新潮社作品一覧

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  • 孤独の意味も、女であることの味わいも(新潮文庫)
    3.3
    人に絶望しても、性暴力に遭っても。愛する子を喪って、すべての「いま」に正解がないように思えても。人生には必ず意味がある。救えない人間などどこにもいないのだから――。母親の後ろに隠れていた少女が、異性の欲望に晒されて呆然とした青春時代を経て、自由を渇望し、自らの言葉だけで生きるに至るまで。気鋭の国際政治学者が、端正な文章で紡ぐようにして綴った等身大のメモワール。(解説・茂木健一郎)
  • 一勝九敗(新潮文庫)
    4.1
    豪胆な父とは対照的に内気な息子・柳井正は、大学卒業後、家業の紳士服店を継いだ。やがて店をカジュアルウエアのトップ企業「ユニクロ」へと急成長させるまでには、数々の失敗の歴史があった。株式上場、急成長、業績低迷の実態に率直に触れつつ、高品質の衣料を低価格で売る秘訣、広告代理店任せにしない宣伝戦略、透明性の高い人事など、独自の経営哲学を惜しみなく公開する。
  • 中原中也詩集(新潮文庫)
    4.2
    愛する者よ、無垢なる日々よ――。生と死のあわいを漂いながら、失われて二度とかえらぬものへの、あふれる惜別の想いを、ノスタルジックにうたい続けた、夭折の天才詩人、中也。哀切で甘美なことばが、胸をうつ調べとなって響きあい、はかない余韻が心に沁みる2冊の詩集『山羊の歌』『在りし日の歌』に、詩集として編まれなかった作品も併せた140篇の詩篇を収録。(解説・吉田凞生)
  • かたみ歌(新潮文庫)
    3.9
    不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男。その正体とは……「紫陽花のころ」。古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した“かたみ”の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。7つの奇蹟を描いた連作短編集。(解説・諸田玲子)
  • 闇の奥(新潮文庫)
    3.4
    19世紀末。アフリカ大陸の中央部に派遣された船乗りマーロウは、奥地出張所にいるという象牙貿易で業績を上げた社員、クルツの噂を聞く。鬱蒼たる大密林を横目に河を遡航するマーロウの蒸気船は、原住民の襲撃に見舞われながらも最奥に辿り着く。そこで目にしたクルツの信じがたい姿とは――。著者の実体験をもとにし、大自然の魔性と植民地主義の闇を凝視した、世界文学史に異彩を放つ傑作。
  • 道行きや(新潮文庫)
    -
    カリフォルニアで夫を看取り、二十数年ぶりに日本へ愛犬と帰国。“老婆の浦島”は、週の四日は熊本で犬と河原を歩き、植物を愛でる。残りは早稲田大学で、魚類の卵のように大勢の若者と対話する。移動の日々で財布を忘れ、メガネをなくし、鍵をなくし、犬もなくしかけた……思えば家族を、あらゆるものを失って、ここに辿り着いたのだった。過ぎ去りし日を噛みしめ、果てなき漂泊人生を綴る。(解説・ブレイディみかこ)
  • アガワ家の危ない食卓(新潮文庫)
    3.6
    亡き父、弘之の口癖は「一回たりとも不味いものは食いたくない」であった。朝食をとりながら夕食のメニューを訊ねて周囲をゲンナリさせ、気にくわない食事に出くわせば「一回損した!」と本気で憤怒する。そんなワガママで怒りん坊の父に振り回されても母は家族のために台所に立ち続け、娘サワコは冷蔵庫から干からびた食材を発掘しては、危ない料理をせっせと作る。爆笑必至の食エッセイ。
  • 成功は一日で捨て去れ(新潮文庫)
    3.6
    「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」新たな信念のもと、フリース、スキニージーンズ、ヒートテック、ブラトップなど数々のヒット商品を生み出し、グローバルな挑戦を続けるユニクロ。しかしその背後には大企業病の阻止、後継者の育成、海外展開、社内構造改革等への弛まぬ努力の連続があった。世界一を目指す組織はいかにして作られたのか――経営トップが明かす変革の記録。
  • ポロック生命体(新潮文庫)
    4.4
    画家の作品をそっくり再現するAIが現れた。科学倫理の研究者である水戸絵里は「盗作」ではないかと開発者に迫るが、晩年の画家の作品はAIが描いたものだったという衝撃の事実が明かされる――。再現なく創造し続けるAIこそ真の芸術家であり、無為な日々を過ごすことを選ぶ人間の方こそロボット的ではないか……。絵画や小説、将棋を通じて知性と生命の本質を問い、近未来を幻視する短編集。(解説・ドミニク・チェン)
  • 丘の家のジェーン(新潮文庫)
    4.3
    うららか街の古い大邸宅で、12歳のジェーンは重苦しい生活を送っていた。彼女には父がなかった。頑なな祖母と美しい母は、なぜかそのことに触れたがらない。しかし突然、父からの手紙が届いた。プリンス・エドワード島で一緒に夏を過そうという。こわごわ出かけた彼女は、美しい自然と素朴な人情、そして何より父の深い愛情に包まれ、丘の上の小さな家で目ざましく成長してゆく。
  • 六畳間ミステリーアパート(新潮文庫nex)
    3.3
    家賃わずか一万二千円の格安アパート、ことだま荘。ここに暮らして奇妙な管理人が提示する謎をとけば、どんな悩みも解決するという――。家族をめぐる問題を抱えてやってきた田中は、ネットで炎上した歌姫、幽霊と同居する男、元・詐欺師の夫婦など、曲者ばかりの住人たちと交流しながら謎の答えを探し、自らに向き合っていく。少し不思議でハートウォーミングな新感覚ミステリー。
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)
    4.1
    この冷たい世界で、ぼくたちだけはおたがいをほめあって生きよう。30歳・大手ネット通販の巨大倉庫で働く堅志と28歳・スーパーのパート勤務の日菜子はそう約束している。合わせて年収300万円台の暮らしは、つましくも幸せだった。だがある日、堅志に正社員登用の話が舞い込む。喜ぶ二人だったが、本社研修の担当は堅志のかつての恋人・佳央梨で……。恋愛小説の名手が描く現代の切実な恋の行方。(解説・吉田大助)
