忘れられない女性がいる男性を好きになる、これほど辛い報われない恋はありません。
ヒロインのスーザンは鉱物学者で、企業のコンサルタントをしています。
彼女が新たに雇われたのは、宝石会社の社長。実は、彼こそが彼女の初恋の憧れの男性でもありました。しかし、彼には挙式一週間前に失った、今もなお忘れ得ない婚
...続きを読む約者がいたのです。
―僕と結婚して欲しい。
やがて、彼からプロポーズを受けたものの、それは後継者を儲けるための便宜上の結婚だとスーザンは思いこんでしまいました。
男性側の徐々にスーザンの明るさ、聡明さ、優しさに惹きつけられていく過程が丹念に絵が描かれていました。ただ、それがあまりにも丁寧すぎて、二人の心理合戦というか、心の駆け引きだけで話が進んでいって、読んでいる方はもどかしい気になります。
それがこの物語りの良いところなのかしれませんが、話の大部分が二人の駆け引きで終わってしまう辺り、私は早く次に進んで欲しいと思ってしまいました。
結果としてはヒーローがスーザンを心から伴侶として求め愛していることが彼女にも伝わり、良かったです。
後、気になるのがヒロインが患った「子宮内膜症」について。これにかかったからといって、完全に子どもが産めなくなるわけではありません。なので、ラストの「もう子どもが産めない身体」という表現は適切ではないと思います。