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〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ
高齢者向け共同住宅に住む90歳のペギーが死んだ。彼女は推理小説の生き字引のような人物で、“殺人コンサルタント”と名乗り、多くの作家の執筆に協力していた。死因は心臓発作だったが、ペギーの介護士ナタルカはその死に不審を抱き、刑事ハービンダーに相談しつつ、友人二人と真相を探りはじめる。しかしナタルカたちがペギーの部屋を調べていると、覆面の人物が銃を手にして入ってきて、一冊の推理小説を奪って消えた。謎の人物は誰で、なぜそんな不可解な行動を? 『見知らぬ人』の著者が贈る、本や出版界をテーマにした傑作謎解きミステリ!/解説=杉江松恋 -
長い別れ
酔っぱらい男、テリー・レノックスと友人になった私立探偵フィリップ・マーロウ。大富豪の娘との夫婦関係が破綻したテリーは、なんとか彼女と元の鞘に収まったようだったが、ある日、突然現われ、メキシコまで送ってほしいとマーロウに頼んできた。そして彼を送り届けて戻ったマーロウは勾留されてしまう。テリーには妻殺しの嫌疑がかっていたのだった。彼は自殺、マーロウには、ギムレットを飲んですべて忘れてほしい、という手紙が届く……。男の友情を描いたチャンドラー畢生の大作を、これ以上望むべくもない名手渾身の翻訳で贈る新訳決定版。/解説=杉江松恋 -
悪い弁護士は死んだ
その日は犯罪捜査部のベックストレーム警部にとって、人生最良の日だった。マフィアお抱え弁護士として警察を悩ませてきたエリクソンが殺されたのだ。ベックストレームは部下を率いて捜査を開始。殺害場所は被害者の自宅らしく、死因は鈍器による殴打、部屋からは被害者が発射した銃弾の跡が発見された。だが奇妙なことに、主人が殺害された四時間後に、飼い犬が喉を掻き切られて殺されていたのだ。なぜ犯人はわざわざ引き返して犬を殺したのか。エリクソンを恨んでいた人物は多数いるはずだが……。CWAインターナショナル・ダガー賞最終候補作。 -
アリスが語らないことは
大学卒業を数日後に控えたある日、ハリーは父親が事故死したという知らせを受ける。急ぎ実家に戻ると、傷心の美しい継母アリスが待っていた。葬儀の翌日、ハリーは刑事から意外な話を聞かされる。父親は海辺の遊歩道から転落して死亡したが、その前に何者かに殴られていたという。しかしアリスは父の死について話したがらず、ハリーは疑いを抱く。――これは悲劇か、巧妙に仕組まれた殺人か? 過去と現在を行き来する2部構成の物語は、ある場面で、予想をはるかに超えた展開に! 『そしてミランダを殺す』の著者が贈る、圧巻のサスペンス!/解説=吉野仁 -
ジェームズ・ボンド・シリーズ
「恥辱を与えて殺害せよ」――ソ連国家保安省内の殺害実行機関SMERSH(スメルシュ)へ、死刑執行命令が下った。標的は英国秘密情報部の腕利きのスパイ、007のコードを持つジェームズ・ボンド。かつてソ連側に敗北をもたらした彼を陥れるために、SMERSHの作戦計画立案者が送りこんだのは、英国秘密情報部が飛びつくに違いない、魅力的な餌を抱えた国家保安省の美女だった。ヨーロッパとアジアが交わる混沌の都市イスタンブールやオリエント急行を舞台に、巧妙に張りめぐらされた二重三重の罠。最大の危機がボンドを襲う! 新訳で贈るシリーズ最高傑作。/解説=戸川安宣、小山正 -
〈ワニの町へ来たスパイ〉シリーズ
シンフルの町に身分を偽り潜伏中のスパイであるわたしフォーチュンは、いろいろあって保安官助手カーターとのディナーの日を迎えていた。ところが、そこにカフェの店員アリーの家が火事だと連絡が入る。幸い彼女は無事だったが、原因が放火と判明してはほうっておけない。アリーはこの町で初めてできた、大事な同年代の友人なのだから。けれど、誰からも恨まれそうにない彼女がなぜ? カーターの警告を無視して、わたしは町を知りつくした年上の友人ふたりアイダ・ベルとガーティとともに行動を開始する。大好評に応えて贈る〈ワニ町〉第4弾!/解説=♪akira -
アーサー王ここに眠る
ブリテン島、紀元五百年頃。ひとりの司令官に率いられた、荒々しい騎馬の男たちの集団が農場を襲い火を放った。燃えさかる屋敷から、命からがら逃れたみなしごの少女グウィナは、奇妙な風体の男に救われる。鷹のような風貌の男の名はミルディン。ブリテン島の統一を目指す司令官、アーサーに仕える吟遊詩人だった。言葉を巧みに操り、人々の心を手玉に取る不思議な男。グウィナはミルディンのもとで、彼の企みに手をかすことになる。カーネギー賞受賞。『移動都市』の著者がアーサー王伝説を新たな視点から語り直した傑作ファンタジイ。 -
〈刑事ハービンダー・カー〉シリーズ
これは怪奇短編小説の見立て殺人なのか?──イギリスの中等学校タルガース校の旧館は、かつてヴィクトリア朝時代の作家ホランドの邸宅だった。クレアは同校の英語教師をしながら、ホランドを研究している。10 月のある日、クレアの親友である同僚が殺害されてしまう。遺体のそばには“地獄はからだ”という謎のメモが。それはホランドの怪奇短編に繰り返し出てくる文章だった。事件を解決する鍵は作中作に? 英国推理作家協会賞受賞のベテラン作家が満を持して発表し、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞へと至った傑作ミステリ!/解説=大矢博子 -
歴史の証人 ホテル・リッツ 生と死、そして裏切り
観光客たちが憧れるパリのホテル・リッツ。ナチス占領下でも文化人たちが出入りし、ドイツ人将校と愛人(シャネルや女優)たちもいた。パリ解放時には従軍記者ヘミングウェイとカメラマンのキャパはリッツへと先陣争いをした。綺羅星のごとき登場人物たち。グランドホテル形式の小説のようなノンフィクション。/【目次】主要登場人物/プロローグ ホテル・リッツ パリの鏡/1 パリのスイス 一九四〇年六月/2 パリについてのあらゆる噂話 一八九八年六月一日/3 ヴァンドーム広場上空での空中戦 一九一七年七月二十七日/4 リッツと同じぐらい大きなダイヤモンド 一九四〇年九月一日/5 パリに流れてきたアメリカ人たち 一九四四年/6 フランス人女優とナチスの恋人/7 ユダヤ人バーテンダーとドイツの反ナチス活動/8 アメリカ人妻とスイス人支配人/9 ドイツ軍司令官とパリの運命/10 記者団とパリへのレース/11 アーネスト・ヘミングウェイと解放されたホテル・リッツ/12 女性記者たち 一九四四年八月二十六日/13 パリからの最後の列車/14 ココの戦争と汚れたリネン/15 ブロンドの爆弾と原子核科学者たち/16 ベルリンより愛をこめて、そしてパリでの最後の戦い 一九四五年/17 パリでの権力の衰退 一九五一年六月/18 戦争の長い影 一九六九年五月二十九日/おわりに/謝辞/訳者あとがき/解説=野崎歓/参考文献/人名一覧 -
