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宇宙へ進出した人類に襲いかかったもの、それがマインド・イーター。ビッグ・バンの起こる前の宇宙の残滓であり、人間に対し悪意をもつ、数千の小天体の姿をした鉱物的存在である。M・E(マインド・イーター)は精神を食いちぎり、人間を完全に異質なものに変えてしまう。これをM・E症と呼ぶ。M・Eを破壊するため、連合はハンターと呼ばれるエリートを育成し宇宙へ送りつづけるが、その戦いは絶望的なものだった。そしてハンターがM・Eの顎(あぎと)に倒れると、いかに空間的に離れていようと、ハンターと精神的な結びつきの強い恋人や肉親までがM・E症を発症するのだ。日本SFの里程標的傑作を、シリーズ短篇を全作収録した完全版で贈る。
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Posted by ブクログ
当時歴史ものばかり読んでいた私にSFの面白さを知らしめた一冊。 「前宇宙の残滓」たるマインド・イーター(以下M・E)という鉱物のような得体の知れない小天体とそれが人類にもたらす恐怖を軸に展開される連作短編集。
宇宙艇に搭乗した人間とM・Eのドッグファイトや月面探索、宇宙船の船長とそのコンピュータとの対話など、様々な雰囲気のSFが楽しめる。
かく言う私はいわゆる「ゆとり世代」に属する人間だが、この『マインド・イーター』と神林長平の『戦闘妖精・雪風』の世界観は、幼少より親しんできたファミコンののゼビウス、スターフォース、グラディウスといったSTGの世界観を想起させるものがあり、心が踊る。この手の「人類VS何か」というSF要素を含むものが80年代に集中しているのも興味深い。
Posted by ブクログ
宇宙へ進出した人類に襲い掛かり精神を破壊し、その肉体を異質なものに変化させる鉱物意識体マインド・イーター(M・E)と人類との攻防を基本設定に8話から成る短編は、宇宙と人間、感性と感情、生と死という哲学的テーマを通して、人はなぜフィクションを求めるのか?、SFとは何か?という問いを読者に投げかける。
1980年日本SF小説の全盛期において小松左京、筒井康隆らも盛んに作品の題材に取りあげたテーマ。その≪文系SF小説≫の中においても本書は今なお傑作を謳われる一作であり、30年前の作品とは思えない全く古さを感じさせない文体と構成は見事。
1984年にハヤカワJA文庫で刊行され長い間絶版になっていた本書に未収録の2話を加えた「完全版」。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
宇宙へ出た人類に襲いかかったもの、それがM・E。ひとつ前の宇宙の残滓であり、人間に悪意をもつ、小天体の姿をした存在。精神を食いちぎり人を異質なものに変える。これを破壊せんと連合はハンターを育成し宇宙へ送るが、戦いは絶望的だ。しかもハンターがM・Eの顎に倒れると、精神的に強く結ばれた恋人や肉親までもが変貌するのだ。日本SFの里程標的傑作を完全版で贈る。
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SFマガジン連載時からワクワクしながら読んでいて、1984年にハヤカワ文庫から出たときは夢中で「これは未完の大傑作だ!」と吹聴して回っていた。このたび書籍未収録だった2編を加え、創元SF文庫から[完全版]として復刊された。完全版とはいえ、本書はマインド・イーターと人類との戦いのごく一部の事象を描いただけで、書かれなかった物語の奥行の広さを感じずにはいられない。惜しいことに作者は1989年以降執筆をしていないようなので、[完全版]と標榜しつつも、やはりどうしても未完の大作という感覚がぬぐえない。
マインド・イーター。それは、ビッグバン以前の宇宙の残滓であり、人類に対する憎悪が結晶したものである。彗星と呼ばれる形態で人類に襲いかかり、接触したものを異質な存在に変化させ、被害者と強いつながりがある者の精神を食いちぎる。
マインド・イーターは岩石であり、結晶であり、音楽であり、原初の言語である。
30年近く前に読んだ本を再読したわけだが、自分で驚くほど細部を覚えていた。描かれるシーンや会話が魅力的だったせいだろう。一方、未来社会の描写(通信手段やコンピュータ、新聞、車等)が古めかしく見えてしまうのは、致し方ないところか。
飛浩隆が「日本SFが成し遂げた最高の達成」という惹句を書いているが、「日本SFが到達した“極北”のひとつ」という意味では賛意を表する。これほど絶望的な精神戦も、そうそうあるものではない。
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小説・文芸
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