  • 銀花の蔵(新潮文庫)
    4.1
    私は、この醤油蔵の当主になる! 大阪万博前夜。父の実家である奈良の由緒ある醤油蔵で暮らすことになった少女、銀花。蔵を切り盛りする祖母の多鶴子ら一家に馴染もうとするが、母の盗癖、祖母と父の不仲、自らの出生に関する真実に悩む。やがて成長し蔵を継ぐため奮闘する銀花は、一族の秘められた過去を知ることに――。家業に身を捧げ、新たな家族を築く女性の半生を力強く描く長編小説。(解説・大矢博子)
  • 自転しながら公転する(新潮文庫)
    4.5
    1巻1,045円 (税込)
    母の看病のため実家に戻ってきた32歳の都(みやこ)。アウトレットモールのアパレルで契約社員として働きながら、寿司職人の貫一と付き合いはじめるが、彼との結婚は見えない。職場は頼りない店長、上司のセクハラと問題だらけ。母の具合は一進一退。正社員になるべき? 運命の人は他にいる? ぐるぐると思い悩む都がたどりついた答えは――。揺れる心を優しく包み、あたたかな共感で満たす傑作長編。(解説・藤田香織)
  • こんなにバイトして芸人つづけなあかんか
    4.3
    極貧生活を招いた時給90円の深夜バイト、笑いが止まらない超絶ラクな自治体仕事、金髪NGを突破する裏ワザ、二度と経験したくない飛び降りの後始末、宅配ピザチェーンをかけもちしたばかりにミスを連発した話など。これまで一度も売れなかった芸人が、やむにやまれず生業としてきた数多のアルバイト遍歴を綴るエッセイ集。
  • 武士とは何か(新潮選書)
    3.5
    平安後期から戦国時代にかけて、政治・社会の中心にいた中世武士。日常的に戦闘や殺生を繰り返していた彼らのメンタリティーは、『葉隠』『武士道』で描かれた江戸時代のサラリーマン的な武士のものとはまったく異なっていた。史料に残された名言、暴言、失言を手がかりに、知られざる中世武士の本質を読みとく画期的論考。
  • 山とハワイ 上―登れ!世界最大の山 ハワイ島篇―
    3.8
    1~2巻1,650~1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界最大の山に登り、宇宙に放り出されたような星空を観察。グルメに町歩き、自然も歴史も満喫したハワイ島で、一生忘れたくない景色と人に出会った。「アロハ」と笑顔で挨拶すると、あたたかい気持ちになるのはなぜだろう? いるだけでハッピーになれる、ハワイの魅力が満載! 上下巻、全12章オールカラーのコミックエッセイ。
  • 天路の旅人
    4.5
    第二次大戦末期、敵国の中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した若者・西川一三。敗戦後もラマ僧に扮したまま、幾度も死線をさまよいながらも、未知なる世界への歩みを止められなかった。その果てしない旅と人生を、彼の著作と一年間の徹底的なインタビューをもとに描き出す。著者史上最長にして、新たな「旅文学」の金字塔。
  • 天路の旅人 無料お試し版
    無料あり
    4.0
    「この希有な旅人のことを、どうしても書きたい」 『深夜特急』の沢木耕太郎が激しく共鳴し描く大型ノンフィクションの、序章と第一章を特別に無料公開! 第二次大戦末期、敵国・中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した日本人がいた。敗戦後もラマ僧に扮し、果てしない旅を続けた彼は――。 掲載誌「新潮」8月号は完売したほどに、単行本の発売前から話題沸騰の本作。25年の歳月をかけて結実させた、著者史上最長編にして、「旅」の真髄に迫る傑作ノンフィクションです。

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  • 百(新潮文庫)
    3.8
    「おやじ、死なないでくれ――、と私は念じた。彼のためではなく私のために。父親が死んだら、まちがいの集積であった私の過去がその色で決定してしまうような気がする」百歳を前にして老耄のはじまった元軍人の父親と、無頼の日々を過ごしてきた私との異様な親子関係を描いて、人生の凄味を感じさせる純文学遺作集。川端康成文学賞受賞の名作「百」ほかに三編を収録する。(解説・川村二郎)
  • 異彩を、放て。―「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える―
    4.3
    「普通じゃない」は可能性だ! 「障害」が絵筆となって生み出されるアート作品を世に解き放つ双子の起業家。ジャケット、バッグ、さらには駅や空港のラッピングと、その活動範囲はこれまでの常識を軽く飛び越え広がり続けている。「僕らは未来をつくっているんだ」という彼らの原点、軌跡、そして未来を初めて明かす一冊。
  • 無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―
    4.3
    これを書くことをお別れの挨拶とさせて下さい――。思いがけない大波にさらわれ、夫とふたりだけで無人島に流されてしまったかのように、ある日突然にがんと診断され、コロナ禍の自宅でふたりきりで過ごす闘病生活が始まった。58歳で余命宣告を受け、それでも書くことを手放さなかった作家が、最期まで綴っていた日記。
  • 君といた日の続き
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    コロナ禍のリモートワークを言い訳に自宅に引きこもるばかりのある日、僕はずぶ濡れの女の子を拾った。1980年代からタイムスリップしてきたらしい彼女は、僕の大切な人の命を奪った連続少女誘拐事件に関係しているのか……。その時の僕は、全ての過去の意味を知るよしもなかった。その答えは、今の僕が持っていたんだ。
  • その対応では会社が傾く―プロが教える危機管理教室―(新潮新書)
    -