この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選
異星種族との戦いの最前線で、いつ果てるともしれない激戦を続けている小隊。そこへ司令官のマクドゥーガル将軍が前線視察にやってきて……(この地獄の片隅に)偵察任務中に攻撃を受け、深刻な傷を負って外傷ポッドに収容された兵士マイク。医師アナベルが遠隔通信により彼を救おうとするが……(外傷ポッド)パワードスーツ、パワードアーマー、巨大二足歩行メカ――ジャック・キャンベル、アレステア・レナルズら豪華執筆陣が、古今のSFを華やかに彩ってきたコンセプトをテーマに描く、全12編が初邦訳の傑作書き下ろしSFアンソロジー。【収録作】「この地獄の片隅に」ジャック・キャンベル/「深海採集船コッペリア号」ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン/「ノマド」カリン・ロワチー/「アーマーの恋の物語」デヴィッド・バー・カートリー/「ケリー盗賊団の最期」デイヴィッド・D・レヴァイン/「外傷ポッド」アレステア・レナルズ/「密猟者」ウェンディ・N・ワグナー&ジャック・ワグナー/「ドン・キホーテ」キャリー・ヴォーン/「天国と地獄の星」サイモン・R・グリーン/「所有権の移転」クリスティ・ヤント/「N体問題」ショーン・ウィリアムズ/「猫のパジャマ」ジャック・マクデヴィット/解説=岡部いさく/イラスト=加藤直之 -
龍の刻
恐るべき力を秘めた古(いにしえ)の呪術品〈アーリマンの心臓〉を手に入れた黒魔術師。彼は〈心臓〉の用法に熟達した大神官を3000年間の死から蘇生させた。世界再編のためネメディア国を動かし、西方のアキロニア国を打ち倒すのだ。かの国の王は北の国から訪れた蛮族の子孫――その名をコナンといった。だが勇猛果敢をもって鳴るコナンさえ、大神官の妖術の前では虜囚となり果てる。逆襲はなるか? 30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源(みなもと)となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る全集はここに完結する。/【収録作】「龍の刻」/資料編「I・M・ハワード博士からH・P・ラヴクラフトへの手紙」/「I・M・ハワード博士からE・ホフマン・プライスへの手紙」/解説=中村融 -
世界怪奇実話集 屍衣の花嫁
推理小説ファンが最後に犯罪実話に落ちつくように、怪奇小説愛好家も結局は、怪奇実話に落ちつくのが常道である。なぜなら、ここには、なまの恐怖と戦慄があるからだ――伝説の〈世界恐怖小説全集〉最終巻のために、英米怪奇小説翻訳の巨匠・平井呈一が編訳した幻の名アンソロジー『屍衣の花嫁』が、60年の時を経て、〈東西怪奇実話〉海外篇としてここに再臨! 怪奇を愛し霊異を尊ぶ、古き佳き大英帝国の気風がノスタルジックに横溢する、遠き世の怪談集。ハリファックス卿やE・オドンネルら、英国怪奇実話を代表する幽霊ハンターが集結!【収録作】1「インヴェラレイの竪琴弾き」/「鉄の檻の中の男」/「グレイミスの秘密」/「ヒントン・アンプナーの幽霊」/「エプワース牧師館の怪」/「ある幽霊屋敷の記録」/2「死神」/「首のない女」/「死の谷」/「女好きな幽霊」/「若い女優の死」/「画室の怪」/「魔のテーブル」/「貸家の怪」/「石切場の怪物」/「呪われたルドルフ」/「屍衣の花嫁」/「舵を北西に」/「鏡中影」/「夜汽車の女」/「浮標」/3「ベル・ウィッチ事件」/解説=平井呈一/新版解説=東 雅夫 -
たとえ天が墜ちようとも
高級住宅街の路地で女性の遺体が発見された。刑事マックスは、目撃者の証言から被害者の夫である刑事弁護士プルイットに殺人の疑いをかける。プルイットは、長年ともに働いた仲間である引退した弁護士ボーディに潔白を証明してくれと依頼した。ボーディは弁護を引き受けたが、それは命の恩人である親友のマックスと敵対することを意味していた。たとえ友情を失おうとも、正義を為すべく対決する、検察側の証人マックスと弁護人ボーディ。予想外の展開となる陪審裁判を制するのはどちらか? 『償いの雪が降る』の著者が描く、激動の法廷ミステリ!/解説=若林踏 -
その裁きは死
【ミステリランキング4冠! 第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』海外編・第1位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 海外部門・第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇・第1位『2021本格ミステリ・ベスト10』海外編】実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。裁判の相手方だった人気作家が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、奇妙な事件の捜査にふたたび引きずりこまれて──。年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』に並ぶ、シリーズ第2弾! 驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。/解説=大矢博子 -
魔法使いのウエディング・ベル
この二年ほどの間、魔法の戦い(マジカルバトル)を戦い、陰謀の黒幕と対決し、魔法界のマフィアに潜入し、さまざまな任務を全うしてきた。だが、このミッションほど緊張したことはない。愛するオーウェンとの結婚式のために、ウエディングドレスのセールで最高の一着を手に入れるのだ。友人たちの協力を得て作戦開始。ところが、会場で魔法を使ったいざこざが発生。大勢の人々が魔法を目撃してしまう。誰かがわざと魔法を人目にさらそうとしている? ケイティはオーウェンの反対を押し切り、調査を始めるが……。大人気シリーズ、ついにグランドフィナーレ! -
ごきげんいかが、ワトスン博士
1889年夏。アイリーン・アドラーと親友のペネロピーは、パリで意識を失った男性を助ける。偶然にも、彼はペネロピーが家庭教師をしていたときの知人クウェンティンだった。医師の診察により、昏倒したのは毒物が原因だと判明するが、彼は詳細を語らない。だが、アイリーンの家で療養中に狙撃されたことで事情を打ち明ける。かつて戦場で助けられた軍医に迫る危機を知らせるため、危険を承知で彼を捜しているというのだ。軍医の名はワトスン――。アイリーンたちはアフガニスタンに端を発する事件をめぐり、名探偵ホームズとまたもや相まみえる! -
秘密
