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Posted by ブクログ
何と言っても着想が良い。白亜紀にでっかい恐竜とちっちゃい蟻それぞれに知性があって共生関係を築いていたら。それだけで様々な想像が膨らむ。共生関係なのでお互いに利がないといけない。恐竜と蟻、それぞれ何が欠けていて、補う為に何を与え合うのか。こんなことは考えたこともないだけにワクワクする。まさか蟻が恐竜の医者になるなんて思いもしない。しかも体内に侵入しちゃうのだからぞっとしてしまう。恐竜は恐竜で文明発達の末にボタンひとつがモニターサイズのキーボードを叩くようになり、一戸建てサイズの車を乗り回すようになるのだから愉快だ。傍から見ているとかけがえのないはずの竜蟻同盟なのに、戦争になってしまうのはどう考えても悲しい。だけどその戦争の様子もそれぞれの戦い方がよく考えられていて感心してしまう。果たして戦争の末に彼らがどうなってしまうのか、最後まで興味が尽きない展開だった。
Posted by ブクログ
恐竜と蟻のSF。恐竜好きなので表紙に惹かれた。『三体』は勇気がいるので、その前にこの本が読みたかった。
白亜紀末期、恐竜と蟻が互いに協力し、高度な文明を発達させていたとしたら…。
ティラノサウルスの歯に詰まった肉をたまたま蟻たちが掃除したことからはじまる。
こういうとんでもない発想大好きだー。
竜蟻サミットの様子を想像すると可愛い。
次第に両者に亀裂が生じていく。
読み進めていくうちに、「あれ?これってもしかして⁉」となる。
エピローグも良かった。
これからは蟻を見る目が変わるかも笑
やっぱりSF好きだー。
次は『三体』にもチャレンジしたい!
Audibleにて。
Posted by ブクログ
★3.7
遥か白亜紀に、未来の孤独が滲んでいた。
恐竜とアリによる、文明発展の寓話的パロディ。
未来でも過去でもない、「今」の私たちがどう映るのか。
本書は、発明や哲学を司る”恐竜”と技術と組織を担う”アリ”が、小さな協力を経て巨大な文明共存を描く。そしてやがて「宗教」や「政治的・資源的対立」に突入し、文明は戦争へと向かっていく。
まさに人類史の縮図とも言える構図で、「蒸気・情報・核」といった技術史にも言及しつつ、最後は核のような大量破壊兵器まで登場する。
終盤は“Dr. Strangelove”を思わせる冷戦風の仕掛けをユーモアと風刺の色彩で魅せる。
蒸気→情報→核というように、古典的SFの流れは地球の記憶を覗き込んでいるような気になる。
あるいは、この物語が科学の仮面をかぶりながら、我々人類を見つめてるのだろうか。
「多極化する文明が、技術共有から対立へと転換する構造」は、人類史の悲劇を再演する。
本書の設定は、まるで星新一のように感じた人も多いのではないか。
劉慈欣は鋭く、そしてちょっと意地悪に描いてみせる。
けれどその先にあるのは、決してオチや皮肉ではない。
科学とロマンが溶け合いながら、
人間のちっぽけさと、いとおしさが、ただそこに積もっていた。
協力と破壊の両義性や、文明の脆弱さと愚行。
何万年という時間をひとまたぎにして、
ようやくたどり着くのは「今」だ。
私たちは何を選び、何を残していくのか。
その問いが、恐竜の足跡のように、読後にぽつんと残る。
そして歴史は繰り返すーー。
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