    情報流出、クレーム、身内の犯罪、デマ――。いざ危機に直面して、取るべき対応をネット検索するのは大間違い。株価や評判が吹き飛んだ失敗事例ばかりだからだ。必要なのは、危機管理の「四つのステップ」と素早い決定だとコンサルタントは語る。「楽観役、悲観役を置いて未来予測」「相手の怒りを吸い取る話術」「社員同士の不倫を見抜くには」「怪文書を読むポイント」――ゼミ形式で学ぶ、組織ディフェンスの〝強化書〟。
  • 山奥ビジネス―一流の田舎を創造する―(新潮新書)
    4.0
    人口減? 地方消滅? 悲観する必要はない。日本には「山奥」という豊かなフロンティアがある。「なにもない田舎」も、地域資源を再発見し、角度を変えて眺めれば、宝の山に変わるのだ。ハイバリュー・ローインパクト(高付加価値で環境負荷が低い)なビジネスを山奥で営む事例や、明快なコンセプトで若い世代やユニークな事業を呼び込んでいる自治体事例を紹介し、「一流の田舎」を創るストラテジーを提示する。
  • バカと無知―人間、この不都合な生きもの―(新潮新書)
    3.8
    正義のウラに潜む快感、善意の名を借りた他人へのマウンティング、差別、偏見、記憶……人間というのは、ものすごくやっかいな存在だが、希望がないわけではない。一人でも多くの人が「人間の本性=バカと無知の壁」に気づき、自らの言動に多少の注意を払うようになれば、もう少し生きやすい世の中になるのではないだろうか。科学的知見から、「きれいごと社会」の残酷すぎる真実を解き明かす最新作。
  • ドーパミン中毒(新潮新書)
    4.1
    人は「推し」に夢中になると昼夜を忘れ、やがて「沼」にハマってしまう。その鍵を握るのが「脳内快楽物質」ドーパミンだ。恋愛、セックス、買物、ゲーム、SNS、酒、ギャンブル、薬物……快楽をビジネスにする「ドーパミン経済」の渦中で、現代人が陥る依存の対象は数限りなくある。スタンフォード大学医学部教授で、かつて自身も依存症を経験した第一人者が教える脱出法と、心豊かに生きるための防衛術。
  • 編めば編むほどわたしはわたしになっていった
    4.5
    「書く」ことは「編む」ことと似ている――。学校になじめなかった自分と父との関係、おもしろいことが大好きだった母、人生の道標となった叔父のこと、アルバイト先で出会った夫との恋。傷つきながらも一歩ずつ進み、ニットデザイナーとなった著者。その半生を追ううちに、読者それぞれの「あの頃」が蘇る極上のエッセイ集。
  • あこがれ
    3.5
    1巻1,650円 (税込)
    ――そうか、もう、あっちにいるのか。この飛行機は、棲み馴れたあの世から、これから生きていくこの世に着いたということか――。飛行機であの世へ到着したという設定の「星座のひとつ」。ハアちゃんと呼ばれた子どもの頃にまだ見ぬ町や人に憧れた記憶を描いた表題作など17篇。99歳で大往生した著者の最後の小説集。
  • しろがねの葉
    4.2
    1巻1,870円 (税込)
    戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!
  • 夏日狂想
    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    女は、男たちのように芸術に関わってはいけないのだろうか、芸術を生み出すこともできないのだろうか? 大正から戦後の昭和にかけて、詩人、作家、評論家……さまざまな文学者たちとの激しい恋の果てに、互いに傷つけ合いつつも礼子がついに掴んだものは――。時代に抗いながら創造する女を描き出した新たな代表作の誕生!
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)
    4.1
    差別の激しい土地に生まれ、同性愛者として長じ、「八歳で作家になった」と豪語したという天才はデビュー前から天才だった。ニューヨーク公共図書館が秘蔵する貴重な未刊行作品を厳選した14篇。ホームレス、老女、淋しい子どもなど、社会の外縁にいる者に共感し、仄暗い祝祭へと昇華させるさまは、作家自身の波乱の生涯を予感させる。明晰な声によって物語を彫琢する手腕の原点を堪能できる選集。(解説・村上春樹)
  • この素晴らしき世界(新潮文庫)
    4.1
    ど天然な西川きよし師匠、嫉妬が原動力の山里亮太、客にマジギレするメッセンジャー黒田、スケールのでかいバカ・ピース綾部、還暦のバイト芸人リットン調査団、常にふざけてる女・ガンバレルーヤよしこ……。吉本歴30年超えの「日本一心のない司会者」が、底知れぬ芸人愛と悪い笑顔で、吉本芸人の奇行蛮行をいじり倒す! 【キングコング西野の東野幸治論、平成ノブシコブシ徳井の解説収録】
  • それでも俺は、妻としたい(新潮文庫)
    2.9
    1巻693円 (税込)
    同棲から始まった結婚。あの頃はチカと毎晩抱き合っていた――。40歳を迎えたのにいまだに売れない脚本家の俺。家事や息子の保育園への送り迎えをこなしているのに、働きに出ている妻にゴミ扱いされ、セックスは「ヤダ」の一言で拒否される始末。だが俺はチカの巨乳に触れたいのだ。いじましい欲望。ちっぽけなプライド。そして、愛。男と女を笑いの渦に叩き込んだ傑作夫婦小説(ほぼ実録)。(解説・北上次郎)
  • 女副署長(新潮文庫)
    3.5
    1~3巻693~737円 (税込)
    地域課警部補の死体が、警察署の敷地内で発見された。胸にはナイフが突き立ち、激しい雨に打たれていた。直後に封鎖された署内に動揺が走る。犯人は庁舎内に隠れているのか。まさか本官なのか。副署長の田添杏美は、所轄署の名誉をかけて犯人を挙げると決意するが……。留置場の異様な出来事、剛腕刑事課長との厳しい対立、解けない謎。元女性白バイ隊員の著者が女性警視の捜査魂を描く傑作。(解説・吉野仁)
  • RE:BEL ROBOTICA 0―レベルロボチカ 0―(新潮文庫nex)
    -
    2050年、東京――現実(リアル)と仮想(バーチャル)が融合した超越現実(MR)社会。人々は脳内のMR感覚神経(チップ)によって、かつてなく便利で快適な生活を享受していた。原因不明のMRバグを抱えた高校生・タイキを除いて――。はじまりは“空飛ぶ幽霊”の噂だった。MRアバターの連続投身自殺……犯人を追うタイキは、屋上でひとりの“少女”と運命的に出会う。バグ少年とAI少女が、心の闇と対峙する近未来青春小説!