1961年、少女ローレルは母が突然現われた男を刺殺するのを目撃した。男は近隣に出没していた不審者だったため、母の正当防衛は認められた。しかしローレルには警察には話せない秘密があった。男は母に「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と言ったのだ。二人は知り合いだった! 50年後、大女優となったローレルは死期の近い母の過去をさぐりはじめる。あの事件の真相は? そして母の本に挟まれていた写真の見知らぬ女性は誰か? 本に残された署名ヴィヴィアンとは? 『忘れられた花園』の著者が新たなる迷宮へと読者を誘う。傑作ミステリ。 -
チャイルド・ファインダー 雪の少女
周囲を雪と氷に覆われた山。両親の車から降りた5歳の少女は、次の瞬間深い森に消えていた。折しも降り始めた雪は吹雪となり少女の足跡を消して、捜索を困難にした。3年の月日がむなしく過ぎ、みな少女は死んでしまったものと考えた……少女の両親以外は。そして両親は、“子ども見つけ屋(チャイルド・ファインダー)”のナオミに最後の望みを託した。自らも過去に消すことのできない傷を負ったナオミは、行方不明の子どもを見つけ出すことに自分のすべてを捧げていた。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山のなか、ナオミの闘いが始まる。 -
飢え渇く神の地
死の神ダリヤが支配する西の砂漠。遺跡の地図を作ることを生業とする青年カダムは、探索を終えて落胆しながら帰宅した。十年前、遺跡の調査に行くと言い残したまま、西の砂漠に消えた家族の行方を探し続けているのだ。もう見つからないのかもしれない。そんなある日、レオンという若い宝石商が、カダムを道案内に雇いたいと言ってきた。どうやら治安警護隊に追われているらしい。カダムは渋々引き受けるが、彼らが砂漠の奥深くに迫ったとき、そこに眠る恐るべき秘密が目を覚ます……。第2回創元ファンタジイ新人賞受賞の著者が贈る意欲作!/解説=乾石智子 -
宇宙大密室
海外作品の的確な紹介と洒脱な筆致による創作の両面から初期の日本SF界を支えた名手・都筑道夫。その唯一のSF短編集が本書である。流刑星にただ一人閉じ込められた囚人は、いかにして殺害されたか――「宇宙大密室」、あなたは60年後に殺されました、と語る男が訪ねてくる――「凶行前六十年」、自殺するには一千万の税金がかかる時代に、無一文で自殺に成功する方法とは――「イメージ冷凍業」などをはじめ、日本民話に材を採った、鼻たれ天狗が主役の連作など幻想小説まで幅広く収める。また巻末には中編SFスリラー「地獄の鐘が鳴っている」を書籍初収録。さらに日本におけるSF黎明期の出版活動について聞いた貴重なインタビューを加え、解説では都筑のSFにおける足跡を詳細に紹介した。【収録作】【未来への危険な旅】「宇宙大密室」「凶行前六十年」「イメージ冷凍業」「忘れられた夜」「わからないaとわからないb」/【心のなかへの奇怪な旅】「変身」「頭の戦争」/【機内サービス映画】「カジノ・コワイアル」/【民話へのおかしな旅】「鼻たれ天狗」「かけざら河童」「妖怪ひとあな」「うま女房」「恋入道」「一寸法師はどこへ行った」「絵本カチカチ山後篇」「猿かに合戦」「浦島」/【追加オプション 見知らぬ過去への旅】「地獄の鐘が鳴っている」/あとがき(ハヤカワ文庫JA版)/著者自身による解説(徳間文庫版)/翻訳SF黎明期 都筑道夫インタビュー/都筑道夫とSF=日下三蔵 -
魔法使いにキスを
免疫者(イミユーン)のはずなのに、〈月の目〉を破壊した時の衝撃でどういうわけか魔法を使えるようになったケイティ。本業のマーケティングが暇なため、同様に魔力が戻ったボーイフレンドのオーウェンに魔法の使い方を教わる毎日だ。そんなある日、ケイティはアシスタントのエルフの様子がおかしいことに気づく。〈魔法使いがエルフを抑圧している〉というビラが配られ、(株)MSIに勤めるエルフたちも動揺しているというのだ。周囲では、エルフたちが次々と姿を消しはじめる。ひそかに調査に乗り出したケイティとオーウェン。やがてふたりの身にも敵の魔の手が伸びる……。大人気シリーズ第7弾。 -
魔法無用のマジカルミッション
(株)MSIのマーケティング部長ケイティは退屈していた。魔法の悪用を企てる輩に勝利をおさめたのはいいが、競争相手のいない市場でのマーケティングなど、サルでもできる。そんなとき、魔力を失ったのを好機と、魔力をもつ者が読むと正気を失う古写本の解読にいそしんでいたオーウェンが、とんでもないことに気づいた。権力への渇望を生み出し、他者を支配する力を与える危険な石〈月の目〉が、こともあろうにニューヨークのティファニーに現れたというのだ。放っておけば、世界中が大混乱に陥ってしまう。オーウェンはケイティとともに追跡を開始する。大人気シリーズ第6弾、セカンド・シーズン開幕。 -
スーパーヒーローの秘密
(株)MSIに復職するため、ニューヨークに戻ったケイティ。ところが久しぶりの出勤の朝、地下鉄内でいきなり魔法を使った犯罪の現場に出くわす。どうやらライバル会社スペルワークスの仕業らしい。魔法の悪用を企む輩を阻止すべく立ちあがった、伝説の大魔法使いマーリン率いる(株)MSI。切り札はマーケティング部長に昇進したケイティのカスタマーカンファレンス。愛するオーウェンの協力も得て、計画は順調に進むかに見えた。だがカンファレンスのさなか、敵の陰謀がオーウェンを襲う。そしてついにオーウェンの出生の秘密が明らかに……。大人気のロマンチックファンタジー第5弾! -
女王のジレンマ
公園で見つかった奇妙な死体。70年代のディスコ全盛期の服装で、外傷はないが、怯えた表情をしている。現場を調べていた刑事マイケルは、側に妖精がいることに気づく。その妖精によると、新しい女王の命を受けた部下たちが、人間と、女王に忠誠を誓うことを拒んだ妖精を追放しているのだという。死体の男も、妖精界から追放された人間だった。だが、新たな女王になったソフィーがそんなことをするはずはない。妖精界で何が起きているのか? マイケルは新米女王のソフィーと共に妖精界に乗りこむ。〈(株)魔法製作所〉の著者の新シリーズ第2弾。 -
ニューヨークの妖精物語
俳優を夢見てNYにやってきたエミリーは、念願かなって舞台で主役を獲得し脚光を浴びたその晩、忽然と姿を消してしまった。だが、姉のソフィーにはわかっていた。妹は妖精にさらわれたのだ。なぜならソフィーはかつて妖精の世界を訪れ、踊りを教えてもらったから。今頃になってあのときの対価を支払えというのか? とはいえ、警察に話しても信じてはもらえまい。ソフィーは、エミリーの友人の親切な刑事マイケルの追及をかわしつつ、妹を捜し始める。『ニューヨークの魔法使い』の著者が贈る、ロマンティックな現代のフェアリーテイル開幕。 -
旧神郷エリシア 邪神王クトゥルー煌臨!
