東秀紀のレビュー一覧

  • アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代

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    ミステリ小説になぜ「観光」が出てくるのか。
    著者の考えは、実際の(もしくは仮の)場所を設定することで、読者に内容の広がりを与え、興味を持たせるため。そしてもう一つは、これは結果論ではあるが、観光地が「聖地」になるため。


    ミステリ作品の中で、こうした場所は多く取り上げられるが、例えばシャーロックホームズシリーズでは、観光地、特に田舎は、都会と比べて劣っていて、犯罪の温床となっていると捉えている、と著者は述べている。

    しかしその一方で、アガサ・クリスティーの描く、観光地はそれとは全く異なる描かれ方がされている。

    ミステリと観光にはどのような関係性があるのか。

    アガサ・クリスティーの作品

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    2022年10月02日
  • 東京駅の建築家 辰野金吾伝

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    大阪市中央公会堂に一目惚れして、辰野金吾さんを知りました。本書の構成は、辰野金吾さんの一生を物語形式でまとめています。あの時代、辰野金吾さんをはじめとした日本人が目指していたこと、秘めていた思い、憧れ。そんな熱いものがひしひしと伝わってきました。読めて良かった。また東京駅を見に行きたい!

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    2021年03月28日
  • 二つの東京物語:鴎外の伯林、漱石の倫敦、荷風の巴里

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    江戸から急速に変わりゆく東京。
    その都市計画に密接に関わりを持った3人の文豪のあまり知られていない物語から、あり得たかもしれないもう一つの東京の姿を描き出しています。
    とにかく面白い。

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    2018年10月03日
  • 東京駅の建築家 辰野金吾伝

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    ネタバレ

     明治の偉大な建築家、辰野金吾の設計で東京駅が完成したのは大正4年のこと。事務所の弟子たちが笑いあう情景が描かれている。

     「東京駅の見物客は今でも毎日一万人近くおり、乗車口も大賑わいです。『やあ、えらいもんだな』と大理石の円柱を撫でまわしている婆さんや、便所掃除用の水栓を弄りながら、どんどん水が流れるので、『これは大変だ。誰かとめてくれえ』とあわてて、頓狂な声を挙げ、助けを呼ぶ田舎の爺さんもいました。」

     100年近く経って今年、東京駅復元工事が完了した。連日多くの人が押し掛け、かつてと同じように、感嘆の声をあげている。今ほど、この本を読むのにふさわしいときはないように思う。

     本書で

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    2012年12月05日
  • 東京駅の建築家 辰野金吾伝

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    かなり読み応えのあった本。
    辰野先生について、良く学ぶことができた。
    登場人物が有名人ばかりで、読んでいてワクワクした。

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    2010年03月20日
  • アガサ・クリスティーの大英帝国 ──名作ミステリと「観光」の時代

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    アガサ・クリスティーの作品を3つの大きなグループに分類しつつ、時系列に作品を解説する書。3つのグループとは「観光ミステリ」「田園ミステリ」そして「都市ミステリ」。

    僕自身は小学校の頃親から勧められた「そして誰もいなくなった」を読んだ・・・のかどうか記憶があいまいという程度、ほぼ読んだことがないと言っていい。クリスティーが亡くなったという報道はなんとなく覚えていて、その時は「生きてる人だったのか」と思った。

    その程度なので、いわば入門書的に良かった。映画リメイクで新訳が出るようなので「オリエント急行」も読んでみようかと思っている(さすがにトリックは知っています)。

    ふたつの大戦を挟んだクリ

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    2018年01月18日