  • 名残の花(新潮文庫)
    4.0
    ご一新から五年。花見客で賑わう上野の山に、かつて南町奉行を務め、「妖怪」と庶民から嫌われた鳥居耀蔵の姿があった。失脚し、二十三年の幽閉の末に耀蔵が目にしたのは変わり果てた江戸の姿。明治を、「東京」を恨み、孤独の裡に置き去られていた男の人生は、金春座の若役者・滝井豊太郎と出会ったことで動き始める。時代の流れに翻弄されながらも懸命に生きる人々を描く感涙の時代小説。(解説・末國善巳)
  • ビタミンBOOKS―さみしさに効く読書案内―(新潮文庫)
    3.7
    さみしい時こそ、本を読もう――。文庫解説の名手が紹介する本の楽しみ方とは。活躍中の作家たちの傑作を読むと、同じ時代に生きていることが嬉しくなる。渾身のノンフィクションは、現実に向き合う力をくれる。太宰や三島など文豪の名作も、きっと身近に感じられる。励まし、教え、時に人生の指針も与えてくれる本に出会うための一冊。『読むよむ書く 迷い多き君のためのブックガイド』改題。
  • 商う狼―江戸商人 杉本茂十郎―(新潮文庫)
    3.5
    江戸の金の流れを握る。それはお上を動かす力になる――。甲斐の農家から出て江戸で名を挙げた茂十郎は、永代橋の崩落事故で妻子を失ってしまう。だが悲嘆を糧に、茂十郎は立ち上がる。大胆不敵な資金集め、流通の構造改革、旧弊の刷新。すべては江戸の繁栄のために――。既存の枠を超えた発想と、強引なまでの辣腕で「狼」と畏怖され、歴史の闇に消えた謎の経済人を描く。新田次郎賞受賞。(解説・本郷和人)
  • 迷宮の月(新潮文庫)
    4.4
    白村江の戦いで日本と唐の国交が断絶してから約四十年。時の権力者である藤原不比等は遣唐使船の復活を決断し、かつて長安で留学僧として学んだ粟田真人に執節使の任を命じる。真人に託された密命ともいうべき特別な任務。それは天皇家の覇権争いと帝の立場に関わるものだった――。失敗すれば命はない。揺るぎない信念と、任務に殉じる強い心で艱難を乗り越える遣唐使の姿を描く歴史巨編。(解説・大矢博子 )
  • 老年の読書(新潮選書)
    3.7
    「死ぬ術は生涯をかけて学び取らねばならないものなのである」(セネカ)、「不知、生れ死ぬる人、何方より来たりて、何方へか去る」(鴨長明)、「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」(井伏鱒二)――ギリシア哲学から現代日本文学まで、内外の名著から、より善く老いるための箴言を厳選して懇切にガイドする。川本三郎氏推薦!
  • 沖縄県知事―その人生と思想―(新潮選書)
    3.5
    「基地か経済か」「政府との対立か協調か」――沖縄は常にこの二分法で語られてきた。しかし歴代の県知事たちは、保守であっても時に首相を鋭く批判し、革新であってもしばしば官邸と協力した。屋良朝苗、西銘順治から翁長雄志、玉城デニーまで8人の肉声から、単純化された保革対立では見えない沖縄問題の深層を読み解く。
  • それでも僕は東大に合格したかった
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    高校1年のあの日、ある教師の一言でずっと落ちこぼれだった僕は途轍もない挑戦を強いられた。「自分を変えたければ、東大を目指してみろ」。結局2浪、3度目の受験を終えた時、その教師がまた想定外のことを言い出して……。偏差値35のド底辺から合格発表を迎えるまで、『東大読書』シリーズで知られる著者の原点の物語。
  • あなたの小説にはたくらみがない―超実践的創作講座―(新潮新書)
    3.3
    小説の新人賞には「傾向と対策」が通用しない――評価の物差しは、時代とともに常に変化し続けているからだ。では、入賞する作品としない作品の違いはどこにあるのか。古今東西の様々な名作から、作家たちの「たくらみ」を暴き、執筆の基礎からテクニックまで徹底解説。編集者として数多くの著名作家を担当する傍ら、五つの新人賞を立ち上げた著者だからこそ語れる、小説家には書けない小説の書き方!
  • 芸能界誕生(新潮新書)
    4.0
    「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか――。占領期のジャズブームに熱狂して音楽を始めた若者たちは、伝説のステージ「日劇ウエスタン・カーニバル」へ。成功と挫折を経て、彼らは裏方に転身、それぞれがプロダクションを立ち上げ、芸能界を新しく作り変える。その歴史は、戦後日本の〝青春〟そのものだった。スター誕生の物語、テレビ局やレコード会社との攻防戦など、壮絶な舞台裏を明かすノンフィクション。
  • ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ(新潮新書)
    4.1
    精神科医の六麦克彦は、医局から派遣された要鹿乃原少年院に勤務して5年になる。彼がそこで目にしたのは、少年院に堕ちてきた加害者ながら、あらゆる意味で恵まれず、本来ならば保護されてしかるべき「被害者」と言わざるを得ない少年たちの姿だった――。累計100万部を超えたベストセラー新書の世界を著者自ら小説化、物語でしか伝えられない不都合な真実を描きだす。
  • 名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか? 圧巻の解決編一五〇ページ! 特殊設定、多重解決推理の最前線!
  • ドラゴンズ・タン
    4.4
    1巻2,200円 (税込)
    古の中国で、世界を滅ぼしたいという男の怨念から生まれた「竜舌」。古井戸に宿る奇異な生命体は漢、唐、明……と時代を経ながら歴史のはざまで姿を現しては暗躍し、人知れず不気味な存在へと変貌して行く。そして、時は満ちた――。愛と「禍」を描く、悠久の刻を越えたネオロマンスにして、因果の巡るホラーサスペンス!
