東秀紀のレビュー一覧
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ミステリ小説になぜ「観光」が出てくるのか。
著者の考えは、実際の(もしくは仮の)場所を設定することで、読者に内容の広がりを与え、興味を持たせるため。そしてもう一つは、これは結果論ではあるが、観光地が「聖地」になるため。
ミステリ作品の中で、こうした場所は多く取り上げられるが、例えばシャーロックホームズシリーズでは、観光地、特に田舎は、都会と比べて劣っていて、犯罪の温床となっていると捉えている、と著者は述べている。
しかしその一方で、アガサ・クリスティーの描く、観光地はそれとは全く異なる描かれ方がされている。
ミステリと観光にはどのような関係性があるのか。
アガサ・クリスティーの作品 -
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ネタバレ明治の偉大な建築家、辰野金吾の設計で東京駅が完成したのは大正4年のこと。事務所の弟子たちが笑いあう情景が描かれている。
「東京駅の見物客は今でも毎日一万人近くおり、乗車口も大賑わいです。『やあ、えらいもんだな』と大理石の円柱を撫でまわしている婆さんや、便所掃除用の水栓を弄りながら、どんどん水が流れるので、『これは大変だ。誰かとめてくれえ』とあわてて、頓狂な声を挙げ、助けを呼ぶ田舎の爺さんもいました。」
100年近く経って今年、東京駅復元工事が完了した。連日多くの人が押し掛け、かつてと同じように、感嘆の声をあげている。今ほど、この本を読むのにふさわしいときはないように思う。
本書で -
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティーの作品を3つの大きなグループに分類しつつ、時系列に作品を解説する書。3つのグループとは「観光ミステリ」「田園ミステリ」そして「都市ミステリ」。
僕自身は小学校の頃親から勧められた「そして誰もいなくなった」を読んだ・・・のかどうか記憶があいまいという程度、ほぼ読んだことがないと言っていい。クリスティーが亡くなったという報道はなんとなく覚えていて、その時は「生きてる人だったのか」と思った。
その程度なので、いわば入門書的に良かった。映画リメイクで新訳が出るようなので「オリエント急行」も読んでみようかと思っている(さすがにトリックは知っています)。
ふたつの大戦を挟んだクリ