海外文学 - 深い作品一覧

  • あやかしの裏通り
    3.6
    1~6巻1,452~1,815円 (税込)
    各年末ミステリランキングにランクインした傑作! ・『2019本格ミステリ・ベスト10』 第2位 ・『このミステリーがすごい!2019年版』 第6位 ・「週刊文春ミステリーベスト10 2018」 第8位 ・カバーイラストはポール・アルテ氏自身の筆によるもの(日本語版だけ、日本の皆様だけのために)。 ・作品に出た怪事件のもとになったのは、アルテ氏自身の実体験。氏本人が撮った、その体験をした場所の写真をスケッチ風にした絵を本書の最後に収録。 ・ミステリ作家・芦辺拓氏による解説を収録。 ロンドンのどこかに、霧の中から不意に現れ、そしてまた忽然と消えてしまう「あやかしの裏通り」があるという。 そこでは時空が歪み、迷い込んだ者は過去や未来の幻影を目の当たりにし、時にそのまま裏通りに呑み込まれ、行方知らずとなる――単なる噂話ではない。その晩、オーウェン・バーンズのもとに駆け込んできた旧友の外交官ラルフ・ティアニーは、まさにたった今、自分は「あやかしの裏通り」から逃げ帰ってきたと主張したのだ! しかもラルフは、そこで「奇妙な殺人」を目撃したと言い……。謎が謎を呼ぶ怪事件に、名探偵オーウェンが挑む!

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  • 本と歩く人
    4.2
    老書店員と少女が織りなす現代のメルヒェン 本を愛し、書物とともにあることが生きがいの孤独な老書店員が、利発でこましゃくれた九歳の少女と出会い、みずからの閉ざされた世界を破られ、現実世界との新たな接点を取り戻していく物語。 老舗の書店〈市壁門堂〉に勤めるカール・コルホフは、特定の顧客にそれぞれの嗜好を熟知したうえで毎晩徒歩で注文の本を届け、感謝されている。カールは顧客たちをひそかに本の世界の住人の名前(ミスター・ダーシー、エフィ・ブリースト、⾧靴下夫人、朗読者、ファウスト博士など)で呼び、自らの暮らす旧市街を本の世界に見立て、そこで自足している。 ある日突然、シャシャと名乗る女の子がカールの前に現れる。ひょんなことからカールの本の配達に同行するようになり、顧客たちの生活に立ち入り、カールと客との関係をかき乱していく…… 歩いて本を配達するふたりの珍道中と、曲者揃いの客たちとの交流、そして思いがけない結末を迎えた後はほのぼのとした読後感に包まれる。読書と文学へのオマージュといえる、いわば現代のメルヒェンのような作品。 二〇二〇年の刊行後、ドイツで一年以上にわたりベストセラーの上位を占め、六十万部を記録した。現在、三十五か国で翻訳されている。 【目次】 第一章 独立の民 第二章 異邦人 第三章 赤と黒 第四章 大いなる遺産 第五章 言葉 第六章 未知への痕跡 第七章 夜の果てへの旅  謝辞/訳者あとがき
  • 磔のロシア スターリンと芸術家たち
    3.8
    ゴーリキー,ショスタコーヴィチ,マンデリシターム,エイゼンシテインら,スターリンによる大粛清の時代をかい潜った六人の作家や芸術家たちは,「独裁」といかに闘い,生き残り,死んだのか.かれらの秘められた事情とは何か.1990年代以降に公開された文献をもとにその真相に迫る,著者入魂の大佛次郎賞受賞作.

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  • 新訳 動物農場
    4.0
    人間に搾取される家畜たちが反乱を起こし、理想社会を目指すも、やがて独裁政治へと変貌する――。人間の欲望と権力闘争を風刺し、全体主義の恐怖を描いた、『1984』に並ぶオーウェルの代表作。
  • シークレット・オブ・シークレッツ 上
    完結
    4.1
    全2巻2,750円 (税込)
    象徴学を専門とする著名な大学教授ロバート・ラングドンは、プラハを訪れていた。最近恋仲になった気鋭の純粋知性科学者キャサリン・ソロモンの講演を聴くためだ。講演でキャサリンは、人間の意識にまつわる驚くべき発見について解説した著書を発表予定だと話した。しかしそれは、何世紀にもわたって人々が信じてきた通念を脅かしかねないほど斬新な内容だった――。 残忍な殺人事件が起こってラングドンは大混乱に巻き込まれ、キャサリンは原稿とともに突然姿を消す。物語がロンドン、ニューヨークへとひろがるなか、ラングドンは懸命にキャサリンをさがしながら謎を解明していく。そして、未来の科学や謎めいた伝承と苦闘したすえに、ある秘密のプロジェクトに関する衝撃の真実を知る。それは、人間の心についての常識を根底から覆すものだった。
  • 地図と領土
    4.0
    孤独な天才芸術家ジェドは、個展のカタログに原稿を頼もうと、有名作家ミシェル・ウエルベックに連絡を取る。世評に違わぬ世捨て人ぶりを示す作家にジェドは仄かな友情を覚え、肖像画を進呈するが、その数カ月後、作家は惨殺死体で見つかった―。作品を発表するたび世界中で物議を醸し、数々のスキャンダルを巻きおこしてきた鬼才ウエルベック。その最高傑作と名高いゴンクール賞受賞作。
  • 素粒子
    4.0
    人類の孤独の極北に揺曳する絶望的な“愛”を描いて重層的なスケールで圧倒的な感銘をよぶ、衝撃の作家ウエルベックの最高傑作。文学青年くずれの国語教師ブリュノ、ノーベル賞クラスの分子生物学者ミシェル―捨てられた異父兄弟の二つの人生をたどり、希薄で怠惰な現代世界の一面を透明なタッチで描き上げる。充溢する官能、悲哀と絶望の果てのペーソスが胸を刺す近年最大の話題作。
  • 塩と運命の皇后
    3.8
    50年ぶりに湖の封印が解かれるとき、追放された悲劇の皇后の伝説が幕を開ける――。歴史収集の旅をする聖職者チーは、ある時立ち寄った湖のほとりで、ひとりの老女に出会う。亡き皇后の侍女だという彼女に導かれ、チーは皇后が幽閉されていた屋敷を訪れる。そこで老女は思い出の品々を手に語り始める。美しく残酷な真実と運命の物語を……。「あの方には異国風の美しさがあり、それはあたかも私たちには読めない言語のようだった。肩まで垂れた長い二本の三つ編みは墨汁のように黒く、顔は皿のように平らで、完璧に近い円形だった」――著者デビュー作にして2021年ヒューゴー賞受賞作。全2篇。
  • ブリタニア列王史 ――アーサー王ロマンス原拠の書
    3.0
    中世ヨーロッパを代表する騎士道物語として愛され、今日でも様々な文化芸術に大きな影響を与えつづけるアーサー王物語。その起点をなすのが本書『ブリタニア列王史』であり、『アエネーイス』の主人公であるアエネアースの子孫ブルートゥスが紀元前12世紀にブリタニア王国を建設してから、ブリトン人が追放されサクソン人による支配がはじまるまでの二千年近くに及ぶ歴史がダイナミックに物語られる。本書を通じてその生涯や事績がはじめて体系化されることとなったアーサー(アルトゥールス)王や魔術師マーリン(メルリヌス)らの活躍が鮮烈な印象を残す、ロマンス文学の先駆的古典。
  • トーニオ・クレーガー
    4.3
    「僕は旅に出るよ,リザヴェータ.新鮮な空気が必要なんだ」 芸術への愛と市民的生活との間で葛藤する繊細な青年トーニオ.自己を求めて遷ろい,かつて憧れた二人の幻影を見た彼は,何を悟るのか.トーマス・マン(1875-1955)の自画像にして数多の作家が愛読した名作が,原文のニュアンスに忠実,かつ読みやすい訳で蘇る.

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  • 中国奇想小説集
    5.0
    『捜神記』『唐代伝奇』『聊斎志異』『子不語』など六朝から清代までの奇想幻想小説約30篇を、練達の中国文学者が精選。
  • ロシア中世物語集
    4.5
    ロシア史の最も古い時期を扱い「過ぎし年月の物語」という名でも知られる『原初年代記』、ロシア的キリスト教精神を築いた12世紀の『フェオドーシイ聖人伝』、『ニーベルンゲンの歌』などと並び称される傑作『イーゴリ軍記』など、名高いロシアの中世物語を集成。11世紀からピョートル1世登場前夜の17世紀末までの作品を、文学的な見地から幅広く編纂したものとして類がない。各作品解説に加え、ロシア中世文学の表現上の特徴やその史的展開についての概説も収録。世界文学の中に特異な位置を占めるロシア中世文学を知るための、色褪せない物語集。
  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア
    3.3
    ホメロスによるギリシア英雄譚『オデュッセイア』。男性的な叙事詩の中で、女たちの声は語られてこなかった。 オデュッセウスの帰還を待つ20年、妻ペネロペイアは国を守るため、噂話に耳をふさぎ、無鉄砲な息子を育て、財産狙いの求婚者らを追い払う。 その内心はいかなるものだったのか。12人の女中たちはなぜ殺されたのか――。 『侍女の物語』『誓願』の巨匠アトウッドが想像と語りの才を発揮した、新たなる傑作! 解説・小川公代 ★2025年6月 NHK Eテレ『100分de名著』(M・アトウッド『侍女の物語』『誓願』) 指南役:鴻巣友季子
  • ペドロ・パラモ
    4.5
    ペドロ・パラモという名の,顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく.しかしそこは,ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった…….生者と死者が混交し,現在と過去が交錯する前衛的な手法によって紛れもないメキシコの現実を描き出し,ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作.(解説 杉山 晃)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • アーベド・サラーマの人生のある一日 ――パレスチナの物語
    4.5
    ピューリッツァー賞受賞作。ヨルダン川西岸地区で園児たちの乗ったバスが燃えた。アーベドは息子を探して奔走する。占領とは何かを問う悲劇のノンフィクション。
  • みえないもの
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    「最初に『何かすごい』と思い、それがずーーーーーっと止まらず、一冊全部がそうだった。」 ――斎藤真理子(翻訳家) デビュー作『優しい地獄』で読書界に衝撃を与えた、ルーマニア出身の文化人類学者イリナ・グリゴレ、最新作。 娘たちと過ごす青森の日々。ふとよみがえる故郷ルーマニアの記憶。そして、語られてこなかった女たちの物語――。 「彼女の人生をスクリーンのようなものでイメージとして見せられたら、彼女の語らなかったことが見えて、あの夜ニュースを見た人たちも彼女を理解できたかもしれない」(本書より) 虚実を超えて、新たな地平を切り開く渾身のエッセイ。 今までに書かれたどんな日本語よりも、鮮烈なことばをあなたに。

