白亜紀往事

白亜紀往事

小説・文芸
2,090円 (税込)

10pt

恐竜と蟻が、現代人類社会と変わらぬ高度な文明を築き、地球を支配していたもう一つの白亜紀。恐竜は柔軟な思考力、蟻は精確な技術力で補完し合い共存していた。だが、二つの文明は深刻な対立に陥り……。種の存亡をかけた戦いを描く、劉慈欣入門に最適な中篇

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白亜紀往事 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    何と言っても着想が良い。白亜紀にでっかい恐竜とちっちゃい蟻それぞれに知性があって共生関係を築いていたら。それだけで様々な想像が膨らむ。共生関係なのでお互いに利がないといけない。恐竜と蟻、それぞれ何が欠けていて、補う為に何を与え合うのか。こんなことは考えたこともないだけにワクワクする。まさか蟻が恐竜の医者になるなんて思いもしない。しかも体内に侵入しちゃうのだからぞっとしてしまう。恐竜は恐竜で文明発達の末にボタンひとつがモニターサイズのキーボードを叩くようになり、一戸建てサイズの車を乗り回すようになるのだから愉快だ。傍から見ているとかけがえのないはずの竜蟻同盟なのに、戦争になってしまうのはどう考えても悲しい。だけどその戦争の様子もそれぞれの戦い方がよく考えられていて感心してしまう。果たして戦争の末に彼らがどうなってしまうのか、最後まで興味が尽きない展開だった。

    0
    2026年04月03日

    Posted by ブクログ

    短編集「老神介護」に収録されている同名短編の長編バージョン
    短編で読んだ時も面白かったけど、こちらも面白い
    こちらを読んでから短編の方を読み返したら、よくもまあ面白さはしっかり残しつつこれだけばっさり切詰めたなと感心してしまった

    (図)

    0
    2026年03月29日

    Posted by ブクログ

    結局劉先生最強なんだよな〜〜!!

    白亜紀に、
    アリと恐竜が高い共生関係から進化していくお話。
    ありそうでなさそうな、
    ワクワクする未来がそこに描かれている。

    第三者的に見ると、アリも恐竜も滑稽な部分があるが、
    ふとわれに還ると「人類」も滑稽ではないのか。

    そんな風に思考をめぐらさせてくれるのも
    劉先生の素敵な作品ならではだ。

    ワクワクしっぱなしで最後まで読んでしまった。
    ありがとうございました!

    0
    2025年06月02日

    Posted by ブクログ

    恐竜と蟻のSF。恐竜好きなので表紙に惹かれた。『三体』は勇気がいるので、その前にこの本が読みたかった。

    白亜紀末期、恐竜と蟻が互いに協力し、高度な文明を発達させていたとしたら…。
    ティラノサウルスの歯に詰まった肉をたまたま蟻たちが掃除したことからはじまる。

    こういうとんでもない発想大好きだー。
    竜蟻サミットの様子を想像すると可愛い。

    次第に両者に亀裂が生じていく。
    読み進めていくうちに、「あれ?これってもしかして⁉」となる。

    エピローグも良かった。
    これからは蟻を見る目が変わるかも笑
    やっぱりSF好きだー。
    次は『三体』にもチャレンジしたい!
    Audibleにて。

    0
    2024年05月03日

    Posted by ブクログ

    最高に面白かった!読んでいる最中も続きが気になり一気に読んでしまったが、読み終わった後にもしみじみと面白い本を読んだなと余韻に浸ることができる。大森さんもあとがきに書かれている通り、今の時代と重なるところも多く、物語として面白いが恐ろしくもある。劉慈欣ファンの人なら間違いなく、絶対に楽しめる作品。

    0
    2023年12月28日

    Posted by ブクログ

    劉慈欣先生の最新邦訳。
    『三体』シリーズや『超新星紀元』のような厚みはなく(いい意味で!)、スラスラと読める。ただ、ストーリーや筆致に劉慈欣先生の良さを感じられて楽しい読書体験だった。
    エピローグが好き!

    0
    2023年12月05日

    Posted by ブクログ

    かつて白亜紀に恐竜と蟻は共存し、文明を築き地球を支配していた。
    しかし互いに力を持つにつれ、その関係性は徐々に変化していき、いつしか地球規模の危機へと発展していく。

    面白い。ifの世界線としてめちゃくちゃ面白かった。
    しかしどうして力を持つものは愚かになるのか。

    0
    2026年07月19日

    Posted by ブクログ

    発想が天才的で、設定の細かさと本当っぽさが他に類を見ない。相変わらずこの作者はすごい。三体の前の作品のようだが、後の作品に通じるところがあっていろいろ読んでいる自分には心地よい。コミカルな表現もあり、現代を風刺するテーマもあり、とても面白い。

    0
    2026年06月19日

    Posted by ブクログ

    アリの集団知性と恐竜の圧倒的な個体能力。本来交わるはずのない二つの種が、互いの長所を補い合い、短所をカバーしながら「文明」を築き上げていくプロセスが、あまりにも緻密で説得力に満ちていました。
    それぞれの生物学的特徴が、単なる設定に留まらず、物語を複雑化させ、やがて壮大な歴史のうねりへと昇華していく筆致は圧巻です。自然界の理(ことわり)とSF的な想像力が最高の形で融合した、まさに「素晴らしい」の一言に尽きる読書体験でした。

    0
    2025年12月09日

    Posted by ブクログ

    ★3.7
    遥か白亜紀に、未来の孤独が滲んでいた。
    恐竜とアリによる、文明発展の寓話的パロディ。
    未来でも過去でもない、「今」の私たちがどう映るのか。


    本書は、発明や哲学を司る”恐竜”と技術と組織を担う”アリ”が、小さな協力を経て巨大な文明共存を描く。そしてやがて「宗教」や「政治的・資源的対立」に突入し、文明は戦争へと向かっていく。

    まさに人類史の縮図とも言える構図で、「蒸気・情報・核」といった技術史にも言及しつつ、最後は核のような大量破壊兵器まで登場する。
    終盤は“Dr. Strangelove”を思わせる冷戦風の仕掛けをユーモアと風刺の色彩で魅せる。

    蒸気→情報→核というように、古典的SFの流れは地球の記憶を覗き込んでいるような気になる。
    あるいは、この物語が科学の仮面をかぶりながら、我々人類を見つめてるのだろうか。
    「多極化する文明が、技術共有から対立へと転換する構造」は、人類史の悲劇を再演する。

    本書の設定は、まるで星新一のように感じた人も多いのではないか。
    劉慈欣は鋭く、そしてちょっと意地悪に描いてみせる。
    けれどその先にあるのは、決してオチや皮肉ではない。

    科学とロマンが溶け合いながら、
    人間のちっぽけさと、いとおしさが、ただそこに積もっていた。

    協力と破壊の両義性や、文明の脆弱さと愚行。
    何万年という時間をひとまたぎにして、
    ようやくたどり着くのは「今」だ。
    私たちは何を選び、何を残していくのか。
    その問いが、恐竜の足跡のように、読後にぽつんと残る。
    そして歴史は繰り返すーー。

    0
    2025年06月10日

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