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19世紀末。アフリカ大陸の中央部に派遣された船乗りマーロウは、奥地出張所にいるという象牙貿易で業績を上げた社員、クルツの噂を聞く。鬱蒼たる大密林を横目に河を遡航するマーロウの蒸気船は、原住民の襲撃に見舞われながらも最奥に辿り着く。そこで目にしたクルツの信じがたい姿とは――。著者の実体験をもとにし、大自然の魔性と植民地主義の闇を凝視した、世界文学史に異彩を放つ傑作。
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Posted by ブクログ
大自然の雄大さと人間の心の闇を世界に曝け出した問題作。 世は植民地時代、主人公が血生臭い経験をしながら、アフリカ大陸奥地にある貿易会社の拠点に赴くと悍ましい光景が広がっていた。 おおまかなあらすじはこの小説に辿り着いた読書人なら誰でも知っているかもしれない。 しかし、その中の一定層は、この手の小...続きを読む説に冷ややかな視線を向けるのではないだろうか。 「そういう重たい話は現実世界で十分だ」 「読んでいて疲れるのにはうんざりしている」 私はこのような気持ちから、発売直後に購入したにも関わらず、約三年もの間積読していた。 重い腰を上げたキッカケは些細なものだった。なんとなく近代の海外文学を読みたくなっただけだ。 読み始めた瞬間に気がついた。この小説は読みやすいと。そして、面白い。 本作の語り手であるマーロウの語り口がとにかく秀逸だった。ユーモアがあり、葛藤があり、秘密があり、勢いがあった。 この重い主題を、非常にスリリングな読書体験に変えてくるコンラッドは間違い無く稀代の作家である。 もし、私のこの文章が、本作を手に取ったものの読み始める気力が湧かない方に届き、読むキッカケとなったならそれ以上の嬉しさはない。
会話らしい会話もなく、ストーリーテリングではなく、1人の体験談として語られる植民地の状況。結局異常正常、常識非常識は絶対的なものがあるわけじゃない。本当に語りかけるような文体だからこそ、怖いし、他人事のようにも聞こうと思えば聞けるし。いやでもやっぱりこわい。異文化がではなく人間が。
大英帝国の繁栄を担う貿易商社員がコンゴの奥地のジャングルで目にしたものは、誰もが目を背けたくなるのような現実だった。19世紀のヨーロッパの植民地主義は、文明的、人間的に劣後した地域をキリスト教的な理想主義のもとに啓蒙するという高邁な使命によって、貿易利益の独占、資源的搾取を覆い隠すような陳腐なショー...続きを読むであった。クルツというヨーロッパ人を象徴として、人間性の闇、文明人が未開人になり、未開人が文明的になるその皮肉を、陰鬱で明快な表現で書き上げている極めて歴史的価値が高い一冊。ヨーロッパの植民地主義を人文的に一考する上で、欠かせない一冊であろう。
予想以上に読み易く面白かった。小説の形を取りながらも著者の実体験に基づくことを註釈が補強し、コンゴの大密林への冒険記としても楽しめる。130年前のリアルな密林や植民地支配の空気感が伝わる素晴らしい本でした。
思ったより読みやすかった。アフリカの未開の地を航行したのが実体験に基づいていると知り驚いた。道理で。 もう一回読みたい。
植民地支配の醜悪さがきつい。 何度かヨーロッパに戻れる機会があったのに、思いとどまったクルツの心情を考えながら読む。 未開の地に西洋文明を教示、ついでに象牙で一儲けのつもりが、身も心も自らが軽蔑する蛮人以下になってしまう。身を守るために残忍にならざるを得ない、ジャングルの圧倒的な自然と、そこに住む人...続きを読むたちのわけのわからなさ。 多面的でいろんな読み方ができる本だと思うけれど、逐一、対比がはっきりしているのでストーリーや会話の意図はとりあえずは読み取りやすい。 例えば船に乗組員として乗せた食人族が、白人のマーロウ達を飢えていたとしても襲わなかったこと。それに比べてクルツが奥の駐在所の入り口に無数の生首を置いていること。 人としての尊厳や残虐さや死生観などが、ジャングルと西洋文明の徹底的な対比を通して語られていく。 最後のクルツの言葉を婚約者に言えなかったマーロウは、そういう人だからこそ、帰って来れたんだと思う。
『青の6号』の小説で、この本が触れられていたので読んだ。熱帯雨林、蛮人、「ガリア戦記」という単語など、影響は伺える。が、基本的には植民地支配の話だった。 序盤は語り部が誰なのかはっきり分からなかった。 だんだん、マーロウという男がコンゴの川を遡り、奥地の出張所にいるクルツに会いに行くストーリーとわ...続きを読むかる。 タイトルの『闇の奥』とは、文化的なイギリスからコンゴの熱帯雨林のなかを食肉するという蛮人を怖がりながら進む船の航路のこととも取れるし、かなり才能あるクルツがジャングルの奥で精神を病んでしまったことを指しているとも思える。
大自然を前に、人間の愚かさを直視したコンラッドでなければ書けない本 植民地主義時代の価値観がとても丁寧に描かれていたし、マーロウと一緒に冒険している気分にもなれる 『地獄の黙示録』同様、やっぱりクルツのインパクトは強烈だった
全てを支配できると思い込む人間の傲慢さ 不可能な事をできると信じ、できなかったら狂い出す人間の滑稽さ 一見輝かしいことは、多くの人の肉体と精神が犠牲になって生まれているのだと思った。 人が求めているのは平等ではなく、人よりも上に立つ事なのだと思う。 地味にクルツの妻がホラー。
いわずと知れた地獄の黙示録の元本。出張先の書店で見かけて購入。 原始の混沌に魅せられてしまった殉教者に魅せられてしまう物語なんだろうか。 虐殺機関の元ネタなんだろうなー。
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闇の奥(新潮文庫)
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