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  • 毎日読みます
    4.5
    「本を読みたいけど、読めない!」 現代の忙しい私たちは、いったいどんな本を読めばいいのだろうか? または、どうやったら本が読めるだろうか? 『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』の著者が、具体的な方法と作品タイトルをもって贈る、やさしい読書エッセイ。 焦燥感と罪悪感にかられるあなたの背中を、そっと押してくれる全53章。 【著者プロフィール】 ファン・ボルム 小説家、エッセイスト。大学でコンピューター工学を専攻し、LG電子にソフトウェア開発者として勤務した。転職を繰り返しながらも、「毎日読み、書く人間」としてのアイデンティティーを保っている。 著書として、エッセイは本書のほか、『生まれて初めてのキックボクシング』、『このくらいの距離がちょうどいい』(いずれも未邦訳)がある。 また、初の長篇小説『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(牧野美加訳、集英社)が日本で2024年本屋大賞翻訳小説部門第1位を受賞した。 【訳者プロフィール】 牧野美加(まきの・みか) 1968年、大阪生まれ。釜慶大学言語教育院で韓国語を学んだ後、新聞記事や広報誌の翻訳に携わる。 第1回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」最優秀賞受賞。 ファン・ボルム『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(集英社)のほか、チャン・リュジン『仕事の喜びと哀しみ』(クオン)、ジェヨン『書籍修繕という仕事:刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる』(原書房)、キム・ウォニョンほか『日常の言葉たち:似ているようで違うわたしたちの物語の幕を開ける16の単語』(葉々社)、イ・ジュヘ『その猫の名前は長い』(里山社)など訳書多数。
  • ソーンダーズ先生の小説教室
    5.0
    岸本佐知子さん推薦! 「ソーンダーズ先生の導きで、わたしたちは小説が徹底的に解剖されるさまを目撃する。もう元の読み方にはもどれない。」 ブッカー賞受賞、『短くて恐ろしいフィルの時代』の著者による、大注目・全米ベストセラーの「小説入門」!! 現代アメリカ文学を代表する作家ジョージ・ソーンダーズが、ロシア文学の巨人たちと寄り添い、悩み、格闘する。 チェーホフ、ツルゲーネフ、トルストイ、ゴーゴリ── 珠玉の短編小説7本を通じて、物語の読み方と書き方、そして人生の意味に迫る、刺激に満ちた楽しい創作講座。 シラキュース大学の創作講座を20 年にわたって担当し、小説家志望の若き学生たちに小説の書き方と読み方を教えてきた小説家ジョージ・ソーンダーズ。ソーンダーズの名物授業を再現した本書では、ロシア文学の巨匠による7本の短編を読み解き、読者に頁を繰らせるためにいかなる技法やテクニックが駆使されているのかを解説する。 現代アメリカの短編小説の名手が、ユーモアたっぷりでいざなう、ロシア文学のそぞろ歩き。私たちはなぜ読み、書き、生きるのか──その答えを探る、時空を超えた軽やかな小説の旅へ。 ◎現役ブッカー賞作家による人気の創作講座を再現! ◎題材となるロシアの巨匠4人による7本の短編小説を、原文から新訳で全文収録!! <本書で読める、珠玉のロシア短編小説たち> アントン・チェーホフ(1860-1904)「荷馬車で」「かわいいひと」「すぐり」 レフ・トルストイ(1828-1910)「主人と下男」「壺のアリョーシャ」 イヴァン・ツルゲーネフ(1818-1883)「のど自慢」 ニコライ・ゴーゴリ(1809-1852)「鼻」
  • 回復する人間
    4.3
    ノーベル文学賞受賞作家による珠玉の短篇集 大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。 『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。 「明るくなる前に」:かつて職場の先輩だったウニ姉さんは弟の死をきっかけに放浪の人になる。そんな彼女を案じていた私に3年前、思わぬ病が見つかる。1年ぶりに再会した彼女が、インドで見たというある光景を話してくれたとき、小説家の私の心は揺さぶられる――ウニ姉さんみたいな女性を書きたい、と。 「回復する人間」:あなたの左右の踝の骨の下には穴があいている。お灸で負った火傷が細菌感染を起こしたのだ。そもそもの発端は姉の葬儀で足をくじいたことだった。ずっと疎遠だった姉は1週間前に死んだ。あなたは自分に問いかける。どこで何を間違えたんだろう。2人のうちどちらが冷たい人間だったのか。 大切な人の死や自らの病気、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、再び静かに歩み出す姿を描く。現代韓国屈指の作家による、魂を震わす7つの物語。 [目次] 明るくなる前に 回復する人間 エウロパ フンザ 青い石 左手 火とかげ
  • 別れを告げない
    4.2
    ノーベル文学賞受賞作家の最新長篇! 作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。 済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も…… いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。
  • 台湾文学の中心にあるもの
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    政治、そして多様性、 台湾では文学が現実に人と社会を動かし続けている。 激動する歴史の中で、文学が社会を動かし、文学が人のパワーの根源となっている台湾。日本語で読める約50作品を紹介しながら、政治に翻弄されつつも、必死に格闘し、社会に介入してきた台湾文学を読み解き、その全貌を示す! ・著者メッセージ 台湾文学の中心にあるものは政治である。斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス、2022年)は、私たち外国文学研究者に、自身の研究対象の文学の中心にあるものが何かという問いを突き付けた。「政治」、これが台湾文学研究者の現時点での私の答えだ。もちろん、文学は一様ではない。「〇〇文学の中心にあるのは××だ」と決めつけてしまうのは、傲慢である。恐らく、世界中の文学をすべて読んだ読者にしか言う資格はないだろう。何より、文学は、個人的なものであり、国家に紐づけされ存在しているものではない。だが、一方では、文学が国家に紐づけされることに、あるいはされないことに苦悩してきた文学もある。それが台湾文学だ。(「はじめに」より) 【目次】 はじめに─日本文学には政治が足りない? 第1章 同性婚法制化への道は文学から始まった 第2章 女性国会議員が40%以上を占める国の文学の女性たち 第3章 文学は社会を動かし、その瞬間をアーカイブし続けてきた 第4章 日本統治期が台湾文学にもらしたもの 第5章 ダイバーシティな台湾文学の表記と翻訳の困難 おわりに─台湾文学の中心にある政治との対話を経て あとがき 本文脚注 主要参考文献 本書で取り上げた台湾文学作品 台湾年表 台湾の基礎知識 台湾文学マップ
  • 増補新版 韓国文学の中心にあるもの
    4.6
    1巻1,980円 (税込)
    なぜハン・ガンは、アジア人女性として初めて、ノーベル文学賞を受賞したのか? ・内容紹介 大きな話題を呼んだ原著に、この2年、激動する韓国文学の重要作の解説を加筆、40頁増の新版登場! 韓国文学は、なぜこんなにも面白く、パワフルで魅力的なのか。その謎を解くキーは「戦争」にある。 ・著者メッセージ 本書の初版は二〇二二年七月に刊行された。その後二年と少しの間に、新たに多くの韓国文学が翻訳出版された。増補新版ではその中から注目すべきものを追加すると同時に、初版時に紙幅の関係などで見送った作品にも触れることにした。特に「第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である」の章に多くを追補している。 その作業を進めていた二〇二四年十月に、ハン・ガンがアジア人女性として初のノーベル文学賞を受賞した。本書を読めば、ハン・ガンが決して孤立した天才ではなく、韓国文学の豊かな鉱床から生まれた結晶の一つであることがわかっていただけると思う。 海外文学には、それが書かれた地域の人々の思いの蓄積が表れている。隣国でもあり、かつて日本が植民地にした土地でもある韓国の文学は、日本に生きる私たちを最も近くから励まし、また省みさせてくれる存在だ。それを受け止めるための読書案内として、本書を使っていただけたらと思う。(「まえがき」より) 【目次】 まえがき 第1章 キム・ジヨンが私たちにくれたもの 第2章 セウォル号以後文学とキャンドル革命 第3章 IMF危機という未曾有の体験 第4章 光州事件は生きている 第5章 維新の時代と『こびとが打ち上げた小さなボール』 第6章 「分断文学」の代表『広場』 第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である 第8章 「解放空間」を生きた文学者たち 終章 ある日本の小説を読み直しながら あとがき 増補新版 あとがき 本書関連年表 本書で取り上げた文学作品 主要参考文献 【関連ワード】 韓国文学 ハン・ガン キム・ジヨン ノーベル文学賞 フェミニズム 戦争 朝鮮戦争 82年生まれ 外国文学 BTS チョ・ナムジュ ファン・ジョンウン フィフティ・ピープル チョン・セラン
  • 絵本戦争 禁書されるアメリカの未来
    5.0
    1巻2,970円 (税込)
    アメリカではいま、保守派による禁書運動が暴走している 黒人、LGBTQ、アジア系、アメリカ先住民…マイノリティを描いた絵本がなぜ禁書されてしまうのか NY在住ライターが禁書となった数々の絵本を通して見る、アメリカの姿 非営利団体「ペン・アメリカ」によると2023-2024学校年度に、前学校年度の2.7倍にあたる4231種類の本が禁書指定された。アメリカでいま、何が起きているのか。 この禁書運動は2021年に突如として始まった。ターゲットになっているのは、禁書運動を推進する保守派の親や政治家が理想とする<古き良きアメリカ>にとって都合の悪い、子ども向けの本たちだ。 黒人、LGBTQ、女性、障害、ラティーノ/ヒスパニック、アジア系、イスラム教徒、アメリカ先住民……8つのトピックにわけて、禁書運動の犠牲となった数々の絵本を一冊ずつ見ていくことで、マイノリティの苦難の歴史と、その中で力強く生きる姿、そして深刻化している政治的な対立<文化戦争>の最前線を知る。トランプの大統領再選が決まったいま、必読の一冊。
  • 複眼人
    4.4
    太平洋に浮かぶ神話的な島と、近未来の台湾。二つの島に巨大な「ゴミの島」が押し寄せる時、謎の「複眼人」が姿を現す――。世界14か国で翻訳。台湾現代文学の担い手による代表的長編、待望の本邦初訳!
  • おとぎ話はなぜ残酷でハッピーエンドなのか
    4.0
    人間ではない恋人,語るなの掟,開けてはいけない部屋――幸せな人が,幸せを求めて旅に出るでしょうか.むかしむかし,死の恐怖におびえる人々が夢みて語り継いだ物語が,アニメやゲームのモチーフになって現在にも生き続けています.なぜおとぎ話はあり,私たちに何を語るのでしょう.闇と光の物語の,深層に触れてみませんか.