風の邪神イタカを退けたのち、ふたたび時空往還機に乗り探索の旅へと出立したド・マリニーとモリーンがボレアに帰還した。シルバーハットらとの再会を喜ぶも束の間、タイタス・クロウより突然の知らせが入る。最も恐るべき脅威、あのクトゥルーとその邪神どもがついに蠢きはじめた不吉な兆しが見られるという。やつらが決起したら、地球のみならず、全宇宙さえ危うい! クロウがいる善なる旧神たちの地〈エリシア〉へ、なんとしても行かねばならぬ――そう決心したド・マリニーはわずかな手がかりをもとに、エリシアへと急遽旅立つのだが……。〈タイタス・クロウ・サーガ〉最終巻!/解説=鵺沼滑奴 -
ボレアの妖月
風の巫女アルマンドラと婚姻し、ボレアの台地の将軍となった、精神感応能力者シルバーハット。台地民の尊敬を集め、よく地を制していたが、探索の途中で、地平線の彼方に墜ちゆく物体を目撃する。それこそは、アンリ‐ローラン・ド・マリニーの乗った時空往還機であった! だが、墜落の際、時空往還機がイタカ軍の手に落ちてしまう。これなくしては、ボレアからの脱出も、邪教集団との闘いも困難を極める。シルバーハットは、ド・マリニーと共に奪還を決意するが、風の邪神イタカの魔手が、ボレアに、そして愛するアルマンドラに迫りつつあった。邪神と人類の闘争を描きクトゥルー神話体系に新風を巻き起こした伝奇ホラー、長編第5弾。/解説=鵺沼滑奴 -
青玉は光り輝く
予言された12番目のタイムトラベラーであることが判明したグウェンドリンは、タイムトラベル能力の調整のために行う“時間消化”中に、若き日の祖父に出会った。絶好のチャンスとばかりギデオンや〈監視団〉のメンバーには内緒で、ルーシーとポールがクロノグラフを盗んで逃亡した謎を解明しようと画策する。クロノグラフが12人のタイムトラベラーの血を読みこんだとき、いったい何が起きるのか? そしてグウェンドリンに固執するサンジェルマン伯爵の思惑は? ドイツで100万部突破。大人気のタイムトラベル・ファンタジー3部作、第2弾! -
マインド・イーター[完全版]
宇宙へ進出した人類に襲いかかったもの、それがマインド・イーター。ビッグ・バンの起こる前の宇宙の残滓であり、人間に対し悪意をもつ、数千の小天体の姿をした鉱物的存在である。M・E(マインド・イーター)は精神を食いちぎり、人間を完全に異質なものに変えてしまう。これをM・E症と呼ぶ。M・Eを破壊するため、連合はハンターと呼ばれるエリートを育成し宇宙へ送りつづけるが、その戦いは絶望的なものだった。そしてハンターがM・Eの顎(あぎと)に倒れると、いかに空間的に離れていようと、ハンターと精神的な結びつきの強い恋人や肉親までがM・E症を発症するのだ。日本SFの里程標的傑作を、シリーズ短篇を全作収録した完全版で贈る。 -
旱魃世界
十年ほど前から徴候を見せていた世界的な旱魃は、ここ五カ月のあいだ、各地で急速に文明社会を崩壊させつつあった。マウント・ロイヤル市の住人たちが競うように水を求めて海岸へと殺到する中、医師ランサムはハウスボートの船上で、破滅まで引き延ばされた時間を緩慢と生き続けていた。やがて、妄執に囚われた建築家ローマックスの不穏な企みをきっかけに、彼も海を目指して南下を試みるが……生物を拒絶するように変質する世界をシュルレアリスム絵画のように描き出した、バラード〈破滅三部作〉の一端をなす『燃える世界』の完全版、本邦初訳。/解説=牧眞司 -
掠奪都市の黄金
古代兵器の暴走によりロンドンが炎上して二年あまり、元ロンドンの見習い史学士のトムは、ヘスターと共に飛行船を飛ばしていた。だが、戦闘飛行船に攻撃され不時着した北の氷原で、移動都市アンカレジに拾われたことから、ふたりの運命は急転する。アンカレジを支配する美少女とトムの仲に嫉妬し、ひとり飛び立ったヘスターを待ち受ける罠。残されたトムにつきまとう謎の少年。最終戦争で文明が荒廃した遙かな未来、都市淘汰主義に則り、移動しながら食ったり食われたりを繰り返す都市と、それに反発する反移動都市同盟が争う奇怪な世界でたくましく生きる、トムとヘスターの冒険第2弾。星雲賞受賞の『移動都市』続編。 -
コブの怪しい魔法使い
故郷の田舎町、テキサス州コブに戻って三カ月、ドラゴンや邪悪な魔法使いの襲撃を心配する必要のない日々が続いている。あこがれのオーウェンと互いの気持ちを確かめ合ったのも束の間、彼の最大の弱点が自分だという、ロマンス小説のヒロインのような立場に立たされてしまったケイティ。魔法の悪用を企む一味との戦いの足手まといになるまいと、ニューヨークをあとにしたのだった。ところが、魔法とは縁のないはずのコブの町で、魔法のにおいのする事件が発生。ケイティは(株)MSIに助けを求める。大家族が繰り広げるてんやわんやをさばきつつの大奮闘、果たしてその結末は? おしゃれでロマンチックなファンタジー第4弾。 -
赤い靴の誘惑
ケイティ・チャンドラー26歳。ニューヨークに出てきて1年余り。やっと自分の能力をいかせる職場と巡り合い、どうやら彼氏のいない生活からも卒業の気配。一見順風満帆のようだが、やはり人生そううまくはいかないもの。スパイ事件が発生し、社内の雰囲気は最悪に。魔法に免疫のあるケイティがスパイ事件の調査を任され、ただでさえ目が回るほどの忙しさのなか、なんとテキサスからパパとママがやってくるという。つき合いはじめたばかりの、会社の顧問弁護士で免疫者(イミユーン)仲間イーサンの協力で、なんとか無事乗りきれると思った矢先、ママが変なものが見えると言い出した。危うし、ケイティ! 好評〈(株)魔法製作所〉第2弾。 -
石と星の夜
ギルデアの使節が暗殺されたことで、ギルデアとアトーリスの和平交渉は決裂。アトーリス王室の諜報員ステランは、仲間内に敵に通じている裏切り者がいるとの情報を得て、懸命に捜査を行う。一方、戦火を逃れて最果ての地フォーディル村に身を寄せていたリーヴたちは悲しみに包まれていた。故郷テス王国を守るべく戦っていた父が戦死したのだ。迫りくるギルデアの脅威に、立ち向かう連合国。フィーンの預言者が謳った英雄はどこにいるのか? アトーリス王国が極秘裏に開発を進める恐るべき兵器の正体は? 風雲急を告げる、好評シリーズ第2弾。 -
冬のフロスト
【第1位『IN★POCKET』2013文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門/作家部門/読者部門/翻訳家&評論家部門】寒風が肌を刺す一月。デントン署の管内では、いつものように事件が絶えない。二ヶ月以上も行方の知れない8歳の少女に続き、同じ学校に通う7歳の少女も姿を消す。売春婦殺しは連続殺人に発展し、ショットガンを振りまわす強盗犯に、酔ったフーリガンの一団、“怪盗枕カヴァー”といった傍迷惑な輩が好き勝手に振る舞う、半ば無法地帯だ。われらが名物親爺ジャック・フロスト警部は、とことん無能で好色な部下の刑事に手を焼きつつ、人手不足の影響でまたも休みなしの活動を強いられる……。史上最大のヴォリュームで贈る、大人気警察小説第5弾。 -
休日はコーヒーショップで謎解きを