  • ベンチャーキャピタル全史 無料お試し版
    無料あり
    4.0
    アメリカでGAFAが次々と花開いたのは偶然ではない。その背景にはスタートアップにリスクマネーを供給してきた連綿たる「意志」があった。19世紀の捕鯨船から連続起業家たるエジソン、そしてジョブズやベゾスまで、ビジネスの革新者たちを国家規模でインキュベートしてきた歴史を紐解く、スタートアップ元年に読むべき決定的現代経済史。話題書の第1章を読むことができる無料試し読み版。

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  • 婚約のあとで(新潮文庫)
    3.6
    晴れて婚約したのに結婚をためらい始めた波。秘密の恋に大胆に身を任せてゆく碧。男性との関係を仕事のステップアップにつなげる真理。三世代同居家族の中の専業主婦、優美。障害があるゆえに自立を求めて結婚に踏み切れない宙……。姉妹、友人、仕事仲間としてリンクする七人。恋愛、結婚、仕事、家庭をめぐって揺れる彼女たちの、それぞれの心情と選択をリアルに描き出した連作集。(解説・瀧井朝世)
  • ベンチャーキャピタル全史
    3.5
    アメリカでGAFAが次々と花開いたのは偶然ではない。その背景にはスタートアップにリスクマネーを供給してきた連綿たる「意志」があった。19世紀の捕鯨船から連続起業家たるエジソン、そしてジョブズやベゾスまで、ビジネスの革新者たちを国家規模で涵養してきた歴史を紐解く、スタートアップ元年に読むべき決定的現代経済史。
  • 江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち―(新潮選書)
    3.6
    1巻1,210円 (税込)
    鎖国下の江戸時代、日本独自の数学文化が華ひらく。なぜ男たちは和算に人生を賭けたのか。いかにして世界に先駆ける研究成果を生み出したのか。吉田光由、渋川春海、関孝和、建部賢弘、有馬頼ゆき、会田安明、山口和、小野友五郎……個性豊かな8人の天才たちの生涯から、江戸流イノベーションの謎に迫る歴史ノンフィクション。
  • ループ・オブ・ザ・コード
    3.9
    1巻2,090円 (税込)
    疫病禍を経験した未来。WEO(世界生存機関)に所属する「私」は、かつて〈抹消〉を経験した国家〈イグノラビムス〉での現地調査を命じられる。謎の病とテロ事件に突如襲われた彼の国に隠された、衝撃の真相とは、一体。20代俊英、大飛躍のデビュー2作目は、生命倫理の根幹と善悪の境界を問う、近未来諜報小説の新たな地平。
  • デッドライン(新潮文庫)
    3.8
    2001年の春、僕は大学院に進んだ。専門はフランス現代思想。友人の映画制作を手伝い、親友と深夜にドライブし、行きずりの相手とセックスをする日々を送りながら、修士論文の執筆が始まる。テーマはドゥルーズ――世界は差異からできていると唱えた哲学者だ。だが、途中までしか書けないまま修論の締め切り(デッドライン)が迫ってきて……。気鋭の哲学者が描く青春小説。芥川賞候補、野間文芸新人賞受賞作。(解説・町屋良平)
  • かけらのかたち(新潮文庫)
    4.7
    1巻605円 (税込)
    年上の夫の友人を自宅へ招いた日、マドンナ気取りの女・優子が現れた。我が物顔で台所を使い、男たちに甘え、その上夫の前妻の話をし始めて……(「マドンナとガガ」)。女4人でランチ会。同じ大学だった優子の噂や、家庭の経済力、子供自慢と、持てる“球”をラリーする(「アドバンテージ フォー」)。人と比べて嫉妬に悶え、見失う自分の幸せの形。SNSに書けない本音を暴く、痛快な連作短編集。(解説・深爪)
  • 未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫)
    4.1
    哲学、デザイン、アート、情報学と、自由に越境してきた気鋭の研究者が、娘の出産に立ち会った。そのとき自分の死が「予祝」された気がした。この感覚は一体何なのか。その瞬間、豊かな思索が広がっていく。わたしたちは生まれ落ちたあと、世界とどのように関係をむすぶのだろう――。東京発、フランスを経由してモンゴルへ、人工知能から糠床まで。未知なる土地を旅するように思考した軌跡。
  • ぼくの死体をよろしくたのむ(新潮文庫)
    3.9
    うしろ姿が美しい男に恋をし、銀色のダンベルをもらう。掌大の小さな人を救うため、銀座で猫と死闘。きれいな魂の匂いをかぎ、夜には天罰を科す儀式に勤しむ。精神年齢の外見で暮らし、一晩中ワルツを踊っては、味の安定しないお茶を飲む。きっちり半分まで食べ進めて交換する駅弁、日曜日のお昼のそうめん。恋でも恋じゃなくても、大切な誰かを思う熱情がそっと心に染み渡る、18編の物語。※本書の解説は紙の本にのみ収録されています。電子書籍版には収録がございませんのでご注意ください。
  • ぼけますから、よろしくお願いします。(新潮文庫)
    4.8
    「今年はぼけますから、よろしくお願いします」広島県呉市。87歳の正月、母は娘に突然宣言した。その言葉通り徐々に変わっていく母。「私はばかになったんじゃわ」と繰り返し「迷惑になるけん、もう死にたい」と喚く母を「誰でも年とりゃあ、おかしゅうなるわいのう」と励まし支えたのは96歳の父だった――。老老介護の現実と互いを思いやる家族の愛情、深く優しい夫婦の絆を綴る感動の記録。
  • どうぞ愛をお叫びください(新潮文庫nex)
    4.0
    ユーチューバーやろうぜ! 幼馴染の織田にそう誘われた高校一年生の松尾。バスケ部の坂上と、一年先輩で軽音部のイケメン、夏目も仲間に加えてゲーム実況動画を配信することになった。再生数が伸びず試行錯誤をつづける四人だったが、ある動画がバズったことをきっかけに一躍大人気に。だが有名実況者としての様々な試練が彼らの友情にヒビを入れる!? 今を切り取る最旬青春小説。
  • 九龍城の殺人(新潮文庫nex)
