純粋で力強い復讐劇! 妻子の命を奪われた大学教授が古書店を開いて殺人鬼を待つ… #記憶書店
■あらすじ
大学教授でありテレビのコメンテーターとしても活躍中の主人公は、かつて殺人鬼に妻と子の命を奪われていた。その事件で犯人は、主人公と格闘した結果、貴重な古書を残して逃走することになったのだ。
犯人を
...続きを読むおびき寄せるために大学教授を引退して古書店を開くことに。古書店にはいかがわしい客たちが訪問してきて…
■きっと読みたくなるレビュー
復讐劇であり対決もの、プロットしては比較的シンプルで優しい文章、読みやすいですね。そして背景やら小道具は現代風なものが使われているにもかかわらず、古書や古文書というアイテム登場して前時代的な雰囲気も漂います。なかなか良いバランスではないでしょうか。
なにより古書店を開いて敵をおびき寄せるという設定が興味深い。舞台はビブリア古書堂なんだけど、語られる話は報復や殺戮という全く違う内容でイイ! 相反する世界観にどっぷりと浸ることができました。
また登場人物たちも、やたら際立っていてシンプル。特に殺人鬼(ハンター)が分かりやすくエグくキモい、そして主人公の復讐心も同じくらい鬼気迫っているの。他のキャラもどこかで聞いたような犯罪者をイメージできちゃうし、なんか怖いんですけど…
できれば一般人目線として、心のよりどころになるような癒しキャラがいると、さらによかったかなと思いました。
そしてどの国も文学や歴史があり、そして哀しい事件もある。海外の本を読んでいると、学ぶことが多いですね。
■ぜっさん推しポイント
潔い。本作の一番推せるところは、潔さ。
復讐劇というのは後悔の念や無情さを表現する作品も多いのですが、本作は純粋に敵を殺るだけのお話。下手な教訓や道徳心を入れないところが素晴らしいですね。特に終盤は圧巻でしたね、鬼気迫る復讐を見させていただきました。