作品一覧

  • 地図とその分身たち
    3.0
    1巻1,881円 (税込)
    時代とともに形を変えながら常に私たちのそばにある「地図」。 私たちは「地図」を通して何に出会っているのだろうか? 世界の肌触り、欲望と知の来歴、怪物の気配、置いてきた故郷、融ける国境、街角の冒険、駆け抜ける自転車、戦争の姿、歴史の空白、地図製作者、映画の手がかり、位置情報の意味、失われた存在、浮遊する鳥の眼差し……。 レベッカ・ソルニット『ウォークス』で知られ、地図製作者でもある翻訳家による、地図に魅せられた思索のエッセイ。 【目次】 差し出される地図/矢印の母/飛ぶことのいくつかの様態/臓物と風の色/動くもの、複数の時間/革と夢/誰もが地図を見るとき/偏在するものと目に見えないもの/鳥/空白/待つ、見送る/ウィリアム・リスゴーの失われた耳/形のないものへの旅/『サクリファリス』の地図についての覚え書き/地図はあるか?/洞窟の形/ディタッチメント/迷宮のようなもの/はじめと終わりがある/怪物までの距離/地名の群れ/ロスト・アンド・ファウンド/代償について/カルトグラフィック・シネマ/球と平面/奥行きについて/地図とその分身たち
  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性
    5.0
    1巻990円 (税込)
    2003年、イラク戦争が始まった時期に、「希望を擁護する」ために本書は書かれた。あの時代は過ぎ去ったが、あらたな戦争が生じ、破壊的な気候変動が到来している。絶望と冷笑主義が残りつづける現代に、希望をもつことはいかに可能なのか。「希望は光を浴びた舞台の真ん中ではなく、周縁の暗がりにある」(本文より)。2016年に改訂され、直接行動と思想を往還する現代の名著を文庫化。
  • フェミニスト・シティ
    3.3
    1巻2,200円 (税込)
    なぜ、ベビーカーは交通機関に乗せづらいのか? 暗い夜道を避け、遠回りして家に帰らなければならないのはどうしてか? 女性が当たり前に感じてきたこれらの困難は、じつは男性中心の都市計画のせいかもしれません。 これからの都市は、男だけでなくあらゆるジェンダーに向けて作られなければならない。 近代都市は男性による男性のための計画によって形作られてきた。多くの公共スペースは女性のために設計されておらず、母親、労働者、介護者として生活する女性たちに不自由を強いてきた。ヨーロッパでは街を歩くだけで売春婦と思われた時代があり、現代においても危険な夜道は解決されない問題として残っている。フェミニズムを建築的に展開させた本書が、世界を作り出す新しい力(パワー)になるだろう。 目次 イントロダクション:男の街 女は厄介者 都市について書いているのは誰か? 自由と恐怖 フェミニズム地理学について 一章:母の街 フラヌーズ パブリックなからだ 女性の場所 都市という難所 母親業のジェントリフィケーション 性差別のない街とは 二章:友達の街 友情に生きる ガールズ・タウン 友情と自由 クィア女性の空間 死ぬまで友達 三章:ひとりの街 パーソナルスペース おひとりさま ひとりでいる権利 公共空間の女 尾籠な話 女が場をもつこと 四章:街で声を上げること 都市への権利 安全をDIYする アクティヴィズムにおけるジェンダー アクティヴィストの旅 行動が教えてくれるもの 五章:恐怖の街 恐怖心の正体 危険の地理 恐怖のコスト 押し戻す方法 女の大胆さ 交差性と暴力 あとがき:可能性の街
  • ひと目でわかる テクノロジーのしくみとはたらき図鑑
    3.8
    1巻3,080円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大好評イラスト授業シリーズ第5弾。見やすいイラストで機械の中身を解きほぐし、そのはたらきをひとつひとつ解説。衣類のファスナーや鍵といった単純なものから、情報化時代の先端を彩るスマートウォッチやAIスピーカー、自動運転まで、世の中を支える技術を幅広く取り上げています。それぞれのテーマは見開き単位で簡潔にまとめられているので、理工系の知識がなくても理解できる、これまでにないビジュアル図鑑です。
  • ウォークス 歩くことの精神史
    4.5
    1巻4,950円 (税込)
    アリストテレスは歩きながら哲学し、彼の弟子たちは逍遥学派と呼ばれた。 活動家たちはワシントンを行進し、不正と抑圧を告発した。 彼岸への祈りを込めて、聖地を目指した歩みが、世界各地で連綿と続く巡礼となった。 歴史上の出来事に、科学や文学などの文化に、なによりもわたしたち自身の自己認識に、 歩くことがどのように影を落しているのか、自在な語り口でソルニットは語る。 人類学、宗教、哲学、文学、芸術、政治、社会、 レジャー、エコロジー、フェミニズム、アメリカ、都市へ。 歩くことがもたらしたものを語った歴史的傑作。 歩きながら『人間不平等起源論』を書いたルソー。 被害妄想になりながらも街歩きだけはやめないキェルケゴール。 病と闘う知人のためにミュンヘンからパリまで歩き通したヘルツォーク。 ロマン主義的な山歩きの始祖・ワーズワース。 釈放されるとその足でベリー摘みに向かったソロー。 インク瓶付きの杖を持っていたトマス・ホッブス。 ラッセルの部屋を動物園の虎のように歩くウィトゲンシュタイン。 刑務所のなかで空想の世界旅行をした建築家アルベルト・シュペーア。 ヒロインに決然とひとり歩きさせたジェーン・オースティン。 その小説同様に大都市ロンドン中を歩きまわったディケンズ。 故郷ベルリンを描きながらも筆はいつもパリへとさまようベンヤミン。 … 歩くことはいつだって決然とした勇気の表明であり、 不安な心をなぐさめる癒しだった。