    3.6
    死んだ母のルーツ香港に、私は向かった。裏社会の長である祖母に遺骨を渡すために――。同世代の二人の香港女子に出会い、徐々に知らされる光と闇。暗黒市場に欲望が渦巻き、女だけが入れる城が謎を孕む。富と貧困を支配する九龍城の奥で、異様な連続殺人の幕が開く……。残された麻雀牌、切り取られた指。謎の血手形が意味するものとは。忌まわしき真相とは。本格ミステリーの傑作。
  • 覇王の譜(新潮文庫)
    4.5
    「お前は一流にはなれんよ」。七年間、C級2組から這い上がれない直江大に剛力英明王座はそう言い放つ。旧友との目も眩むような格差。だが、天才少年との邂逅、“孤剣”の異名を持つ師の特訓が、燻っていた直江を覚醒させる。彼の進む道の先には運命の対局が待ち受けていた。元奨励会会員、将棋を深く知る著者が青年棋士の成長と個性あふれる棋士群像を描く。魂震わす将棋エンターテインメント。(解説・西上心太)
  • 写字室の旅/闇の中の男(新潮文庫)
    4.3
    奇妙な老人が奇妙な部屋にいる。彼は何者なのか、何をしているのか――。オースター作品に登場した人物が次々と現れる「写字室の旅」。ある男が目を覚ますとそこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ。代わりにアメリカ本土では内戦が起きている。闇の中から現れる物語が伝える真実。年間ベスト・ブックと絶賛された「闇の中の男」。傑作中編二作を合本。ここに新たな物語空間が立ち上がる。
  • スクイズ・プレー(新潮文庫)
    4.0
    私立探偵マックスが受けた依頼は、元大リーガー、チャップマンからのものだった。キャリアの絶頂時に交通事故で片脚を失い、今は議員候補となった彼に脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる……。ポール・オースター幻のデビュー作にして正統派ハードボイルド小説の逸品。
  • 二人のクラウゼヴィッツ(新潮文庫)
    4.3
    ナポレオン戦争も終結し、士官学校校長となったクラウゼヴィッツ。取り組んだのは『戦争論』の執筆だった。宮廷女官長を務めた聡明な妻マリーに、六つの戦場を語っていく――。見えてくる戦争の変貌と軍事の要諦。国民皆兵制か傭兵か、制限戦争か絶対戦争か……。戦争について問い続けた夫と、理解者だった妻。二人で成し遂げた〈名著誕生〉の舞台裏を描く画期的小説。『フラウの戦争論』改題。(解説・佐藤賢一 )
  • 悪党たちの中華帝国(新潮選書)
    4.0
    後周の世宗・明の永楽帝ら、虐殺を重ねた支配者たち。安禄山・馮道ら、権力に執着した裏切者たち。王安石・梁啓超ら、独り善がりな改革者たち。李卓吾・康有為ら、過激な教えを説いた思想家たち。12人の生涯をたどり、彼らが「悪の道」に堕ちた背景を解き明かす。現代中国の悪党も射程に入れた、圧巻の1400年史!
  • 秀吉を討て―薩摩・明・家康の密約―(新潮新書)
    4.0
    大国・明と薩摩、家康が秀吉排除に向けて意を通じていた――。関ヶ原の戦いの後、敗れた西軍の武将には極めて厳しい沙汰が下されたが、島津氏はなぜか所領を安堵され、この異例の優遇は大きな謎とされてきた。だが、最新史料を詳細に分析した結果、朝鮮出兵の最中、島津氏と明が太閤秀吉打倒へ向けて連絡を取り合い、その企てに家康も関与していた可能性が高いことがわかってきた。戦国の興亡史を塗り替える歴史考証。
  • 老後の心配はおやめなさい―親と自分の「生活戦略」―(新潮新書)
    -
    親の介護に必要な額が3000万円!? 準備すべき自分の老後資金は2000万!? わずかな年金だって破綻したらどうする!? 増えない貯金、揉める相続、かさむ医療費……その心配、本当にするべきなのでしょうか。不安になるのは知らないからです。知って備えて安心すれば、豊かな老後が待っています。家計の専門家が基礎の基礎から教える「老後不安のなくし方」。
  • 人間の業(新潮新書)
    3.4
    世の中、「わかっちゃいるけどやめられない」ことは多いらしい。党利党略に走る政治家、大上段に構えるメディア、死刑囚の人権を擁護する人々、マスク依存症、行き過ぎたオンライン化……頭を捻るようなことが、平然とまかり通っている。でも、人は皆、愚かでマヌケで、だからこそ愛らしい生き物なのかもしれない――。自らの「業」も認めるべストセラー作家が、世を騒がせた様々な事件から「人間の業」の深さを看破する。
  • 人生はそれでも続く(新潮新書)
    3.6
    かつて日本中が注目したニュースの「あの人」は、いまどうしているのか。赤ちゃんポストに預けられた男児、本名「王子様」から改名した十八歳、バックドロップをかけた対戦相手の死に直面したプロレスラー、日本人初の宇宙飛行士になれなかった二十六歳、万引きで逮捕された元マラソン女王……。二十二人を長期取材して分かった、意外な真実や感動のドラマとは。大反響の連載をついに新書化。
  • あの子とQ
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    普段は吸血鬼であることを意識せず過ごす高校生・嵐野弓子の前に突然現れたトゲトゲのばけもの。「Q」と名乗るそいつは、弓子が人の血を吸わないか監視しにきたという。でも、考えてみ? 人間社会に溶け込む現代の吸血鬼が、血を吸うなんて絶対ない! だが、思いがけない事件が起こり――。ミラクルな展開が待ち受ける、青春×吸血鬼ストーリー!
  • 裂けた明日
    3.9
    1巻1,980円 (税込)
    定年後の嘱託も辞め、独り暮らしの沖本信也。そこに幼い少女を連れた女性が現れた。テロと銃撃が横行する日本で、信也は二人を守り抜くと決意。役所勤めの経験を生かし、意外なルートで軍事境界線を突破、あらゆる危機を回避していく。だが、なぜそこまで身を懸けるのか? 緊迫の頂点で、秘めた言葉が血と嗚咽とともに迸る!
