【感想・ネタバレ】老人と海(新潮文庫)のレビュー

「叩きつぶされることはあっても、負けやせん」
自らを慕う少年に見送られ、一人漁に出た不漁続きの老漁師。やがてその釣網にかかったのは、見たこともない巨大なカジキだった。老人とカジキは死闘を繰り広げるが・・・
カジキとの対決の際、老人からは何度も「あの子がいてくれりゃ」というセリフが出てきます。あの子とは自らを慕ってくれている少年のことでしょう。実際には少年はその場に存在せず、一人でカジキと戦わねばなりません。「人は人を望むが、結局は孤高に戦わねばならない」ということを暗に示しているかのようです。
自然の雄大さ、脅威。そして、それらと対峙する人間の、老いてもなお失うことのない尊厳。眩しいほどに力強い作品です。ぜひご一読ください!

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Posted by ブクログ

老人は力強く、謙虚でいて優しく良い人物だった。少年の気遣いも見ていて心地よかったし、老人の努力もかっこよかった。呼んでいて元気づけられる一冊でした

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2024年05月10日

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人間も含め、すべての生きる存在を力強く感じさせる自然讃歌。
大海や暮らしの情景と老人の内省の、対比と融合が緻密に描写されている。
小さな存在である一人の人間が、世界と真剣に向き合うことの美しさを学んだ。

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2024年04月17日

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超有名作なのに読んだことがなかった本です。
老人と巨大魚との3日に及ぶ死闘。仕留めた巨大魚を狙う鮫達との手に汗にぎる命のやりとり。
陸で少年と過ごす穏やかな姿と、海での雄々しい老人の姿のギャップに胸が熱くなりました。

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2024年03月16日

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今更私が感想を語るまでもない。
短いし読みやすいし面白いし、何よりサンチアゴ最高だから今までの人生でまだ一度も読んでいないなら読んどけ、っていう小説。

読み終わった後「あれ、おれは踵の骨大丈夫かな」って思ってしまうのも世界で唯一この小説だけ。

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2024年02月20日

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なんとも言えない、切ないとも違う読後感。泣けるとも違うのに、何かがこみ上げるような作品でした。読み手の感性によって評価も変わりそう。

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2024年02月07日

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不朽の名作、と呼ばれる所以をまさに五感で感じ取ったような気持ちになる作品でした。
老漁師のサンチャゴの孤独な今の生活ぶりと若かりし頃の輝かしい漁の腕前、大海での魚との格闘。船上での孤高なるサンチャゴが見ているものや息遣い、潮の香りや水しぶきまでもが目の前の情景として生き生きとした描写で紡がれていました。

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2024年01月13日

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『海が見え、そこにいるような感覚』

名作中の名作
もっと早く読むべきだったと後悔

人間の動作や自然の存在を表現する文言が
とても綺麗で想像したくなるような感じ
その表現も最後まで描かれている訳ではなく
途中で終わりその後は読み手に任せるような
場面も感じられるためそこがまた面白い

長編では無いのにも関わらず
文量からは想像しえないような満足感がある

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2023年11月02日

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読んでる途中、題名を、「老人と大魚」とかにすればよかったんじゃない?とか思いましたが、読み終わってみると「老人と海」だなぁと思いました。老人の航海に人の生き方みたいなのが詰まっていた小説でした。

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2023年10月01日

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高校時代読んだ本の再読。カジキとの壮絶な戦い、釣り上げてからの何度にもわたる鮫との格闘。新潮文庫から新訳で本屋に並んでいたので購入したが、読みやすくページを進められた。主人公の老人の獲物に対する愛情、自然、海に体するオマージュが印象的だ。70年以上前の作品だけど、これがいつの時代にも耐えうる古典なんだろうね。

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2023年09月30日

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八十四日間の不漁に見舞われた老漁師は、自らを慕う少年に見送られ、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだが――。自然の脅威と峻厳さに翻弄されながらも、決して屈することのない人間の精神を円熟の筆で描き切る。著者にノーベル文学賞をもたらした文学的到達点にして、永遠の傑作。

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2023年09月21日

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有名で知っていたことや、手にとってページ数が少ないことから読みやすそうだと感じて読み始めた。
海をはじめとする自然の厳しさについてカジキを釣り持ち帰る描写から伝わり、老人の過去や理想へのあこがれ・生き様が回想やカジキとの対話から伝わった。とても面白かったと思う。

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2024年03月05日

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ネタバレ

目標を達成しても困難は、また次から次へとやってくる。格闘中の心理描写に感情移入し、同時に共感する部分が多かった。自分も20年したらこんな風になるんかな?

