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日本の水道管は総延長にして地球17周分、うち4周分は法定耐用年数の40年を過ぎている。しかし、地中に埋められた水道管は、材質や地質、環境によって大きく寿命が異なり、交換の優先順位を的確に見極めなくてはならない。今、その難題に挑むのが、水道管を「見える化」するDX技術を持つAIベンチャー「フラクタ」だ。全米82・国内34事業者が採用、その精度世界一。水インフラの救世主、挑戦のドキュメント!
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Posted by ブクログ
面白かった。上手くフラクタを活用して水道インフラに成功する自治体が出てきて、みんながその方向に進むことを願う。他のインフラ更新への展開も期待します
必需品や公共的サービスで、各戸への物理的な配送を必要とするものはどれも、昭和の終わりごろまでは、ほぼ永久的に拡大トレンドが続くという根拠なき想定を設備投資における暗黙の前提としてきた。ところが、経済と人口の拡大傾向は既に終わり、現状維持と縮小を、新たに前提とせざるを得なくなり、最大時のネットワーク設...続きを読む備をそのままこれから先も維持することは、ほぼ不可能となっている。あとは、必要な分をどれだけ効率的に維持するかだ。 本書の著者の加藤が推進する「フラクタ」のように、座して手に入るような情報だけでDXを謳い保全の効率化を図るのは、定期交換方式のようにともすれば過剰となりがちであった保全コストを自動的に削減できるという点で一定の効果はあるだろう。しかし、水道事業は設備の固まりであることに間違いはないが、忘れてはいけないのは実際に「面的に拡がりをもつネットワーク状のリアルな」設備が核心であるということだ。いくつかのノードにおける水圧、計量から推測される漏水、設備台帳、土地形状、道路交通量などなど、AIが使えるデータはいろいろあるだろうが、「各流路設備のリアルな点検」を保全体系にうまく取り込まないと、AIが見るデータ空間と実際の設備はどんどん乖離していくだろう。おそらく失敗する。AIとDXは、リアルに踏査するデータを適切に更新することで初めて機能する。天気予報と同じだ。本書からは、その点が読み取れない。
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水道を救え―AIベンチャー「フラクタ」の挑戦―(新潮新書)
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加藤崇
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