ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

差別の激しい土地に生まれ、同性愛者として長じ、「八歳で作家になった」と豪語したという天才はデビュー前から天才だった。ニューヨーク公共図書館が秘蔵する貴重な未刊行作品を厳選した14篇。ホームレス、老女、淋しい子どもなど、社会の外縁にいる者に共感し、仄暗い祝祭へと昇華させるさまは、作家自身の波乱の生涯を予感させる。明晰な声によって物語を彫琢する手腕の原点を堪能できる選集。(解説・村上春樹)

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ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年03月05日

    カポーティのキャリアの中でも超初期の、習作ともいえる短編集。訳者のあとがきにもあるように、きちんと校正が入ったらもっと修正がかかりそうな部分も多々あるが、それを補って余りある瑞々しい感性や表現力に圧倒される。状況としては2人の人間が会話している場面を切り取っただけのような話でも、それぞれの台詞や仕草...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月06日

    取るに足らない場面の過不足ない情景描写や、華麗とも言える人物造形、物語のプロットの完成度、ところどころに点在する星のように燦然と輝く一節が、のちの鮮烈で煌びやかな才能の開花を予見させる。

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    Posted by ブクログ 2023年02月27日

    名前を聞いたことはあるけど、作品を読んだことがなく、これが初めて読んだもの。

    短いのにどれも後先を想像せずにはいられない。
    どれも話に夢中になったけど、この4つが好き。好き、というか頭に残った。

    分かれる道、これをジェイミーに、ルーシー、こここから世界が始まる

    ここから世界が始まる、はタイトル...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月31日

    『8歳で作家になった』と言ったと言われるカポーティは、16歳の時に『ニューヨーカー』で雑用の仕事をしていて、21歳の時にO・ヘンリー賞を受賞。恐るべき子供(アンファン・テリブル)と注目を浴びて社交界デビューするけど、51歳の時に書きはじめたみかんの遺作『叶えられた祈り』で社交人の秘密にしたいことを暴...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月31日

    ハーパーリーの幼馴染で、”アラバマ物語”の”ディル”はカポーティがモデルだと知ったのがカポーティの本に興味を持ったきっかけ。
    代表作の冷血をまだ読んでいないのだが、先にこの、”ここから世界が始まる”を読んでみた。
    若い時、なんならまだ高校生のときにこれらの短編のいくつかを書いたとは、作家になるべくし...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月02日

    習作とのことだが、十分作品に仕上がっていると思わせる短編ばかりで、やっぱり天才と言われる人は違うんだなぁ…と思いました。こんな作品を十代で…と考えると、すごいとしか良いようがありません。
    面白いです。

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    Posted by ブクログ 2022年10月19日

    Outside of society

    村上春樹が解説で書いているように天才作家の天才的習作という表現がぴったり。

    全部を一気に読むのがもったいなくて何日もかけて読んだ。翻訳された海外文学を敢えて原書も読んでみようと思う作品はそんなには多くないけど、これは原文でも読んでみたいと強く思いました。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月04日

    単行本でも読んでいるが、この度文庫になったのでまた読んだ。少年少女の硬質な部分、寂しさ、みたいなものを書かせるとこの人は比類ないな。帯に「泣けるカポーティ」とあるのだが、それがよくわからない。どのへんが泣けるのか?

     いい話のようだけどどうもそれだじゃない変なモヤモヤの残る『分かれる道』『水車場の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月08日

    ほんと、短くて、すぐ読める。
    冒頭の短編も、表題作もおもしろかった。
    とくに、表題作は、女の子が主人公だけど、授業中にどんどん別のこと考え始めて、意識がどこまででもトリップしていく様子が、まるで昔のオレみたいで面白くて笑った。

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