あらすじ
八十四日間の不漁に見舞われた老漁師は、自らを慕う少年に見送られ、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだが――。自然の脅威と峻厳さに翻弄されながらも、決して屈することのない人間の精神を円熟の筆で描き切る。著者にノーベル文学賞をもたらした文学的到達点にして、永遠の傑作。
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「叩きつぶされることはあっても、負けやせん」
自らを慕う少年に見送られ、一人漁に出た不漁続きの老漁師。やがてその釣網にかかったのは、見たこともない巨大なカジキだった。老人とカジキは死闘を繰り広げるが・・・
カジキとの対決の際、老人からは何度も「あの子がいてくれりゃ」というセリフが出てきます。あの子とは自らを慕ってくれている少年のことでしょう。実際には少年はその場に存在せず、一人でカジキと戦わねばなりません。「人は人を望むが、結局は孤高に戦わねばならない」ということを暗に示しているかのようです。
自然の雄大さ、脅威。そして、それらと対峙する人間の、老いてもなお失うことのない尊厳。眩しいほどに力強い作品です。ぜひご一読ください!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
超平たく言うと文学界のジョーズ。
スピード感やスリルもさることながら、登場人物の心理描写が見事。140ページ弱とは思えない満足感だった。
老い、孤独、漁師、過去の栄光、気高さ、海の恵、カジキ、サメ、格闘、生命力、喪失感、友情、家、試合に負けて勝負に勝つ
じいさんの生き様が刺さった。美しいわ。
じいさんが死にかけながら巨大魚と死闘してんだから、私ももっと出来ることあんだろ、と思いました。
Posted by ブクログ
老人が小舟に乗り、カジキと死闘を繰り広げる話。
独り言を言いながら、自分を奮い立たせ、手のひらをボロボロにしながらも自分を見失わない。
大きなカジキを釣り上げるもそれで終わりではなく、自然は厳しい。目に見えない大切なものに気づける物語。
Posted by ブクログ
想像していたよりワイルド。
主人公のイメージが読み進むごとに変わっていくようで面白い。最初は良く言えば優しい老人。くたびれた、もう周りに相手にされないような寂しさの感じる生活のようにみえた。
しかし、船の上で魚と格闘するようすは孤独ではなく孤高、マイペースなのは生き方を妥協しなかった当然の姿勢に思えてくる。魚を腹に入れ、若いときのエピソードが語られ、一人でサバイバルする姿が描かれると共に、老人だったはずのイメージがパンプアップされて漁師の男に姿を変えていた。少年が懐いていたのも納得がいく。
帰路で、もう人盛り上がりするのもアクション映画のようでいい。釣り上げた魚がライバルから相棒に変わる。
有名な作品でタイトルは当然知っていたが、前に手に取ったときはパラパラ捲っただけで「なにこれ?」と棚に戻した記憶がある。本にも読むタイミングがあるようです。
Posted by ブクログ
老いた漁師が84日の不漁の末に、巨大なカジキを釣り上げるものの、サメに食われて何も無くなるという話。
老人はカジキとの激闘の中で、自分とカジキが兄弟であるかのように感じていることから、漁師としての魂を揺さぶられるようないい相手だったのだろう。また、直前まで一緒に漁をしていたがあまりの老人の不漁を見兼ねた両親によって別の船に行かされた少年がいたが、しきりにその少年がいてくれたらなあと言っていたから、孤独な中の戦いだったが、最終的にカジキを釣り上げた。
でもサメが舷側にくくりつけたカジキを襲い、血が出てその血の匂いでさらにサメが来るという悪循環で、カジキは漁師が母港に帰る頃には頭と背骨を残すだけになってしまった。解説にあったと思うが、漁師がヘミングウェイを、カジキが文学の理想を、サメが批評家を表しているという。そうなら面白い。
Posted by ブクログ
84日間の不漁という悪運に見舞われながらも、老人は挫けることなく大海へと小舟を漕ぎ出す。そこで出会った獲物であるカジキマグロとの三日間に渡る死闘を描いた傑作短編。
登場人物は老人サンチアゴと彼を慕う少年のみで、舞台となるのも小舟の上とどこまでも広がる大海原だけである。それは孤独の証明でありながらも、ヘミングウェイの徹底した描写力によって浮かび上がる大自然の情景は素晴らしく、恐ろしいほどまでに無駄がなく美しい。
老人の樹齢を重ねた古木のような腕に、潮騒の匂いやしぶきの音。食事のために釣ったマグロやシイラといった赤身魚の引き締まった弾力のある身を、塩やライムを使わずに生のまま食べることによる濃厚で鉄っぽい血の味。網を掴んだ掌のひりついた擦過傷の痛みなど、全てがリアルであり、五感を通じて伝わる海の過酷さは筆舌に尽くし難いものがある。
ストーリーはシンプルで、死闘の末に捕らえたカジキは、結局サメの襲撃に遭い原型も残らないほどに食い尽くされてしまう。それは敗北の物語であり、徹底的に打ちのめされる人間の悲哀でもある。しかしながら全てが無駄だったというわけでもなく、誰にも頼れない大海原の小舟の上での孤独な戦いは、大自然に対して抗う人間への惜しみない讃歌であると同時に、決してへこたれず挫けない、生の本能に根差した人間の執念の表れでもあるのだ。骨太の物語であり、それを支える徹底した情景描写といい、間違いなく名作で繰り返し読んでいきたい作品だなと思った。
Posted by ブクログ
1952年、アメリカのライフ誌で全文が掲載され、532万部が48時間で売れ切れたという有名作。
"grace under pressure"を体現したロマン溢れる不撓不屈な物語。
"漁師は老いていた。"
もう八十四日魚が一匹も獲れず、不運のどん底と囁かれる老人サンチアゴ。でもまだ目は死んでいない。
大海原で、見たこともない巨大魚カジキと文字通りの死闘を迎えることになる。描写が非常に綺麗で鮮明。
極め付けにこの表紙!
