでの学校生活や教育、そして自身の葛...続きを読む藤を事細かく書いていて文化や考え方の違い、そして子どもらの考え方と母親の考え方や見ている事の違い、そして成長過程も知れて自分も考えさせられる内容だった。 フィンランドは遊園地はなく祭りでもトラックに乗るとか地味な祭りでアトラクションのない国があるとは想像すらしなかったが現地の子たちは他の国には遊園地があると知ったら羨ましいと思うのだろうか??そして休みが長い。3か月ぐらいありその間は宿題もない。子どもらは日本に帰って日本学校に通っているが日本とフィンランドの学校を比較したことないとそこでも考え方の違いが真新しく感じる。上の子は淡々としているので世渡り上手かも。下の子は負けず嫌いの感情を表現するのが苦手な男の子。 どちらも成長した姿をみてみたいと思わせる書き方で子どもらが大人になった時の話が読みたいがまだまだ今時点で小学生。 随分先の話になるので筆者が子どもらの成長を書いてくれるかどうか。フィンランドの教育を主に書いているので成長過程を書いてくれるように願っている。
前作もとても好きで、本屋さんで続き(?)が出ているのをみつけて、即買い! 夏休みの12日間の旅のお供にしたら、その旅で出会ったこと、考えたいこととリンクしまくりで、静かに興奮しながら読み進めた。 もう一度じっくり読み返したい。 とても大切な1冊!
フィンランドと言えば、マリメッコやムーミン。高福祉で教育水準も高く住みやすそうな印象があった。女性誌にも、定期的に特集を組まれる森と湖の国。 そんな好印象から、(かもめ食堂)も好きな映画だ。 しかし、実際のフィンランドについて何も知らなかった。 この本を読んで、建国の歴史や政治、日本との教育システム...続きを読むの違いが、興味深かった。羨ましいのは、子供1人に対しての教員数だ。子供の特性や必要に応じてのサポートは素晴らしい。 今後、日本でも移民が増えていく事を考えれば、学ぶべき点が多いと思う。
- ロボットの表情から感情を読み取る練習(どんな顔か描写したり、どんな時の顔かを言う子もいる) -断固とした態度をとるのに怒りはいらない - 民族的不均衡:移民の子はその社会で普通とされるふるまいを知らないため特別支援が必要と思われがち - 人間が育つために余裕のある大人たちが手間ひまかけてもいいこ...続きを読むと -作文:絵を見て描かれていることを描写、新聞記事を箇条書き、広告、メッセージの続き、 - セルフアセスメント - 「要望をつたえることはいいこと」という前提。言わなければわからない
数年前出た『ヘルシンキ 生活の練習』の続編。前作はフィンランドと日本の差を描くことで多様性を扱った社会学エッセイであり、自分的にも時代的にもビットが立ったバッチリなタイミングで読めて深く刺さった。本作もヘルシンキ在住でワンオペ育児中の著者がエッセイ形式で綴る構成は前作と一緒でありつつ、戦争やデモ、特...続きを読む別支援学級など扱うテーマがより深く、より強く社会学の要素が出てきており、難解なテーマゆえ章ごとにいろいろ考えさせられた。というか読んだ人と語りたくなる作品でした。 デモの章。プレイヤーたちのデモやストライキは国や組織にとって非常に重要であるということが丁寧に書かれており、目から鱗。著書同様自分も、集団で何かを占有したりする行為は「迷惑なこと」という無言のバイアスをこの日本でずっと感じてきたし、今でも上に文句言うくらいやったらまず自分で何とかせなという意識が働く。後者はまだしも前者のバイアスは一体どこで培われたものかは分からんけど、本書では(前作からも)一貫して「言わな分からん」という主張が為される。 言わな、分からんということが分からん。 言わな、不満があるということが分からん。 それは以心伝心が美徳とされがちな日本で足りないスキルで、学ぶべきことは多い。 正しく代表されていない人々は、集団を作らなければ、声を上げても無視される。だから集団を作らないといけない。これも正しい。正しく代表されていないのなら、集団を作って、自分たちが運切に代表されるように活動しないといけない。 あとは特別支援学級の話。ここも凄かった。フィンランド語で "違う、多様な" を「エリライシア」というらしいが、 「エリライシアが当たり前であり、誰でも支援が必要」 という前提に立った場合、マイノリティがマジョリティに合わせるということは無くなるという話。マジョリティがマイノリティになる、或いはそれが出来なかったらシステムや機能そのものを変えるべきという主張やけど、考えてみるとそれはとても難しい。例えば集団に上手くコミュニケーションできない人がいて、エリライシアでない世界であればその人が糾弾される「対ヒト」構図の攻撃になる。一方で著者が書くエリライシアの場合、その人は支援が必要で、そしてシステムを疑うべきなので、例えばコミュニケーションツールを入れて多様な意思疎通を可能とする、といった具合。 けどそれを1人に対応するだけで多くの人間が動くのに、「誰もが支援が必要」なのであればそれが×Nとなり早々に破綻してしまう。人が減り続けて効率化が求められる日本でそんなリッチで悠長なこと言ってられない、と途方もなくなるが、そういう、あるべき姿を知っておくだけでも意識は変わると思いました。 普通の子どもと特殊な子どもがいるなら、「特殊」とみなされることは異なる扱いを受ける根拠となる。それを差別(=排除)だと感じることもあれば、「あいつは得している」「ずるい」(=特権)と感じることもあるだろう。他方で、誰もが特殊で、自分に応じた個別の支援を必要とするなら、特殊であることは当たり前のことになる。(略)その建前は、障害など存在しないとか、支援など必要ないとかいうことの対極にある。誰もが支援を必要とする、だから、支援を必要とする人は特殊ではない。
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