話の終わり

話の終わり

書くことをめぐる無二の長編

「翻訳の仕事をしていると、たまに「自分が今までに訳したものの中で一冊だけ自分が書いたことにできるなら何か」と質問されることがある。そんなとき、私はいつだって「『話の終わり』!」と即答してきた。それくらい私にとっては愛着の深い作品だ」(本書「訳者あとがき」より)
語り手の〈私〉は12歳年下の恋人と別れて何年も経ってから、交際していた数か月間の出来事を記憶の中から掘り起こし、かつての恋愛の一部始終を再現しようと試みる。だが記憶はそこここでぼやけ、歪み、欠落し、捏造される。正確に記そうとすればするほど事実は指先からこぼれ落ち、物語に嵌めこまれるのを拒む――「アメリカ文学の静かな巨人」デイヴィスの、代表作との呼び声高い長編。

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話の終わり のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    その女だけがもつ体のパーツの一つひとつが、それが愛する女のものであれば、彼にとってはかけがえのないものになった。持ち主にとってよりも大切なものだった。

    0
    2024年03月26日

    Posted by ブクログ

    トゥーサンが好きなら好き、と誰かが書いていたが本当にそう。奇妙で大好き。
    全ての失恋した人に渡したいし、彼女のような目線で世界をみたい。というか、この本を読むと主人公の目線で世界をみている。本のインパクトの強さよ。

    0
    2023年08月10日

    Posted by ブクログ

    序盤は慣れない言葉のリズム感を楽しみ、〜中盤までは慣れなさによる酔いと停滞感で気怠く読み進めていたが
    中腹辺りの展開から急に、血肉を持ったような生々しい不規則さで飲み込まれ、そこからは一気に読み上げた。

    視点としては全く変わらない軸があって、章を跨がない限りはシチュエーションが大きく移らないのに

    0
    2023年09月21日

    Posted by ブクログ

    別れた12歳年下の彼から手紙が届き、返事をどうすればよいか考えあぐねてると、小説にしようと思い立った。記憶があいまいで思い出すのも順不同なのように、お話はとりとめもなく順不同に流れていく。

    何も起こらないしどうなってるかよく分からない。でも、わからなくていいんだと思う小説だった。読んでいるうちに私

    0
    2023年04月04日

    Posted by ブクログ

    これは私の話だ、と思った。
    好きな人の髪の色や服、コーンチップとトランプ、安くて苦い紅茶の味。事実を並べているだけなのに、そこからいろんな感情が連想されるところが素敵だった。
    誰かのことを好きになって、愛して、深い悦びを知ったとしても、別れがこんなにも辛いのなら、最初から何もしなければいい、そうやっ

    0
    2023年03月05日

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