拳銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に“憎みあう三人の男”の物語を聞かせるのか? 意外な真相が光る「二人の男、一挺の銃」をはじめ、腕利きの殺し屋に次々と降りかかる予測不可能な出来事を描く「残酷」、殺人事件が起きたコーヒーハウスで、ツケをチャラにするため犯人探しを引き受けた詩人が探偵として謎解きを繰り広げる黒い蘭中編賞受賞作の「赤い封筒」など9編。正統派推理短編、私立探偵小説、ヒストリカル等、『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』で人気を博した短編の名手が贈るとっておき! ごゆっくりお楽しみください。【収録作】まえがき/「ローズヴィルのピザショップ」/「残酷」/「列車の通り道」/「共犯」/「クロウの教訓」/「消防士を撃つ」/「二人の男、一挺の銃」/「宇宙の中心(センター・オブ・ザ・ユニバース)」/「赤い封筒」/編訳者あとがき -
ケイトが恐れるすべて
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことにする。だが、到着した翌日に、アパートメントの隣室の女性オードリーの死体が発見される。オードリーの友人と名乗る男や、アパートメントの向かいの棟の住人の話では、彼女とコービンは恋人同士だが、まわりには秘密にしていたという。そしてコービンはケイトに、オードリーとの関係を否定する。嘘をついているのは誰なのか? 見知らぬ他人に囲まれた、ケイトの悪夢の四日間が始まる。ミステリ界を席巻した『そしてミランダを殺す』の著者の衝撃作!/解説=川出正樹 -
銀河核へ
故郷を失った地球人類は、多様な種族が共存する銀河共同体(GC)に加盟を許され、弱小種族ながら繁栄を享受していた。宇宙船〈ウェイフェアラー〉は、超光速航行のためのワームホール、通称“トンネル”建設専門の作業船である。多種族混成の寄せ集め乗組員とつぎはぎだらけのこの中古船に、GC政府から突如舞い込んだ大仕事──銀河系中心部(コア)への新航路となる長距離トンネルを掘れ、というのだ! かくして彼らは、未踏の宙域への長い長い航海に乗り出した。個人出版から熱狂的な人気を博し、ヒューゴー賞、クラーク賞候補となった傑作スペースオペラ! -
死者の百科事典
旅先で訪れた図書館で、世界中の無名の死者の生涯だけを記録した書物に出会い、父親の項を読みふけるという表題作をはじめ、音楽的手法、絵画的手法、映画的手法と、自在に変化するスタイルで描かれた死と愛をテーマとする、幻想的で美しい、しかも皮肉な味わいをもそなえた九つの物語。アンドリッチ賞受賞作。【収録作】「魔術師シモン」/「死後の栄誉」/「死者の百科事典」/「眠れる者たちの伝説」/「未知を映す鏡」/「師匠と弟子の話」/「祖国のために死ぬことは名誉」/「王と愚者の書」/「赤いレーニン切手」/「ポスト・スクリプトゥム」/訳者あとがき=山崎佳代子/解説=松山巖 -
リガの犬たち
スウェーデン南部の海岸に、一艘のゴムボートが流れ着いた。中には、二人の男の死体が抱き合うように横たわっていた。共に射殺。身に付けた高価なスーツからするに漁師や船員ではなさそうだったが、身元を示すような物は何もなく、ボートには製造元すら書かれていなかった。彼らはいったい何者なのか? 検死医の報告によれば、どうやら海の向こう、ソ連か東欧の人間らしいのだが……。小さな田舎町の刑事に過ぎないヴァランダーは、思いもよらない形でこの国境を超えた事件の主役を演じることになるのだった! 話題のスウェーデン警察小説、第2弾。 -
そしてミランダを殺す
ある日、ヒースロー空港のバーで、離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに声をかけられる。彼は酔った勢いで、1週間前に妻のミランダの浮気を知ったことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。話を聞いたリリーは、ミランダは殺されて当然と断じ、殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され、決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防が語られる鮮烈な傑作犯罪小説。/解説=三橋曉 -
犯罪心理捜査官セバスチャン 白骨
道に迷ったトレッキング中の女性が偶然見つけたのは、泥に埋まった人骨だった。山中に埋められた六人の遺体。大人が四人、子どもが二人。ずいぶん前に埋められたらしく白骨化していたが、頭蓋骨には弾痕があり、殺されたものと思われる。早速トルケル率いる殺人捜査特別班に捜査要請が出された。トルケルは迷ったあげく、有能だがトラブルメーカーのセバスチャンにも声をかける。家に居座ってしまったストーカー女にうんざりしていたセバスチャンは、渡りに舟とばかりに発見現場のイェムトランド県に同行する。史上最強の迷惑男セバスチャン再び登場。 -
深夜の市長
昼とは全く別の姿を見せる真夜中の東京“大都市T”。奇怪な人々が闇に潜む不思議な都市を支配するのが、謎の老人・深夜の市長である。ある晩の殺人事件をきっかけに、彼の存在を知った僕。果たして深夜の市長の正体は? 傑作都市ミステリ「深夜の市長」。祖父とも思う資産家の老人が亡くなった後、少年が取った行動が予想外の事態を招く「仲々死なぬ彼奴」。人間の興奮をグラフにした“興奮曲線”によって、殺人犯を特定した博士が陥った悲劇を描く「キド効果」など珠玉の11編を収録。日本SFの先駆者にして唯一無二の奇想で彩る作品を描いた著者の真髄を示す、傑作ミステリ短編集。 -
狂乱廿四孝/双蝶闇草子
三世澤村田之助、江戸末期から明治初期にかけて一世を風靡した歌舞伎の名女形。舞台の最中の怪我から脱疽となり結果として四肢を切断せざるを得なかった悲劇の名優である。明治3年、異彩の画家・河鍋狂斎の描いた幽霊画を発端とした連続殺人事件が、猿若町を震撼させる。幽霊画には歌舞伎界を揺るがす秘密が隠されているらしい――。滅び行く江戸の風情とともに、その事件の顛末を戯作者見習いのお峯の目を通して丁寧に活写した、第6回鮎川哲也賞受賞作『狂乱廿四孝』に、その後のお峯たちの姿を描いた未完の長編ミステリ『双蝶闇草子』を付す。/解説=浅野里沙子 -
晴れた日の森に死す
ノルウェーの森の奥で、独り暮らしの老女が殺害された。被害者は玄関先の階段で血まみれになり、左目に鍬が突き刺さっていた。第一発見者の少年が、忌まわしい存在として知られる、精神病院に入院中の青年エリケを現場で目撃していた。捜査陣を率いるセイエル警部は、エリケを容疑者だと決めつける者たちの偏見の言葉に左右されず、冷静に証言や手がかりを集めていく。しかし信じがたい事実が判明する。エリケは近くの街の銀行強盗事件に巻きこまれ、銃を持って逃走する犯人の人質となっていた……。ガラスの鍵賞受賞作家が贈る衝撃のミステリ!/解説=ヘレンハルメ美穂 -
霧に橋を架ける