  • 警官の血(上下)合本版(新潮文庫)
    1.0
    1巻1,650円 (税込)
    昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。 ※当電子版は新潮文庫版『警官の血』上下巻をまとめた合本版です。
  • 100文字レシピ おかわり。(新潮文庫)
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 だれにでも簡単にできて、ヘルシー。そして何といっても美味しい! 三拍子そろった「100文字レシピ」が、パワーアップして帰ってきました。疲れて帰宅した日の夕食、ちょっと小腹がすいた時、また気合を入れたおもてなしにも、大活躍間違いナシのお料理をたっぷり教えちゃいます。和食に洋食、エスニックやデザートまで。超優秀レシピをさあお試しあれ! 『100文字レシピ Returns』改題。(解説・阿川佐和子) ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 100文字レシピ(新潮文庫)
    4.4
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「料理大好き」な人も「作るのは苦手」な人もこれ一冊で大丈夫。簡単料理のこれぞ極意、レシピをたった「100文字」にしちゃいました。しかも和食、イタリアン、エスニック、フレンチ、デザートまで。どれもラクに作れて、とことん美味しい本格派。毎日の料理の強い味方です。主婦はもちろん、一人暮らしの学生、OL、ビジネスマン、単身赴任の男性など、料理初心者には特にお薦めです。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 100文字レシピ ごちそうさま!(新潮文庫)
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 待ってました! 簡単なのに本格派、大人気の「100文字レシピ」が新たに116品のお料理をどーんとご紹介。晩ごはんに、ちょっとしたお酒のおつまみに、おしゃれに決めたいディナーにと、使えるレシピが満載です。もちろん料理がニガテな人にもやさしくコツを伝授します。ハンディな文庫はお買い物のお供にしても便利。手軽なこのレシピで、自分で作るごはんのおいしさ味わってみませんか。(解説・重松清) ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 100文字レシピ プレミアム(新潮文庫)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 今日のごはん、どうしよう? 最近、野菜を食べてないなあ。友人が遊びにくる週末、何を作ろうか……。料理にまつわるそんなお悩みは、この一冊ですべて解決。たった100文字のレシピだから、初心者でもかんたんに作れます。そして何といってもおいしい! 毎日のおかずから、特別な日のおもてなしメニューまで全138品。プレミアムな食卓を演出する魔法のレシピを、どうぞお試しあれ。巻末対談(壇ふみ×川津幸子) ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 秘密の花園(新潮文庫)
    3.5
    私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう? カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは――。記念碑的青春小説。(解説・穂村弘)
  • 桃色トワイライト(新潮文庫)
    4.0
    生まれて初めての合コンで『新選組!』を語る、クリスマスイブに実家でイモの天ぷらを食す、非常にモテる男友だちの失恋話に相槌を打つ――思わず自分でツッコミを入れてしまう微妙さに懊悩しつつ、それでもなぜか追求してしまう残念な感じ。異様にキャラ立ちした家族や友人に囲まれ、若き作家は今日もいろいろ常軌を逸脱中。爆笑と共感がこみ上げる、大人気エッセイシリーズ!(解説・岸本佐知子)
  • 乙女なげやり(新潮文庫)
    3.8
    ひとはいつまで乙女を自称しても許されるものなのか。そんな疑問を胸に抱きつつも、「なげやり」にふさわしいのは、やっぱり乙女。熱愛する漫画の世界に耽溺し、ツボをはずさぬ映画を観ては、気の合う友と妄想世界を語り合う。気の合わない母との確執も弟とのバトルも、日常の愉楽。どんな悩みも爽快に忘れられる「人生相談」も収録して、威勢よく脱力できる、痛快ヘタレ日常エッセイ。
  • 夢のような幸福(新潮文庫)
    3.7
    欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見所発見の映画評、旅先の古書店の謎を探索。物語の萌芽にも似て脳内妄想はふくらむばかり――小説とはひと味違う濃厚テイストのエッセイをご賞味あれ!(解説・林望)
  • 私が語りはじめた彼は(新潮文庫)
    3.5
    私は、彼の何を知っているというのか? 彼は私に何を求めていたのだろう? 大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘――それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか……。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。(解説・金原瑞人)
  • 人生激場(新潮文庫)
    3.9
    気鋭作家の身辺雑記、だけに終わらぬ面白さ! プレーンな日常を「非日常」に変えてしまう冴えた嗅覚。世間お騒がせの事件もサッカー選手の容貌も、なぜかシュールに読み取ってしまう、しをん的視線。「幸せになりたいとも、幸せだとも思わないまま、しかし幸せとはなんだろうと考えることだけはやめられない」。美しい男を論じ、日本の未来を憂えて乙女心の複雑さ全開のエッセイ。
  • 悶絶スパイラル(新潮文庫)
    3.9
    作家の一日は忙しい。「シャツがイン」のあるべき姿を考察し、脳内政界ラブロマンスに思いを馳せ、ジョジョTを着て打ち合わせにむかう。タクシー運転手さんにはモテ女を演じ、野球場のゲイカップルをやっかみ、天丼を求め夜の町を彷徨う……。キャラの濃すぎる家族や友人たちに囲まれて、妄想アドレナリンは今日も絶賛分泌中! 愛と笑いで読者を包む、情熱的ミラクルエッセイ。(解説漫画・松苗あけみ)
  • ビロウな話で恐縮です日記(新潮文庫)
    3.9
    日記。それは自意識との戦いであり、記録に対する人間の執念であり、己の欲望の表明である――。弟に罵られ、母とケンカ、父の独り言を聞き流し、祖母とテレビ談議に花を咲かす。オタク仲間と萌え果たし、海賊になった夢を見る。山積みの仕事は捗らずとも、山盛りの趣味は無限に順調だ。妄想力の申し子にかかれば日常が一大スペクタクルへ! 豪華脚注と最新日記も収録した爆笑エッセイ誕生。(解説・ジェーン・スー)
  • きみはポラリス(新潮文庫)
    3.7
    どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている――。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。(解説・中村うさぎ)
  • 風が強く吹いている(新潮文庫)
    4.6
    箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」――純度100パーセントの疾走青春小説。(解説・最相葉月)
  • ケーキ王子の名推理(新潮文庫nex)
    3.8
    バカがつくほどケーキが大好きな女子高生・未羽(みう)。失恋のかなしみを癒すため訪れた自由が丘のケーキ屋で、パティシエ修行をしている学校一のイケメン王子、颯人(はやと)に遭遇。これは早くも新しい恋の予感? いやいや現実はケーキほどには甘くない。彼は噂に違わず超冷たい。が、夢への想いは超熱い。他人の恋やトラブルもお菓子の知識で鮮やか解決。ケーキを愛する二人の青春スペシャリテ。
  • ロシアよ、我が名を記憶せよ(新潮文庫)
    3.0
    帝国海軍軍人の廣瀬武夫とロシア軍中佐の令嬢アリアヅナ。ペテルブルグで出会った二人は将来を誓いあう。一緒に日本で暮らす夢も膨らむ。だが戦争は不可避、日本も反ロの気運が満ちた。二人の愛の行方は……。開戦。決死の作戦行直前、廣瀬は彼女宛にロシア語の手紙を残し、激戦の海上で渾身のメッセージを刻んだ。一人の軍人の知られざる想いを通じ、明治日本の戦争と平和を描く感動作!
