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「叩きつぶされることはあっても、負けやせん」
自らを慕う少年に見送られ、一人漁に出た不漁続きの老漁師。やがてその釣網にかかったのは、見たこともない巨大なカジキだった。老人とカジキは死闘を繰り広げるが・・・
カジキとの対決の際、老人からは何度も「あの子がいてくれりゃ」というセリフが出てきます。あの子とは自らを慕ってくれている少年のことでしょう。実際には少年はその場に存在せず、一人でカジキと戦わねばなりません。「人は人を望むが、結局は孤高に戦わねばならない」ということを暗に示しているかのようです。
自然の雄大さ、脅威。そして、それらと対峙する人間の、老いてもなお失うことのない尊厳。眩しいほどに力強い作品です。ぜひご一読ください!
Posted by ブクログ
学生時代に読んで、まあまあ長編だった記憶がまさかの130ページ。読みやすく世界に入り込みやすく、これは10代がまず読むのにもオススメですね。
ちょいちょい出てくる野球用語などは、巻末の「翻訳ノート」に説明されていて手厚い。私はなんとなく雰囲気で読み飛ばしてましたが。
冒頭、サンチアゴを慕う少年のいじらしさ。一人海へ出るサンチアゴ。つい口をついて出てくる「あの子がいてくれたら」という言葉に感じられる、老い。
ですが巨大カジキと対峙するうち、全知識・全経験をフル稼働、自らを奮い立たせ、「老いる」って「それなりに修羅場はくぐってきてる」って事でもあるんだよな。
カジキを捕らえた後がもう怒涛!いろいろあって、ラストは少年に感情移入しまくり。
Posted by ブクログ
老人サンチアゴの生き様、漁や海洋の描写、カジキマグロとの対決、サメどもとの死闘……。淡々とした語り口が自然の中に生きる「人間」を実に活き活きと捉えている。
本文からの印象、また作品全体の漠然としたイメージから、サンチアゴを慕う少年マノーリンは日本の小学校低学年以下と思っていた。しかし野球選手シスラーについての台詞や、サンチアゴと共にビールを飲む場面から考えるに彼はティーンエイジャーぐらいなのだろうか? ……あれ、未成年のくせに飲んでるの?
全体的に福田恆存訳よりも読みやすかったが、解らない箇所が一つ。——「魚を炊き込んだ黄色いめし」って何(福田訳では「魚のまぜ御飯」)?!
Posted by ブクログ
ついに大物のカジキを釣り上げたと思った矢先、幾度もサメの襲撃に見舞われる老人。怪我を負いながらも決して諦めず、できることをやり抜こうとするその姿に心を打たれた。困難に直面しても立ち向かい続ける姿勢は、見習うべきものがある。サメと対峙するたびに、老人の胸中にある思いが少しずつ変化していく描写も印象的だった。老人の独り言が多く綴られており、その心の内側が丁寧に伝わってくる。見送ってくれた少年への「一緒にいてくれたら」という思いから、二人の間にある深い信頼関係を感じると同時に、共に行けなかった寂しさも滲み出ていた。
たとえ思うような成果を得られなくても、最後まで自分にできることを続ける。その大切さを教えてくれる作品だった。
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