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  • 誰もが別れる一日
    3.7
    韓国文学界で大きな存在感を放つ作家ソ・ユミによる小説6編をまとめた待望の短編集。6作品の主人公たちは貧困、失業、借金、離婚、夫の失踪、身近な死、母親との別れなどを経験し、以前とは違う状態に移る瞬間を経験する。変化は不可逆的で、人生は過去の自分との別れの蓄積だ。誰にでも訪れる不安と危機の断面を解剖し、時代と社会の病を敏感に捉え平凡な人間群像を暖かく包み込む、篤実なリアリズム小説
  • 闇の牢獄
    3.0
    ストックホルムで起きた、サッカー審判員撲殺事件。地域警官のミカエラは捜査に参加、尋問のスペシャリストで心理学者のハンス・レッケと出会う。彼は鎮痛剤の依存症だった。独特の心理分析で捜査陣をかく乱するレッケだったが、ある日ミカエラが地下鉄に飛びこもうとした彼を救ったことをきっかけに、二人は被害者の裏の顔と、事件の奥に潜む外交機密に突き当たる。元ピアニストの経歴を持つレッケは、アフガニスタン移民である被害者の中に音楽の痕跡を見つけるが、そこには凄惨な過去が待ち構えていた。上流階級のレッケと移民のミカエラ。奇妙なコンビは時と国境を越え、真実に迫る――。
  • 小さなことばたちの辞書
    4.5
    1~2巻2,970~3,168円 (税込)
    ことばに生涯を捧げた女性を描く珠玉の一篇。 「生きるということは、ことばを集めることだ――べつに辞書編纂者でなくても。エズメがそれを教えてくれる」――国語辞典編纂者・飯間浩明  19世紀末の英国。母を亡くした幼いエズメは、『オックスフォード英語大辞典』編纂者の父とともに、編集主幹・マレー博士の自宅敷地内に建てられた写字室に通っている。ことばに魅せられ、編纂者たちが落とした「見出しカード」をこっそりポケットに入れてしまうエズメ。ある日見つけた「ボンドメイド(奴隷娘)」ということばに、マレー家のメイド・リジーを重ね、ほのかな違和感を覚える。この世には辞典に入れてもらえないことばがある――エズメは、リジーに協力してもらい、〈迷子のことば辞典〉と名付けたトランクにカードを集めはじめる。  大英語辞典草創期の19世紀末から女性参政権運動と第一次世界大戦に揺れる20世紀初頭の英国を舞台に、学問の権威に黙殺された庶民の女性たちの言葉を愚直に掬い上げ続けた一人の女性の生涯を描く歴史大河小説。  2021年豪州ベストセラー1位(フィクション部門)、NYタイムズベストセラーリスト入り。「ことば」を愛するすべての人に贈る珠玉の感動作。
  • ミセス・ハリス、パリへ行く
    完結
    4.0
    映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』 2022.11.18(金)より映画公開 もうすぐ60歳の家政婦さんがディオールのドレスに恋をした! 1950年代のロンドン。ハリスおばさんはもうすぐ60歳の通いの家政婦。夫を亡くし、質素な生活を送っている。ある日、勤め先の衣装戸棚でふるえるほど美しいクリスチャン・ディオールのドレスに出会う。今まで身なりを気にしてこなかったが、自分もパリでドレスを仕立てようと決意し、必死でお金をためることに。やがて訪れたパリで、新しい出会い、冒険、そして恋? 何歳になっても夢をあきらめない勇気と奇跡の物語。解説・町山智浩 ※本書は、1979年12月に刊行された『ハリスおばさんパリへ行く』(講談社文庫)を、現代向けに加筆修正し、角川文庫化したものです。原題:Mrs Harris Goes to Paris この物語は、還暦近い家政婦ハリスさんが、努力と幸運と善意で、パリの高級ドレスを仕立てることになる、シンデレラ・ストーリーです。しかし、その背景には、当時、イギリスやフランスで起こりつつあった社会変動が隠されています。 オート・クチュール(高級仕立て服)はどれも一点ものです。だから、ファッションショーもごくごく限られた大金持ちのお得意様だけに見せるものでした。 ハリスさんはそれでも堂々とショーを見せろと要求します。自分が汗水垂らして稼いだ金を持ってきたのに何を恥じることがあるのか。 ディオールのマダムは、ハリスさんを見て「不思議な風格」を感じます。風格とか気品はその人の生まれ育ちや着ている服ではなく、内面から立ち上がるものだからです。 一生縁がないと思われたドレスを作ることが、ハリスさんなりの反逆であったことはいうまでもありません。――町山智浩
  • 赤毛のアン論 八つの扉
    4.4
    1巻1,200円 (税込)
    モンゴメリ生誕150周年! 魅力を知り尽くした訳者による大人のための「赤毛のアン論」 世界でこよなく愛され、大人の文学として再評価されるアン・ シリーズ。 少女時代の『赤毛のアン』から、アンの息子三人が第一次大戦に出征する第八巻『アンの娘リラ』までの五十年をこえるアンの人生と、カナダの激動の時代を描いた大河小説。その魅力を、昨年完結した日本初の全文訳『赤毛のアン』シリーズ(文春文庫)を手がけ、話題を呼んだ著者が、八つの観点から解説する最新の「赤毛のアン論」。 ◎目次 はじめに 一の扉 エピグラフと献辞 二の扉 英文学 三の扉 スコットランド民族 四の扉 ケルトと「アーサー王伝説」 五の扉 キリスト教 六の扉 プリンス・エドワード島の歴史 七の扉 カナダの政治 八の扉 翻訳とモンゴメリ学会 おわりに 主要参考文献 保守党と自由党の二大政党が対立するカナダで保守党支持のマシューとマリラに育てられたアンは、女性に初めて投票が認められる画期的な歴史に直面する。アンはその時代をどう見つめたのか? 知られざる政治文学としての一側面。 また、シェイクスピア劇などの英文学を小説中に多数引用したモンゴメリの凝った仕掛け、アン・シリーズ各巻に登場する「アーサー王伝説」と円卓の騎士のロマンの輝き、ケルト文化とキリスト教の融合としての物語の魅力、愛すべき登場人物たちの民族、シリーズに描かれるカナダの歴史などを丁寧に謎ときしながら、『赤毛のアン』シリーズをこれから読む人の充実した手引きとして、再読する人には驚きと感動に満ちた一冊。 プリンス・エドワード島などの写真・図版・地図66点収載の決定版!
  • 魂を漁る女
    4.5
    19世紀、キエフに現れたスラブの謎の美女ドラゴミラは、貴族を籠絡し異端信仰の生け贄になった。愛憎渦巻く官能と狂気の世界。 ドゥルーズが絶賛した暗黒小説の傑作。
  • ギリシャ語の時間
    4.2
    ある日突然言葉を話せなくなった女。 すこしずつ視力を失っていく男。 女は失われた言葉を取り戻すため 古典ギリシャ語を習い始める。 ギリシャ語講師の男は 彼女の ”沈黙” に関心をよせていく。 ふたりの出会いと対話を通じて、 人間が失った本質とは何かを問いかける。 ★『菜食主義者』でアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞したハン・ガンの長編小説 ★「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」――ハン・ガン
  • ライフ・レッスン
    4.6
    「一生」とよばれるこの時間のあいだには、学ぶべきさまざまなレッスンがある。とりわけ死に直面した人たちとともにいるとき、そのことを痛感する。死にゆく人びとは人生のおわりに多くを学ぶが、ほとんどのばあい、学んだ教訓を生かすための時間が残されていない。一九九五年にアリゾナの砂漠に移住したわたしは、ある年の「母の日」に脳卒中でたおれ、麻痺状態におちいった。それから数年間は、死の淵に立たされたままだった。すぐにも死がやってくるだろうと、幾度となく覚悟した。そして幾度となく、それが訪れてこないことに失望した。準備はできていたからである。でも、死ななかった。なぜなら、わたしにはまだ学ぶべきレッスンが、最後のレッスンがあったからだった。そのレッスンの数々は人間の生にかんする究極の真実であり、いのちそのものの秘密である。わたしはもう一冊、本を書きたいとおもうようになった。こんどは「死とその過程」についてではなく、「生とその過程」、つまり人生と生きかたについての本を。(著者エリザベスのメッセージより) 【目次】 第一章「ほんものの自己」のレッスン 第二章愛のレッスン 第三章人間関係のレッスン 第四章喪失のレッスン 第五章力のレッスン 第六章罪悪感のレッスン 第七章時間のレッスン 第八章恐れのレッスン 第九章怒りのレッスン 第十章遊びのレッスン 第十一章忍耐のレッスン 第十二章明け渡しのレッスン 第十三章許しのレッスン 第十四章幸福のレッスン 最終レッスン
  • 星の王子さま 80周年記念・愛蔵版
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 80周年記念・愛蔵版 サン=テグジュペリが「星の王子さま」を1943年にアメリカで刊行してから80周年を迎えました。また、2026年にはフランスでの刊行から80周年を迎えます。長年にわたって読み継がれてきた不朽の名作をサン=テグジュペリによるオリジナル原画、翻訳ともフランス版を忠実に再現してページ構成した愛蔵版としてまとめました。
  • ミヒャエル・コールハース チリの地震 他一篇
    4.6
    領主の不正により飼い馬と妻を失った馬商人が,正義の回復を求め帝国をも巻き込む戦いを起こす「ミヒャエル・コールハース」など,日常の崩壊とそこで露わになる人間の本性が悲劇的運命へとなだれ込む三作品を収録.カフカをはじめ多くの作家を魅了したクライストの,言葉と世界の多層性を包摂する文体に挑んだ意欲的新訳.

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  • ケストナーの戦争日記 1941-1945
    3.3
    「決めたぞ.戦時下の日常で起きた重要なことを,きょうからひとつひとつ書き残すことにする.」(一九四一年一月十六日)――戦時下に密かにつづられた日記.第三帝国の下劣さ,馬鹿らしさを批判し,空襲や迫害など戦争の中の日常を鋭い観察眼で描いたこの記録から,今わたしたちは何を読み取ることができるだろうか.