ユーザーレビュー

  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性

    Posted by ブクログ

    心底今読まれるべき本だなぁと思うし、自分の考えとも通じる部分が多くてふむふむと読んだ。
    不確実でともすれば絶望すべき事態に溢れた世界、この世界でそれらに耐えて今を生きろというのは簡単で、同時に酷だ。それを駆動する礎となるべきものが「希望」になる。希望は未来に対する想像力であり、自分の力に対する確かな信頼であり、そしてこの現実に起こる数多の事象をそのまま受け入れて学びとる静かな視座でもある。絶望的で汚い現実も、その奥底で得られたあまりにも小さくしかし確実な勝利を見逃さない目線である。
    僕は母親からことあるごとに、僕を身籠っているときにテレビで見た9.11のニュースの話を聞かされてきた。それは確か

    0
    2025年11月14日
  • ウォークス 歩くことの精神史

    Posted by ブクログ

    461P

    4950円

    これ買った。80人所属するハイキングサークルやってたんだけど、月1で同じ山を違う季節で1年間歩き続けたんだけど、その時に歩くという行為が全ての始まりのような気がして、歩く事そのものについて興味が出た。面白そう。

    レベッカ・ソルニット(Rebecca Solnit)
    1961年生まれ。作家、歴史家、アクティヴィスト。
    カリフォルニアに育ち、環境問題・人権・反戦などの政治運動に参加。1988年より作家活動を始め、環境、土地、芸術、アメリカ史など多分野に20を越す著作がある。代表作にエドワード・マイブリッジ伝 River of Shadows(2004、全米批評家協会賞)

    0
    2025年05月11日
  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性

    Posted by ブクログ

    反グローバリズムや反差別や気候変動への対応などの社会運動を行う上での希望とはどう考えるべきか、筆者の考えがまとめられている。

    過去の社会変革に目を向けると、発生は往々にして周縁から始まって、予期できない様々なプロセスを経て進んでいる。そして、過去に行われた社会変革の成果は現代の視点では常識になっていることもあり成果自体が忘れられている。だから、今は成果に結びついていないように見えても、過去の先人たちの成果を思い出し、未来の可能性を信じて、目の前の社会運動に当たっていくそのこと自体が希望である、という事が繰り返し細かい章立ての中で、たくさんの参考文献をもとにパワフルに語られている。

    この本は

    0
    2025年03月01日
  • 暗闇のなかの希望 ──語られない歴史、手つかずの可能性

    Posted by ブクログ

    希望について書かれている。それが何であるか、何でないか。
    本書を読んで、今まで使ってきた「希望」という言葉は、本書が語る意味での「希望」ではなかったことに気がついた。

    著者言う。
    「希望とは未知や不可知のものを受け容れることであって、確信的な楽観主義や悲観主義とは違う。楽観主義者は、私たちが関与しなくても者とはうまくゆくと考える。悲観主義者はその逆だ。どちらも自分の行動を免除する。」
     私が語る「希望」は自分の行動を免除していたと思う。ただ願うだけ。
     「希望」はもっと真剣なもの。行動を促すもの。

    著者が語る「希望」。再読して、しっかりと吸収したい。

    0
    2024年09月28日
  • ウォークス 歩くことの精神史

    Posted by ブクログ

    歩くこと。歩きながら考えること。それが人類をいつも前に進ませてきた。人類の精神を形作ってきた歩行の歴史を、自身の経験も交えながら縦横無尽に語りつくすノンフィクション。


    私は歩くのが好きなほうで、時間が許せば二駅分くらいの距離は歩いていく。交通費をケチってると思われたりもするが、私は一人でものを考える時間が好きだから歩くのが好きなのだなと本書を読んで気づいた。歩くことについて考えたことがなかったから、そんな単純なこともわからないままにしていた。
    本書でソルニットが俎上にあげたトピックは多岐に及ぶ。そもそもヒトを猿から隔てたのが二足歩行だから、人類史のほとんどが歩行と結びついてしまうのだ。ひと

    0
    2024年03月20日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!