人間を寄せつけない“霧”の大河に初めての橋を架けようとする人々の苦闘と絆を描き、ヒューゴー賞とネビュラ賞をダブル受賞した表題作。宇宙で遭難した女性と、圧倒的に異質な相手の邂逅を描く、ネビュラ賞受賞の衝撃作「スパー」。消失と再出現を繰り返す猿たちのサーカスとともに旅する女性が出合う奇跡を描いた、世界幻想文学大賞受賞中編「26モンキーズ、そして時の裂け目」。現代SF界きっての短編の名手が、孤独を抱えたものたちの不可思議な出会いとふれあい、そして別れを鮮やかに描く。数々の賞に輝く傑作11編を収めた幻想SF短編集。/解説=橋本輝幸 -
ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密
名ヴァイオリン職人ジャンニのもとに一挺のグァルネリが持ちこまれた。天才演奏家パガニーニ愛用の名器“大砲(イル・カノーネ)”で、コンクールの優勝者エフゲニーがリサイタルで弾く予定だった。修理を終えた翌日、リサイタルに来ていた美術品ディーラーの撲殺死体が発見される。彼はホテルの金庫に黄金製の箱を預けていた。中にはエリーザという女性がパガニーニに宛てた1819年の古い手紙があり、彼女がパガニーニに何かを贈ったことが書かれていた。殺人事件解明の手がかりなのか? 名職人にして名探偵が“悪魔のヴァイオリニスト”をめぐる謎に挑む!/解説=青柳いづみこ -
ささやかで大きな嘘
最初は子供同士のトラブルだった……。海辺の公立幼稚園、その夜のパーティに子供たちの歌声はなく、聞こえるのは罵り言葉と保護者の乱闘の音。そして保護者の一人が死亡。事故か? 殺人か? ……事の起こりは六カ月前、シングルマザーのジェーンの息子ジギーにいじめの疑いがかかった。本人はきっぱり否定するが、保護者たちは騒然。ジギーをいじめっ子と決めつける者、ジギーの言葉を信じる者に分かれ、険悪な雰囲気に。ジェーンは園で知り合った二人の友人とともに事態に立ち向かう。31カ国で翻訳、英米で150万部突破の傑作ミステリ登場。 -
霜の降りる前に
リンダ・ヴァランダー、まもなく三十歳。警察学校を修了して秋からイースタ署に赴任することが決まり、この夏は父クルトのアパートに同居している。久しぶりの故郷で、旧友ふたりとのつきあいも復活した。だが、その友人のひとりアンナがいきなり行方不明に。いなくなる直前にアンナは、彼女が幼いころに姿を消したままの父親の姿を見たと、リンダに告げていた。アンナになにが? 心配のあまり、まだ正式に警察官になっていないからと諫める父の制止を無視し勝手に調べはじめるリンダ。全世界で4000万部突破! スウェーデンミステリの巨匠マンケルの人気シリーズ。 -
消えた修道士
オー・フィジェンティの大族長が、和平協定締結のために、モアン王国を訪れたその時、大族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。どちらも命に別状はなかったが、襲撃がモアン側の陰謀だというオー・フィジェンティの主張に、両国は一触即発の危機に。モアン国王は自国の潔白の証明を、妹で法廷弁護士でもある修道女フィデルマに託した。襲撃者はすでに殺されていた。フィデルマはわずかな証拠を頼りに、相棒エイダルフ修道士と共に、襲撃に使われた矢の出処と思われるクノック・アーンニャに向かう。美貌の修道女が名探偵。好評シリーズ、長編第7弾。 -
白の祝宴 逸文紫式部日記
時は平安。都の人々の注目を集めているひとりの女性がいた――その名は紫式部。かの『源氏物語』の著者だ。式部には、あまり知られていない顔がある。彼女は都の謎を鮮やかに解き明かす名探偵でもあったのだ。折しも、帝が寵愛する女性が待望の親王を出産し、白一色で飾られ沸き立つ土御門邸。しかし、そのきらびやかな祝宴のさなか、都を騒がせている怪盗が逃げこんだとの報が入る。彰子にこわれて出仕していた式部は、『紫式部日記』編纂のかたわら、推理をめぐらせるのだが……。怪盗の行方は? そして書物にこめた式部の思いとは? 第13回鮎川哲也賞受賞作家が描く王朝推理絵巻、第2弾。/解説=細谷正充 -
半身
門をいくつも抜け、曲がりくねった小径をたどった奥にある石の迷宮――ミルバンク監獄。1874年の秋、テムズ河畔にそびえるこの牢獄を慰問のために訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。19歳のその娘シライナは、監獄じゅうの静けさをかき集めたよりも深い静寂をまとっていた。なぜこんな人が、こんなところに? すると、看守から聞かされた。あの女は霊媒なの。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる……。魔術的な筆さばきの物語が終局に至って突きつける、青天の霹靂のごとき結末。サマセット・モーム賞など多くの文学賞に輝く本書は、魔物のように妖しい魅力に富む、絶品のミステリ! -
もう年はとれない
思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに“親切とはいえなかった”ナチスの将校が生きているかもしれない――そう告白されたところで、あちこちガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫に助けられながら、宿敵と黄金を追うことに……。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いいヒーローを生みだした、鮮烈なデビュー作!2013年マカヴィティ賞新人賞受賞作、『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門第1位。 -
チャーチル閣下の秘書
アメリカで育ったわたしが、ロンドンで暮らしはじめて1年余り。その間、この国はナチス・ドイツと開戦し、チャーチルが首相になり、そしていま、空襲の時が迫っていた。そんな折、首相官邸での職の話が舞い込んでくる。数学の能力を活かせる秘書官ではなく秘書としてのオファーだが。女性にタイプとファイリングしかまかせようとしないこの国に苛立ちを感じながらも、わたしはその誘いを受け入れる。官邸を取り巻くいくつもの謀略が、待ち構えていることなど知るはずもなく。才気煥発なマギーが体当たりで陰謀に挑む、魅力のシリーズ開幕編。MWA賞、バリー賞、ディリス賞ノミネート! -
犯罪心理捜査官セバスチャン
「息子が帰ってこないんです」ヴェステロース警察にかかってきた一本の電話、それがすべての始まりだった。少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。センセーショナルな事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。メンバーはリーダーのトルケル以下四人の腕利き刑事。そこにひとりの男が加わった。男の名はセバスチャン・ベリマン、心理学者で殺人捜査特別班の元トップのプロファイラー。だがこの男、自信過剰で協調性ゼロ、アドレナリンとセックス中毒、捜査中でも関係者を口説いて寝てしまう、はた迷惑な奴だったのだ。スウェーデンを代表する脚本家がタッグを組んだ、注目の北欧ミステリ。 -
あの魔女を殺せ