  • いまは、空しか見えない(新潮文庫)
    4.0
    1巻649円 (税込)
    父親からの抑圧に耐える高校生の智佳。誰にも言えない夢があり、密かに日帰り旅で東京へ向かう。そのバスで同級生のギャル・優亜と遭遇し、彼女の“男への復讐”を手伝うことに。智佳は大好きなホラー映画から着想し、復讐劇を実行するが……。何年経っても拭い切れない、怖れの記憶。暴力に歪められた自分の心を取り戻すため、懸命に闘い続ける少女たちの、希望への疾走を描く連作短編集。(解説・彩瀬まる)
  • インスマスの影―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫)
    3.8
    ラヴクラフトは不遇のままその生涯を閉じた。だが、彼の創造したクトゥルー神話は没後高く評価され、時代を越えて世界の読者を虜にしている――。頽廃した港町インスマスを訪れた私は、魚類を思わせる人々の容貌の恐るべき秘密を知る(表題作)。漂流船で唯一生き残った男が握りしめていた奇怪な石像とは(「クトゥルーの呼び声」)。英文学者にして小説家、南條竹則が選び抜いた、七篇の傑作小説。
  • 金春屋ゴメス 芥子の花(新潮文庫nex)
    4.1
    人が月に住む近未来の日本に、独立を宣言し、鎖国状態の「江戸国」が出現した。上質の阿片が海外に出回り、その産地として日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられた「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守は、阿片を祭祀に使用する異人たちが住む麻衣椰村に目をつけ、辰次郎や松吉に真相の究明を命じるが――。『金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚』改題。
  • 芽吹長屋仕合せ帖 日照雨(新潮文庫)
    4.5
    三十代のおえんは独り長屋で暮ら しながら〈縁結び〉の仕事をして いる。評判はよいがいささか難し い話も舞い込んで……。息子を一 人で育てる女の縁をとりもつ「結 び観音」。腕のいい魚売りがなぜ か縁談に尻ごみする訳とは(「鯛 の祝い」)。他、「神かけて」「夕 明かり」「余寒」表題作の全六編。 人の営みの陰影を〈ご縁の糸〉が 浮かび上がらせ、照る日曇る日の 心の機微をしみじみ描く時代小説。 (解説・大矢博子)
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)
    3.8
    ミステリには「清張以前」と「清張以後」がある――。巨匠の凄みを凝縮した初期の傑作8編。心臓麻痺で突然死した教員の机に開かれた百科事典には「星図」の項が。その意味を探る表題作のほか、清張ミステリの出発点「張込み」、新人俳優に舞い込んだ映画出演の顚末を描く「顔」、九州某県の市長急死の謎を追う「市長死す」など、誰もが持ちうる後ろ暗さや焦りを克明に描く本格推理短編集!(解説・日下三蔵)
  • 君がいないと小説は書けない(新潮文庫)
    3.0
    1巻1,045円 (税込)
    作家・野々村保古は、最愛の女性ことりと、四匹の猫といっしょに暮らしている。十五歳下のことりと知り合ってから二十年、二人はかたときも離れることがなかった。還暦を前にした野々村は、知人の死をきっかけにこれまで出会った人たちへと思いを馳せるようになる。そんな時、ある事件からことりへの疑惑が生じ……。人生という「奇跡」の意味を考え、小説の淵源へと迫る著者渾身の自伝的作品。
  • 下駄の上の卵 (新潮文庫)
    4.0
    昭和21年7月。憧れのまっ白な軟式野球ボールを手に入れるため、山形から闇米抱え密かに東京へと向かった国民学校六年生の野球狂の少年たち。その大冒険は、疲弊と混乱の極みに達した東京の街を舞台に、一進一退のシーソーゲームとなって展開していく。眼前に広がる敗戦の実像、しかし人々はなおしたたかに生きている。戦後とはいったい何だったのかを少年たちの視点から繙(ひもと)いた永遠の名作。(解説・井筒和幸)
  • 財布は踊る
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    会社の同僚と平凡な結婚をし、ひとり息子にも恵まれ、専業主婦として穏やかに暮らす葉月みづほ。彼女はある夢を実現するために、生活費を切り詰め、人知れず毎月二万円を貯金していた。二年以上の努力が実り、夢を実現した喜びも束の間、夫に二百万円以上の借金があることが発覚して――。様々な事情で「今より少し、お金がほしい」人達の、切実な想いと未来への希望を描く!
  • 論争 関ヶ原合戦(新潮選書)
    4.7
    「淀殿や三奉行は三成派」「直江状は偽書」「小山の評定は後世の創作」「戦は一瞬で終わった」「関ヶ原は戦場ではない」「問い鉄砲はなかった」……。四百年を経た今も日本史上最大の野戦について激しい論戦が繰り広げられている。そのうち、注目を集めた新知見を、第一人者である著者が吟味し、総合的な歴史像を構築する。
  • 年寄りは本気だ―はみ出し日本論―(新潮選書)
    3.9
    「日本には人命尊重という概念がない」「有事になると希望的観測で動く」「損切りができない」……この国を動かす「空気」の正体を断じる。「SDGsはただのスローガン」「AIの予測はだいたいはずれる」「カーナビは人間の感性をダメにする」……流行りものにも物申す。84歳と75歳が、日本のほんとうの難題を語り尽くす。
  • プリンシパル
    4.0
    1巻2,310円 (税込)
    1945年、東京。大物極道である父の死により、突如、その「代行」役となることを余儀なくされた綾女。大物議員が巡らす陥穽。GHQの暗躍。覇権を目論む極道者たちの瘴気……。綾女が辿る、鮮血に彩られた謀略と闘争の遍歴は、やがて、戦後日本の闇をも呑み込む、漆黒の終局へと突き進む! 脳天撃ち抜く怒濤の犯罪巨編、堂々開幕。
  • 大久保利通―「知」を結ぶ指導者―(新潮選書)
    4.0
    旧君を裏切り、親友を見捨てた「冷酷なリアリスト」という評価は正当なのか? 富国強兵と殖産興業に突き進んだ強権的指導者像の裏には、人の才を見出して繋ぎ、地方からの国づくりを目指した、もう一つの素顔が隠されていた。膨大な史料を読み解き、「知の政治家」としての新たなイメージを浮かび上がらせる、大久保論の決定版。

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