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「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」
わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から、寓話的なもの、詩やエッセイに近いもの、日記風の断章、さらに私小説、旅行記にいたるまで、多彩で驚きに満ちた〈異形の物語〉を収めた傑作短編集。カウボーイとの結婚を夢みている自分を妄想する「大学教師」、自分の料理を気に入らない夫の好みを記憶を辿りながら細かく分析していく「肉と夫」、思考する〈私〉の意識とメモをとる〈私〉の行為を、まったく主語のない無機質な文体で描く「フーコーとエンピツ」他、全51編を収録。「アメリカ小説界の静かな巨人」デイヴィスの、目眩を引き起こすような思考の迷路や言葉のリズム、また独特のひねくれたユーモアは、一度知ったらクセになる。
Posted by ブクログ 2024年02月13日
狐に摘まれたようなとはこの読後感にピッタリの感想だろう。物語があるわけではないが、作品ごとに読者である私が受け取り紡ぐ、あるいは想起される出来事が不思議と湧き起こる。ここまで読者に意図的に委ねられている小説は初めて出会ったと思う。
特に今の自分に印象深いのは、「肉と夫」の夫への諦観と突き放し、「私...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年12月14日
普段、心の奥底に潜んでいる悲しい事忘れてしまったはずの傷ついた出来事いつもはりついているような不安。大人になったら自信を持って生きていけると思ったのに、何処かに子供の頃と変わらない臆病な柔らかい部分をひらりと描いてくれた。その高い知性と明晰な言葉でひらりとすくいあげてくれた。大切な作家、大切な一冊に...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月10日
リズム、ユーモア、奇妙な感触、イタチゴッコの様な可笑しな文章…。
ほぉと唸ってクスッと笑って、時折フワリと感覚に訴えかけてくる、
そんな著書にすっかりヤラレてしまいました。
『私が興味をもつのは、つねに出来事よりも、
その裏で人間が何を考え、どう意識が動くか、そのプロセスなのです。
出来事は、それ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年06月21日
ほんの数行、数ページの短編や旅行記のようなものが51編詰まった本。
リズムがすごく心地よい。アフォリズムも好み。
小説は、伝わるならばなるべく短いほうが良いと思っているので、すごく気持ちよく読めた。
ポールオースターと過ごした日々についての短編も入ってます。
ポールオースターも同じエピソードを...続きを読む
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