なんて素敵なんでしょう.....!
そして、作者ヘミングウェイ、非常に作家っぽい(ど偏見)人生である....
高見さんの解説も読むべきです。
Posted by ブクログ
シンプルな文体で非常に現実味に富んだ作品だった。それだけに、大海原にポツンと浮かぶ小舟の様子がありありと脳内に浮かぶ。面白かった。
特に、翻訳ノートが勉強になった。
Posted by ブクログ
とても前向きに、自分自身も勇気を貰った。
老いた漁師が小さな舟で、超巨大カジキと対決、奮闘する話。
自分の身も心も精神をもすり減らしてでも、カジキと向き合う少年のような好奇心や熱意や覚悟を持ったサンチアゴ。
己自身にも厳しく、カジキに親しみさえ覚える…。ただただ感心。
帰路に向かうまでにも、休む暇もなく次々とカジキを狙うサメと闘う姿に格好良いとまで思った。
そんな描写がハッキリと頭に浮かんでくるくらいだった。
少年との絆も素敵で、心が暖かくなって泣きそうにもなった。
Posted by ブクログ
生きる活力をくれるような本。
何かに闘心を燃やし燃え尽きたことのある人には響くのではないかと思う。
負けそうな時、心が折れそうな時、諦めそうな時に読みたい。
解説より引用
ヘミングウェイが一貫して希求してきた行動規範
grace under pressure(困難に直面してもたじろがずに立ち向かう)
Posted by ブクログ
客観的な評価は星4.
個人的には大好きな本で星5
自分と同じように海を愛する人に読んでほしい。海という環境、人、それに対する愛、すべてを感じられて心地良い本。
老人のプライドにカッコいいと感じた。自分も海の男として、プライドを持って慕われる人になりたい
要約
老人は一人弟子(少年)と船で漁に出るが2ヶ月不漁が続く。少年は老人を慕っていたが、周りの大人が少年に気を使い、別の船に乗る。
老人は沖でカジキをかける。老人の経験を元に3日間の戦いが始まる。カジキを釣りながら自分が生きるための魚を釣り食べ、手足がボロボロに攣ってもプライドを胸に闘う。
ようやくカジキを釣り上げるものの、大きすぎて船に乗せることができず、船の横に引きずりながら港へと戻る。その最中、幾度となくサメがカジキを襲い、それに対抗する老人であったが、港へと着く頃は頭と骨と尾ビレだけ。
しかし、老人は身体を休めるため、家に戻りる。周りの漁師はその魚の骨死体を見て、驚く。また市民はサメかなと思ってる。
Posted by ブクログ
海というものはどこまでもどこまでも広がっていて、人はそれを優しいだとか、美しいだとかそんな言葉で形容するけども、私はどうしても海は恐ろしくて近づけない。寄せては返す波に触れたら引き摺り込まれるんじゃないかと、幼い頃は本気で怖かった。
本作品はそんな恐ろしい海と運のない老人との激闘を描いた物語だ。ほんとにそれだけだ。ただひたすらに老いた漁師と海を体現したかのようなカジキの一騎打ち。物語の流れもまるで海の波のよう。水飛沫を上げるような展開が来たと思ったら、すぐに凪いでしまう。そこに煌めくような海の姿は見当たらない。深く深く、青く青い海がある。
Posted by ブクログ
ストーリーはタイトル通りのシンプルなものなのに、筆者(翻訳者?)の書き方でこうも面白い物語になるとは、と感心。潮の香りが感じられるような臨場感、自分も漁をしているかのような没入感、とにかくリアリティというか、映像が頭に浮かんでくるような文体がとてもよかった。海の母としての優しさも、自然としての厳しさも味わえる読書体験ができた。「このシーンはこの隠喩で…」など深読みせず、ただストーリーそのままを楽しむべし。
Posted by ブクログ
老人の闘いをリアルに描写している。物語の中に劇的な展開はないが、老人の海との闘いに痺れた。
身体は老いても、心は最後まで折れない老人がかっこいい。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ内容が刺さった!って訳じゃなかったけど、翻訳ノートまで含めて面白かった。
予め一般的にはどういうふうに評されてるのか理解した上で読んでおいてよかった。老人と大魚の格闘、大魚に対する意識の変遷、そして海(自然)の描写など意識して読んだら、シンプルに人と自然の関係性が見てとれた。