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  • 楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集
    4.2
    人生を物語に刻んで。 ロングセラー『掃除婦のための手引き書』(2020年本屋大賞翻訳小説部門第2位)、『すべての月、すべての年』に続く待望の短編集。 「彼女の書く文章はほかの誰とも似ていない。読むものの心を鷲づかみにして、五感を強く揺さぶる。読んだときは文字であったはずのものが、本を閉じて思い返すと、色彩や声や匂いをともなった「体験」に変わっている。(中略)まるで自分もそこにいて、それらを見、聞き、感じたような錯覚にとらわれる。それほどに、彼女の言葉の刻印力は強い。」(「訳者あとがき」より) 【目 次】 オルゴールつき化粧ボックス  夏のどこかで  アンダード あるゴシック・ロマンス 塵は塵に 旅程表 リード通り、アルバカーキ 聖夜、テキサス 一九五六年 日干しレンガのブリキ屋根の家 霧の日 桜の花咲くころ 楽園の夕べ 幻の船 わたしの人生は開いた本 妻たち 聖夜、一九七四年 ポニー・バー、オークランド 娘たち 雨の日 われらが兄弟の守り手 ルーブルで迷子 陰  新月
  • マクトゥーブ An Inspirational Companion to The Alchemist
    4.0
    世界的ベストセラー『アルケミスト』の全編を通してキーワードとなる言葉「マクトゥーブ」。アラビア語で「それは(神によって)書かれている」という意味だが、一見不幸な出来事でさえも実はチャンスだと気づけば、運命は夢の実現を助けてくれるという教えを含む。世界最高峰の作家が、まさに自身の人生に多大な影響を与えた先人たちの言葉を採録。宝物を探す少年の旅に秘められた神髄を、短いエピソードで堪能する最良の副読本。
  • 酒場での十夜 私がそこで見たこと
    3.5
    19世紀禁酒小説を代表するベストセラー、初の文庫化 ラランド ニシダ氏推薦! ソバーキュリアス時代に名著復活! 酒が原因で人間関係、家庭、やがて村全体が崩壊していく10年を描いた怪作。 1800年代アメリカ。小さな村シーダヴィルを訪れた語り手は、居酒屋兼宿屋「鎌と麦束亭」を定宿とする。 村を訪れるたびに、酒によって人々が蝕まれていく様子を目撃し、やがては殺人事件に遭遇。自分の身すらも危険にさらされる。 禁酒法制定前のアメリカの文化を伝える貴重な作品。
  • 親密な異邦人
    3.8
    7年間小説を書けずにいる小説家――「私」は、目にとめた新聞広告に衝撃を受ける。そこには、「この本を書いた人を探しています」というフレーズと小説の一部が掲載されていた。その小説は、「私」がデビューする前に、誰にも知らせずに投稿していた作品だったのだ。事情を調べ始めた「私」は、謎の多い女性「イ・ユミ」に辿り着き、彼女の人生を追うことになる。 ある時は、キラキラした女子大生。ある時は、評判のいいピアノ教師。ある時は、センスのある大学講師。ある時は、優しい医師。またある時は、ーー。 虚像で塗り固めた幾重もの仮面の裏から徐々に表れる真実の素顔。
  • ほんとうの自分
    3.0
    ある山のホテルで知り合った中年男女。その直後女は離婚を決意し、その男と暮らすようになる。平穏な同棲生活を送っていたが、ある日女のもとに一通の匿名の手紙が届いた。「私はスパイのようにあなたの後をつけています、あなたは美しい、とっても美しい」とだけあった。最初は不愉快さをつのらせていたが、女の心は好奇心に変わり微妙に揺れ動き、それを機にふたりの愛の糸は絡まり、幻想が現実を脅かしていく。愛し合うふたりの心のバランスの危うさを名手クンデラが描く。
  • 5分間ミステリー
    4.0
    謎と罠が満載! あなたの挑戦を求む いつでもどこでも誰でも楽しめる ミステリークイズ これがミステリークイズの大定番! 本国では何度も装いを変えて再発売され、日本でも30年以上にわたって好評を博したロングセラー。 5分間で読める、バラエティに富んだショートストーリー、全37編。 町で有名な男性医師は、毎週木曜に大酒を飲む。 今週も酔いつぶれた木曜日、なんと医師の妻が遺体となって発見された。 酒の勢いで医師が殺したのか? だが、本人は酔っ払って正体をなくしている。 はたして医師の犯行なのか……? 張りめぐらされた謎を読み解き、あなたは真相にたどりつけるか?
  • 個性的な人
    4.5
    あるところに個性的な顔をもつ人がいた.その顔はみんなに愛され,画像がネットに溢れた.ところが自撮りを繰り返すうち,顔はやがて輪郭を失ってゆき──.ソーシャルメディア時代にわたしたちは「わたし」とどう向きあえばいいか.前作『迷子の魂』につづき,繊細でメランコリックなイラストとともに描かれる現代のおとぎ話.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • TUBE(チューブ)
    3.7
    2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位『アーモンド』の著者が贈る、 すべての人の人生を応援する、心温まる物語。 失敗しても、また始めればいい。 つかんだ藁が浮き輪(チューブ)になって水面に浮かぶまで。 仕事なし、家族なし、運もなし、ないない尽くしの中年男の、人生改造プロジェクト! 一人の力じゃ難しいなら、他の人に応援してもらったらどう? どこにでもいる平凡な中年男、キム・ソンゴン。 仕事にも家族にも運にも見放され、彼はついにこの世に別れを告げる決意をする……が、 それさえもあえなく失敗してしまう。 この世に舞い戻ったソンゴンが見つけたのは、とある一枚の写真―― そこには若かりし頃の彼が家族とともに写っていた。 何もかも今の自分とは違いすぎることに愕然とした彼は、写真の中の自分を真似てみようと、 まずは姿勢矯正から始めることに。そんな取るに足りない小さなチャレンジが、 やがてソンゴンの人生を大きく変えていく――。
  • 笑いと忘却の書
    3.8
    党の粛清により、隣の男に貸した帽子を除いて、すべての写真から消滅した男。一枚の写真も持たずに亡命したため、薄れゆく記憶とともに、自分の過去が消えてしまうのではないかと脅える女…。7編のさまざまな物語を通して〈笑いと権力〉〈記憶と忘却〉〈愛と孤独〉といったモチーフが、繰り返しバリエーションを奏でながら展開され、精緻なモザイクのように編み上げられる、変奏形式の連作短編集。哲学的な洞察と独特のユーモアが詰まったクンデラ文学の原点であり、かつ哲学的な考察の集大成でもある作品。
  • 存在の耐えられない軽さ
    4.2
    舞台は東西冷戦下のチェコスロバキア。「プラハの春」と呼ばれる1968年に実現した束の間自由主義体制とその後のソビエト連邦の侵攻、「正常化」という名の大弾圧という歴史的な政治状況下で、苦悩する恋人たち。不思議な三角関係など、四人の男女のかぎりない愛と転落を、美しく描きだす哲学的恋愛小説。チェコ出身の作家ミラン・クンデラの代表作にして世界的ベストセラー。原著は1985年に刊行され、1988年にフィリップ・カウフマン監督、主人公トマシュにダニエル・デイ=ルイス、テレーザにジュリエット・ビノシュを起用して映画化されたことでも広く知られている。
  • 不滅
    4.2
    パリ。プールサイドに寝そべっていた「私=作者」は、見知らぬ中年女性の、軽やかにひるがえる手の仕草を見て、異様なほど感動し、彼女をアニェスと名づけた…。こうして生まれた「女」の、悲哀とノスタルジアに充ちた人生が、時空を超えて、文豪ゲーテと恋人の「不滅」を巡る愛の闘いの物語と響きあう。詩・小説論、文明批判、哲学的省察、伝記的記述など異質のテクストが混交する中を、現実と虚構、過去と現在、個人の運命と歴史が交錯し、軽やかに駆け抜けていくポリフォニック(多声的)な、壮大な愛の変奏曲。
  • 読者に憐れみを
    4.3
    『スローターハウス5』『タイタンの妖女』などで知られる戦後アメリカを代表する作家、カート・ヴォネガットの「書くこと」と「人生について」 辛辣で、機知に富み、心優しきニヒリスト、ヒューマニストで、教師としては熱血漢、「書くことは魂を育むこと」を生涯の信条としたヴォネガットの教えを、彼自身の言葉と小説の引用、そして周囲の人々の談話からまとめた、「ヴォネガット流・創作指南+回顧録的文章読本」が生誕100年を記念し、待望の邦訳! 「本書の各所に引用されるヴォネガットの助言を読むうちに、自分にも小説が書けるという気持ちになってくる。それはとても苦しいものであることをヴォネガットが強調してもだ。何度も書き直し、声に出して読み、読者の負担を最低限にするべきことを繰り返し言う。でもしかし、その人にしか語りえないことというものがあるのだ。」 ――円城塔(作家) 本書では、彼の教え子であったマッコーネルによるヴォネガット自身の言葉と実際の作品の引用から、作家としての苦闘や、戦争体験や母親の死など、彼の人生に生涯つきまとった「影」、戦後の時代精神を体現するベストセラー作家となった成功の秘訣のほか、「つねに学び、つねに教えていた」という教師としての素顔が丁寧に分析され、余すところなく説明される。 さらに、文章や物語を書く際に必要な原動力、才能、想像力の飛躍、勤勉さ、反省、ブラックジョークについて、生計を立てること、心身のケア、はたまたコミュニティの重要さにいたるまで、さまざまな角度からユーモアを交えながら真摯に語られる。加えて、物語はどこから生まれるのか、冒頭部の書き方、プロット、登場人物の書き方、耳で聞く文章と目で見る文章の違い、見直しと校閲などのコツとテクニックについても惜しげもなく披露される。その驚くほど実践的なアドバイスは、作家志望者のみならず、文章を書く時に悩んだことのある人、何かの課題と格闘して自分は無能だと感じているすべての人の心に突き刺さるだろう。ヴォネガットの手稿や実際の原稿、メモ書きや、出版社からの手紙なども多数収録した、ヴォネガットファン必見の一冊となっている。 ちょっと風変わりで、だけど読むと書き続ける勇気が湧いてくる、カート・ヴォネガットの教えを一冊にまとめた、創作指南+回顧録の決定版。
  • 非婚女性 けっこう上手く生きてます
    4.0
    「この社会は女性たちに、あまりにも長い間、あまりにも厳しく妻として、母親として生きることのみに意味を与えてきた――」 世界トップの少子化が進み、独身税の導入までささやかれている韓国。 そんな社会で、かつて結婚に憧れた著者は一人で生きる選択をする。 カウンセラーとして働き、自分の時間を過ごす中で、内なる声に耳を傾けることが大切だと気づく。 非婚女性たちにやさしく寄り添う温かいエッセイ。
  • キル・ショー
    3.4
    「衝撃」に次ぐ「衝撃」。驚異の新人登場! 4月の朝、突然失踪した16歳の少女。 サラに何が起こったのか? 26人の事件関係者の「証言」から浮かびあがる 10年前に全米を揺るがした事件の「真実」とは?  アメリカ東部の田舎町フレデリックで、16 歳の女子高生サラ・パーセルが失踪した。 手がかりゼロ、目撃者ゼロ。家族の同意の もと、大手テレビ・ネットワークによって その事件をリアルタイムで報道する連続リ アリティ番組が制作され、全米は不安と熱 狂の渦に叩きこまれる。いくつもの悲劇と スキャンダルを引き起こした番組の放送か ら10年。26人の事件関係者の証言から浮 かびあがる謎に包まれた事件の真相とは? 特異な叙述形式と意想外の展開。才気煥発 の「実録犯罪」ミステリーをご堪能あれ! 大量の伏線が緊張感と疾走感を支え、独特の声とユニークな視点を持つ鋭く描写されたキャラクターたちが物語に立体感と真実味を加味する。アメリカのトゥルー・クライムに対する執着についての痛烈な社会批評を包含した、魅力的なフィクション。 ――カーカス・レビュー
  • モンティチェロ 終末の町で
    3.0
    鳴り響くアメリカ国歌、銃声。逃げ惑う住民が辿りついたのは元大統領邸宅(モンティチェロ)だった……。近未来アメリカを舞台に、トマス・ジェファーソンと奴隷の間に生まれた女性を先祖に持つ女子学生が、暴徒化した白人至上主義者から逃れ、因縁の場所で運命と対峙する表題作をはじめ、全6編を収録したデビュー作品集。 バージニア州シャーロッツビル周辺を主な舞台に、人種差別や経済格差の問題等、さまざまなテーマを内包する中編(表題作)1本と短編5本を収録。 本書は、全米批評家協会賞ジョン・レナード賞最終候補、ニューヨーク・タイムズ紙2021年ベストフィクション10冊に挙げられた。2022年リリアン・スミス図書賞受賞。 (原題 My Monticello)
  • 怪談・骨董
    3.7
    「耳なし芳一の話」「雪女」など、日本に伝わる伝説や怪談を文学として再話した傑作群を収める、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の二大作品集『怪談』『骨董』を、ハーン研究の第一人者が個人完訳。
  • 戦争は,
    4.2
    戦争は,何も知らない人たちの柔らかな夢に入りこむ.戦争は,物語を語れたこともない.--気づかぬうちに進行する病気のように日常をずたずたにし,野心や憎しみを糧に貪欲に育つ戦争.自らも独裁政権に抗した,ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で,戦争の残酷な本質を描く.今こそ読まれるべき,衝撃的な絵本.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • ロシアの昔話
    4.7
    アファナーシェフらによる原話から選びぬかれた「おおきなかぶ」から「魔法の馬」まで、ロシアの大地から生まれた昔話全33話を、美しい訳文と力強い挿絵でおくります。個性あふれる動物が活躍するお話、素朴で単純なお話、ふしぎな魔法にみちたお話など、ロシアの人々の豊かな知恵や勇気やユーモアが詰め込まれた1冊です。世界で知られる絵本画家マブリナのカラー挿絵が19ページ分展開されており、見どころ満載です。