グロテスクな生(いき)人形の作り手として、賛辞を集める常世三姉妹。彼女たちの人形にはまるで人の魂が宿っているかのような迫力があり、世界中の好事家を魅了していたが、一方でその人形作りについて黒い噂が囁かれていた。三姉妹の新作発表の場に立ち会うことになったフリーライター・麻生真哉は、六歳の娘とともに群馬の山中にある彼女たちの拠点である館に向かう。ところが新作発表会の夜、三姉妹の長女が殺害される。現場はほぼ密室。館も孤立状態となり、残された姉妹は、館中を捜索し始めるが――。ある魔術を受け継ぐ一族を巡る驚愕の事件を巧みに描いた、鮎川哲也賞作家の意欲作。 -
藍色時刻の君たちは
2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽、航平、凜子は家族の介護と家事に忙殺され、鬱屈を抱えていた。だが、町にやって来た女性・青葉が、小羽たちの孤独に理解を示す。彼女との交流で3人が前向きになっていった矢先、2011年3月の震災により全てが一変してしまう。2022年7月。看護師になった小羽は、震災時の後悔と癒えない傷に苦しんでいた。そんなある時、彼女は旧友たちと再会。それを機に、過去や青葉が抱えていた秘密と向き合うことに……。第14回山田風太郎賞を受賞した感動長編を、書き下ろし掌編などを加えて文庫化。/解説=瀧井朝世 -
案山子の村の殺人
楠谷佑のペンネームで活動する僕ら合作推理作家の、次の新作は山奥の寒村を舞台にした本格ミステリになる予定だ。しかし真舟のプロットは仕上がったものの、執筆担当の僕の作業が捗らない。田舎の村に行ったことがないからだ。だったら、と大学の友人に勧められ、旅館を営む彼の実家がある宵待村に、僕と真舟は旅行に出掛けたが、そこで本物の事件に巻き込まれることになるとは、僕たちはまったく想像していなかった。案山子だらけの宵待村で、案山子に毒の矢が射込まれ、別の案山子が消失し、ついに殺人事件が勃発する。現場はいわゆる雪の密室の様相を呈していた。推理作家の大学生コンビ、篠倉真舟と宇月理久が謎解きに挑む。 -
シャーロック・ホームズは引退しました
名探偵シャーロック・ホームズの物語が人気を博する1932年、こちらロンドンはベイカー街。ホームズの作中住所に建つアビー・ロード住宅金融組合には、かの探偵の実在を信じる人々から依頼の手紙が届き続ける。組合で働くハリエットは、そんな手紙にひたすら「シャーロック・ホームズは引退しました」と断りの返事をタイプする日々を送っていた。しかしあるとき、メイドの失踪にまつわる切実な依頼を読んだ彼女は、ホームズの秘書を名乗り自ら調査に乗り出すことに……。名探偵に代わり挑む、変装、尾行、推理。清新なミステリシリーズ、堂々封切り!/解説=北原尚彦 -
イザベラ・バード、日出ずる国で妖怪に出会う
明治11年夏、奥州を縦断して蝦夷地を目指す英国人女性がいた。その名はイザベラ・バード。お供は通訳兼従者の若者伊藤鶴吉と英国からついてきた小妖精ディル&ジンジャーだ。一行は行く先々で妖怪に出くわし、思わぬ事件に巻きこまれる。本当に恐ろしいのははたして妖怪か人間か。旅を続けるうち、好奇心旺盛なイザベラと無口な鶴吉は少しずつ心を通わせていくが、鶴吉はある秘密を抱えていた。ヴィクトリア朝の英国を飛び出した実在の女性旅行家(レディ・トラベラー)が、日常と非日常のあわいをたゆたう謎に挑む、レトロで新鮮な正統派歴史冒険ファンタジイ!/解説=小出和代 -
警官レイチェル&看護師サラの事件簿
婚約者に裏切られ、深く傷ついた警察官のレイチェルは、豪華客船で看護師として働く親友のサラに誘われて、2週間の地中海クルーズに参加した。素敵なディナーや美術品オークションなどで船旅を楽しんでいたが、寄港したリスボンで、同じ船の乗客が何者かに突き飛ばされ、トラックの下敷きになるという事件が発生。レイチェルは船で親しくなった男性が現場から走り去っていく姿を見て不審に思い、サラと協力しつつ、事件を調べ始める。――でも船内で、どうやって捜査すればいいの? 警察官と豪華客船つきの看護師、親友同士の女性たちが謎に挑むコージーミステリ・シリーズ開幕! -
夜色表紙の本
それは濃紺の革表紙に星座が型押しされた、薄い小さな冊子だった。父が文字を書き、意匠と飾り文字は叔父が、細密画は母が描いた。〈夜の写本師〉である三人が彼のために書いてくれたものだ。その『夜色表紙』が消えた。戦争に行くといって家を出た息子が持っていったのか? 訃報のみがもたらされた息子。『夜色表紙』には必ず自分のもとに戻ってくるという魔法がかけられているはず。戻ってこないのなら息子は生きているかもしれない。息子の消息を求め〈護符師〉ヴァニバスは旅立った……。人気の〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ。/【目次】夜色表紙/影の馬/森林監督官/大地女神(イルモア)の罠/あとがき -
絶滅の牙
近未来。野生の象は絶滅し、シベリアには遺伝子工学で復活したマンモスの保護区が創設されていた。かつて象を保護する生物学者だったダミラは死後一世紀を経て、その意識を一頭のマンモスに転送し、群れを率いる存在となる。一方、保護区には、マンモスを狙う密猟者の息子で広い世界を夢見る少年スヴャトスラフや、大金を積んで合法的にマンモス狩りの権利を得た富豪の夫で、狩りに疑問を覚えるウラジーミルらが集まりつつあった――大自然と人間の相剋をSFならではの視点で描ききった俊英のヒューゴー賞受賞、ネビュラ賞・ローカス賞候補作。/解説=勝山海百合 -
修道女フィデルマの慧眼 修道女フィデルマ短編集
聖人の亡骸が眠る地への巡礼に加わったフィデルマ、そこで心臓をひと突きされた修道女の死体が見つかり捜査することに……「祝祭日の死体」。ラーハン王国で催される大祭を訪れたフィデルマとダロウの修道院長ラズローンが、エールの飲み比べ競争の最中に死んだ闘士の事件に挑む「夜の黄金」。ドーリィーとして殺人および窃盗の罪で告発されている少年の弁護を引き受けたフィデルマが真相に迫る「撒かれた棘」など全5編を収録。法廷弁護士にして裁判官、アイルランド全土を旅する修道女探偵フィデルマが、事件を鮮やかに解決する。短編集第6弾。/【目次】祝祭日の死体/狗のかへり来りて……/夜の黄金/撒かれた棘/尊者の死/訳註/解説=♪akira -
ロンドン・アイの謎
12歳の少年テッドは、姉のカットといとこのサリムとともに、巨大な観覧車ロンドン・アイに乗りに出かけた。チケット売り場の長い行列に並んでいたところ、見知らぬ男がチケットを1枚だけくれたので、サリムだけがたくさんの乗客に交じって、観覧車のカプセルに乗りこんだ。だが一周して降りてきたカプセルにサリムの姿はなかった。閉ざされた場所からなぜ、どうやって消えてしまったのか?──「ほかの人とはちがう」頭脳で大人顔負けの推理を駆使する少年テッドが謎解きに挑む! カーネギー賞受賞作家が贈る、清々しく胸を打つ長編ミステリ。/解説=千街晶之 -
馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
