作品一覧

  • 老神介護
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    ●突如現れた宇宙船から、次々地球に降り立った神は、みすぼらしい姿でこう言った。「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかの」。神文明は老年期に入り、宇宙船の生態環境は著しく悪化。神は地球で暮らすことを望んでいた。国連事務総長はこの老神たちを扶養するのは人類の責任だと認め、二十億柱の神は、十五億の家庭に受け入れられることに。しかし、ほどなく両者の蜜月は終わりを告げた――。「老神介護」 ●神文明が去って3年。地球で、もっとも裕福な13人がプロの殺し屋を雇ってまで殺したいのは、もっとも貧しい3人だった。社会的資産液化委員会から人類文明救済を依頼された殺し屋は、兄文明からやってきた男から、別の地球で起こった驚愕の事態を訊かされる。「扶養人類」 ●蟻と恐竜、二つの世界の共存関係は2000年以上続いてきた。恐竜世界の複雑なシステムは、蟻連邦によって支えられていたが、蟻世界は恐竜世界に核兵器廃棄を要求、拒絶されるとすべての蟻はストライキに突入した。「白亜紀往事」 ●僕が休暇を取る条件は、眼を連れていくことだと主任は言った。デイスプレイに映る眼の主は、若い女の子。ステーションにいる彼女の眼を連れて、僕は草原に旅行に出かけた。宇宙で働く人は、もうひと組の眼を地球に残し、地球で本物の休暇を過ごす人を通して仮想体験ができるのだ。「彼女の眼を連れて」 ●74年の人工冬眠から目覚めた時、地球環境は一変していた。資源の枯渇がもたらす経済的衰退を逃れようと、「南極裏庭化構想」が立案され実行された結果、深刻な事態が起こっていたのだ。「地球大砲」
  • 流浪地球
    3.9
    1巻1,320円 (税込)
    ●ぼくが生まれた時、地球の自転はストップしていた。人類は太陽系で生き続けることはできない。唯一の道は、べつの星系に移住すること。連合政府は地球エンジンを構築し、地球を太陽系から脱出させる計画を立案、実行に移す。こうして、悠久の旅が始まった。それがどんな結末を迎えるのか、ぼくには知る由もなかった。「流浪地球」 ●惑星探査に旅立った宇宙飛行士は先駆者と呼ばれた。帰還した先駆者が目にしたのは、死に絶えた地球と文明の消滅だった。「ミクロ紀元」 ●世代宇宙船「呑食者」が、太陽系に迫っている。国連に現れた宇宙船の使者は、人類にこう告げた。「偉大なる呑食帝国は、地球を捕食する。この未来は不可避だ」。「呑食者」 ●歴史上もっとも成功したコンピュータ・ウイルス「呪い」はバージョンを変え、進化を遂げた。酔っ払った作家がパラメータを書き換えた「呪い」は、またたく間に市民の運命を変えてしまう――。「呪い5・0」 ●高層ビルの窓ガラス清掃員と、固体物理学の博士号を持ち、ナノミラーフィルムを独自開発した男。二人はともに「中国太陽プロジェクト」に従事するが。「中国太陽」 ●異星船の接近で突如隆起した海面、その高さ9100メートル。かつての登山家は、単身水の山に挑むことを決意。頂上で、異星船とコミュニケーションを始めるが。「山」
  • 白亜紀往事
    値引きあり
    3.9
    1巻1,045円 (税込)
    恐竜と蟻が、現代人類社会と変わらぬ高度な文明を築き、地球を支配していたもう一つの白亜紀。恐竜は柔軟な思考力、蟻は精確な技術力で補完し合い共存していた。だが、二つの文明は深刻な対立に陥り……。種の存亡をかけた戦いを描く、劉慈欣入門に最適な中篇

ユーザーレビュー

  • 老神介護

    Posted by ブクログ

    我らが大劉、再びのバカSF炸裂。(←褒め言葉)
    「流浪地球」と同時刊行された、劉慈欣のバカSF短編集です。(←褒め言葉)

    劉慈欣のSFの特徴は、長編でも短編でも、笑える話でもしんみりする話でも、どこかに必ず「バカ」の要素が潜んでいることだと、鴨は思います。
    この場合の「バカ」とは、頭が悪いという意味ではなくて、えっ、そんな発想、常人にはとても出せないけど!?という畏敬の念を込めた「バカ」です。代表作「三体」なんて、これ以上なくスケールの大きなバカSFだし。
    本作「老神介護」も、人類を作った神様が宇宙船に乗って介護を要求しにきたり、中国から南極まで通じる巨大な穴をマントルもコアもぶち抜いて作っ

    0
    2025年07月02日
  • 白亜紀往事

    Posted by ブクログ

    結局劉先生最強なんだよな〜〜!!

    白亜紀に、
    アリと恐竜が高い共生関係から進化していくお話。
    ありそうでなさそうな、
    ワクワクする未来がそこに描かれている。

    第三者的に見ると、アリも恐竜も滑稽な部分があるが、
    ふとわれに還ると「人類」も滑稽ではないのか。

    そんな風に思考をめぐらさせてくれるのも
    劉先生の素敵な作品ならではだ。

    ワクワクしっぱなしで最後まで読んでしまった。
    ありがとうございました!

    0
    2025年06月02日
  • 老神介護

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    おじいちゃんかわいそ…って読んでたら大変なことになってた話

    資本主義のやりすぎて富が1人に集中して破滅、人類の生活基準の最低限を上げるために金を配る、というストーリーは社会主義の中国で生きてる人からじゃないと出ない発想な気がする

    親の死体から抽出した有機物で生き伸びるシーンがエグすぎて好き

    恐竜

    0
    2025年03月03日
  • 流浪地球

    Posted by ブクログ

    別の短編集である「円」と比べるとコミカルな作品が多かった印象だった。
    本当に「地火」や「栄光と夢」と同じ作者か疑いたくなる。
    「呪い5.0」のばかばかしさが最高だった。

    0
    2025年01月27日
  • 流浪地球

    Posted by ブクログ

    「三体」、「円」(短編集)ともにとても面白かったので、新年最初に手に取った本
    面白かった!
    この本でも、ミクロ視点とマクロ視点の切り替えが毎回実に鮮やか
    ホラーが苦手なので、タイトルからしておどろおどろしい「呪い5.0」は読み始めるのに心構えが必要だったんだけど、ホラーどころかコメディ…?で面白かった!…と書きたいけど書けないような…
    突然の九州シリーズ創始者のひとりがモデルになってる登場人物とか、やっぱり面白いといえば面白いかな
    (九州シリーズは、ドラマ「九州縹緲録」と「斛珠夫人」視聴済)
    1番好きなのはこれ!って即答できないくらいどれも面白かったけど、あえて選ぶなら中国太陽…いやミクロ紀元

    0
    2025年01月10日

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