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  • 年をとったワニの話 ショヴォー氏とルノー君のお話集1
    5.0
    数十世紀もの年をへたワニは、故郷を捨ててナイルを下り、海に出て12本足のタコと恋仲になるのですが……。苦いユーモアに満ちた表題作ほか、奇想あふれる全4篇を収録。「二十世紀のラ=フォンテーヌ」ショヴォーが、最愛の息子ルノー君に語ったお話に自ら絵をつけた物語のシリーズ、第1弾! 収録作品は「ノコギリザメとトンカチザメの話」「メンドリとアヒルの話」「年をとったワニの話」「おとなしいカメの話」。

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  • 人生で大切なたったひとつのこと
    4.3
    ★★★ニューヨークタイムズベストセラー★★★ 人生の節目に、贈り物にもぴったりな1冊。 2013年アメリカのシラキュース大学の卒業式にて、ベストセラー作家ソーンダーズは、「人生で一番後悔していることは、優しくなれなかったこと」と語りました。 スピーチから三か月後、全文がニューヨークタイムズ紙のウェブサイトに掲載されると、100万回を超えるアクセスがありたちまち評判を呼びます。 後に、アメリカのランダムハウス社によって書籍化されベストセラーとなり、書評でも「旧約聖書の詩篇のように薄くて、重い」(ニューヨーク・タイムズ紙)など、絶賛されました。 多くの人の心に響いた名スピーチの、待望の日本語版! 翻訳を『思考の整理学』で有名な外山滋比古氏が手がけました。 原書 Congratulations, by the way: Some Thoughts on Kindness 原著者 George Saunders
  • クリスティーヌ
    5.0
    【フランス2021年 メディシス賞受賞、ゴングール賞ノミネート作品】 実父による近親姦に苦しみ続けた少女は、どのように1人の女性として自己確立していったのか、その人生を描いた物語。 本書は、フランスの作家、劇作家で脚本家でもあるクリスティーヌ・アンゴの二十四作目の小説『Le Voyage dans l'Est』2021年刊の全訳である。 物語は十三歳になったクリスティーヌが初めて実の父親に会う日から始まる。憧れの父親にようやく娘として認知され、これからは普通の親子としての生活が始まると有頂天になるが、現実は想像とは全く別のものだった。自分の身に何が起きているのかを伝え、救い出してほしい気持ちとは裏腹に、母親にすら話すことができない。そして誰にも打ち明けられないまま、少女時代は過ぎていった……。 著者が綴るのは、クリスティーヌが苦しみ、トラウマを抱えて人生に絶望しながらも、どのように一人の女性として自己確立をしていったのか、その命がけの人生そのものである。 著者のアンゴも実父による近親姦からのサバイバーであり、デビュー作から一貫して女性に対する性的虐待をテーマに書き続けてきた。ただ、作中の「クリスティーヌ・アンゴ」は作者自身ではなく、本書はアンゴの自伝ではない。しかし、彼女の作風はあまりにも実体験と近接しており、作者と語り手を分離しにくいかもしれない。一つだけ強調しておきたいのは、アンゴにとって「近親姦の被害者」という「立場」と「実体験」は文学作品を生み出すための出発点に過ぎないということだ。 サバイバーのアンゴは「文学作品を書くこと」という手段で戦う。戦う相手は家族関係を破壊し、隷属の関係を強要する性的虐待者だけではない。それを見ないふりをし、セカンドレイプをする「社会」全体である。

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  • 新訳 テンペスト
    4.0
    シェイクスピア、「最初」で「最後」の傑作 徹底注釈&詳細な解説 シェイクスピア、「最初」で「最後」の名作。復讐と再生、植民地支配を描く 邪悪な弟にミラノ公爵位を奪われ、娘ミランダとともに島流しにされたプロスペロー。そんな目に遭わせたナポリ王と弟への復讐を誓い、12年後、魔法で大嵐を起こし、彼らを載せた船を難破させ、島に上陸させる。一行からはぐれ、一人、島に辿り着いた王子はミランダと恋に落ちる。プロスペローはそれを利用し、復讐を果たして公国を取り戻そうとするが…。赦しと再生、そして植民地支配を描いたシェイクスピア単独執筆最後の傑作。 目次 新訳 テンペスト 楽譜 一六〇九年バミューダ海域遭難の二つの手記 ウィリアム・ストレイチー『騎士サー・トマス・ゲイツの遭難と救済の真の報告』抄訳 シルヴェスター・ジュアデイン『バミューダ諸島、別名悪魔の島の発見』全訳 ジョン・フローリオ訳のモンテーニュ「人食い人種について」抄訳 訳者あとがき
  • ラスト・バリア スーフィーの教え
    3.0
    ロンドンの骨董品店での偶然の出会いをきっかけに、トルコへ渡り自分自身を発見する旅に出る。自分の生活も仕事もすべてを整理して旅に集中し、内なる自分、出会いの必然性を知り、ついに真実に触れられると思った矢先――。 キリスト教もイスラム教も宗教に関係なく、超越的なものとつながる境地に達するまでを描く自伝的小説。 パウロ・コエーリョ『アルケミスト』やロンダ・バーン『ザ・シークレット』など、数々の名作を訳してきた山川亜希子氏が「文学的に美しく特に好きな本」と絶賛! 文庫化に際して新たに「四十年後」の章(訳しおろし)を追加しました。 原題:The Last Barrier 著者:Reshad Feild
  • ぼくが子どもだったころ
    4.4
    貧しい家に生まれたひとり息子は,両親の愛情をまっすぐに受けとめて育ち,働きづめの母親を懸命に支えた.大好きな体操,個性的な先生たち,つらかったクリスマス,大金持ちになったおじ,母親との徒歩旅行……軽妙かつ率直に語られる数々のエピソードが胸に迫る.ケストナーのエッセンスがつまった傑作自伝,待望の新訳.

