作品一覧

  • 東京駅の建築家 辰野金吾伝
    値引きあり
    4.7
    1巻1,609円 (税込)
    東京駅を作った人!―― 唐津藩の下級武士・辰野金吾は上京し、英国に留学。日本銀行や東京駅を手がけて、近代日本の魂をも作った! 見事な人間讃歌、書下ろし特別作品。 ● わが国近代建築のなかで、東京駅はおそらく最も多く小説に取り上げられてきたものであろう。とくに私の記憶に残っているのが、江戸川乱歩『怪人二十面相』である。 怪盗が帝都に跳梁する状況下、待ちに待った名探偵明智小五郎が帰朝し、颯爽と東京駅に降り立つ。この名探偵を外務省の役人に変装した二十面相がプラットホームで出迎え、二人はステーションホテルの一室で対決する。 「この駅はあたかも光線を放射する太陽のようなものだ。あらゆるものの中心となって、ここから光を四方八方に放ってほしい」と、開業の祝賀式で時の首相大隈重信が述べた言葉は、まさに以後の東京駅と近代日本の行く末を言い当てることになった。――(あとがき)
  • 二つの東京物語:鴎外の伯林、漱石の倫敦、荷風の巴里
    5.0
    漱石、鴎外、荷風が描いた東京の都市計画。ちょうど一世紀前の世紀末、欧州に留学した体験から生じた都市観は、彼らの文学にも大きな影響を及ぼしている。文豪の視点による、今なお新鮮な東京づくり物語。 今から約1世紀前、ベルリン、ロンドン、パリといったヨーロッパの近代都市に留学した彼らは、それらの都市と東京とを比較する鋭い目を持っていた。都市計画で、真の公衆衛生を図ろうとするならば、貧人を先にして富人を後にすべし、と説いた鴎外。近代都市のもつ経済的豊かさ、利便性という光の影にある貧富の差や環境汚染を憂えた漱石。道路事業偏重の明治の都市計画を、「破壊だ」と切り捨てた荷風。彼らの視点は、現在の都市計画にあっても、なお新鮮である。
  • アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    英国を代表する「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーはまた「観光の女王」でもあった。奇しくも同じ1841年に端を発する「ミステリ」(ポー「モルグ街の殺人」)と「観光」(トマス・クックによるツアー)は、束の間の「非日常」を楽しみ、平凡だが価値ある「日常」へと帰還する営みとして、大衆社会なかんずく大英帝国の繁栄の下、花開いた。その頂点をなすクリスティーの傑作群、66作に及ぶクリスティーの長編の分析を通して、彼女が「ミステリ」と「観光」に託して描いた二〇世紀大英帝国の変容を明らかにする。

ユーザーレビュー

  • アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代

    Posted by ブクログ


    ミステリ小説になぜ「観光」が出てくるのか。
    著者の考えは、実際の(もしくは仮の)場所を設定することで、読者に内容の広がりを与え、興味を持たせるため。そしてもう一つは、これは結果論ではあるが、観光地が「聖地」になるため。


    ミステリ作品の中で、こうした場所は多く取り上げられるが、例えばシャーロックホームズシリーズでは、観光地、特に田舎は、都会と比べて劣っていて、犯罪の温床となっていると捉えている、と著者は述べている。

    しかしその一方で、アガサ・クリスティーの描く、観光地はそれとは全く異なる描かれ方がされている。

    ミステリと観光にはどのような関係性があるのか。

    アガサ・クリスティーの作品

    0
    2022年10月02日
  • 東京駅の建築家 辰野金吾伝

    Posted by ブクログ

    大阪市中央公会堂に一目惚れして、辰野金吾さんを知りました。本書の構成は、辰野金吾さんの一生を物語形式でまとめています。あの時代、辰野金吾さんをはじめとした日本人が目指していたこと、秘めていた思い、憧れ。そんな熱いものがひしひしと伝わってきました。読めて良かった。また東京駅を見に行きたい!

    0
    2021年03月28日
  • 二つの東京物語:鴎外の伯林、漱石の倫敦、荷風の巴里

    Posted by ブクログ

    江戸から急速に変わりゆく東京。
    その都市計画に密接に関わりを持った3人の文豪のあまり知られていない物語から、あり得たかもしれないもう一つの東京の姿を描き出しています。
    とにかく面白い。

    0
    2018年10月03日
  • 東京駅の建築家 辰野金吾伝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     明治の偉大な建築家、辰野金吾の設計で東京駅が完成したのは大正4年のこと。事務所の弟子たちが笑いあう情景が描かれている。

     「東京駅の見物客は今でも毎日一万人近くおり、乗車口も大賑わいです。『やあ、えらいもんだな』と大理石の円柱を撫でまわしている婆さんや、便所掃除用の水栓を弄りながら、どんどん水が流れるので、『これは大変だ。誰かとめてくれえ』とあわてて、頓狂な声を挙げ、助けを呼ぶ田舎の爺さんもいました。」

     100年近く経って今年、東京駅復元工事が完了した。連日多くの人が押し掛け、かつてと同じように、感嘆の声をあげている。今ほど、この本を読むのにふさわしいときはないように思う。

     本書で

    0
    2012年12月05日
  • 東京駅の建築家 辰野金吾伝

    Posted by ブクログ

    かなり読み応えのあった本。
    辰野先生について、良く学ぶことができた。
    登場人物が有名人ばかりで、読んでいてワクワクした。

    0
    2010年03月20日

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