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2024年03月04日

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ほんとに素晴らしい作品で、今でも心にのこっています。自然の偉大さや怖さが詰まっている作品です。 

1匹のカジキと漁師のおじいさんの闘いを描いた作品ですが、お互いのプライドや生存本能がぶつかり合ってそこから生まれる戦友のような感覚がとても魅力的に感じました。

魚は海というまだ未知で謎の多い場所を、独占して暮らしている分、陸の覇者である人間に負けてたまるかというカジキのプライドもあったのかも…。生の執念ぶつかり合いはまさに死闘でした。

ほんとうに自然は無慈悲です。
人間の都合なんてフル無視で、2024年1月1日にも、石川県で大きな地震が起こってしまい、人間はこの日お祝いの日です。しかし、そんなことは関係なく、地震は起こりました。

人間は自然と適応して生きていくことが難しい生物だと思っております。なので、環境破壊などを繰り返し今も生存しております。

しかし、適応できなかったが故に、こうした地震や津波のような自然災害に打たれ弱い弱点があります。
それでも生きる執念は他の生物に負けない力がある、だから今でも絶滅せず、ピラミッドの頂点にまで達した大きな要因の様に僕はこの作品を読んで感じました。

自然の摂理や無慈悲さを描いたこの作品。人生で一度は目を通す事を強くオススメします!

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2024年02月29日

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サンチアゴ老人は「負けた」か、と考えた場合、「大物を釣る」ことに対しては成功したし、「サメから逃げる」ことにも成功したはずである。ただ、大物カジキを完全な状態で持って帰ってくることができたかどうかについてだけが、「できなかった」ことだといえる。
だが、「釣れた」ことはカジキの残骸から村全員が知ったはずで、名誉は勝ち取れたし、嘘つき呼ばわりもされないだろうと思う。
では、なぜ釣ったカジキを無事に持って帰れなかったのかと考えると、準備不足だったからと言えると思うが、さらに、なぜ準備不足だったかと考えれば、「釣る」ことしか考えていなかったから、つまり「釣り上げる」ことが最終目的で、釣った後のことは考えられていなかったのが原因だと思う。そのために、予想外の大きさのカジキが食い付いてしまったときに、持って帰れなさそうだから逃がそうなどとは考えなかったのだろうし、「釣れた」という幸運のあとに次々と不運がやってくる結果になってしまったのだと思う。釣った魚を「持って帰る」ことが目的だったとすれば、帰り着くまでの不運も予想のうちだったはずで、サメが追いかけてくることは不運ではなく単なる経過だとしか感じなかったかもしれないと思う。
この老人と海との関係から考えられることは、自分が何をしたいと思っているのか、それが最終目的で間違ってないか、その後のことも考えておくべきではないか、と考えておくことが大事だということではないかと思う。また、サンチアゴ老人がここにマノーリン少年がいてくれたらと頻繁に考えるように、何かを成すには一人では難しい、誰かと協力してやり遂げる必要がある、と考えるべきかもしれないとも思う。

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2024年02月11日

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老人と海との静かな対峙を描いた本書。海と向き合うことで若き日の想いや自信との遠い記憶に視界が溶けて行く。ハードボイルド作家なんて言われる所以が本人の実体験の欠片に紐付いているからなのか言葉や表現に独特の迫力がある。男性の方が刺さりやすいかも知れない。

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2024年01月04日

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2ヶ月ほど前に新潮文庫の旧訳福田恆存版を読んでいたので新旧続けての読書。やはり読みやすさは圧倒的に新訳ですね。サンチアゴ(旧訳ではサンチャゴ)の老いた渋みみたいなものはむしろ文章に硬質さを感じる旧訳の方が味わえるかもしれないですが、漁の手順やカジキとの闘いや苦しい帰路の様子はスムーズに読みやすい新訳の方がありありと浮かびながら読み進められます。いやそれにしても人間の魅力がギュギュッと詰まったいい小説だなぁ。

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2023年12月10日

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古い文学は当時の背景や作者が色濃く残したかったメッセージ、斬新さによって作品の評価が現れると僕は思っている。
この作品もその一つ、二次世界大戦終戦後、飛行機の事故によって失った彼のナルシズムが“老い”=”死に際“として表現された作品だったと感じた。
人には必ず老いが来る。マノーリンの優しさを受け入れて自分の弱さを認めるか、ライオンの夢を見続けるのは人の自由ではあるが、彼の様に若い頃の思い出に縋り続けたくは無いものではある。

追記
起承転結の承転を主人公の独り言や心理描写で済ませる異技、当時の時代にはないのかなーと思うと脱帽モノです:)

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2023年11月20日

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ネタバレ

キューバで漁師をしている老人サンチアゴの物語。84日間の不漁の翌日からの3日間が描かれる。

まず、老人が一人で海の上で3日間カジキと闘い続けるというだけの状況で小説にしてしまうのがすごい。ボリューム的には大したことない(文庫で130ページ程度)にせよ、なかなか読ませる。

ひとつひとつの場面の描写がシンプルかつ丁寧で読みやすかったが、全編にわたって滲む自然への敬意が為せる業か、と解説を読んで納得。ヘミングウェイ本人も海釣りに一家言ある人だったとのこと。

結末もすごくいい。三日三晩の死闘の末に仕留めたカジキを、帰りの道すがらサメたちに食い散らかされるという悲劇に見舞われながら、なんとか帰り着く。悲壮感、徒労感はあるのだが、絶望感はない。また次に向かって立ち上がるんだろうな、ということがありありとわかる。「人間は叩きつぶされることはあっても、負けやせん。」ってすごいセリフだよな、と思う。