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  • 老人と海
    4.1
    老漁師サンティアーゴには、もう84日間も釣果がなかった。幼い頃から老人の見習いをしていたマノーリンは、一人前の漁師となったいまも老人を慕い、生活を気づかう。老人はそんなマノーリンをたのもしく思いながら、まだ自身のプライドも捨ててはいなかった。 翌朝、ひとりで漁に出た老人の釣縄に、巨大なカジキがかかる。そこから、老人とカジキの命を賭けた闘いが始まった。不眠不休の極限を超える死闘のなかで、老人は次第にカジキへの畏敬の念と、強い絆を感じるようになっていく。やがて運命の瞬間が訪れ、満身創痍となった老人に、しかし海は、さらなる試練を課すのだった――。 簡潔な文体と研ぎ澄まされた表現で、大いなる自然と自らの人生に対峙する男の姿を力強く描きだす、ヘミングウェイの最高傑作。
  • 老神介護
    4.0
    ●突如現れた宇宙船から、次々地球に降り立った神は、みすぼらしい姿でこう言った。「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかの」。神文明は老年期に入り、宇宙船の生態環境は著しく悪化。神は地球で暮らすことを望んでいた。国連事務総長はこの老神たちを扶養するのは人類の責任だと認め、二十億柱の神は、十五億の家庭に受け入れられることに。しかし、ほどなく両者の蜜月は終わりを告げた――。「老神介護」 ●神文明が去って3年。地球で、もっとも裕福な13人がプロの殺し屋を雇ってまで殺したいのは、もっとも貧しい3人だった。社会的資産液化委員会から人類文明救済を依頼された殺し屋は、兄文明からやってきた男から、別の地球で起こった驚愕の事態を訊かされる。「扶養人類」 ●蟻と恐竜、二つの世界の共存関係は2000年以上続いてきた。恐竜世界の複雑なシステムは、蟻連邦によって支えられていたが、蟻世界は恐竜世界に核兵器廃棄を要求、拒絶されるとすべての蟻はストライキに突入した。「白亜紀往事」 ●僕が休暇を取る条件は、眼を連れていくことだと主任は言った。デイスプレイに映る眼の主は、若い女の子。ステーションにいる彼女の眼を連れて、僕は草原に旅行に出かけた。宇宙で働く人は、もうひと組の眼を地球に残し、地球で本物の休暇を過ごす人を通して仮想体験ができるのだ。「彼女の眼を連れて」 ●74年の人工冬眠から目覚めた時、地球環境は一変していた。資源の枯渇がもたらす経済的衰退を逃れようと、「南極裏庭化構想」が立案され実行された結果、深刻な事態が起こっていたのだ。「地球大砲」
  • 流浪地球
    3.9
    ●ぼくが生まれた時、地球の自転はストップしていた。人類は太陽系で生き続けることはできない。唯一の道は、べつの星系に移住すること。連合政府は地球エンジンを構築し、地球を太陽系から脱出させる計画を立案、実行に移す。こうして、悠久の旅が始まった。それがどんな結末を迎えるのか、ぼくには知る由もなかった。「流浪地球」 ●惑星探査に旅立った宇宙飛行士は先駆者と呼ばれた。帰還した先駆者が目にしたのは、死に絶えた地球と文明の消滅だった。「ミクロ紀元」 ●世代宇宙船「呑食者」が、太陽系に迫っている。国連に現れた宇宙船の使者は、人類にこう告げた。「偉大なる呑食帝国は、地球を捕食する。この未来は不可避だ」。「呑食者」 ●歴史上もっとも成功したコンピュータ・ウイルス「呪い」はバージョンを変え、進化を遂げた。酔っ払った作家がパラメータを書き換えた「呪い」は、またたく間に市民の運命を変えてしまう――。「呪い5・0」 ●高層ビルの窓ガラス清掃員と、固体物理学の博士号を持ち、ナノミラーフィルムを独自開発した男。二人はともに「中国太陽プロジェクト」に従事するが。「中国太陽」 ●異星船の接近で突如隆起した海面、その高さ9100メートル。かつての登山家は、単身水の山に挑むことを決意。頂上で、異星船とコミュニケーションを始めるが。「山」
  • 英国の幽霊城ミステリー
    3.8
    今なお 城をさ迷う幽霊たちの物語の中に、 英国の歴史を読み解く鍵がある 英国においては、言ってみれば先住者である幽霊たちを追い出すという発想は一般的ではないようだ。日本のように、視たら祟られる、呪われる、というような話はほとんどなく、英国の幽霊はほとんどの場合、ただそこにいるだけだ。悪さをするわけでもないなら共存しよう、というのが英国人の考えらしい。むしろ、歴史を体現する存在である幽霊に親しみを感じ、価値を見出す向きすらある。(中略) 幽霊を恐れながらも尊重しようという英国人の姿勢からは、幽霊は歴史的事実に基づく存在であり、民衆の共感、同情、尊敬の念によってこの世にとどめられているものであるとする、彼らの幽霊に対する意識が見てとれる。 ――「CASE1 ウィンザー城と25人の幽霊」より抜粋 幽霊は英国の歴史を背負って現れる。 ハットフィールド・ハウスではエリザベス1世が少女の姿で現れる。 彼女が25歳で英国女王に即位する前の日々を過ごした、穏やかな記憶が残る場所だからだ。 エリザベス1世の母アン・ブーリンは、ロンドン塔を首のない姿で徘徊する。 ヘンリー8世がアンと離婚したいがために、彼女に姦淫罪を着せてロンドン塔で斬首したのだ。 男児欲しさに六回結婚し、妻を二度処刑したヘンリー8世は、埋葬されたウィンザー城内で足を引きずりながら歩き回っている。 晩年の彼は足の腫瘍に苦しみ、肥満した身体を引きずって移動したのだ。 幽霊を恐れず、追い出さず、寄り添う民衆の意識が彼らを城にとどめている。 幽霊を幽霊たらしめている背景をひも解くことで、英国の歴史が見えてくる。 ロンドン生まれの小説家・織守きょうや氏が英国の幽霊と城にまつわる歴史と、そこに隠された秘密を紐解いていく。 数多の英国の住宅を訪問し、その魅力を描いてきた山田佳世子氏がイラストで幽霊城を物語る。 英国の歴史の扉を開ける鍵となる一冊。 建築史家の中島智章氏による幽霊城の解説つき。

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  • 最後のモナ・リザ
    4.3
    1911年にルーブル美術館から盗まれた〈モナ・リザ〉は、その後2年間行方不明だった。 主人公は、ニューヨークに住む画家で美術史家のルーク・ペローネ。彼の曽祖父は、100年以上前にルーヴル美術館から〈モナ・リザ〉を盗んだ窃盗犯だ。曽祖父の日記が見つかったというメールを受けとり、フィレンツェの研究図書館で日記を読み始めるルーク。人間味あふれる曽祖父の姿が浮かび上がってくる……。しかし、日記は肝心な部分が破り取られており、日記に関わった人が次々と死んでいく。 曽祖父が盗み、その後返却したというルーヴル美術館の〈モナ・リザ〉。  当時、何があったのか。そしてあの〈モナ・リザ〉は、贋作か、否か? ルークは、自身が殺される前に〈曽祖父の真実〉を見つけなければならない。 さえない画家兼美術史家の主人公、フィレンツェで出会った美しい女性、インターポールの捜査官、美術品贋作者、億万長者のコレクター……。過去と現在が交錯するなか、濃やかな人間模様が描かれ、エキサイティングなアクションシーンが展開する。フィレンツェ、パリ、南仏プロヴァンスの村の描写も魅力的な、ジョナサン・サントロファーによる美術(アート)ミステリの真髄。

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  • 金より価値ある時間の使い方
    完結
    3.8
    メンタリストDaiGo氏推薦! 「SNSやショート動画、不要な人間関係で自分の時間をムダに失う、つまり全ての人類へ。」 この45分の読書が人生に奇跡を起こす。――時は金なりと言うが時間は金よりもずっと価値がある。しかも全ての人に平等に与えられ誰にも奪えない。どう使えば限りある人生をよりよく生きられるのか。「毎朝あなたの財布には24時間がつまってる」「1晩おきの1時間半がきらめく真珠に」「原因と結果の法則を叩きこめ」等、心に刺さるメッセージが満載。時代と国境を超え多くの知識人に愛される時間術の名著、新訳! 解説・特典も充実。 原題 How to Live on 24 Hours a Dayの新訳! 目次 はじめに 賢いワーク・ライフ・バランスは一杯のお茶から 第1章 毎朝あなたの財布には二十四時間がつまってる! 第2章 知的好奇心を持てば本当の人生が送れる 第3章 「時間がもっとあるとき」など決してこない 第4章 一日のプロローグとエピローグという考えを捨てる 第5章 一晩おきの一時間半がきらめく真珠になる 第6章 一週間を六日とし週七時間半で奇跡を起こす 第7章 史上最高の賢人たちの提案――「思考の集中」 第8章 幸福になるための内省時間は夕方の帰り道に 第9章 教養を身につけることで充実する毎日 第10章 原因と結果の法則を叩きこみ退屈な人生を変える 第11章 読書好きのあなたに勧める「熟慮を要する読書」 第12章 日常に奇跡を起こす最初の一週間  解説  ハズリットのエッセイ「詩一般について」抄訳  オシアン「セルマの歌」夏目漱石訳  時間をめぐるシェイクスピアの名言  訳者あとがき
  • 戦争語彙集
    4.3
    「わたしの家も,この街も,置いていけばゴミになるの?」 「ゴミ」「星」「林檎」……戦争の体験は人が言葉に抱く意味を変えてしまった.ウクライナを代表する詩人が避難者の証言を聴き取り,77の単語と物語で構成した文芸ドキュメント.ロバート キャンベルが現地を訪ねて思索した手記とともに,自ら翻訳して紹介.

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  • 教皇ハドリアヌス七世
    5.0
    「まぎれもない世紀末文学者の一人であろう。」澁澤龍彦 「文学の森には驚くほど美しい宝石が隠れている。」河村錠一郎 冴えない元聖職者志望が、突然「ローマ教皇」に――!? 屋根裏部屋で一匹の猫と暮らす中年作家ジョージ。聖職者を志すも夢破れた彼のもとに、ある日突然、枢機卿が訪れる。「あなたが教会での将来を断たれたのは誤りでした。」念願の神父となったジョージが、観光気分で教会選挙に沸くローマへ行くと、知らぬ間に教皇に選出されていた! 「ハドリアヌス七世」を自称したジョージは、型破りな〈宗教改革〉に乗り出し、謀略渦巻く教皇庁に大波乱を巻き起こす――! 澁澤龍彦も注目した、異形の英国世紀末作家による〈伝説的奇書〉にして破天荒な〈自伝的幻想小説〉が、遂に邦訳!!! ★栞エッセイ=河村錠一郎 ・澁澤龍彦、生田耕作、丸谷才一、D・H・ロレンス、グレアム・グリーンらが注目・絶賛した「異形の英国世紀末作家」の代表作。 ・河村錠一郎氏の紹介により、文学の「裏街道」読者に邦訳が待望されていた「幻の奇書」。 ・造語や古語を鏤めた革新的で実験的な文学的手法を駆使した、英国モダニズム文学の正統な「古典的名著」。 ・聖職者を志すも挫折した作家の男が書いた「作家が教皇に成り上がる物語」。いわば「100年前のなろう小説」。 ・英ガーディアン紙「最高の英語小説100冊」選出。 ・英国の名門ペーパーバック「ペンギン・クラシックス」所収。

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  • シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』
    3.9
    『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる,強く生きる女性主人公の物語はいつ,どのように生まれ,広まっていったのか.英国の古典的名作『ジェイン・エア』が与えた衝撃と,そこから始まる脱シンデレラ物語の作品群を読み解き,現代における物語の意味を問う.

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  • アジア放浪記
    4.0
    1537年から20年間、マラッカ・中国・日本・インドなどアジア各地を放浪、その間“5回難破し、13回奴隷となり、16回売られた”男の奇想天外な体験と見聞を綴った幻の書。
  • エディ、あるいはアシュリー
    4.5
    「さて、エディ。こう呼ばれたいなって思う名前はあるの?」 「アシュリー」 本当はそんな名前、考えたこともなかった。〈自分は男じゃないらしい〉という認識は、〈どうも女性のようだ〉とは直結していなかったからだ。それなのに訊かれたら口をついて出た。アシュリーは子どもの頃に可愛がって大切にしていたぬいぐるみだ。 (「エディ、あるいはアシュリー」より) --------- 性の多様性。移民。失われた日々。喪失。再生。暴力……。 どこにでもあるリアルな世界を、時を越え、現実と幻想とを自由に行き来しながら、未来と希望を信じて描いた短編集。 ジェンダー・アイデンティティの不確かさを自らに問いかける表題作「エディ、あるいはアシュリー」、第63回現代文学賞受賞作「相続」など8作品を収録。 --------- 避けようのない過酷な現実と、その先にある柔らかな希望……。 韓国ファンタジー界の旗手が織りなす物語のタペストリー8編。 --------- 【目次】 ■レオニー ■エディ、あるいはアシュリー ■海馬と扁桃体 ■正常人 ■木の追撃者 ドン・サパテロの冒険 ■へその唇、嚙みつく歯 ■相続 ■メイゼル ■あとがき ■訳者あとがき
  • 少女小説をジェンダーから読み返す―― 『若草物語』『秘密の花園』『赤毛のアン』が伝えたかったこと
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    〈女性作家たちの生涯から読み解く〉 少女だけでなく、大人の読者も魅了してやまない三人の少女小説作家──オルコット、バーネット、モンゴメリ。 栄光に包まれた彼女たちの道のりは、決して平坦なものではなかった。 彼女たちが闘ったジェンダーの壁を、その作品と生涯から読み解く。 ---------------------- 【目次】 ■はじめに ■第1章 『若草物語』 反抗の叫び──ルイザ・メイ・オルコット ■第2章 『小公子』『小公女』から『秘密の花園』へ 野ブドウを摘んだ少女──フランシス・ホジソン・バーネット ■第3章 「アン」と「エミリー」 光と闇のはざまで──ルーシー・モード・モンゴメリ ■註 ■おわりに ■作家たちが生きた時代 ■略年表 ■主な参考図書
  • ラ・カテドラルでの対話 (上)
    4.8
    1~2巻1,430~1,573円 (税込)
    独裁者批判,ブルジョアジー批判,父と子の確執,同性愛――.居酒屋ラ・カテドラルにおける二人の人物の会話をとおして,独裁政権下ペルーの腐敗しきった社会の現実を描く初期の代表作.「これまでに書いたすべての作品の中から一冊だけ,火事場から救い出せるのだとしたら,私はこの作品を救い出すだろう」(バルガス=リョサ).(全二冊)