昭和36年のテレビ草創期、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった大杉日出夫の計らいで、ミュージカル仕立て、生放送のミステリドラマの脚本を手がけることになった風早勝利。四苦八苦しながら脚本を完成させ、ようやく迎えた本番。アクシデントを乗り切り、さあフィナーレという最中に主演女優が刺殺体となって発見された。現場は衆人環視下の放送中のスタジオ。駆け出しミステリ作家・風早と那珂一兵が、テレビ局内の殺人事件の謎解きに挑む。『深夜の博覧会』『たかが殺人じゃないか』に続く、“昭和ミステリ”シリーズ完結篇。/解説=小山正 -
月のケーキ
月のケーキの材料は、桃にブランディにクリーム。タツノオトシゴの粉、グリーングラスツリー・カタツムリ。月の満ちる夜に作らなければならない……「月のケーキ」。幼い娘が想像したバームキンを宣伝に使ったスーパーマーケットの社長、だが実体のないバームキンがひとり歩きしてしまい……「バームキンがいちばん!」。魔女である祖母亡きあと城の守りを託された孫のコラムは、いかにしてヴァイキングの侵略を退けるのか? 「にぐるま城」。ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手による、幻想的で奇妙な味わいの13編をおさめた短編集。/【目次】月のケーキ/バームキンがいちばん!/羽根のしおり/オユをかけよう!/緑のアーチ/ドラゴンのたまごをかえしたら/怒りの木/ふしぎの牧場/ペチコートを着たヤシ/おとなりの世界/銀のコップ/森の王さま/にぐるま城/訳者あとがき -
感応グラン=ギニョル
昭和初期、浅草六区の片隅に建つ芝居小屋。ここでは夜ごと、少女たちによる残酷劇が演じられていた。俳優たちは座長の方針で、ある特殊な条件のもと集められ、共同生活を送っている。ある日、容姿端麗で美しい声を持つ新人が現れた。本来ここには「完璧な少女」は存在してはいけないはずなのに、なぜ? 彼女の秘密が明らかになるとき、〈復讐〉が始まる――。分かち合えない痛みと傷を抱えて生きる孤独な魂を描いた全五編。退廃と奇想、呪縛と変容。唯一無二の世界を築き上げる創元SF短編賞出身の鬼才、空木春宵のデビュー作がついに文庫化!/【目次】感応グラン=ギニョル/地獄を縫い取る/メタモルフォシスの龍/徒花物語/Rampo Sicks/解説=橋本輝幸 -
折れざる槍
人々に妖精の谷と怖れられる地で、荒野を庭として育った少女がいた。母は少女の名を隠し、少女の父、海の息子マナナーンから盗んだ鉢を護って洞穴でひっそりと暮らしていた。だが少女は日ごとに成長し、力強く、そして素早くなった。やがて広い世界への憧れが抑えきれなくなった少女は、母からペレティルという名前を受け取ると、カエル・レオンに玉座を構える王アルトゥルスの戦士団に加わるべく旅立った……。ネビュラ賞受賞作家が、アーサー王伝説群の中のパーシヴァルの物語を独自の視点で語り直した鮮烈な作品。LAタイムズ文学賞受賞作。 -
のすたるじあ
“だァれも知らないとこなの”女が語った美しい故郷の風景とは? 哀切極まる真相が胸を打つ「エルドラドオ」。中世錬金術師の甦りの秘薬をめぐる奇譚「復活の霊液」。偶々下船した島で見知らぬ女との暮しに引き込まれていく「郷愁」他、読者を「ミステリアスな宇宙へとさそいこむ」と星新一が絶賛する城昌幸傑作選『のすたるじあ』を完全収録。第2部には、酒場の主人が語る数奇な運命譚「面白い話」、ナイル河畔に出没する魔性の者の甘美な恐怖を描く「吸血鬼」など、書籍初収録を含む珠玉の短篇を収める。/【目次】1 のすたるじあ/大いなる者の戯れ/ユラリゥム/ラビリンス/まぼろし/A Fable/光彩ある絶望/燭涙/エルドラドオ/美しい復讐/復活の霊液/斬るということ/蒸発/哀れ/郷愁/解説=星新一/2 その他の短篇/今様百物語/シャンプオオル氏事件の顚末/東方見聞/神ぞ知食(しろしめ)す/死人に口なし/吸血鬼/書狂/他の一人/面白い話/三行広告/間接殺人/うら表/憂愁の人/夢見る/怪談京土産/白夢/2+2=0/はかなさ/解説=夕木春央/初出一覧・編集後記 -
みすてりい
終電間近の駅で目撃した空中遊行術の奇蹟。退屈病患者がある夜出会った猟奇商人の奇妙な提案。果知れぬ曠野を埋め尽くす赤ン坊の群れ。高い高い絶壁の上から見下ろす異形の怪物。自分の生涯を完璧に計画した男の最後のたくらみ。江戸川乱歩が「人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人」と評した異才、城昌幸の珠玉の傑作を集めた自選集『みすてりい』全篇を完全収録。秘密結社に追われる男たちの運命を描いたデビュー作「脱走人に絡る話」とその続篇「仮面舞踏会」、城左門名義の散文詩的作品等を増補した。/【目次】1 みすてりい/艶隠者/その夜/ママゴト/古い長持/根の無い話/波の音/猟銃/その家/道化役/スタイリスト/幻想唐艸/絶壁/花結び/猟奇商人/白い糸杉/殺人婬楽/その暴風雨(あらし)/怪奇製造人/都会の神秘/夜の街/死人の手紙/模型/老衰/人花/不思議/ヂャマイカ氏の実験/不可知論/中有の世界/跋=江戸川乱歩/あとがき/2 補遺・その他の短篇/根の無い話 B・C/幻想唐艸 第三話 思い出/脱走人に絡る話/仮面舞踏会/譚(ものがたり)/五月闇/たぶれっと/解説=長山靖生/初出一覧・編集後記 -
写楽百面相
時は寛政の改革の頃。川柳句集の板元の若旦那・花屋二三(はなやにさ)は、馴染みの芸者・卯兵衛との逢引の折に見た、謎の絵師が描いた強烈な役者絵に魅入られる。二三は絵に残された落款を頼りに、その絵師・写楽の正体を探っていくと、卯兵衛の失踪など身辺で次々と奇怪な出来事が起きてしまう。二三はそれらの謎も追う中で、蔦屋重三郎、十返舎一九、葛飾北斎、松平定信たち有名人と関わっていく。やがて、幕府と禁裏を揺るがす大事件に巻き込まれることに……。浮世絵、川柳、黄表紙、芝居、手妻、からくりなど江戸の文化や粋に彩られた、傑作長編ミステリ。/解説=澤田瞳子 -
風に散る煙
よきワトスン役であるエイダルフに同行して海路カンタベリーに向かっていたフィデルマは、途中時化(しけ)のためダヴェド王国への上陸を余儀なくされる。先を急ぎたいふたりだったが、フィデルマの評判を聞きつけた国王から、小さな修道院の修道士や家畜がすべて消え失せるという不可解な出来事の謎を解いてほしいとの要請を受ける。じつはその修道院には王の息子がいたというのだ。捜査を引き受けたフィデルマとエイダルフは、ダヴェド王国の判事とともに問題の修道院へと向かうが……。王の妹にして弁護士、美貌の修道女が活躍するシリーズ第10弾。 -
乱れからくり
玩具会社部長の馬割朋浩から、妻・真棹の素行調査を依頼された調査会社社長・宇内舞子は、新米助手の勝敏夫と共に夫妻の乗った車を尾行する。ところが、その車を隕石が直撃するという奇禍で、朋浩は命を落とす。この事件が幕開けを告げたかのように、馬割家で不可解な死が連続し、舞子と敏夫は、幕末期まで遡る一族が抱える謎と、「ねじ屋敷」と呼ばれる同家の庭に造られた、五角形の巨大な迷路に隠された秘密に挑むことになる。絢爛巧緻な犯罪絵巻であり、本格ミステリの醍醐味に満ちた、第31回日本推理作家協会賞受賞作にして、不朽の名作!/解説=阿津川辰海