弟子的な存在なのか、マノーリンという少年が登場するが、その少年との師弟のような家族のような関係性も美しい。

いずれ再読する予感。

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2023年11月19日

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作品名は知っていたものの読むには至らなかったと言う方は多いのではないでしょうか。
自分も8月頭に購入し50ページほどで中断しましたが、粘りに粘って全て読みました。
少し難しい部分もありますが、翻訳なので仕方ないかと思います。ですがそう言った面も含めて面白かったです。

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2023年10月28日

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カジキと戦っている間の老人の人間味ある思考に引き込まれました。
読み終えると、無性に釣りがしたくなっていました。

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2023年10月22日

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ずっと昔に読んだ本をまた読み直してみた。

餌にかかった巨大な魚との勝負は忍耐強さにかかっている。たった一人で漁に出る老人は忍耐強く相手が弱るのを待ち、ここぞというチャンスを見逃さなかった。

そしてそんな老人をひたむきに慕う少年がすごくいい。この2人はまるで本当の祖父と孫のように気持ちが繋がっている。少年のためにも、老人が無事に帰還して良かった。

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2023年10月11日

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漁師について知識がない私には、所々知らない言葉や表現が多かったのですが、それにも関わらず老人と魚との命を懸けた長い長い闘いには息が苦しくなるほど緊張感が伝わってきました。

歳を重ねたからこその経験値とどっしり構えた忍耐力。一方で「少年がいれば」と思わず何度も願ってしまう不安定さ。老人に血の通う人間らしさがあるからこそ、苦しさや惨さをハラハラとしながら感じました。

彼は幸運だったのでしょうか。

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2023年10月02日

Posted by ブクログ

有名なので読んでみた。
老人とカジキの格闘が細かく書かれていた。
カジキは喋らない分老人の動きや独り言で情景が描かれていて、想像力を働かせて読んだ。
最後少年が泣く意味がわかったようでわかっていない気がする。ちゃんと読めたのだろうか。

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2023年09月28日

Posted by ブクログ

自分自身の体を俯瞰して考えているような表現に惹かれた。自分の体を自身の精神と分けて感じられると、新しいものが見えてきそうに思える。

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2024年03月10日

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ネタバレ

ヘミングウェイが生前最後に発表した小説。ハードボイルドリアリズム。闘争的な老人のサンチャゴが海と戦う物語。あまりに有名なので1度は読んでみたいと思っていた作品。超写実的で世界観に深く入り込むことが出来た。老いと自然に立ち向かう老人がずっと漢の中の漢。釣り上げたマグロは虚しくも鮫に食べ尽くされてしまい骨だけになるが、老人は負けてはいない。「老人はライオンの夢を見ていた。」

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2024年02月05日

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ネタバレ

84日間不漁だった老人サンチャゴが1人で小舟に乗り、超巨大なカジキマグロを勝ち取るが、帰途鮫に襲われて獲物を奪い取られる物語。神に祈ったり船上で様々な工夫を凝らしてカジキマグロに勝つも結局は鮫に食いちぎられる様は老人の徒労とリアリズムを感じられる。しかし、それに絶望を感じていない様からバッドエンド感はない。野球選手と老人自らを照らし合わせて奮起する場面があるも野球選手の実績に対して老人のそれは残念であることはアメリカ特有の新資本主義による格差も暗示していると思いました。

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2024年02月01日

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中盤が長く感じてしまったが、終盤のカジキやサメとの格闘シーンは鳥肌ものだった。
最後もかなり好みだった。

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2023年12月30日

Posted by ブクログ

昔の外国文学はハードルが高い。
でも有名作品はやっぱり読んでおきたい。

こういうお話だったんですね。想像とは程遠いものではなかったけど、奥深さをわかるには読み方がまだまだ浅い気が。

巻末のヘミングウェイの年譜を読むに、波瀾万丈の人生だったのかなと。主人公の老人と重ねて読んだこともあり、自ら死を選んでいたとは。意外とショックでした。

でも、読めて良かった。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

漁に対する描写が細かく、その光景が見えてくるようだった。また、淡々と進む物語の中から老人の人生や人格が浮き上がってくるように感じた。読み進めるほど、物語に引き込まれる。

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2023年10月03日

Posted by ブクログ

老人の生き様に感動した。
カジキマグロと長い時間闘いつづけて、心身ボロボロになっても諦めなかった。それなのに、現実は厳しくて、帰るまでに新しい苦難が現れていく。それでも、海に挑み続けていた老人。
キツくて苦しくても折れなかった老人の姿はカッコイイなと思った。

驚きなどを与えられる事は無く、自分の中では満足度もあまり高かったとは思えない。しかし、人が頑張っている姿を見るのは、心が疼くというか形容しにくい感情をもたさせた。

満足度としては高くなかったが、素晴らしい作品だと思う。

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2024年01月03日

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