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  • 記憶書店 殺人者を待つ空間
    3.3
    1巻2,189円 (税込)
    残忍な男によって、目の前で妻と娘の命を奪われたユ・ミョンウ。犯人は捕まらず、未解決のまま15年を迎えた。犯人が古書に異常な執着を持っていることを見抜いたユ・ミョンウは、犯人をおびき出すために古書だけを扱う〈記憶書店〉を開店した。そこに現れた4人の怪しい客。「この中に犯人がいる」と確信し、調査をはじめるが……。 家族を失った怒れる男のかつてない復讐劇が、いま始まる。
  • 夕霧花園
    4.3
    この記憶は いつまで わたしに残るのだろうか 天皇の庭師だったアリトモと、日本軍の強制収容所のトラウマを抱えるユンリン。 1950年代、英国統治時代のマラヤ連邦(現マレーシア)。日本庭園「夕霧」を介して、ふたりの人生が交錯する── 同名映画『夕霧花園』【トム・リン監督/リー・シンジエ(李心潔)、阿部寛出演】原作(2019年映画化、2021年7月24日~日本公開/DVD発売元:マクザム+太秦)。 マン・ブッカー賞最終候補に選ばれ、現代アジア文学で最も優れた小説に贈られるマン・アジア文学賞等を受賞。17ヵ国語に翻訳され、高い評価を受けている。 【あらすじ】 封印していた数々の記憶が、「夕霧」でふたたび流れ出す── 1980年代のマレーシア。 連邦裁判所判事の職を離れたテオ・ユンリンは、キャメロン高原の日本庭園「夕霧」を再訪する。 そこは、30数年前、日本庭園を愛する姉の慰霊のために、日本人庭師ナカムラ・アリトモに弟子入りした場所だった。 日本軍のマレー半島侵攻、戦後マラヤの「非常事態」を背景に、戦争で傷ついた人びとの思いが錯綜する。 【目次】 夕霧花園 著者による注釈 訳注 訳者解説 訳者あとがき
  • 世界で最後の花 絵のついた寓話
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本国際児童図書評議会「おすすめ!日本と世界の子どもの本 2025」選定図書 第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去った。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になりはてた。ある日、ひとりの若い娘がたまたま世界に残った最後の花を見つけます。その花をひとりの若い男と一緒に育てはじめます。すると……。なぜ人間は戦争を繰り返すのか? 第二次世界大戦開戦の直前に描かれた、平和への切実な願い。世界的ロングセラーを村上春樹の新訳で復刊。
  • 夜の潜水艦
    4.4
    1巻2,200円 (税込)
    潜水艦は永遠の夜を航行する。 イマジネーションの極まる、“その先”へ―― 迷宮のようなプロットと東洋の美学が織りなす、 中国文学の新星による至高の作品集 「彼の作品に登場する人物の多くは、千変万化する世間のありようについて ゆくことができず、自分の空想世界にひきこもることによって精神のバラン スを保つ。彼らは、激動の変化を遂げ続ける中国社会の片隅に、ひっそり と、だが確実に存在する人々の姿を映しているに違いない。同時にそれは、 この本を読む私たちの姿にもどこか似ているように思われる。」(訳者解説 より) 「一九六六年のある寒い夜、ボルヘスは汽船の甲板に立ち、海に向けて一枚 の硬貨を抛った。」と始まる表題作「夜の潜水艦」は、少年の空想世界が現 実との境界線を失っていくという奇譚。「竹峰寺 鍵と碑の物語」で主人公 の青年は、失われた実家の鍵はUSBメモリーで、家は完全な状態でメモリ の中に保存されていると考える。……8つの中短編は、ひとつひとつ全く異 なる世界を細やかに描きながら、大胆なイマジネーションで独自の文学世界 を構築していく。中国の若者に大きな共感を呼んだ、新たな中国文学の潮流 となり得る気鋭の作家、記念すべき初邦訳作品。 CONTENTS 夜の潜水艦 005 竹峰寺 鍵と碑の物語 031 彩筆伝承 079 裁雲記 103 杜氏(とうじ) 123 李茵(リ・イン)の湖 137 尺波(せきは) 163 音楽家 181 解説 254

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  • 新訳 ジュリアス・シーザー
    完結
    3.0
    歴史的暗殺事件の裏側。 「おまえもか、ブルータス?」 英国の中学生が学ぶ名作! 過去未来にわたり、全ての政治指導者暗殺をシェイクスピアが予言した衝撃作。 古代ローマの独裁官シーザーは、内戦に勝利して凱旋し、市民の熱狂的歓迎を受ける。シーザーが共和政を廃して皇帝になるのを恐れた気高いブルータスは苦悶し、シーザーに恨みを抱く友キャシアスに唆され、ついにシーザー暗殺を決意する! 「おまえもか、ブルータス?」――過去未来にわたり、全ての政治指導者暗殺をシェイクスピアが予言する、驚くべき名作。徹底注釈&シェイクスピアが読んだノース訳『英雄伝』抄訳も掲載。 目次 新訳 ジュリアス・シーザー シェイクスピアが参照したノース訳のプルタルコス著『英雄伝』について ノース訳「ジュリアス・シーザーの生涯」抄訳 ノース訳「ブルータスの生涯」抄訳 ノース訳「アントニウスの生涯」抄訳 訳者あとがき
  • 新シャーロック・ホームズの冒険
    3.0
    1~2巻1,188~1,408円 (税込)
    初老の男が服毒による変死を遂げたと新聞で報じられた朝、三十代前半の女性がベイカー街221Bへホームズを訪ねてくる。彼女はアビゲイル・ムーンと名乗り、ダミアン・コリンボーンなる男性の筆名で探偵小説を書いている。コリンボーンといえば、相棒ワトスンの本棚にも作品が置いてあるほどの売れっ子作家だ。依頼の内容は、「真犯人に被害者と犯行の手口を盗まれた、自分の無実を証明してほしい」。彼女は次作に向けてストーリーの構想を練っているところだったが、昨日ヴォクスホール公園で死んだ男は、被害者として自分が選んだ人物だった。なぜ変死事件は起きたのか? ホームズとワトスンは調査に乗り出すが……。
  • ほとんど記憶のない女
    4.1
    「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」 わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から、寓話的なもの、詩やエッセイに近いもの、日記風の断章、さらに私小説、旅行記にいたるまで、多彩で驚きに満ちた〈異形の物語〉を収めた傑作短編集。カウボーイとの結婚を夢みている自分を妄想する「大学教師」、自分の料理を気に入らない夫の好みを記憶を辿りながら細かく分析していく「肉と夫」、思考する〈私〉の意識とメモをとる〈私〉の行為を、まったく主語のない無機質な文体で描く「フーコーとエンピツ」他、全51編を収録。「アメリカ小説界の静かな巨人」デイヴィスの、目眩を引き起こすような思考の迷路や言葉のリズム、また独特のひねくれたユーモアは、一度知ったらクセになる。
  • 終戦日記一九四五
    4.0
    大人は子どもよりも愚かではないか? 『エーミールと探偵たち』などで知られる児童文学作家ケストナー(1899-1974)が第三帝国末期から終戦直後にかけて右往左往する大人たちの姿を活写する.皮肉とユーモアたっぷりの日記から見えてくるのは,いまなお繰り返される戦争の愚劣さにほかならない.「1945年を銘記せよ」.

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  • 話の終わり
    4.5
    書くことをめぐる無二の長編 「翻訳の仕事をしていると、たまに「自分が今までに訳したものの中で一冊だけ自分が書いたことにできるなら何か」と質問されることがある。そんなとき、私はいつだって「『話の終わり』!」と即答してきた。それくらい私にとっては愛着の深い作品だ」(本書「訳者あとがき」より) 語り手の〈私〉は12歳年下の恋人と別れて何年も経ってから、交際していた数か月間の出来事を記憶の中から掘り起こし、かつての恋愛の一部始終を再現しようと試みる。だが記憶はそこここでぼやけ、歪み、欠落し、捏造される。正確に記そうとすればするほど事実は指先からこぼれ落ち、物語に嵌めこまれるのを拒む――「アメリカ文学の静かな巨人」デイヴィスの、代表作との呼び声高い長編。
  • アンナは、いつか蝶のように羽ばたく
    4.0
    16歳のアンナは、今日もベッドから起きてこない母親のかわりに 13歳の妹と5歳の弟の面倒をみている。 父親は自身が経営する中華料理店にかかりきりで母親を顧みることはない。 本書は、ヤングケアラーであるアンナが、人種差別、いじめなど、様々な困難を乗り越え成長し続ける物語。 精神疾患と闘う家族重くなりがちなテーマだが、アンナの気持ちがていねいに 描かれ、ローリーとの初恋がさわやかに織り交ぜられて、青春小説としても楽しめる。 ウェイ・チムは中国からの移民の人々と話した際に、精神疾患を不名誉・恥と 捉える文化の相違を知って本作を思いついたという。 患者本人だけでなく、家族も偏見に苦しめられる状況を変えたいと願いを こめた。オーストラリアを舞台に、精神疾患と闘う家族にスポットライトを 当てた本作は、オーストラリア、イギリスをはじめ、世界で高い評価を受け、 作者の代表作となっている。