360°陸の見えない海のど真ん中、自然の存在の大きさも想像できたし、ヘミングウェイが実際に海釣りが好きだったこともあってかイメージがしやすかった。
老人が格闘する最中で大魚に対する考え方・接し方が変わっていったのもよかった。生きとし生けるもの、誰もが殺すことで生きている。老人がその行為と対象について敬意を払っている姿は、現代に生きる自分たちも忘れちゃいけないなぁと思った。
Posted by ブクログ
短くて読みやすいんだけど、おっちゃんが魚ずっと追いかけるってこと以外には物語という物語はなく、その過程や生き様を楽しむ本って感じ
あとがきでも書いてあった気がするけど、全体的にすごく男性的だと感じた。自分にはあまり刺さらなかったがまた時間をおいて読み返したら違うかも
Posted by ブクログ
老人というのは実は少年よりも若い!!
嘗てのさや香の新山さんが仰った「元気な81歳は別に元気ではない」という言葉があります。この理論に反旗を翻すために僕はこの本を持って新山さんと戦いに挑みます!
自分が苦労して手にした宝というものは、保持しておこうとすればするほど、時間が経過すればするほど腐敗する、若しくは第三者に喰い滅ぼされてしまう。
老人が最終的に持ち帰った【巨大鮪】は、そう言った地位や名誉的なものであり、形としては残らなかったものの確固たる経験として老人の心に深く刻まれたのであ〜る。
Posted by ブクログ
孤独な老人と孤独なカジキの闘い。
海におれ一人、と言ったすぐ後にカモを見つけて海で独りぽっちなど有り得ないと思い直すところが好き、常に自然はそばにある。
地球の上での出来事は全て持ちつ持たれつというか、質量は保存されるのだな。海で暮らし、これぞ兄弟と思える魚たちを殺す、それ以上何を望むことがあろうか。
打ち解けあえたように思えたせっかくのカジキも取って終わりではないのだな、サメ怖い。
Posted by ブクログ
英語学習の一環で原文でも読んだけれど、本作の良さを理解できるには色んなものが足りてないんだろうなと思わされた。
身も蓋もないけれど、本当にタイトルそのままの話。
今読んでも同じ感想になりそうで怖い。苦笑
Posted by ブクログ
釣りをする話かと思っていた。
カジキがサメに食われ、跡形もなくなり、
それで帰ってくる。
その情景が綺麗で切なかった。
成し遂げたが、実利はない、というのが
この話の美学か。
Posted by ブクログ
「だが、人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない」
老人の、どんなに苦しく、先の見えない状況でも信じて耐え忍ぶ姿勢に感動しました。
また、釣りの描写はなかなかリアルで、緊迫感が感じられるものでした。
Posted by ブクログ
文章から、表紙にあるような、深く力強く迫力のある油絵のような雰囲気を感じた。今この物語を手にしている私が漁に出ており、水飛沫や深く青々とした海と孤独と戦っているかのように感じた。ヘミングウェイがここまで称賛されている良さはちょっとわからなかった。でも、誰よりも孤独と闘ってきたんだろうと思うほど、孤独で変わった老人の解像度が高かった。
Posted by ブクログ
とにかく表現から想像できる世界が美しいなというのが最初の感想。物語は一人称で進み、割と凪だけど丁寧な描写から老人の機微が感じ取れる。最後のシーンまでよかった。
Posted by ブクログ
僕はミステリー系が好きで、刺激を求めているからか、老人と海の静かな感じは合わなかった。
でも、静けさの中に大きな縄みたいな強い信念や覚悟とかを感じた。
もっと歳をとってから読んでみると刺さるかもしれない
Posted by ブクログ
ひたすらに海釣りに奮闘する老人とそれらを取り巻く自然を広大に描いた物語___
老人は左手が攣ったり、手が傷つき血にまみれたり、ハプニングに見舞われる。
だか、決して諦めない。そして、少年がいたらいいのに。と、何度も少年への愛を漏らす。
老人の強い生き方と、男同士の、年齢も半世紀程隔てていてもある強き友情に心が熱くなった。
海の自然ことがとてつもなく細かく、釣りの情景は細部まで焦点を当てており、自分には難しいほど。
こんな物語は、純粋なヘミングウェイだからこそ描けたのだと思った。