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  • 作家たちのフランス革命
    3.0
    想像の源泉か? 歴史観の表明か? フランス革命は「自由・平等・友愛」を標語にする共和国の出発点であり、革命をどう記述するかはフランスのナショナル・アイデンティティ構築の鍵を握る。フランスの作家たちは大革命をどのように眼差し、どう描いてきたのだろうか。本書では、18世紀から20世紀を専門とする7名の仏文学者たちが、7人の作家の作品を通し、この問いに鮮やかに答える。 取り上げるのは、革命を経験したナポレオンとほぼ同世代のスタール夫人(村田)とシャトーブリアン(小野)、「ブリュメール18日」のクーデタの直後に生まれナポレオン帝政期と復古王政期に人となったバルザック(柏木)とユゴー(西永)、そしてドレフュス事件と第一次大戦のあいだの1912年に「恐怖政治」を扱った小説を出版したアナトール・フランス(三浦)、その一回り下の世代で、ドレフュス事件から両大戦間の人民戦線期にかけて「フランス革命劇」連作8篇を書いたロマン・ロラン(アヴォカ)、最後に我々と同時代人で、マリー=アントワネットを主人公にヴェルサイユ最後の3日間を描いたシャンタル・トマ(関谷)。 約200年に渡って強烈な個性と才能が考え抜いてきた「革命像」が、いまここに広がる。
  • 台湾漫遊鉄道のふたり
    4.3
    1巻2,530円 (税込)
    炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。 結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。 ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。 「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。 そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」 古内一絵さん大満足 1938年、五月の台湾。 作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。 現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、 台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。 しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。 国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差――― あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。
  • クレムリンの魔術師
    5.0
    「プーチンの演出家」が語るリアルポリティーク小説 「クレムリンの魔術師」として知られたヴァディム・バラノフは、ロシアの皇帝の黒幕になる前はTVのリアリティ番組のプロデューサーだったという。 〈私〉はある夜、SNSで知り合った人物からモスクワ郊外の邸宅に招かれ、その祖父の代からの「ロシアの権力の歴史」を知る。ヴァディム・バラノフには舞台芸術アカデミーで演劇を学んだ青春時代、ヒッピーの両親をもつクセニアという名の美しい恋人がいたという。 ロシアのプロパガンダ戦略やウクライナとの戦争において、彼はどんな役割を担ってきたのか? 「プーチンの演出家」の告白を元に伏魔殿クレムリンの舞台裏が明かされてゆく──。 主人公バラノフのモデルは、ロシア副首相、大統領府副長官、補佐官を歴任した、ウラジスラフ・スルコフ。エリツィン、クリントン、メルケル……実在の政治家たちも実名で登場し、ソチ冬季オリンピック開会式で赤軍合唱団にダフト・パンクを歌わせた史実なども挿話され、プーチンの権力掌握術や、ロシアの国民感情が語られてゆく。愛と権力をめぐる迫真のリアルポリティーク小説。 小泉悠さん推薦! アカデミー・フランセーズ賞受賞作品。
  • ペンテジレーア
    3.0
    1巻2,200円 (税込)
    アマゾネスの女王・ペンテジレーアと英雄アキレスの恋を描いた悲劇の戯曲。その新訳が、ついに登場! 愛情と憎悪、希望と絶望が交錯する二人の関係性。そして、残虐でありながら、せつなさの残るラストシーン。哲学者の仲正昌樹による、約50年ぶりの新訳。
  • おてんばヨリーとひげおじさん
    5.0
    今日は新しい特急列車がはじめて走る日.車掌のひげおじさんは大はりきり.ところが発車寸前,元気な女の子ヨリーがかけこんできて,列車の下にもぐりこんだハリネズミを助けます.列車の出発はおくれ,とんでもない事件が発覚します! ハラハラドキドキが止まらない,オランダの国民的作家&画家による最後のコラボ作品.

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  • 目で見ることばで話をさせて
    3.9
    わたしは物語を作るのが好き.11歳の少女メアリーは,島のだれとでも手話で話し,いきいきと暮らしています.一方馬車の事故で死んだ兄さんのことが頭を離れません.ある日傲慢な科学者に誘拐され,ことばと自由を奪われて…….手話やろう文化への扉を開く,マーサズ・ヴィンヤード島を舞台にした歴史フィクション.

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  • ガルシアへの手紙
    4.3
    1億人が読んだ自己啓発の世界的ベストセラー初の文庫化! 茂木健一郎氏大絶賛! 「人間の『やる気』『勇気』『行動力』を考える上での永遠の名著」 [本書の内容] 男は何も聞かずにキューバへ急いだ――。米西戦争時、マッキンレー大統領はキューバのリーダー・ガルシアへ宛てた手紙をローワンに託した。居場所不明のままボートに飛び乗り、4週間後には手紙を届けて無事生還。自国に勝利をもたらしたという。物語を通じ、物事に積極的に取り組む「自主性」、課題に挑む「行動力」の重要性を説く。100年にわたり支持され続け、1億人以上が読んだ自己啓発の世界的名著。解説:茂木健一郎。 [目次] はじめに <第一部 1億人が読んだ物語『ガルシアへの手紙』> 第一章 ガルシアへの手紙 エルバート・ハバード 第二章 解説『ガルシアへの手紙』から学べること <第二部 『ガルシアへの手紙』の主人公、ローワンによる完全実話の手記に学ぶ> 第三章 ローワンの手記 ガルシアへの手紙を、いかに届けたか アンドリュー・S・ローワン ローワンの手記 その1 ローワンの手記 その2 ローワンの手記 その3 ローワンの手記 その4  第四章 解説 ローワンの手記から学ぶべきこと おわりに 付録 エルバート・ハバードの言葉 解説 茂木健一郎
  • NHK「100分de名著」ブックスシェイクスピア ハムレット 悩みを乗り越えて悟りへ
    4.3
    1巻1,100円 (税込)
    生きるべきか、死ぬべきか――「優柔不断」な青年は、ある答えにたどり着く。 父を殺された青年ハムレットは、なぜ復讐を先延ばしにするのか。「理性」と「感情」に引き裂かれる近代人の苦悩を描き出した、シェイクスピア悲劇の最高峰。単なる「復讐劇」ではなく、存在の問題を追求する哲学的な作品として、シェイクスピア研究の第一人者が明快に解説する。書下ろしとなるブックス特別章「ハムレットの哲学」収載!
  • アクティング・クラス
    値引きあり
    4.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【カラー/固定型】カラー・大画面での閲覧に最適化されたコンテンツです/倦怠期の夫婦、シングルマザーにヌードモデル。社会にうまく馴染めない10人は、人生の変化を求めて演技教室に通い始める。謎の男ジョン・スミスが指導する即興演技クラスに参加するうちに、現実と演技の境界は曖昧に。カラフルに彩られた不穏さが身に迫る新作
  • バウドリーノ 上
    3.7
    時は中世,十字軍の時代――.神聖ローマ皇帝フリードリヒの養子となった農民の子バウドリーノが語る数奇な生涯.驚異に満ちた東方世界で出会う一本足の俊足スキアポデス,一角獣を連れた美女,胸に顔があるブレミエス族,大耳を広げて滑空するパノッティ族など,史実と伝説とファンタジーを織りまぜて紡ぎだす破天荒な冒険ロマン.(全二冊)

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  • 島耕作に学ぶ 大人の「男」になる85ヵ条
    値引きあり
    4.0
    「島耕作」が本音で語る、仕事・趣味・友情・恋愛。「男」の総合力を養う1冊。――男なら誰もが大人の「男」と言われたい。だが、本当の「大人」とはいったい何だろう。ただ年齢を重ねただけの男が、大人の「男」といえるだろうか。他人に甘えることなく、自分を信じて爽やかに生き、男から憧れの眼差しを向けられる「男」。そんな大人の「男」になるには、今、何を心がけるべきなのか。若きビジネスマンたちの頼れる兄貴分「島耕作」が、魅力ある本当の「男」になるための85の行動原則を伝授する! 1ヵ月後の君を確実に変えるヒントがある!
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか
    4.4
    1巻1,100円 (税込)
    苦難の日々を支えたのは、自らが紡いだ「言葉」だった。 ドイツからオランダに一家で移り住んだアンネ・フランクは、第二次世界大戦下の一九四二年、十三歳の誕生日に父親から贈られた日記帳に、思春期の揺れる心情と「隠れ家」での困窮生活の実情を彩り豊かに綴った。そこに記された「文学」と呼ぶにふさわしい表現と言葉は、コロナ禍に見舞われ、戦争を目の当たりにした私たちに静かな勇気と確かな希望を与えてくれる。 【以下「はじめに」より】 本書では、『アンネの日記』が本来持っている文学的な豊かさについて、真正面から考えてみたいと思います。思春期の少女が、なにを考え、なにを感じ、それをどのように表現したのか。ここにはみずみずしい青春の息吹がみなぎっています。(略)これほどリアルな少女の声が胸に響いてくる文学を、わたしは他に知りません。
  • パロマー
    4.0
    中年男性,職業不詳,妻と娘1人,パリとローマにアパートを所有.それがパロマー氏だ.彼は世界にじっと目を凝らす.観察に徹しようとする彼は,しかし….視覚的・文化的・思索的経験という3種の主題領域がそれぞれ記述的・物語風・瞑想的に書きあらわされ,三層に三重に積み重なって27の短篇が響き合う,不連続な連作小説.

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  • 世界最悪の旅
    3.0
    20世紀初頭、マイナス60度を越す極寒の地で繰り広げられた南極点到達競争。夢破れ、ほぼ全員が死亡した悲劇のスコット隊の、数少ない生存隊員が綴った凄絶・迫真のノンフィクション!
  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版
    4.5
    「国際友好の義務を果たす」という政府の方針でアフガニスタンへ送り出されたソ連の若者たち.やがて彼らは一人,また一人と,亜鉛の棺に納められ,人知れず家族のもとへ帰ってきた…….作家がみずからの目と耳で体験し書き留めた同時代の戦争の記録.作品発表後に巻き起こった裁判の顚末など大幅に増補した,最新の版に基づく新訳.

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  • 終わらざりし物語 上
    -
    『指輪物語』を読み解く上で欠かせない未発表文書を編んだ必読の書。トゥオルの勇姿、トゥーリンの悲劇、ヌーメノールの物語などを収録。 ※本電子書籍内の頁表記は、すべて紙書籍版(河出文庫)に該当する頁表記です。あらかじめご了承ください。尚、紙書籍版(河出文庫)の目次も収録しておりますので、頁位置の目安としてご参照ください。
  • ティラン・ロ・ブラン 1
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    セルバンテスが『ドン・キホーテ』の中で,「世界一の本」と絶讃する,騎士道小説の最高傑作.騎士ティラン・ロ・ブランの地中海を巡る冒険と,絶世の美姫との愛の日々が,絢爛豪華な宮廷生活を背景に驚くほど生き生きと描写される.『ドン・キホーテ』『アーサー王物語』『デカメロン』などと同列と評される,世界文学の大古典.バルガス=リョサによる〈日本語版への序文〉を付す.(全四冊)

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